ワクワク!ドキドキ!音楽とSTEAM教育を掛け合わせた体験型イベント「STEAM FESTIVAL」上野恩賜公園竹の台広場(噴水広場)にて6月27日(金)28日(土)の2日間開催!

上野恩賜公園竹の台広場(噴水広場)

~音楽とSTEAM教育を通じて、子供たちの創造力を育む教育イベントです。キッチンカーの出店やアーティスト公演なども実施~

公益社団法人東京青年会議所台東区委員会は、創造力を育みSTEAM教育を広めるため、上野恩賜公園竹の台広場(噴水広場)にて6月27日(金)28日(土)の2日間、音楽やプログラミングなどを通じてSTEAM教育に触れ合える、体験型イベントを開催します。

6月27日(金)は前日告知企画として、アイドルSAKURADOLLのライブを開催、28日(土)はアーティストによるオープニングライブ、シンガーソングライター遠坂めぐによるフリーライブ&サイン会&特典会、また台東区の小学生を対象とした、各種STEAM体験及び楽曲制作体験を開催します。
さらに2日間にわたり、キッチンカーが35店舗が集まる、子供も大人も楽しめる企画となっています。

 

【楽曲制作体験・STEAM体験・来場者特典のご案内】
各STEAM体験会に参加後、アンケートにお答えいただいたお子様には花やしきの入場チケットをプレゼント!
・楽曲制作体験(事前申し込み制):全員にプレゼント
・ロボットワークショップ、発明アイディアワークショップ(自由参加):先着180名様にプレゼント
また会場内に貼られているQRコードからアンケートにお答えいただいた来場者の方には、抽選で1,000名様に株式会社湖池屋さんのお菓子をプレゼント!

 

事業概要

イベント名 STEAM FESTIVAL~音と色でつなぐ未来のワークショップ~
日時 2025年6月27日(金) 11:00~20:00
2025年6月28日(土) 10:00~18:00
開催場所 上野恩賜公園竹の台広場(噴水広場)
東京都台東区上野公園
アーティスト
(詳細は下記にて)
■SAKURADOLL
■遠坂めぐ
■PALM
■金田すなほ
■結城亜美
参加費 無料
主催 公益社団法人東京青年会議所台東区委員会
後援団体 台東区、台東区教育委員会、東京商工会議所台東支部
協力団体 UUUM株式会社、株式会社ジーエムピー、株式会社STAR SEARCH LABEL、台東区立小学校PTA連合会、東洋大学Bbooth (50音順)
協賛企業 いちかわ興産株式会社、株式会社eNMUSUBi、株式会社オーテクノコーポレーション、株式会社Ogatomo、関東キタック販売株式会社、現役を応援する会一同、株式会社湖池屋、株式会社三善堂、在日本朝鮮青年商工会、株式会社シー・アイ・シー、株式会社CU、株式会社城北通信サービス、株式会社ときわ、株式会社No.1パートナー、農道楽、株式会社花やしき、株式会社フィスイノベーション、株式会社藤田建装、プライムファイナンシャルパートナーズ株式会社、株式会社ボンズトラスト、ユニプラス株式会社 (50音順)

タイムスケジュール

●6月27日(金)11:00~20:00

時間 コンテンツ
11:00~ キッチンカーエリアオープン
べらぼう江戸たいとう大河ドラマ館PR
18:30~ SAKURADOLL アーティストライブ公演
※SAKURADOLLのライブ公演時間については変更になる可能性があります。

●6月28日(土)10:00~18:00

時間 コンテンツ
10:00~ キッチンカーエリアオープン
金田すなほ 結城亜美オープニングライブ、総合司会
10:30~
10:30〜13:25
ロボットワークショップ
PALM 楽曲制作体験
14:00〜15:25 遠坂めぐ 楽曲制作講座
16:30~ 遠坂めぐ フリーライブ&サイン会&特典会

アーティスト紹介

SAKURADOLL

「Made in Japan to the world」をテーマに日本のアイドル文化の新たな風を世界に吹き込みSAKURADOLLの音楽とパフォーマンスで世界中に満開の桜を咲かせる。日本が誇る世界のアニメから、世界のアイドルへ情熱と輝きでエンターテイメントの新たな歴史を築きグローバルステージで日本の魅力を伝えていくことを目指している。

遠坂めぐ

ショート動画界におけるNo.1人気音楽系クリエイター/シンガーソングライター。 2022年2月末に投稿した「切れてるバターにキレてます!」がTikTok・YouTube Shortsでバズったことをきっかけに、日常での些細なストレスを軽快なリズムに乗せて歌う「キレてます!」シリーズがSNS累計再生6億回を超える大ヒット。 その功績が認められ同年末には、1年間で最も活躍した音楽クリエイターに贈られる「TikTok Awards 2022 Music部門大賞」受賞。 2023年夏にリリースした「もうすぐ花火はじまるよ」は人気インフルエンサーたちとのコラボ企画の影響力もあり累計1億回再生を超えるロングヒットを記録。 2024年1月にリリースした「明日君に会えるせいだ」はSNS関連動画再生数1.5億回超え、YouTube Shorts楽曲使用ランキングでウィークリー7位/デイリー最高3位を記録。 2024年12月にリリースした「赤点だらけの毎日でも」は、公開からわずか1ヶ月でMVが100万回再生突破・ショート動画での音源使用件数が1万件を超えハイスピードで楽曲が拡散されるなど、SNSを活用したセルフプロデュースで注目を集めている。 活躍はSNSのみに留まらず、数々のTV番組やラジオ番組にも出演。 ピアノの演奏技術も高く評価されており、フジテレビ系列「芸能界特技王決定戦TEPPEN ~ピアノ部門~」に3度出演。 アンタッチャブル山崎弘也のレギュラーラジオ番組・NACK5「エネクルpresentsまいにちザキヤマ」に準レギュラーとして出演中。 耳に溶け込んでいく声、一度聴いたら耳から離れないキャッチーな歌詞、日本人に馴染みやすいメロディを得意とするシンガーソングライター。

PALM

中学時代、姉の影響でクラブミュージックと出会い、アーティスト活動をスタート。同時に兄の影響でベースを手にし、高校時代にはアーティスト活動を本格的に展開。自身が主催するパーティやライブイベントの企画にも積極的に取り組み、アーティストとしての基盤を築く。その後、インターネットレーベルへの関心からDTMを始め、新潟のクラブ「プラネット」や「Yellow Pigs」を拠点にサブカルチャーイベントのアーティストとして活動。Okadadaやi-depといった著名アーティストとの共演を果たし、その実力を広く認知される。大学入学を機に作曲活動を本格化し、多彩なアーティストと共演。現在は音楽家として活動している。これまでにシングル6曲をリリースし、そのミュージックビデオはYouTubeで公開中。独自のスタイルでシーンに新しい風を吹き込んでいる。

金田すなほ

ミュージカルに憧れ、10歳より芸能界入り。歌やお芝居の勉強を始め、2015年より本格的にヴォーカルレッスンを開始。 2018年、アイドルグループ「すぴりたんと」でデビュー。2020年からは「Jewel☆Ciel」として活動し、4thシングル『僕らは』がオリコンデイリーランキング6位を獲得。2021年には「gran☆ciel」へ改名し、『Message!』でオリコンデイリーランキング1位を記録した。 2022年4月よりソロ活動をスタート。 2023年12月にはシングル『夢が叶うまで』をリリース。持ち前の明るさ、透明感のある歌声と確かな歌唱力を活かし、舞台・CM・YouTubeなど多方面で精力的に活動中。

結城亜美

幼少期から音楽に親しみ、エレクトーン歴25年。ポピュラーソングからジャズまで様々な楽曲を演奏し、最近ではキーター奏者としても活躍の幅を広げている。 カメラマンとして活躍している反面、自身もモデルとして写真集を出したり、司会業をしたりできるマルチタレント。

 

実施背景

昨今変化が激しい現代社会において、創造力課題解決力協調性などを育み、複雑な課題に対応できる人財育成が求められています。
そこで今回は、楽曲制作体験ライブ公演に加え、プログラミング発明を考えるワークショップなどのSTEAM教育を掛け合わせた体験イベントを開催。
参加者がさまざまな課題を見つけ、クリエイティブな発想で解決していくための手段を身につけられるきっかけを促す企画です。

STEAM教育とは、Science(科学)STechnoligy(技術)TEngineering(工学)EArt(芸術)AMathematics(数学)Mの頭文字を組み合わせた、5つの分野を横断的に学ぶ教育のことです。
一般的にSTEAM教育を学べる体験会は屋内で実施されることが多く、来場者数が限られることがあります。
そのため今回は、より多くの方がSTEAM教育に触れられる機会を提供できるよう、アクセスの良い上野恩賜公園竹の台広場(噴水広場)で実施する運びとなりました。

楽曲制作体験では、講師にアーティストのPALM氏人気YouTuberの遠坂めぐ氏を招き、iPadで制作の考え方や楽しさを学べます。
また発明アイディアワークショップでは、どういうものが世の中の役に立つ発明かを考える、創造力を育む力を促します。
そのほか、各アーティストによるライブ公演や、多くのキッチンカーも用意。
音楽STEAM教育体験会だけでなく、誰でも気軽に楽しめる無料イベントとなっています。

主催団体紹介

主催団体紹介 私たち公益社団法人東京青年会議所(略称「東京JC」以下本文中では、「東京青年会議所」と呼称) は1949年(昭和24年)、戦争の傷跡が街にも人々の心にも深く残る中、「新日本の再建は青年の仕事 である」という志を同じにする青年達によって築き上げられました。
以来、東京青年会議所は「明るい豊かな社会の実現」という理念を掲げ、様々な活動‧運動を行ってき ました。
また東京青年会議所は、人種、国籍、性別、職業および宗教の別なく、自由な個々の意志によ り入会したメンバーで構成されています。
日本の青年会議所は活動の基本を「個人の修練」、「社会への奉仕」、「世界との友情」におき、会員 相互の啓発と交流をはかり、公共心を養いながら地域との協働により社会の発展に貢献するために活動 し、社会的課題に積極的に取り組んでいます。
青年会議所におけるさまざまな実践トレーニングを経験した活動分野は幅広く、40歳をむかえ卒業し た卒業生を含め、地域のリーダーとして活躍するばかりではなく、政財界へも多くの人材を輩出してい ます。

 
問い合わせ先
〒101-0054
東京都千代田区神田錦町3-1 オームビル新館8階
TEL:03-6285-1515(事務局)
FAX:03-6285-1516(事務局)
公益社団法人東京青年会議所
台東区委員会 担当者 金子晃大
メールアドレス:akhrknk@gmail.com

【公益社団法人東京青年会議所】プレスリリースより

 

記事提供:ココシル上野


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「五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」(上野の森美術館)取材レポート。浮世絵の頂点を極めたスターたちの代表作が多数

上野の森美術館

浮世絵黄金期を彩った5大スターの傑作が一堂に会する「五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」が、上野の森美術館(東京・上野)で開幕しました。会期は2025年7月6日(日)まで。

先立って行われた報道内覧会のギャラリートークでは、本展の図録執筆者である川崎浮世絵ギャラリー学芸員の山本野理子さんが登壇。見どころを解説していただきましたので、展示の様子と合わせて紹介します。

展示風景

天明・寛政期に黄金期を迎えた、日本が誇る大衆美術である「浮世絵」で名を馳せた5人の絵師、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳。本展は、美人画、役者絵、風景画など、各分野で頂点を極めた彼らの代表作を中心に約140点の作品を展示し、その表現の特色と魅力を伝えるものです。

第1章「喜多川歌麿―物想う女性たち」

展示は絵師一人ずつに焦点を当てた5章構成となっており、まず登場するのは喜多川歌麿です。

喜多川歌麿《両国橋上橋下納涼之図(橋下の図)》寛政後期(1795-1800)頃

歌麿は、現在NHKで放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」でも活躍している、江戸きっての名物プロデューサー・蔦重(蔦屋重三郎)が見出した絵師として知られています。

蔦重と組み、当時役者絵で用いられていた人物の上半身にクローズアップする「大首絵」のスタイルを美人画にも導入。艶やかな女性のしぐさや想いを写した作品で一世を風靡した、美人画の第一人者です。

喜多川歌麿《五人美人愛敬競 兵庫屋花妻》寛政7-8年(1795-96)頃

展示では、着飾った艶姿より、ほつれ髪で手紙を読む遊女のオフショットを捉えた《五人美人愛敬競 兵庫屋花妻》など、日常の様子を描いた美人画が目立ちます。

女性に対する教訓を記した「教訓親の目鑑」シリーズでは、だらしない格好で酒を呷る「ばくれん」(すれっからしの女性)が登場。美人画では、庶民の憧れだった才色兼備の遊女や町で評判の看板娘といった当世の美人が描かれがちですが、歌麿はこのように、ある意味で正反対の属性の女性も区別なくモデルにしました。

喜多川歌麿《教訓親の目鑑 俗二云 ばくれん》享和2年(1802)頃

山本さんは「歌麿の美人画は、よく理想的な女性像だと表現されることが多いのですが、実はこうした悪女風の女性も得意なんです」とコメント。

家庭で遊ぶ弟を微笑ましそうに見守る姉、海岸で休息する海女、子に乳をのませる山姥など、歌麿はあらゆる女性の生態や風俗に関心を向け、それを網羅するかのように題材にしてきました。そうした多様な女性の魅力を、指先一つに至るまで背景のストーリーを想像させるような豊かな表現力で提示している点が、歌麿作品の大きな特長となっていると話しました。

喜多川歌麿《風流子寶合 大からくり》享和2年(1802)頃

ちなみに、先述の《五人美人愛敬競 兵庫屋花妻》に描かれた手紙には、「ひとまねきらい、しきうつしなし、自力画師哥麿」から始まる、歌麿の美人画絵師としての確固たる自負を窺わせる文章も見られます。崩し字が読める方はぜひ注目してください。

第2章「東洲斎写楽―役者絵の衝撃」

続く東洲斎写楽もまた、歌麿同様に蔦重に見出され、浮世絵の黄金期を彩った絵師の一人。寛政6(1794)年5月から翌年の1月までの10ヶ月間に約145点の錦絵を残したものの、その後忽然と表舞台から姿を消したため、経歴がほとんど明らかになっていないミステリアスな人物です。

個性的でインパクトの強い役者大首絵を数多く手掛けており、その作画期は取材した芝居の上演時期によって4期に分けられ、作風や仕様がきれいに分類できることが特徴です。本展に展示される写楽作品の半分以上は、とくに人気の高い第1期の大首絵で、これだけの点数が一同に揃うのはたいへんに希少な機会とのこと。

手前は東洲斎写楽《二代目嵐龍蔵の金貸石部金吉》寛政6年(1794)

山本さんが写楽作品の魅力の分かりやすい作例として挙げたのは、第1期作の《二代目嵐龍蔵の金貸石部金吉》です。

二代目嵐龍蔵は悪役を得意とした役者で、本図で描かれているのは金貸しの役どころ。袖をたくし上げて見得を切る役者の目の動き、力を込めた指の一本一本、真一文字に引いた口元にできたシワなど、鋭い観察眼による独特の写実表現に着目し、「ズームできるカメラも望遠鏡もない時代に、よくここまでというくらい細部まで描く。役者の演技の一瞬を正確に捉えようとしたのが写楽です」と述べました。

東洲斎写楽《尾上松助の松下造酒之進》寛政6年(1794)

《尾上松助の松下造酒之進》では、落ちぶれた浪人の伸びた月代に乱れた髪、うつろで落ちくぼんだ目の描写が際立っています。全体を暗い色彩でまとめることで、貧窮に陥った寂寥感を表現しているだけでなく、まるでまもなく殺されてしまう悲壮な運命をも描き出そうとしたかのようです。

東洲斎写楽《中山富三郎の宮城野》寛政6年(1794)

当時、他の絵師たちは役者を美化していましたが、写楽はたとえ女形であっても男らしい骨格をそのまま描くなど、美しさよりもリアリティや間近で舞台を望むような臨場感を重視していました。迫真の画面からは他の役者絵にはないエネルギーが伝わってきますが、あまりに真を極めようとする姿勢は、当時の役者本人やファンからの不評を買い、活動期が短命に終わった原因と言われています。

左から東洲斎写楽《大童山土俵入り 谷風、雷電、花頂山、達ヶ関、宮城野》、《大童山土俵入り 大童山文五郎》寛政6年(1794)

第3章「葛飾北斎―怒涛のブルー」

3人目は葛飾北斎(宝暦10~嘉永2年・1760~1849)です。19世紀後半に起こったジャポニズムでその名がヨーロッパ中に広まり、近年アメリカの写真情報誌『LIFE』が特集した「この1000年で最も重要な功績を残した世界の著名人100人」のアンケートでも日本人で唯一選出されるなど、世界で最も有名な日本人画家と評しても過言ではないでしょう。

葛飾北斎《仮名手本忠臣蔵 十段目》文化3年(1806)頃

北斎は90年に及ぶ生涯で、版本挿絵はもちろん、錦絵、摺物、肉筆画などあらゆる分野の仕事に着手し、風景・花鳥・人物に留まらない森羅万象を描き続けました。絵の総数は4,000図ともいわれる北斎の代表的な絵手本『北斎漫画』の尋常ではないデッサン力を見るだけでも、70年以上を画業三昧に励み、ついには「画狂老人卍」を名乗るに至ったその画歴の凄みが伝わってくるはずです。

葛飾北斎『北斎漫画』初~14編、文政11-明治11年(1828-78)

誰もが知る、富士をさまざまな視点で捉えた「冨嶽三十六景」シリーズを発表したのは70歳代の老境に入ってからですが、その前後を展示作品で概観すると、色彩が深く、豊かに変化していることがわかります。絵具の変化も理由でしょうが、何歳になろうと尽きない、北斎の探求心と向上心を感じさせるこうした変化も見どころです。

葛飾北斎《冨嶽三十六景 山下白雨》天保2年(1831)頃

中でも傑作とされる《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》は、遠景に富士の山容を構える海原で、狂ったように高く上がる波の飛沫が飛ぶ一瞬の様子を、大胆な構図で捉えています。

葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》天保2年(1831)頃

山本さんは本図を例に出し、北斎作品の魅力の一つとして「視覚のトリック」を挙げました。

「北斎は、視線を誘導する効果をあえて作品に入れていると指摘されています。人々はこの絵を見たとき、まずは荒々しくせり上がった波に視線が向かうと思います。手前の波は三角形をしていて、よく見ると遠くの富士山と対になっているという呼応関係にあります。手前の三角から遠くの三角へ、鑑賞者の視点が自然に誘導されるように工夫されているんです」

葛飾北斎《冨嶽三十六景 五百らかん寺さざゐどう》天保2年(1831)頃

同様に、視線誘導の意図がわかりやすいのは《冨嶽三十六景 五百らかん寺さざゐどう》で、堂上の床板、屋根、欄干、そして参詣客の指先まで、さまざまな描線が奥にそびえる富士に集まっています。西洋の透視図法(遠近法)を得意としていた北斎の、幾何学的な構成力の巧みさが本図からも感じられるでしょう。

葛飾北斎《諸国名橋奇覧 三河の八つ橋の古図》天保4-5年(1833-34)頃
葛飾北斎《百物語 笑ひはんにや》天保2-3年(1831-32)頃

第4章「歌川広重―雨・月・雪の江戸」

続く歌川広重(寛政9~安政5年・1797~1858)は、デビュー当初こそ美人画や役者絵を中心に制作していましたが、出世作の「東海道五拾三次之内」シリーズで風景画の絵師としての地位を確固たるものにしました。

歌川広重《東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景》天保4-5年(1833-34)頃

同シリーズは、江戸と上方を結ぶ東海道に設置された53の宿場に、日本橋と京都三条大橋を加えた55の風景を描いたもの。十返舎一九著の『東海道中膝栗毛』が起こした旅行ブームのあおりを受けて爆発的にヒットしました。風景画の名手として対比されることの多い北斎の「冨嶽三十六景」シリーズと、ほぼ同時期に発表されている点にも注目です。

歌川広重《東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪》天保4-5年(1833-34)頃

広重の風景画について、山本さんは次のように話します。

「風景画ではありますが、土着の人々や旅人、旅行の風俗、風情といったものも描かれていて、それが情趣感みたいなものを作り出しています。ただの風景画でもないし、ただの人物画でもない、ただの自然でもなくて、ただの人々の暮らしでもない。それらが一体となっているというところが広重の作品の良さです」

広重と北斎は、ともに無類の旅行好きだったといいます。自然や風土、そしてそこに生きる人々のもつ情趣を存分に生かした広重と、目に映る物の造形性を大胆に誇張した北斎。その眼差しや方向性の違いを比べてみるもの面白いでしょう。

歌川広重《月二拾八景之内 弓張月》天保3年(1832)頃
歌川広重《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》安政4年(1857)

また、広重は各地の名所を描いた「名所絵」も得意としており、晩年の傑作と名高い「名所江戸百景」シリーズでは、風景画として異質な縦画面にも挑戦しています。

特に目を見張るのは《名所江戸百景 亀戸梅屋舗》で、近景に極端に拡大して描かれた梅の木の枝、その隙間に梅屋敷の全体的な景色を捉えることで、縦画面でも十分な遠近感を出しています。こうした構図は近像型構図と呼ばれ、晩年の広重が好んで用いていました。

歌川広重《名所江戸百景 亀戸梅屋舗》安政4年(1857)

このように広重作品は、旅人と同じ目線をとったり、鳥のように遥か高みから見下ろしたり、崖の険しさを表現するためにごつごつした岩肌をあえて画面中央に配したりと、作品ごとで構図に緩急をつけていることも大きな特長です。まるでドローン撮影したかのように想像を巡らせて描かれた縦横無尽な空間表現は、鑑賞者を飽きさせません。

第5章「歌川国芳―ヒーローとスペクタクル」

第5章は、歌川広重と同い年で幕末・明治期に活躍した歌川国芳(寛政9~文久元年・1797~1861)を特集。これまでと展示作品の雰囲気がガラリと変わり、スペクタクルな大活劇の様相を呈しています。

国芳は豪快な筆さばきによる躍動的な画面に、ダイナミックな人物描写と美しい色彩を織り交ぜた「通俗水滸伝」シリーズでブレイク。日本の英雄やヒーローを数多く手掛け、奇想天外で心躍る発想の武者絵や、反逆・諧謔精神あふれる風刺画で新境地を拓きました。

歌川国芳《通俗水滸伝豪傑百八人之壱人 浪裡白跳張順》文政末年(1827-29)頃

《通俗水滸伝豪傑百八人之壱人 浪裡白跳張順》はシリーズの中でも傑作と名高く、水軍の頭領である張順が敵の罠にかかり、無数の矢を浴びて壮絶な最期を迎える場面を描いたもの。睨みを利かせる表情、逆立つ髪の一本一本の描写が、死を覚悟した者の凄みを感じさせます。

なお、本作同様、国芳は作品の中で人物にたびたび派手な彫り物(刺青)を施していますが、それらがあまりに見事であったため、江戸では彫り物ブームが巻き起こったとか。

歌川国芳《小子部栖軽豊浦里捕雷》天保7-8年(1836-37) 頃

紙の継ぎ目を跨いだ巨大なドクロが印象的な《相馬の古内裏》は、山東京伝の読本(江戸で流行した挿絵付きの長編小説)に取材した作品。特徴的なワイドスクリーン(続き物を一つの大画面として扱う構図)の三枚続は国芳が得意とした手法です。

手前は歌川国芳《相馬の古内裏》 弘化年間 (1844-48) 頃

廃墟となった平将門の内裏の跡に、異類異形のものが出現している様子を描いていますが、読本の挿絵では小さいドクロが無数に出てくる図だったものを、独自の解釈で一つの巨大なドクロに変更。さらに三枚続で迫力を持たせている点に、国芳らしいクリエイティビティの一端が垣間見られます。

歌川国芳《酒田公時 碓井貞光 源次綱と妖怪》文久元年(1861)

活劇的な武者絵を得意とする国芳といっても、壮大なシーンばかりではありません。たとえば《酒田公時 碓井貞光 源次綱と妖怪》は、源頼光四天王らが悪事を企む妖怪たちと囲碁に興じている場面を描いたもの。難なく抑え込まれた哀れな妖怪たちと、厳めしくも何事もなかったかのような表情で囲碁を指す武士たちのユーモラスな対比にクスリと笑いがこぼれます。

《名誉 右に無敵左り甚五郎》は、江戸に名高い彫物師・甚五郎と彼を囲む彫刻作品を描いたもの。しかし、地獄変相図のどてら、芳桐印の座布団、傍らに侍らせている猫などのトレードマークが散らばっていることから、実は甚五郎に見立てた国芳本人が登場していることがわかります。

手前は歌川国芳《名誉 右に無敵左り甚五郎》嘉永元年(1848) 頃

さらに、周囲の仁王や関羽などの彫刻も、顔は役者の似顔絵風になっていると山本さんは指摘します。

「天保の改革で娯楽産業の取り締まりがあり、浮世絵師たちは役者絵や美人画を描くことを禁じられました。ですが、絵師たちはあの手この手を尽くして作品を制作し、特に国芳は非常に反骨精神が強い人だったので、改革が緩んだ後もこうして幕府をおちょくるかのように役者に似せた仏像を描いて、自分たちはこんなこともできるんだぞと見せつけました。庶民のための絵を描く庶民でありながら、こうして権力に抗う。それが国芳という絵師です」


「五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」の開催は、2025年7月6日(日)まで。本展のキャッチコピーのひとつは「あなたの推しをさがせ!」となっています。浮世絵に詳しくない方も、ぜひ本展で浮世絵の頂点を極めた5大スターたちの傑作に触れ、お気に入りの絵師を見つけてみてください。

「五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」概要

会期 2025年5月27日(火)~ 7月6日(日) ※休館日なし
開館時間 10:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
会場 上野の森美術館(〒110-0007 東京都台東区上野公園1-2)
チケット 詳細は公式ページをご覧ください。
主催 上野の森美術館 / フジテレビジョン
お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル、全日/9:00~20:00)
展覧会公式サイト https://www.5ukiyoeshi.jp/

※記事の内容は取材時点のものです。最新情報は展覧会公式サイト等でご確認ください。

 

記事提供:ココシル上野


その他のレポートを見る

「大佛師 松本明慶工房 仏像彫刻展 ~運慶の流れをくむ心と技~」

松坂屋上野店

2025年6月4日(水)→6月10日(火)10時~18時30分 ※最終日は17時閉場(入場は閉場の30分前まで)/松坂屋上野店 6階催事場 ※入場無料

松坂屋上野店では6/4(水)~10(火)、6階催事場にて「大佛師 松本明慶工房 仏像彫刻展」を初開催いたします。運慶・快慶の流れをくむ佛師であり、「現代の大佛師」と呼ばれる松本明慶氏が造りあげた、息をのむほど精緻を極めた魂宿る木彫り仏像三百余体を一堂に集め、展示・販売いたします。

松本明慶氏

大佛師 松本明慶
1945年京都生まれ。1962年の17歳から佛師を志して63年。現在は京都大原野において、日々みほとけのお姿を彫り続け、艱難辛苦をかかえた現代を生きる人々の光明となれと打ち込まれています。また、2024年大本山増上寺の開宗850年御忌大会において徳川家康公像及び厨子制作安置など、ますますご活躍されています。

 

作品の一例

毘沙門天
(楠/截金/7寸/総高42.0cm)

毘沙門天(楠/截金/7寸/総高42.0cm)

 

普賢菩薩
(楠/截金/半跏3寸/総高34.0cm)

普賢菩薩(楠/截金/半跏3寸/34.0cm)

 

大黒天 (ねずみ付)
(楠/3寸2分/総高20.0cm)

大黒天 (ねずみ付)(楠/3寸2分/総高20.0cm)

 

十一面千手観音菩薩
(白檀/座2寸5分/総高27.0cm)

十一面千手観音菩薩(白檀/座2寸5分/総高27.0cm)

 

白衣観音菩薩
(桧葉/彩色/6寸/総高37.0cm)

白衣観音菩薩(桧葉/彩色/6寸/総高37.0cm)

 

[浄土宗] 阿弥陀如来
(楠/5寸/総高30.0cm)

[浄土宗] 阿弥陀如来(楠/5寸/総高30.0cm)

 

不動明王
(沈香/プラチナ截金/2寸5分/総高13.0cm)

不動明王(沈香/プラチナ截金/2寸5分/総高13.0cm)

 

鬼 (魂)
(桜/2寸5分/総高23.0cm)

鬼 (魂)(桜/2寸5分/総高23.0cm)

 

童観音 (カエル付)
(白檀/1寸1分/総高12.0cm)

童観音 (カエル付)(白檀/1寸1分/総高12.0cm)

 

香合仏
香合とはお香を入れる器で、その内側に御仏が刻み込まれたもの。生まれ年の干支に因んだ守護仏や信仰している仏様など、小さくて携帯に便利な香合仏は、お守りとしてお持ちいただけます。

香合仏 普賢菩薩
(白檀/截金/直径6.0cm)

香合仏 普賢菩薩(白檀/截金/直径6.0cm)

 

香合仏 大日如来
(白檀/截金/直径6.0cm)

香合仏 大日如来(白檀/截金/直径6.0cm)

 

※期間中、松本明慶工房スタッフが常駐し、展示品のほか、特別注文も承ります。
※古い仏像の修理、修復のお見積もりやご相談を無料にて承ります。


大佛師 松本明慶工房 仏像彫刻展 ~運慶の流れをくむ心と技~
会   期: 2025年6月4日(水)→10日(火)
会   場: 松坂屋上野店 6階催事場  入場料:無料
営 業 時 間: 10時~18時30分 ※最終日は17時閉場 ※入場は閉場の30分前まで
特設ページ: https://www.matsuzakaya.co.jp/ueno/topics/250604_matsumotomyokei.html

 

 

【株式会社大丸松坂屋百貨店】プレスリリースより

記事提供:ココシル上野


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【上野の森美術館】「生誕100年 朝倉響子展」取材レポート。洗練された女性像を中心に選りすぐりの12点を紹介

上野の森美術館
《リサ》1994年、ブロンズ

現代具象彫刻を代表する芸術家・朝倉響子(1925-2016)の生誕100年を記念した個展「生誕100年 朝倉響子展」が、2025年5月11日(日)から 5月21日(水) までの期間、上野の森美術館ギャラリーで開催されました。入場無料。


朝倉響子は、明治から昭和にかけて日本の彫刻界をけん引し、優れた自然主義的写実表現で知られる彫刻家・朝倉文夫の次女。

父が主宰する朝倉彫塑塾で彫刻を学び、1942年に第5回新文展で初入選を果たします。日展で特選を重ね、1952年には26歳の若さで最年少かつ初の女性審査員となるも、男性社会やさまざまなしがらみから決別するように日展を脱退。その後は自由な立場から、洗練された都会的な女性像を数多く生み出し、自身の様式を確立します。晩年まで第一線で精力的に活動し、2016年に90歳でこの世を去りました。

本展は、没後に遺族から台東区に寄贈された作品群の中から選りすぐりの12点、主に1970年以降にブロンズで制作された作品を紹介。朝倉響子の生誕100年という節目にあたり、作家の魅力をあらためて知ってもらおうと企画されたものです。なお、上野の森美術館ギャラリーは、生前の朝倉響子が最後に個展を開催した会場でもあります。

エントランスで来場者を出迎えた《アリサ》2005年、ブロンズ
展示風景

本展を案内してくださった朝倉彫塑館(※)の主任研究員・戸張泰子さんによると、朝倉響子は作品のモデルに並々ならぬこだわりを持っていたそうで、ときには選定に数年かけたこともあったとか。眼鏡にかなった人物の多くは外国人やハーフの若い女性で、小顔で手足が長い、スタイリッシュな体型をしているのが特徴です。

(※)…朝倉文夫が台東区谷中に構えたアトリエ兼住居であり、朝倉響子もそこで父から彫刻の基礎を学びました。現在は美術館として一般公開されています。

《ツキー》1977年、ブロンズ

精悍な顔立ちに引き込まれる《ツキー》は、シリーズで3点を展示。全身像の1点はダンスをしているのか、不思議な姿勢をとり、その研ぎ澄まされたプロポーションの美しさを遺憾なく伝えています。躍動感のある独特の構えに見られる、張りつめた下半身と弛緩する両腕という対称的な筋肉の表現や、つま先立ちを叶えるバランス感覚などに、彫刻家の確かな技量が感じられます。

手前は《ツキー》1978年、ブロンズ

大きな帽子を目深に被ったエレガントな《帽子》は、朝倉響子が特に気に入っていたと思われる作品のひとつ。正面からは表情が窺えませんが、胸のあたりで開かれた美しい手の表情が作品へ魅力的に華を添えており、鑑賞する目線の高さや角度を変えると印象も多彩に変化します。

《帽子》1976年、ブロンズ

戸張さんによれば、おおよそ本作以降、こうした手の表現が朝倉響子作品のアクセントになっていったのではないかとのこと。

「彫刻家の佐藤忠良は“確かに手という奴は、目立ちたがり屋で、こっちがちょっと気を許すと、一人歩きのおしゃべりをして俗な彫刻になってしまうのである。”と書いています。しかしながら、《帽子》などに見られる手の表現を効果的に用いた響子作品においては、作品に対峙する私たちと対話するような時間と空間を生みだしているように感じます」

手前は《クリスティン》2000年、ブロンズ

会場でひときわ目を引いたのは、朝倉響子作品には珍しい男性像であり、歌手の布施明氏をモデルにした《F》(後に《憩う》に改題)です。忙しく活動する青年歌手が少しの空き時間にテラスで休憩している姿をイメージした作品で、1979年に第7回長野市野外彫刻賞を受賞。黒い台から足の一部がはみ出しているのは、リラックスしている心のイメージを示そうとした彫刻家の意図であるとのこと。

《F(憩う)》1978年、ブロンズ

余談ですが、朝倉響子作品は日本全国のパブリック・スペースに数多く点在し、本作も長野県長野市の城山公園に設置されています。《憩う》というタイトルがピッタリの緑広がるのどかなロケーションで、石の台座から地面につま先を伸ばし、まるでピクニック中であるかのようにのびのびとくつろぐ姿は、鑑賞者の精神にも余裕を与えてくれそうです。

《リサ》1994年、ブロンズ

会場の一番奥には、本展のメインビジュアルにも選ばれた《リサ》が展示されていました。女性の自然な立ち姿を彫刻作品に昇華したもので、その特長は360度、どの角度から見ても“隙がない”ことだと話す戸張さん。

「多くの場合、作品に正面があるといいますか、作品と対峙すると、彫刻家が見せたいのはこの面だな、というのがあります。響子先生の場合は、作品をどの角度から見てもポーズが決まっている。人間にもあるような隙が響子作品にはないんです。それに気づかせてくれるのが本作です。彫刻というものが響子先生にとってどのような存在なのか、その答えのひとつが提示されている作品なのかなと考えています」

《リサ》1994年、ブロンズ

また、戸張さんは本作の足元にも注目してほしいと話しました。

足2本で立たせて彫刻を成立させることは、実はかなり技量が必要なのだそうです。よく、足元の地面まで作品と一体化した彫刻作品を目にすることがあるかと思います。あれは“地余(じあま)”といって、作品の重心を調整する重りのような役割も果たします。

「ある彫刻家の話では、“地余”を設けるとバランスが調整しやすいらしいのですが、本作にはそれがない。難しいことをさらりとやってのけているのが響子先生のすごいところですね。本作は粘土で作った原型から石膏で型を取り、ブロンズを流し込んで仕上げています。人間と同じように立たせ、粘土でかたちやバランスをとって完成に至るためには、人体研究が不可欠です。そうした過程を想像すると、スタイリッシュな響子作品は、観察眼と卓越した技術力の上に成り立っていることがわかると思います」

作品全体を見渡すと、それなりに制作から年代が経過していますが、まったく女性像に古さを感じないことに驚きます。正しく芸術作品として永遠性を獲得するに至った理由の一つには、肉体美を生かしながらシンプルにまとめられたファッションを挙げてもいいでしょう。ジーンズのポケットに指を入れ、凛とした表情を浮かべつつも、かっこつけ過ぎてはいない。自然体で自由な女性像は、まだまだ男性中心だった芸術界で、父の庇護から離れて奮闘した朝倉響子の姿と重なるようにも感じます。

数が少ないという抽象彫刻も出展されていました。《原題不明》制作年不詳、FRP

最後に戸張さんは、朝倉響子作品の魅力について次のような見解を示しました。

「朝倉文夫先生の作品は高い位置に設置されがちで、見上げて鑑賞する作品が多いです。反対に、響子先生の作品は見る者と同じ高さに設置されることが多いですね。空間と作品が一体化して、そこに私たちも溶け込んでいくような気安さ、距離感の近さがある。それが大きな魅力となっているから、今でも屋外のパブリック・スペースに先生の作品が設置され、人々に親しまれているのだと思います」

一種の清涼剤のように、街の風景に爽やかな風を吹かせる朝倉響子の彫刻群。本展を見逃してしまったという方も、ぜひ都内にも多数点在する朝倉響子作品を探して、その溌剌とした雰囲気と普遍的な美しさに触れてみてください。

 

なお、朝倉彫塑館では2025年9月13日(土)から12月14日(日)の期間、特別展として「生誕100年 ASAKURA Kyoko」の開催が決定しています。同館において初めて朝倉文夫と響子の父娘が創り出す彫刻空間が現出するとのことで、詳細は朝倉彫塑館公式HPをご覧ください。

【参考】過去の展覧会の記事を公開しています。
朝倉文夫没後60年特別展「ワンダフル猫ライフ 朝倉文夫と猫、ときどき犬」
(会期:2024年9月14日(土)~12月24日(火))

 

「生誕100年 朝倉響子展」概要

会場 上野の森美術館ギャラリー
会期 2025年5月11日 (日) 〜 5月21日 (水)
開館時間 10:00〜17:00
入館料 無料
美術館公式HP https://www.ueno-mori.org/

朝倉彫塑館(台東区谷中7-18-10)

開館時間 9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日 月曜日・木曜日(祝休日は開館)
入館料 一般500円/小・中・高校生250円
TEL 03-3821-4549
朝倉彫塑館HP https://www.taitogeibun.net/asakura/

※記事の内容は取材時のものです。


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