「UENOYES バルーン DAYS 2018」取材レポート


 
社会包括をイメージしたアートプロジェクト「UENOYES(ウエノイエス)」は、2018年9月28日(金)~30日(日)の3日間、上野恩賜公園を舞台に「UENOYES バルーン DAYS 2018(ウエノイエス バルーンデイズ)」を開催します。
 
「UENOYES」というタイトルの中には、「NO」と「YES」が含まれています。障害のあるなし、また子どもから大人まで、人種や国を超えた様々な人々の「NO」と「YES」すべてを包括していくという意味が込められています。「UENOYES」は年間を通して多彩なプログラムを展開して上野から世界に発信していくというプロジェクトですが、今回の「UENOYES バルーン DAYS 2018」はそのキックオフイベントとして開催されます。
 
初日の28日に実施された報道関係者向けのオープニングガイドツアーに参加しましたので、その様子をレポートいたします。
 



快晴のなかスタートしたガイドツアー。UENOYES総合プロデュ―サーの日比野克彦氏(写真右)がガイドとしてプログラムを紹介してくださいます。文化庁長官の宮田亮平氏(写真左)も参加されました。参加者はそれぞれ小型ラジオ、今回のイベントのモチーフであるバルーンを身に着けます。日比野氏によると、「バルーンはどこかに連れて行ってくれるという象徴であるとともに、バルーンをどこかに連れていくこともできる。そして、このイベントでバルーンを着けたもの同士がすれ違うことで、何か感じるものがあるはず」だそうです。
 

スタチュー写生会

スタチューを囲んでイーゼルに向かう人々。いつもの上野公園では見慣れない風景です。しかも、よく見ると、スタチューが動いています。路上パフォーマーが彫刻に模しています。

 
 
東京藝術大学の在校生や卒業生が講師として参加者にアドバイス。子どもを対象とした午前の部(10:00~12:00)は事前予約が必要ですが、午後の部(13:00~17:00)はどなたでも空いている席でスケッチに参加できます。
 
画用紙、コンテ、イーゼル、画板、椅子は無料で貸し出しをしているので、手ぶらで来てもふらっと立ち寄ることができます。

全身の耳になる、全身の目になる

広場に賑やかな音が響き渡ります。音のアーティスト西原尚氏と画家の藤田龍平氏によるパフォーマンス&ワークショップです。アーティストが目や耳に障害を持つ方と対話を重ね、事前に公募した参加者とともに目や耳、手足や体の使い方を見つめなおすワークショップを実施。バルーンデイズ期間中は、ワークショップの参加者とともにパフォーマンスを披露します。
 
手押し車を大人用に改造したもの。押すと音が出ます。

 
 
海外からきたご家族も興味津々。初めて訪れた上野を楽しんでいらっしゃるようでした。

 
 
こちらの楽器は東日本大震災の際に宮城県の南三陸町の役場で流されたスピーカーで作られています。

 
 
バルーンをつなげたスティックを掲げて公園中を走り、空に絵を描くというパフォーマンス。風の流れによって変化する風景。この瞬間にしか楽しめない絵画です。

FIVE LEGS Factory

広場の一角に設けられたこちらのテントの下では、なんと移動式の屋台が造られています。

 
そもそもFIVE LEGSとは、インドネシアの移動式屋台「KAKI LIMA(カキリマ)」から来ています。インドネシア語の「KAKI」は屋台、「LIMA」とは足という意味。屋台に付属する3つの支点と、それを引く人の足2本を足して、FIVE LEGS。異国の文化を上野という都市の日常として翻訳してゆくという試みのもと、北澤潤氏により3日がかりで「KAKI LIMA」が作成されます。最終日には完成したKAKI LIMAを引いて上野公園中を移動される予定です。

シング・パーク・ハルモニア

綺麗なハーモニーを奏でるのは佐藤公哉氏が率いるアーティストユニット・トーラスヴィレッジを中心とした、参加型合唱パフォーマンス。簡単なメロディーの繰り返しによってハーモニーが作られていきます。イベント当日はその場で配布される楽譜を見ながら、どなたでも飛び入りで参加することができます。

 
 
アーティストの方、事前ワークショップに参加された方がリードしてくださるので、メロディーを真似て口ずさむだけでパフォーマーの一員になることができます。特設ステージはなく、公園内の様々な場所で実施されるようです。どこかでハーモニーが聞こえたら、参加してみてはいかがでしょうか。

プラザ・ユー Plaza・U

少し汗ばむほどの快晴のなか、一歩木陰に足を踏み入れるとひんやりとしてとても気持ち良く感じられます。そんななか地面に寝そべっている方々がいらっしゃいました。

 
 
路上生活経験者からなるダンスグループ「新人Hソケリッサ!」の皆さんです。率いるのはアーティストのアオキ裕キ氏。アオキ氏は2001年、NY留学中にテロと遭遇して以来、「今を生きる身体から生まれる踊り」を追求。日々生きるということに真剣に向き合う路上生活経験者と接触し、ともに肉体表現作品を作り上げていきます。2ヶ月半に渡る噴水前広場での公開稽古を経て、バルーンデイズ中に新作パフォーマンスを披露します。今回はたまたまリラックスしているところを見学させていただきましたが、パフォーマンスでは切れのあるダンスを見せてくださるそうです。
 

東北と上野を結ぶ 星屑屋台

スペイン出身のアーティストであるホセ・マリア・シシリア氏は2011年の東日本大震災発生から今日に至るまで、東北で被災者の方々とアートを通した交流を続けてこられました。

 
 
この「星屑屋台」はシシリア氏の東北での活動を紹介し、その活動に携わった人々や震災を経験した人々とともに震災や作品について語り、また出会いの場を創出するという目的で作られました。紙粘土で3.11のイメージで和菓子を作ったり、被災地の和菓子職人が作った和菓子を提供したりといった活動が行われます。
 
また、上野公園近辺に位置する国立国会図書館国際子ども図書館では、シシリア氏の作品の展覧会「アクシデントという名の国」が2019年2月24日(日)まで開催されます。
 
シシリア氏は近年、音を分析して二次元、三次元に形象化する作品を多く発表していますが、本展では東日本大震災の際の津波の音の轟音を基に制作された作品や、宮城県三陸町で住民に警報を発し続け亡くなった遠藤未希さんの声や、その死から発想した連作「数千年にわたる遠藤未希への想い」などを紹介しています。

きき耳ラジオ

美術家の小山田徹氏がゲストとともに公園内を散歩し、「防災」をテーマに地域の防災や食などに関するトークを展開するプログラム。参加者もラジオを身に着け、園内を一緒に散歩しながら語り合います。

 
 
上野公園は憩いの場として日々多くの人々を惹きつけていますが、敷地内には貯水タンクを有しており、災害時には避難所となります。本プログラムは、避難所としての視点から上野公園を見つめなおし、何が起きるのか、どのように生き延びるのかを語り合あうきっかけを与えてくれるものとなります。


上記でご紹介したプログラムのほかにも、気軽にアート体験に参加できる企画が充実しています。アートを楽しみながらも、震災について、また人とのつながりについて、何らかの気づきが得られるのではないでしょうか。
 

UENOYES バルーン DAYS 2018概要

 

会期 2018年9月28日(金)~30日(日)

時間 10:00~17:00

会場 上野恩賜公園竹の台広場(噴水広場)国立国会図書館国際子ども図書館

参加費 無料

公式ウェブサイト https://uenoyes.ueno-bunka.jp/


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東京国立博物館 特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」

東京国立博物館

東京国立博物館 平成館では、2018年10月2日(火)~12月9日(日)の期間、特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」を開催します。

千本釈迦堂の名で親しまれる京都の大報恩寺(だいほうおんじ)は、鎌倉時代の1220年(承久2年)に、義空(ぎくう)上人が開創した古刹です。人々の協力を得ながら、次第に寺観が整えられ、その後は天皇からお墨付きを得た御願寺として認定され、高い格式を誇りました。

本尊は、快慶の一番弟子、行快(ぎょうかい)が制作した「釈迦如来坐像」で、行快の代表作の一つです。「釈迦如来坐像」に侍り立つのは、あまたの釈迦の弟子から選りすぐられた10人の僧侶の像。この「十大弟子立像」は、快慶の最晩年の作として知られています。またこのほかに、運慶晩年の弟子・肥後定慶(ひごじょうけい)による「六観音菩薩像(ろくかんのんぼさつぞう)」がそろって残されているのも、稀有なことといえるでしょう。

本展覧会では、これらの大報恩寺に伝わる「慶派」の名品の数々が紹介されます。運慶同時代の快慶、そして運慶次世代の名匠による鎌倉彫刻の競演を楽しめます。

展覧会概要

展覧会名 特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」
会 期 2018年10月2日(火)~12月9日(日)
会場 東京国立博物館(台東区上野公園13-9) 平成館 特別第3・4室
開館時間 9:30~17:00
※金曜・土曜日、10月31日(水)、11月1日(木)は21:00まで
※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日
※ただし10月8日(月・祝)は開館、10月9日(火)は休館
観覧料 一般  当日1400円 前売1200円 団体1200円
大学生 当日1000円 前売 800円 団体 800円
高校生 当日 800円 前売 600円 団体 600円
※中学生以下無料
※団体は20名以上
※障がい者とその介護者1名は無料(入館の際に障がい者手帳などを要提示)
※前売券は、2018年10月1日(月)まで、東京国立博物館 正門チケット売場(窓口、開館日のみ)、展覧会公式サイトほか、主要プレイガイドにて販売。
TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル)

展覧会公式サイト https://artexhibition.jp/kaikei-jokei2018/

記事提供:ココシル上野
 
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国立科学博物館 特別展 明治150年記念 「日本を変えた千の技術博」

国立科学博物館

「ミルバーン電気自動車」 所蔵:国立科学博物館

 
国立科学博物館(東京・上野公園)では、2018 年10 月30 日(火)~ 2019 年3 月3 日(日)の期間、特別展 明治150 年記念「日本を変えた千の技術博」を開催します。
 
明治150年を記念した本展では、明治から平成に至るまで、日本を変えた科学技術に焦点を当て、 ストーリーやキーパーソン、製品・部品、文書、写真資料などを一堂に集めて紹介します。 日本の科学技術の歩みを振り返り、その強みや面白さにスポットライトを当てることにより、科学・技術の未来を考えます。

展覧会概要

 

展覧会名 特別展 明治150 年記念「日本を変えた千の技術博」

会 期 2018 年10 月30 日(火)~ 2019 年3 月3 日(日)

開館時間 午前9 時~午後5 時
(金曜日、土曜日、10 月31 日(水)、11 月1 日(木)は午後8 時まで)
※入場は各閉館時刻の30 分前まで

休館日 毎週月曜日、12 月28 日 (金)~ 1 月1 日 (火 ・祝)、1 月15 日 (火)、2 月12 日(火)
(ただし12 月24 日 (月)、1 月14 日 (月)、2 月11 日 (月)、2 月25 日(月)は開館)

会場 国立科学博物館 (東京 ・上野公園)東京都台東区上野公園7-20

入場料 一般・大学生 1,600 円 (1,400 円)
小・中・高校生 600 円 (500 円)
金曜・土曜限定ペア得ナイト券(会場での当日販売のみ)2 名1 組 2,000 円
※表記は税込価格です。
※()内は前売券の金額。前売券の販売は10 月29 日(月)まで。
※本券で本展を観覧した方は、同日に限り常設展(地球館・日本館)も観覧可。
※未就学児無料
※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料。
※ペア得ナイト券は、会場での当日販売のみ、金曜日・土曜日の午後5 時以降、2名様同時入場、最終入場は午後7時30分

公式サイト http://meiji150.exhn.jp/

記事提供:ココシル上野
 
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国立西洋美術館「ルーベンス展-バロックの誕生」

国立西洋美術館


 
国立西洋美術館では、2018年10月16日(火)~2019年1月20日(日)の期間、「ルーベンス展-バロックの誕生」を開催します。
 
ペーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)の名前は、日本ではアニメ「フランダースの犬」によって知られています。主人公のネロ少年が一目見たいと望み続け、最終回にはその前で愛犬パトラッシュとともにこと切れる、聖母大聖堂の祭壇画の作者です。
 
ルーベンスは、バロックと呼ばれる壮麗華美な美術様式が栄えた17世紀ヨーロッパを代表する画家であり、後に「王の画家にして画家の王」と呼ばれたほどの存在でした。彼はバロック美術の中心地だったイタリアで学び、さらにイタリアの若い画家たちに影響を与えました。
 
本展はルーベンスとイタリアとの双方向の影響関係に焦点を当てます。ルーベンスの作品を、古代彫刻や彼に先行する16世紀のイタリアの芸術作品、さらに同時代以降のイタリア・バロックの芸術家たちの作品とともに展示します。
 

開催概要

 

展覧会名 ルーベンス展-バロックの誕生

会期 2018年10月16日(火)〜2019年1月20日(日)

会場 国立西洋美術館
東京都台東区上野公園7-7

開館時間 9時30分〜17時30分
(金曜、土曜は20時まで。ただし11/17は17時30分まで)
※入館は閉館の30分前まで

休館日 月曜日(ただし12/24、1/14は開館)、
12/28〜1/1、1/15

観覧料 一般 1,600円(1,400円)、大学生 1,200円(1,000円)、高校生 800円(600円)
※()内は前売・団体料金
※中学生以下無料

問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)

URL http://www.tbs.co.jp/rubens2018/

記事提供:ココシル上野
 
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上野の森美術館 特別展「フェルメール展」

上野の森美術館


上野の森美術館では2018年10月5日~2019年2月3日の期間、特別展「フェルメール展」が開催されます。
 
世界で最も人気のある画家の一人であるフェルメール。その展覧会が、日本美術展史上、最多となる展示数で開催されます。
 
フェルメールは寡作でも知られ、現存する作品はわずか35点と言われています(諸説あり)。2008年に東京都美術館で開催され、93万人の来場者を記録した「フェルメール展」では、当時の日本史上最多となる7点の作品が展示されました。今回の展覧会では、それを上回る9点の展示を予定しており、その中にはオランダのアムステルダム美術館の「牛乳を注ぐ女」も含まれます。
 

展覧会概要

 

展覧会名 フェルメール展

会 期 2018年10月5日(金)~2019年2月3日(日)
※12月13日(木)は休館。

会場 上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)

開館時間 9:30~20:30(入館は閉館30分前まで、開館・閉館時間が異なる日もあり)

日時指定入場制 待ち時間緩和を目的とし、入場時間を6つの時間帯に分けた前売日時指定券(当日日時指定券料金は+200円)での入場を原則としており、当日日時指定券は前売販売に余裕があった時間枠のみ販売。
一般2500円、大学・高校生1800円、中学・小学生1000円、未就学児は無料。

公式HP https://www.vermeer.jp/

インフォメーションダイアル 0570-008-035(会期前10:00~18:00、会期中9:00~20:00)

記事提供: ココシル上野
 
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