東京国立博物館 夏休みはトーハクでサムライ気分!「日本のよろい!」を7/17(水)から開催

東京国立博物館


東京国立博物館、文化庁、日本芸術文化振興会は、夏のファミリー向け企画・親と子のギャラリーとして「日本のよろい!」を2019年7月17日(水)から開催します。
日本のよろい(甲冑)は、武士の身を守る道具であると同時に、さまざまな工芸技術を結集した総合芸術品です。戦場での活躍をアピールするために、人目を引く美しさも求められ、そのデザインには武士の好みが強く表れています。
中世・近世につくられた本物のよろいと、現代につくられたよろいの製作見本などによって、複雑に見えるよろいの構造などをわかりやすくご紹介する親と子のギャラリー「日本のよろい!」と、よろいのパーツを実際に触ったり、かぶとをかぶったりできる体験型展示、日本文化体験「日本のよろい!」の2本立て。知っているようで知らない、日本のよろいがよくわかる、もっと好きになる企画です。

親と子のギャラリー 日本のよろい!
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1967&lang=ja

 

親と子のギャラリー「日本のよろい!」

【7月17日(水)~9月23日(月・祝) 本館2階 特別2室】

現代につくられた甲冑の製作見本と、中近世に用いられた甲冑をあわせて展示し、複雑ながらも高度に発達を遂げた工芸技術をわかりやすく伝える展示です。
たとえば、500年ほど前に製作された甲冑の付近に、腰回りを防御する草摺(くさずり)の部分だけを再現した製作見本を展示します。
3つの草摺は、(1)革でできた小札(こざね)と呼ばれる小さなカードのような部品を横に重ねたもの、(2)漆で塗り固めて横の列につなげたもの、(3)絹の組紐によって縦の列に綴り合せたもの、です。これらを同時に展示することによって、甲冑がさまざまな素材や技法によってつくられていることを視覚的に理解することができます。

【展示内容】
重要美術品 金小札紅糸中白威腹巻 安土桃山時代・16世紀
甲冑製作見本 平成19年(2007)個人蔵

【よろい 鑑賞のポイント!】
ポイント1:実物ならではの大きさや質感、細やかな装飾に注目!
ポイント2:材料やつくり方、表面から見えない部分が見どころ!
ポイント3:デザインにこめられた意味を読み解こう!

【仁王胴具足】安土桃山時代・16世紀
朱塗の胴のデザインが、金剛力士像の肉体を連想させることから仁王胴具足といわれます。胴の背面には丸に反転した「心」の字を金箔で表しています。兜は糟毛(かすげ)(白髪まじりの髪)を鉢全体に植え、後ろに髻(もとどり)を結う「野郎頭形(やろうがしらなり)」といわれる変わり兜です。全体的にリアルで異様な雰囲気をもつ具足です。

 

日本文化体験「日本のよろい!」

【7月17日(水)~9月1日(日) 本館1階 特別4室】
ハンズオン・コーナーでよろいを触ったり、かぶとをかぶったりできる、体験型の展示です。さらに、武士がたくさん描かれた屏風(レプリカ)を見て、よろいがどんなふうに着られていたのかを学べます。

【よろい着用体験】
よろいのレプリカを着ることができます。甲冑の重みを実際に体感してみましょう!

日時:日本文化体験「日本のよろい!」会期中の金・土曜日および8月4日(日)
11:00~16:30(受付10:50~16:00)
※8月4日は子ども(18歳未満)のみ
場所:日本文化体験「日本のよろい!」会場内(本館1階 特別4室)
定員:各日22名(1人につき1回1種類のみ。着用時間:約10分)
参加費:1,000円(高校生を除く18歳以上70歳未満の方は、別途当日の入館料が必要)

お問合せ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
※当日受付。事前申込はできません。
※先着順。定員に達した場合、16:00前でも受付を終了します。

 

関連事業

ファミリーワークショップ「おどし体験!」
日本のよろいの中には、革や鉄でできた小さな板「小札(こざね)」を、何千枚も紐で結び合わせてつくられたものがありました。小さいパーツ同士を紐で結び合わせることを「おどし」といいます。(「緒通し」から「威」になったと言われています。)
「小札」にあいた穴に色とりどりの紐を通す「おどし」のテクニックで、かっこいい飾りをつくるワークショップです。作品はお持ち帰りいただけます。

日時:
(1) 8月20日(火) 10:00~12:30
(2) 9月 7日(土) 10:00~12:30
(3) 9月 7日(土) 14:30~17:00
場所  :本館地下 みどりのライオン(教育普及スペース)
対象  :小学生~中学生およびその保護者のペア
定員  :各回10組20名
参加費 :1組3,000円(高校生を除く18歳以上70歳未満の方は、別途当日の入館料が必要)
申込方法:当館ウェブサイト上の申込フォームでお申込みください。
申込締切:7月24日(水)必着
お問合せ:03-3822-1111(代) 教育普及室「おどし体験!」係

 

開催概要

展覧会名 親と子のギャラリー「日本のよろい!」/日本文化体験「日本のよろい!」
会期・会場 ・親と子のギャラリー「日本のよろい!」
7月17日(水)~9月23日(月・祝) 本館2階 特別2室
・日本文化体験「日本のよろい!」
7月17日(水)~9月1日(日) 本館1階 特別4室
休館日 月曜日、9月17日(火)
※8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、23日(月・祝)は開館
開館時間 9:30~17:00(金曜・土曜は21:00まで、9月20日<金>・21日<土>は22:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
観覧料 一般620円(520円)/大学生410円(310円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。
※子ども(高校生以下および満18歳未満)と一緒に来館した方(子ども1名につき同伴者2名まで)は団体料金。
※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください
※特別展「三国志」(7月9日<火>~9月16日<月・祝>)は、別途観覧券が必要。ただし中学生以下は無料
※敬老の日(9月16日<月・祝>)は観覧料無料
公式サイト https://www.tnm.jp/

 

<日本博とは>
文化庁及び独立行政法人日本芸術文化振興会を中心に、関係府省庁や文化施設、地方自治体、民間団体等の総力を結集した大型国家プロジェクトです。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に、「縄文から現代」までの「日本の美」を体現する美術展・舞台芸術公演・文化芸術祭等を、「日本人と自然」という総合テーマの下、四季折々・年間を通じて全国で展開します。
URL: https://www.ntj.jac.go.jp/nihonhaku/

 

記事提供:ココシル上野


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【国立西洋美術館】モダン・ウーマン 報道内覧会レポート

国立西洋美術館


2019年6月18日(火)から9月23日(月・祝)まで、東京上野の国立西洋美術館で、「日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念 モダン・ウーマンーフィンランド美術を彩った女性芸術家たち」が開催されています。

本展の報道内覧会が開催されましたので、今回は、そのレポートをお届けします。

 

モダンウーマン展とは?

モダン・ウーマン展は、日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念して開催される、独立前後のフィンランドを生き、同国の近代美術に大きな革新をもたらした7人の女性芸術家に焦点を当てた、日本初の展覧会です。

展示作品は、絵画、彫刻、素描、版画など約90点。
近年世界的に注目されるヘレン・シャルフベック他、19世紀末から20世紀初頭に活躍した5人の画家の作品や、パリでオーギュスト・ロダンに師事した2人の彫刻家の作品が展示されています。

 

フィンランドにおける女性芸術家の歴史


(写真)ヘレン・シャルフベック

19世紀後半から20世紀初頭のフィンランド。
この時期のフィンランドは、ロシアからの独立運動や1917年に誕生する新しい国家の形成と歩調を合わせるように、社会における女性の立場や役割に大変革が起こりました。

19世紀半ばに設立されたフィンランドで最初の美術学校でも、創立当初から男女平等の美術教育を推奨するという、当時のヨーロッパでは珍しい教育方針が取られていました。そのため、この時代の女性たちは、留学のチャンスや奨学金の支援を受け、国際的な環境で研鑽(けんさん)を積みながら芸術家としてのキャリアを切り開くことができたのです。

 

展示作品紹介

マリア・ヴィーク<教会にて>
1884年 油彩、カンヴァス 56.0×46.5㎝


真っ直ぐとした視線で、祈る少女。
その迷いのない純粋な瞳に、思わず目を背けてしまいそうになります。

 

ヘレン・シャルフベック<占い師(黄色いドレスの女性)>
1926年 油彩、カンヴァス 65.5×51.0㎝

全体的に淡い色彩が特徴的な作品です。
黄色いドレスの占い師は凛(りん)としています。

 

エレン・テスレフ<フィンランドの春>
1942年 油彩、カンヴァス 70.0×54.5㎝

春の訪れに気分が高揚した少女の姿が、色彩豊かに描かれています。

 

(作品右)
シーグリッド・ショーマン<自画像>
年記無し 油彩、カンヴァス 41.0×32.5㎝

(作品左)
シーグリッド・ショーマン<エリサベツ・ヴォルッフ>
1940年 油彩、カンヴァス 42.0×33.5㎝

これらの作品は、はっきりとした人物の特徴が把握できない肖像画に思えますが、
よく鑑賞するにつれて、豊かな表情が浮かびあがってくるように感じられるから不思議です。

 

(作品右)
エルガ・セーセマン<通り>
1945年 油彩、カンヴァス 73.5×54.0㎝

(作品左)
エルガ・セーセマン<カフェにて>
1945年 油彩、厚紙 73.0×49.5㎝

右側の作品には、荒廃した通りの風景が描かれています。
少し寂し気ですが、右側を歩く人の哀愁を帯びた後ろ姿と共に、映画のワンシーンを連想させます。

対して、左側の作品。
新しいファッションに身を包んだ女性には、フィンランドの新しい時代を生き抜いていく決意が感じられます。

 

シーグリッド・アフ・フォルセルス<青春>
1880年代 ブロンズ 42.0×43.0×26.0㎝

端正な顔立ちの女性。
その希望に満ちた表情には、未来の不安など微塵も感じさせません。

 

 まとめ

社会における女性の立場や役割を切り開きながらキャリアを積んでいったフィンランドの女性芸術家たち。彼女たちの作品から、フィンランドの文化だけでなく、男女平等や女性の社会進出という礎(いしずえ)を感じ取ることもできます。会場は、そんな芸術家たちの作品を食い入るように見つめる人たちの熱気で、あふれていました。

あなたも本展覧会に足を運んで、その熱気を是非、体感してみてはいかがでしょうか?

 

開催概要

展覧会名 日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念 モダン・ウーマン-フィンランド美術を彩った女性芸術家たち
会 期 2019年6月18日(火)〜9月23日(月・祝)
9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館)
休館日 毎週月曜日、および7月16日(火)は休館。
※7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館。
会場 国立西洋美術館(上野公園)
観覧料 一般500円(400円)、大学生250円(200円)
※高校生以下及び18歳未満、65歳以状上は無料(入館の際に学生証または年齢の確認できるものをご提示ください)。
※( )は、20名以上の団体料金
※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などを要提示。毎週金・土曜日の夜間開館時(17:00-21:00)、および毎月第2・第4土曜日は、本展および常設展は観覧無料。*「国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展」(6月11日ー9月23日)観覧当日に限り、同展観覧券で本展をご覧いただけます。
公式サイト https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2019modernwoman.html

 

記事提供:ココシル上野


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2・3 台東区主催のワークショップ

 

開催概要


日程:令和元年8月17日(土)13:30~15:00
会場:浅草文化観光センター6F多目的スペース
講師:内田博柳(台東川柳人連盟理事長)
※終了しました


日程:令和元年9月8日(日)13:30~15:00
会場:寛永寺清水観音堂
講師:尾藤川柳(十六代川柳)

WEB申込

WEB応募フォーム

2. 8月17日(土)開催のワークショップの申し込みはこちら

※終了しました

3. 9月 8日(日)開催のワークショップの申し込みはこちら

※受付を延長いたしました。定員に達し次第、締め切らせていただきます

上記をクリックすると東京共同電子申請サービスのページ移動します。
ガイドに沿って応募手続きを行ってください。

往復はがきでの申し込み

往復はがき 各面に以下の事項をご記入の上、お申込みください。
送付先は「申込・問合わせ先」のとおりです。

【往信用裏面】
(1)希望のワークショップの番号・日程(1通につき、1講座)
(2)郵便番号・住所・氏名(フリガナ)
(3)同伴者の有無(同伴者1名まで。その場合は同伴者氏名も、明記。)
(4)電話番号

【返信用表面】 郵便番号・住所・氏名

注意事項(共通)

※往復はがきは消印有効です。
※同一者による複数口のお申込みはご遠慮ください。
※開催日の10日前までに、当落いずれの場合も抽選結果をお知らせします。当選者には参加券をお送りします。
※お申込みの際ご提供いただいた個人情報は、当該の目的にのみ使用させていただきます。

申込・問合わせ先

〒110-8615 台東区東上野4-5-6
台東区文化振興課「北斎と川柳」担当
電話:03-5246-1153

【国立西洋美術館開館60周年記念】松方コレクション展 報道内覧会レポート

国立西洋美術館


2019年6月11日(火)から9月23日(月・祝)まで、東京上野の国立西洋美術館で、
「国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展」
が開催されています。

本展の報道内覧会が開催されましたので、今回は、そのレポートをお届けします。

 

松方コレクションとは?

フランク・ブラングィン <松方幸次郎の肖像> 1916年 国立西洋美術館蔵(松方幸次郎氏御遺族より寄贈)

国立西洋美術館のコレクションの礎(いしずえ)を築いた実業家、松方幸次郎(1866-1950)。
神戸の川崎造船所(現・川崎重工業株式会社)を率いた松方は、第一次世界大戦による船舶需要を背景に事業を拡大しながら、1916-1927年頃のロンドンやパリで大量の美術品を買い求めていました。当時の収集品はモネやゴーガン、ゴッホの絵画、ロダンの彫刻などの近代作品、中世の板絵やタペストリーまで約3000点。

「日本人のために美術館を作りたい」

そんな思いから収集された作品群が、松方コレクションです。

本展覧会は、松方コレクションの形成と散逸、国立西洋美術館が設立されるにいたる過程を、貴重な美術作品約160点や歴史資料でたどります。プロローグ~エピローグまでの全10章からなる道のりは、コレクションの収集に人生を賭けた松方の思いを私たちに伝えてくれることでしょう。

 

松方コレクションの見どころ

今回の展覧会の見どころは、大きく分けて3つあります。

1つ目は、フィンセント・ファン・ゴッホ『アルルの寝室』(1889年)をはじめ、世界各地に散逸した松方旧蔵の名作が集結して展示されていること。

2つ目は、松方がモネのアトリエで直接購入し、長い間行方知らずとなっていた大作、『睡蓮、柳の反映』(1916年)が修復後、初公開されること。

3つ目は、松方コレクションがロダン美術館の旧礼拝堂に保管されていた時代に、フランス人カメラマン、ピエール・シュモフにより撮影された365枚のガラス乾板の内の16点が歴史資料として初公開されることです。

 

展示会場

 

フィンセント・ファン・ゴッホ <<アルルの寝室>> 1889年 油彩、カンヴァス 57.5×74㎝ オルセー美術館、パリ

 

 

ロダン美術館保管時代に松方コレクションを写したガラス乾版(ピエール・シュモフ撮影) フランス文部省・建築文化財メディアテーク

 

 

『睡蓮、柳の反映』作品修復の苦労と今後の展望

クロード・モネ <睡蓮、柳の反映> 1916年 油彩、カンヴァス 199.3×424.4㎝(上部欠失) 国立西洋美術館、東京(松方幸次郎氏御遺族より寄贈)

3つの見どころの中で特に目を惹く作品は、クロード・モネの『睡蓮、柳の反映』
睡蓮の池の水面に柳の木が逆さまに映り込んでいる様子を、日本の屏風絵を連想させる装飾的な手法を使い表現した大変スケールの大きな作品です。修復前の状態が、これほど破損していた作品は珍しいとのこと。

国立西洋美術館研究員の邊牟木尚美氏は、「第二次世界大戦中、ナチスの捜索を逃れて、作品を農家に避難させていた際、上下逆さまに置いて保存していたのが原因では?」と推測されていました。

本作の場合、本来は3年から4年掛けて修復するところ、修復期間が1年と短いため、最低限の復元をするに留めたとのこと。大変大きな作品のため重量があり、作品を裏返すだけでも7人ほどの大人数が必要で一苦労だったそうです。

また、邊牟木氏は結びに「今後は、他のモネの睡蓮シリーズの比較検討をしながら、長期的にモネ作品の修復に努めていきたい」ともおっしゃっていました。

 

展示作品紹介

 

フィンセント・ファン・ゴッホ <ばら>

1889 年 油彩、カンヴァス 33×41.3㎝ 国立西洋美術館、東京

精神を病んだゴッホが、サン=レミ精神療養院で入院中に、近くに咲くばらを描いた作品。生命力ある活き活きとしたばらが、激しい筆使いで描かれています。

ばらの質感だけでなく、香りまでもが感じられるようです。

 

カミーユ・ピサロ <収穫>

1882年 膠テンペラ、カンヴァス 70.3×126㎝ 国立西洋美術館、東京(松方幸次郎氏御遺族より寄贈)

この作品は、膠(にかわ)テンペラという材料に挑戦し、従来の風景画家から人物画家へと移行した、ピサロの節目となった作品。今まで添景としてしか描かれていなかった人間が、前面に描かれるようになります。向こうの家まで見える、広々とした田園風景に心が奪われます。

風によって流れる麦の質感と作業をする人々の息遣いが聞こえてきそうです。

 

エドヴァルド・ムンク <雪の中の労働者たち>

1910年 油彩、カンヴァス 223.5×162㎝ 個人蔵、東京(国立西洋美術館に寄託)

晩年のムンクが描いた人物画です。雪深い過酷な状況で作業している労働者たち。前面には、スコップを肩に担いだり、雪に突き刺したりして、誇り高い表情でこちらを向く3人の男。その後ろには、黙々と作業する人々が生き生きと描かれています。

それぞれの姿に暗さはなく、むしろ、明るさすら感じられます。

 

シャルル=フランソワ・ドービニー <ヴィレールヴィルの海岸、日没>

1870年 油彩、カンヴァス 100×197㎝ 株式会社三井住友銀行、東京

バルビゾン派の風景画家ドービニーの晩年の作品。

大きな海に静かに流れる波の音と夕焼けの空。その風景と浜辺を歩く人々の姿が、印象的です。人々は小さくしか見えませんが、どんな表情をしているんだろう?仕事を終えて明るい顔をしているんだろうか?

想像力を掻き立てられます。


関東大震災や昭和金融恐慌によって散逸し、数奇な運命をたどってきた松方コレクション。
本展の展示作品のキャプションには、その作品がいつ、どこで購入されたのかが綿密に記されており、その流転の歴史を知ることができるように工夫されています。

数十年の歳月を経て結実した、「日本のための美術館を作りたい」という松方幸次郎の夢。
ぜひ会場に足を運んで、その想いの一端に触れてみてはいかがでしょうか?

 

 

開催概要

展覧会名 国立西洋美術館開館60周年記念「松方コレクション展」
会 期 2019年6月11日(火)〜9月23日(月・祝)
9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館)
休館日 毎週月曜日、および7月16日(火)は休館。
※7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館。
会場 国立西洋美術館(上野公園)
観覧料 一般1600円(1400円)、大学生1200円(1000円)、高校生800円(600円)
※中学生以下無料
※( )は、20名以上の団体料金
※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などを要提示。
公式サイト https://artexhibition.jp/matsukata2019/

 

記事提供:ココシル上野


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01. 江戸たいとうの魅力

「江戸たいとうロゴマーク」のデザイン


ロゴマークをクリックしてみよう!

「江戸」の文字を、台東区を代表する江戸文化の意匠と組み合わせて作られています。事業を推進する区の熱い想いを込め、区職員自らがデザインしました。

江・戸を組み合わせたロゴマークで、「江」は不忍池(弁天堂と水面)を、「戸」は月の松(歌川広重作の浮世絵)、右上の松葉模様には隅田川花火大会のイメージを重ねています。

江戸っ子の粋- 月の松 と 不忍池 -
上野の清水観音堂にある「月の松」は円形の枝ぶりを満月に見立て、そこから不忍池の様子を眺め風情を楽しむことが粋とされており、その様子は浮世絵にも描かれました。明治初期の台風の被害を受け月の松は消失してしまいましたが、2012(平成24)年に復元されました。

※一部、該当する史跡名所等を詳しく特集している「台東区文化探訪アーカイブス」へのリンクを設定しています。よろしければご覧ください。

台東区の都市基盤は江戸時代にあり!

現在の台東区を形作る都市基盤の多くは、江戸時代にルーツがあります。

上野の山と寛永寺の創建
1625(寛永2)年、天海僧正は2代将軍秀忠(と後の3代将軍家光)と協力し、京都御所と琵琶湖、鬼門を守る比叡山の位置関係を江戸城と不忍池上野の山に見立て、東の比叡山として東叡山寛永寺を創建します。寛永寺の下には門前町が形成され、隣接する谷中地域にも多くの寺院が建立されました。
天海は見立ての際、建築物や環境整備だけでなく吉野山(奈良)の山桜や琵琶湖の蓮等の植物を取り寄せて植栽まで行いました。結果、気軽に京都・滋賀ゆかりの寺院、名所を回ることができる場所となった上野の山は、多くの参拝客でにぎわうようになります。現在まで続く花見の名所・上野の山は、こうして誕生したのです。

 
名所江戸百景  上野清水堂不忍ノ池

江戸の大火と都市改造
江戸時代は非常に多くの火事が発生しました。特に1657(明暦3)年の明暦の大火では江戸市街の6割が焼失するほどの被害が出ました。
台東区域内でも、火除地として上野や浅草の広小路の整備や隅田川の両国橋架橋など、様々な都市改造が進められました。


名所江戸百景上野広小路

古刹・浅草寺と盛り場の形成
東京最古(628年創建)の寺である金竜山浅草寺は古くから多くの参拝客でにぎわっていました。
江戸時代には幕府の政策により、猿若三座の名で知られる芝居小屋や遊里が日本橋から移転される等、江戸庶民の娯楽を集めた盛り場が形成され、文化の発信地としてさらに発展していきました。


江戸名所百景 猿わか町よるの景

隅田川による水運① 蔵前の米蔵
1620(元和6)年、平川・小石川・旧石神井川を東に直角に曲げて隅田川につなげるため本郷台(神田山)を掘削するという大事業が行われ江戸のまちが整備されます。
隅田川による水運の利便性が向上したことで蔵前の地には江戸幕府によって米蔵(蔵屋敷)が作られました。天領(幕府の直轄地)から送られた米を収納し、幕臣の俸給である禄米の支給を一手に行っていた蔵前周辺は、幕府(江戸)の経済を支える中心地となりました。

隅田川による水運② 職人の集まる場所
江戸の町は江戸城を中心に放射状に、武士・大名の住む「山の手」、町人の住む「下町」とわかれており、台東区域は下町にあたり町人の集まる町でした。浅草周辺は隅田川による水運が発達していたため、工芸品等に使う材料の運搬が容易で職人にとって都合の良い土地だったのです。
芝居小屋や吉原で働く人々や周辺に住む町人からの需要の高さと地理的な要因が結びつき、台東区は日本有数の伝統工芸産業の集積地となっていきました。


名所江戸百景 駒形堂吾嬬橋

台東区に残る江戸の面影を探してみよう!

台東区内に残る江戸時代の面影の一部をご紹介します。
ここで掲載しているもの以外にも江戸時代の面影を残すものや行事はまだまだたくさんあります。台東区を巡って、今も息づく江戸のこころや文化を是非探してみましょう!

その1 上野の建築物編

○  旧寛永寺五重塔(重要文化財)
1631(寛永8)年に東照宮境内の薬師堂の対として建立されました。1639(寛永16)年に花見客の火の不始末によって焼失しますが、同年中に再建されました。

上野東照宮(重要文化財)
1627(寛永4)年に藤堂高虎によって建立された東照社を、1651(慶安4)年に徳川家光が官営の東照宮に造り替えた権現造の建物。数度修理を行っているが、ほぼ当時の姿をとどめており、献備の燈籠の一部は創建当時のものが残っています。

○ 不忍池 弁天堂
滋賀県琵琶湖の竹生島・宝厳寺の弁財天を勧請して、寛永年間に弁天堂を建立しました。島の見立てのため陸続きにはせず、建立当初は船を使用して参詣をしていました。多くは1945(昭和20)年の空襲で焼失してしまいますが、本堂前の水舎(手水鉢)は江戸期の建物で、その天井には江戸後期の絵師・谷文晁による「水墨の竜」が描かれています。

清水観音堂(重要文化財)
京都の清水寺を模して1631(寛永8)年に天海が自費で摺鉢山に創建。1694(元禄7)年に現在の場所へ移築されました。

その2 浅草の行事編

浅草流鏑馬(あさくさやぶさめ) * 隅田公園・4月中旬
江戸時代に三社権現社(浅草神社)の正月行事であった流鏑馬を1983(昭和58)年に観光行事として復活・継承したものです。狩装束を身にまとい馬上から3つの的を矢で射る「流鏑馬」と鹿の形をした的に烏帽子・直垂姿の射手が弓を引く「草鹿(くさじし)」が行われます。

三社祭 * 浅草神社・5月第3金、土、日曜日
3日間にわたり行われる浅草神社の例大祭。江戸風情の残る浅草が1年でもっとも活気づくと言われ、三日間にわたり約180万人の人出を数える日本を代表する祭礼の一つです。1日目は東京都無形民俗文化財指定「神事びんざさら舞」の奉納、2日目は100基近い町内神輿が浅草神社に参集し、最終日は3基の大神輿の「宮出し」「宮入り」が行われます。

隅田川花火大会 * 隅田川・7月最終土曜日
歴史的記録に残る最古の花火大会。1732(享保17)年に起きた大飢饉及び疫病の犠牲者への慰霊と悪病退散のため、翌年に8代将軍吉宗が隅田川で行った水神祭で両国橋周辺の料理屋が公許を受けて花火をあげたことが由来です。もともとは「両国の川開き」と言い1962(昭和37)年以降一度途絶えていましたが、1978(昭和53)年に「隅田川花火大会」と名称を変更して復活しました。

酉の市 * 鷲神社・11月酉の日
鷲(おおとり)神社の例大祭。農民が収穫祭に鶏を奉納したのが始まりと言われ、農具を売る市が立つようになりました。江戸時代から多くの浮世絵や句に祭りの様子が残されています。売られている熊手は「かっこめ」と言われ、福や運を掻き込む縁起物です。出世や商売繁盛を願う人々の人気を呼んだこの市は、現在でも季節の風物詩として当日の午前0時を待って参拝者が押し寄せます。


江戸自慢三十六景 酉の丁銘物くまで

10. 江戸創業事業所顕彰

 

【事業概要】

台東区は、江戸以来の産業や文化が大いに発展し、江戸の技、江戸の粋を有する江戸時代に創業した事業所が数多くあります。
江戸創業事業所顕彰では、江戸時代に創業し、永年に渡って区内産業に貢献のある事業所を顕彰し、世界に誇れる「宝物」として、広く国内外に情報発信していきます。

【顕彰事業所一覧】

【各顕彰事業所の紹介】

令和2年度顕彰事業所(1事業所)

うなぎ 色川(PDF:318KB)

令和元年度(平成31年度)顕彰事業所(5事業所)

浅草花やしき(PDF:404KB)

江戸趣味小玩具 仲見世 助六(PDF:371KB)

小泉桶甚本店(PDF:307KB)

どぜう飯田屋(PDF:299KB)

南部屋五郎右衛門(PDF:338KB)

平成30年度顕彰事業所(41事業所)

浅草めうがや(PDF:370KB)

池田屋神仏具店(PDF:299KB)

石井三太夫表具店(PDF:343KB)

石六(PDF:322KB)

上野池之端 鰻割烹 伊豆榮(PDF:354KB)

上野風月堂(PDF:396KB)

鵜原商店(PDF:251KB)

江戸蕎麦手打處あさだ(PDF:345KB)

大嶋屋恩田(PDF:397KB)

岡田屋布施(PDF:330KB)

雷門三定(PDF:338KB)

甘味処西山(PDF:291KB)

木具定商店(PDF:380KB)

菊寿堂いせ辰(PDF:375KB)

木村家本店(PDF:341KB)

久月(PDF:338KB)

銀花堂(PDF:328KB)

クマイ商店(PDF:337KB)

駒形どぜう(PDF:340KB)

更けい(PDF:373KB)

三佛堂櫻井商店(PDF:325KB)

十三や櫛店(PDF:307KB)

新門(PDF:415KB)

鈴本演芸場(PDF:311KB)

種亀(PDF:289KB)

東京松屋(PDF:295KB)

常盤堂雷おこし本舗(PDF:373KB)

鮒佐(PDF:358KB)

弁天山美家古壽司(PDF:286KB)

ホワイトローズ(PDF:354KB)

増田園総本店(PDF:354KB)

増田屋コーポレーション(PDF:365KB)

町田絲店(PDF:306KB)

松坂屋上野店(PDF:330KB)

美家古鮨本店(PDF:278KB)

宮本卯之助商店(PDF:357KB)

守田治兵衛商店(PDF:620KB)

山崎屋源七提灯店(PDF:381KB)

有職組紐道明(PDF:398KB)

吉徳(PDF:382KB)

龍昇亭西むら(PDF:355KB)

川柳体験ワークショップ

※申込み方法は、ページ下方をご確認ください。

川柳ってなに?川柳をよんだことがない!という
初心者の方向けに、川柳をよむワークショップを開催します。
川柳体験ワークショップは全3回開催、すべて事前申し込み・抽選制です。
講師や会場が異なりますので、下記をご確認のうえお申込みください。

※本イベントは終了しました。ご参加ありがとうございました。


 

開催概要

1.墨田区主催

日  時:令和元年8月11日(日)13:00~15:00
会  場:すみだ北斎美術館 MARUGEN100(講座室)
講  師:五味和之(元すみだ北斎美術館学芸員)・尾藤川柳(十六代川柳)
定  員:40名
申込締切7月22日(月)

2.台東区主催

日  時:令和元年8月17日(土)13:30~15:00
会  場:浅草文化観光センター6F 多目的スペース
講  師:内田博柳(台東川柳人連盟理事長)
定  員:50名
申込締切:8月15日(木)

3.台東区主催

日  時:令和元年9月8日(日)13:30~15:00
会  場:寛永寺清水観音堂
講  師:尾藤川柳(十六代川柳)
定  員:50名
申込締切:9月6日(金)

募集対象:川柳に興味のある方・川柳をよんでみたい方ならどなたでも

参 加 料 :無料

応募方法

1 墨田区主催のワークショップ

メールまたは往復はがきでお申込みください。
※終了しました

2・3 台東区主催のワークショップ

WEBまたは往復はがきでお申込みください。
※終了しました

注意事項(共通)

※往復はがきは消印有効です。
※同一者による複数口のお申込みはご遠慮ください。
※開催日の10日前までに、当落いずれの場合も抽選結果をお知らせします。当選者には参加券をお送りします。
※お申込みの際ご提供いただいた個人情報は、当該の目的にのみ使用させていただきます。

申込・問合わせ先

◆墨田区開催のワークショップについて
〒130-8640 墨田区吾妻橋1-23-20
墨田区文化芸術振興課「北斎と川柳」担当
電話:03-5608-6115

◇台東区開催のワークショップについて
〒110-8615 台東区東上野4-5-6
台東区文化振興課「北斎と川柳」担当
電話:03-5246-1153

第8回『江戸城無血開城の真相と上野の西郷像建立裏話』

江戸城無血開城の背景についての講演です。西郷隆盛と勝海舟の談判、益満休之助(ますみつきゅうのすけ)・山岡鉄舟・高橋泥舟(でいしゅう)の果たした役割、時の将軍慶喜の立場……。さらには、上野の山に西郷像が建ったという不思議について、その裏話をご紹介します。

日時 2019年 6月30日(日)10:30開演 10:00開場
会場 寛永寺輪王殿(台東区上野公園14-5)

講師 浦井 正明 氏(寛永寺長臈)
昭和12年生まれ東京都出身。慶應義塾大学文学部史 学科卒業。東叡山寛永寺山内現龍院住職を経て、現 在は同寺長臈。元台東区教育委員会委員長。台東区 文化財保護審議会委員、台東区文化政策懇談会委員、 上野の山文化ゾーン連絡協議会顧問などを務める。 平成29年10月に台東区文化功労栄誉章を受章。