【東京都美術館】『ハマスホイとデンマーク絵画』報道内覧会レポート

東京都美術館


(2020年3月26日(木)まで)上野の東京都美術館にて、『ハマスホイとデンマーク絵画』を開催しています。
開催に先立ち、先日報道内覧会がありましたので、その様子をレポート致します。


幸福の国/デンマーク

 
デンマークは、北ヨーロッパにある人口約581万人の立憲君主国です。
国名は、古ノルド語(=デーン人の土地)を意味するダンメルクから由来し、再生可能エネルギー先進国、高福祉国家としてもよく知られています。
国連の「世界幸福度ランキング」で何度も1位に輝くなど、近年、そのライフスタイルにも非常に注目が集まっています。
日本との関係では、2017年に外交関係樹立150周年を迎えました。
展覧会は、デンマーク出身のヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916年)の作品の一部とその周辺の北欧芸術作品を紹介するものです。

「北欧のフェルメール」ハマスホイ

 

19世紀末のデンマーク絵画を代表する画家の1人、ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916年)。
ハマスホイは、8歳の時に素描(そびょう)のレッスンを始めます。
そして、15歳でデンマークの首都・コペンハーゲンの王立美術アカデミーにて絵画を学んだあと、21歳の時に『妹アナの肖像画』(1885年)でデビューしました。
作風としては、初期の頃は風景画や肖像画を好んで描いていましたが、1890年代以降には室内画を多く描くようになっていきます。
1898年34歳の時に移り住んだ、コペンハーゲン旧市街のストランゲーゼ30番地。
そのアパートを描いた静かで穏やかな一連の作品が、デンマークの国内外で高い評価を得ます。
その作品は、バレエ・リュスのディアギレフやドイツの詩人リルケを魅了し、
「北欧のフェルメール」と呼ばれて注目されました。

ヴィルヘルム・ハマスホイ

みどころ

 

ハマスホイとデンマーク絵画展のみどころは4つです。

①ハマスホイ作品 約40点が集結します

日本初公開作品を含め、約40点のハマスホイ作品が東京都美術館に集結。
2008年の展覧会から10年余りの時を経て、「北欧のフェルメール」とも呼ばれるハマスホイ作品が再び来日します。
その特異な才能の一面をご堪能下さい。

②日本初の本格的デンマーク絵画展

北欧美術の中心地、コペンハーゲンで、19世紀前半に華開いたデンマーク絵画の「黄金期」。
その時代の純粋で素朴な作品から、印象派風の光の描写を取り入れたスケーイン派の美しい作品、特徴的な室内画を描く世紀末の首都で活躍した画家たちの作品まで、デンマーク絵画を本格的に紹介します。

③デンマーク文化「ヒュゲ」に触れる

ヒュゲ(=hygge)とは、「くつろいだ」「心地よい雰囲気」という意味を持つ、デンマーク人が非常に大切にしている価値観。
そのデンマーク人の価値観に触れることができるのも、今展覧会のみどころ。
19世紀末のデンマークの画家たちが描き出す作品には、北欧の美しい自然やそこで暮らす人々、落ち着いた空間でプライベートを過ごす家族など、ヒュゲが息づいています。
作中のヒュゲに触れることによって、「私たちが人生で本当に大切にしたいこと」に改めて気付かされるでしょう。

注目作品を紹介!

 

各章ごとの注目作品を紹介します。

 

第1章 日常礼賛―デンマーク絵画の黄金期 注目作品

 

『果物籠を持つ少女』

肖像画家であったハンス・ハンソンの息子コンスタンティーン・ハンスンの作品。
この作品は、後にハマスホイが所有することになったことでも有名で、晩年を過ごしたストランゲーゼ25番に飾られていたそうです。
作品全体が、抑えられた色調ながらも、強烈な光を放つのは、真っ直ぐとこちらを見つめる少女のまなざしの強さによるものでしょうか?

コンスタンティーン・ハンスン『果物籠を持つ少女』1827年頃 油彩/カンヴァス デンマーク国立美術館

 

『フレゼレゲ・ラフェンベア(旧姓ヘーイロプ)の肖像』

コペンハーゲンに生まれ、王立美術アカデミーで学んだヴィルヘルム・マーストランが、デンマークの著名な税官吏であったミケール・ラフェンベアの妻を描いた作品。
背筋を伸ばし、真っ直ぐこちらを見つめるラフェンベアの妻。
その上品な姿には、強さと優しさが入り混じっています。
窓の外に見えるサン・ピエトロ大聖堂も、この作品を格調高いものにしています。

ヴィルヘルム・マーストラン『フレゼレゲ・ラフェンベア(旧姓ヘーイロプ)の肖像』 1846年 油彩/カンヴァス デンマーク国立美術館

 

 

第2章 スケーイン派と北欧の光 注目作品

 

『ボートを漕ぎ出す漁師たち』

スケーイン派を代表する画家として有名なミケール・アンガの作品。
険しい表情でボートを押して、海に出ようとする救命胴衣姿の漁師たち。
何が起こっているのでしょう?
漁師たちとともに、それを見つめる人々の目線の先にある緊迫した状況。
波の激しさもどんどん増しています。
見ているこちらまでハラハラ・ドキドキする、緊張感のある作品です。

ミケール・アンガ『ボートを漕ぎ出す漁師たち』1881年 油彩/カンヴァス スケーイン美術館

 

『スケーインの北の野原で花を摘む少女と子供たち』

こちらも、ミケール・アンガの作品です。
漁師たちの緊迫した状況を描いた作品と打って変わって、
草原には、いつまでものんびりと続く緩やかな時間が流れています。
どこまでも続く大きな青い空の下で、花を摘む少女たちとそれを見守る母親。
衣服の青、ピンク、黄色、草花の緑を、大きな空が包み込んでいます。

ミケール・アンガ『スケーインの北の野原で花を摘む少女と子供たち』1887年 油彩/カンヴァス
スケーイン美術館

 

第3章 19世紀末のデンマーク絵画―国際化と室内画の隆盛 注目作品

 

『居間に射す陽光、画家の妻と子』

アンデルセン童話の挿絵画家であった、父のヴィルヘルム・ピーダスンを父に持つ、ヴィゴ・ピーダスンの作品。
自宅の居間で幼い娘をあやす、ヴィゴの妻イリサベトを描いた作品です。
娘をあやす妻の和やかな顔、ママ大好きの幼い娘の顔が、とても愛おしいです。
その様子を微笑みながら描くヴィゴの表情までもが、こちらに伝わってくるようです。

ヴィゴ・ピーダスン『居間に射す陽光、画家の妻と子』1888年 油彩/カンヴァス デンマーク国立美術館

 

『花咲く桃の木、アルル』

フランス、オランダ、ベルギーに滞在し、アルルでファン・ゴッホと親交を結んだことでも有名なクレスチャン・モアイェ=ピーダスンの作品。
ファン・ゴッホの『マウフェの思い出に』と非常に似た構図で描かれており、親交のあったゴッホの描いた位置から数メートル離れた場所で描かれたと考えられています。
桃の花の華やかな色彩に、引き込まれてしまいました。
少し近寄ると、桃の花の優しい香りが、ほのかに伝わってくるようです。

クレスチャン・モアイェ=ピーダスン『花咲く桃の木、アルル』1888年 油彩/カンヴァス ヒアシュプロング・コレクション

 

第4章 ヴィルヘルム・ハマスホイ―首都の静寂の中で 注目作品

 

『室内-陽光習作、ストランゲーゼ30番地』

ヴィルヘルム・ハマスホイがストランゲーゼ30番地の中庭に面した部屋を描いた作品です。
細長い格子窓から差し込む室内の光は、ゆらゆらと漂っているように見えます。
窓を開け放つと、まぶしいほどの外の世界が待っているのでは、と想像してしまいます。
この明るい外の世界と閉じられた暗い扉の対比も絶妙です。
どちらが現実でどちらが非現実なのでしょう。

ヴィルヘルム・ハマスホイ『室内-陽光習作、ストランゲーゼ30番地』1906年 油彩/カンヴァス  デーヴィズ・コレクション


『寝室』

ラーベクス・アリのヴィルヘルム・ハマスホイの寝室を描いた作品。
部屋に掛かる二つのカーテン。
ここから差し込む光は、とても柔らかです。
その光のせいで、窓の外を見つめる女性の横顔もどこか微笑んでいるように見えます。何を見つめているのでしょうか?
窓の中央に置かれた紫の壺が、この室内画を引き締まったものにしています。

ヴィルヘルム・ハマスホイ『寝室』1896年 油彩/カンヴァス ユーテボリ美術館

まとめ

 
『ハマスホイとデンマーク絵画』の報道内覧会についてレポートしてきました。
10年余りの時を経て再び日本に集まった、ハマスホイ作品とその他デンマーク絵画の数々、デンマークの価値観「ヒュゲ」。
展覧会で、これらデンマークの作品や文化に触れることによって、新たな視点や価値観を発見することになるでしょう。
今回の展覧会は、日本で初めてのデンマーク絵画が一斉に紹介される貴重な機会です。
ぜひとも、東京都美術館の「ハマスホイとデンマーク絵画」に足を運んでみてはいかがでしょうか?

会場では、たくさんの方が熱心に作品を鑑賞していました

開催概要

 

■会期: 2020年1月21日(火)~3月26日(木)
■会場: 東京都美術館企画展示室
■開室時間: 9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
■夜間開室: 金曜日、2月19日(水)、3月18日(水)は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
■休室日: 月曜日、2月25日(火)
※ただし、2月24日(月・休)、3月23日(月)は開室
■観覧料:
(当日券) 一般 1,600円/大学生・専門学校生 1,300円/高校生 800円/65歳以上 1,000円
(団体券) 一般 1,400円/大学生・専門学校生 1,100円/高校生 600円/65歳以上 800円

※団体割引の対象は20名以上
※中学生以下は無料
※3月20日(金・祝)~26日(木)は18歳以下(2001年4月2日以降生まれ)無料
※2月19日(水)、3月18日(水)はシルバーデーのため65歳以上は無料。
そのため混雑が予想されます。
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
※いずれも証明できるものをご持参ください
■特設WEBサイト: https://artexhibition.jp/denmark2020/
問い合わせ先: TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)

 

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【東京国立博物館】日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和 報道内覧会レポート

東京国立博物館

オリンピックイヤーの今年・令和2年(2020)は、日本書紀が編纂されてから1300年の記念すべき年でもあります。
それを記念して、上野の東京国立博物館 平成館では、1月15日(水)~日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」を開催しています。
(※前期展示 1月15日(水)~2月9日(日)  後期展示 2月11日(火・祝)~3月8(日) )
展覧会開催に先立ち、先日、報道内覧会がありましたので、その様子をレポートいたします。


特別展「出雲と大和」とは?

 

神代(かみよ)から持統天皇11年(697)までを記した日本最古の正史・日本書紀は、
舎人親王(とねりしんのう、676~735)が中心となり編纂し、
養老4年(720)に元正天皇(げんしょうてんのう)に奏上された全30巻からなる歴史書です。
日本書紀の冒頭にある国譲り神話では、出雲大社に鎮座するオオクニヌシは、
人間の能力を超えた世界「霊」の存在、大和の地においての天皇は、目に見える現実世界「顕」の存在です。
古代における「幽」と「顕」を象徴する島根県と奈良県、そして、東京国立博物館の3者共同で行われるのが、この特別展「出雲と大和」。
特別展では、出雲と大和の名品が一堂に集まり、古代日本の成立やその特質に迫ります。
※鎮座(=神霊が一定の場所に鎮まること)

みどころ

 

特別展「出雲と大和」のみどころは4つです。

① 出雲大社のご神宝が東京でご覧いただけます

古くから、出雲大社に伝わる手箱や甲冑などのご神宝をはじめとして、境内から出土した巨大柱、社殿を飾っていた絵画など、出雲大社の歴史を物語る作品をご覧いただけます。
特に、48メートルもする出雲大社本殿を支えたとされる「心御柱」(しんのみはしら)と「宇豆柱」(うづばしら)の2本の柱は、史上初公開!
出雲大社本殿の存在を裏付ける貴重な資料となります。

② 大量の出土青銅器 東京では、およそ20年ぶりの出品

国宝・荒神谷(こうじんだに)遺跡出土の青銅器(銅剣・銅鐸・銅矛)からの展示189点、国宝・加茂井岩倉遺跡出土銅矛から、30個を展示します。
これだけ大量の出土青銅器が東京に集まるのは、およそ20年ぶりです。

③ 出土数最多の三角緑神獣鏡の出品

黒塚(くろづか)古墳の被葬者を護り、鎮めた33面の三角緑神獣鏡。
1つの古墳から出土した数としては、全国で最多の三角緑神獣鏡の全点が出品されます。

④ 初公開!門外不出の仏像

1300年もの間、大和の地でひっそりと守り伝えられてきた最古級の石仏が寺の外で初公開されます。
僅かに残る彩色や鋭い掘り口など、細部に注目してください。

注目の展示物を紹介!

 

注目の展示物を章ごとに紹介します。

第1章 巨大本殿 出雲大社 注目展示

「心御柱」と「宇豆柱」

平成12年(2000年)に出雲大社境内の地下1・3メートルから出土した柱材です。
よく見ると、柱には抉れた(えぐれた)様な跡があります。
これは、伐採して現地から展示室に運ぶ際にできた縄かけの跡や表面を調整した手斧の跡です。
地元でも、なかなか並べて展示されることがないとのことなので、
貴重な機会ですよ。
両方の柱をあらゆる角度から眺めてみました。
実際に手に触れることはできませんが、ざらざらしていたり、つるつると艶があったりと、触る場所によって感覚が異なるのではないか、と感じました。

「心御柱」 島根県出雲市 出雲大社境内遺跡 鎌倉時代 宝治二年(一二四八) 島根・出雲大社
「宇豆柱」 島根県出雲市 出雲大社境内遺跡 鎌倉時代 宝治二年(一二四八)
島根・出雲大社(島根県立古代出雲歴史博物館保管)

 

実際の出雲大社境内の様子を再現するため、2本の柱が設置されています。
柱の間に立ち、手を大きく広げたり、見上げたりして、実際の感覚を確かめてみましょう。

 

第2章 出雲 古代祭祀の源流 注目展示

国宝 「銅剣」 島根県出雲市 荒神谷遺跡

昭和59年(1984年)に発掘調査で出土した銅剣です。
展示されている全ての銅剣は、同じような大きさで規格化されているように見えますが、よくみると茎(なかご)部に✖の刻印が打ち込まれています。
これは、制作から埋納までを一括して行った形跡と考えられ、山陰を中心に分布する他の銅剣にはみられない特徴です。
日本人の繊細なモノづくりの技術は、古代からあるのだと感じさせます。

国宝 「銅剣」 島根県出雲市 荒神谷遺跡 弥生時代 前二~前一世紀 文化庁(島根県立古代出雲歴史博物館保管)

 

国宝 「銅矛」 島根県出雲市 荒神谷遺跡

一括出土された本数として全国最多を誇る、荒神谷遺跡の16本の銅矛です。
1本1本を見比べて見ると、発見があります。
ガタガタした刃先や、比較的綺麗な形をした刃先、
錆びて色褪せたもの、黒褐色でつやつやとしたもの、
と個性的な銅矛が並びます。

国宝「銅矛」 島根県出雲市 荒神谷遺跡 弥生時代 前二~前一世紀 文化庁(島根県立古代出雲歴史博物館保管)


国宝 「銅鐸」 島根県出雲市 荒神谷遺跡

荒神谷遺跡から出土した銅鐸です。
多様な型のものが揃っているのですが、ほぼ同じサイズなのが特徴的です。
銅鐸には、末端に傷がついているところが多く、かなり使い込まれた形跡が残っています。
当時の人は、どのような思いで、この銅鐸を見つめていたのだろうか?と想像力を掻き立てられます。

国宝「銅矛」 島根県出雲市 荒神谷遺跡 弥生時代 前二~前一世紀 文化庁(島根県立古代出雲歴史博物館保管)

 

第3章 大和 王権誕生の地 注目展示

国宝 「七支刀」

石上神宮に伝わる宝剣であり、御神体(ごしんたい)に準ずる神宝です。
かつては、本殿内に奉安されていました。
横に枝が生えているような非常に珍しい型が特徴的で、
中央61文字の銘文が刻まれています。
表面には、この刀を持っていると百変を退けるとの記述、
裏面には、朝鮮半島百済の王室から倭王に献上されたという記述があります。
7つ鞘(さや)の太刀として、日本書紀にも記されているこの七支刀が展示されるのは、滅多にない貴重な機会です!

国宝 「七支刀」 古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮蔵

 

・重要文化財 「画文帯神獣鏡」(がもんたいしんじゅうきょう)

中央に展示されている「画文帯神獣鏡」は、奈良県ホケノ山古墳から出土した銅鏡です。
外側には、日輪を従えた車、その車を曳く獣、騎仙(きせん)などを浮き彫り表現しています。
小さいながらも非常に存在感があります。

・重要文化財 「三角縁神獣鏡」(さんかくぶちしんじゅうきょう)

左右に展示されている「三角縁神獣鏡」は、島根県雲南市加茂町にあった神原神社古墳から出土した銅鏡です。
外側には、神仙や霊獣の模様が刻まれています。
33面がずらりと並ぶ様子は、壮観です。

(写真中央)重要文化財 「画文帯神獣鏡」(がもんたいしんじゅうきょう)
(写真右・左)重要文化財 「三角縁神獣鏡」(さんかくぶちしんじゅうきょう) ともに奈良県天理市 黒塚古墳 古墳時代三世紀 文化庁(奈良県立橿原考古学研究所保管

 

第4章 仏と政(まつりごと) 注目展示


・十一面観音菩薩立像(じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう) 2体

写真中央に位置する、2体の十一面観音菩薩立像。
当時は、力の絶大な観音様を祈ることによって、国の繁栄や人々の安全な生活を願いました。
観音菩薩立像の前に立つと、なにか見えない力で守られているような気持ちになるから不思議です。

・(四天王像のうち) 国宝「広目天立像」(こうもくてんりゅうぞう)※左
・(四天王像のうち) 「多聞天立像」(たもんてんりゅうぞう)※右

四天王は、国の政(まつりごと)の象徴。
2体の仏像ともに、太い眉と大きな目鼻立ちが印象的です。
はじめ、仏像の威圧感に圧倒されてしまいましたが、しばらく見つめていると、いつまでもその場を離れたくない自分がいることに気づきました。

(写真左から) 四天王像のうち・国宝「広目天立像」(こうもくてんりゅうぞう) 奈良時代  八世紀 奈良・唐招提寺/重要文化財 「十一面観音菩薩立像」(じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう) 奈良時代 八世紀 奈良・世尊寺/ 「十一面観音菩薩立像」(じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう) 奈良時代 八世紀 奈良・金剛山寺(矢田寺)/ 【四天王像のうち】多聞天立像(たもんてんりゅうぞう) 奈良時代  八世紀 奈良・唐招提寺

まとめ

「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」の報道内覧会についてレポートしてきました。
出雲大社の歴史を物語る作品群、20年ぶりに出品される大量の出土青銅器、
33面の三角緑神獣鏡、仏像の数々。。
これらの展示物全てが刺激にあふれ、1度だけでは物足りず、何度も何度も見たくなる充実の内容でした。
内覧会は本当にたくさんの方々で溢れ返り、展示物を見るのに待たなければならないほど、熱を帯びていました。

東京国立博物館 平成館にて現在開催中の「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」。古代日本の成立の過程を体感し、日本書紀成立1300年の年を祝いに来てはいかがでしょうか?

 

開催概要

 

展覧会名 日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」
会期 2020年1月15日(水)~3月8日(日)
前期展示 1月15日(水)~2月9日(日)
後期展示 2月11日(火・祝)~3月8(日)
会場 東京国立博物館 平成館(上野公園)
開館時間 9:30~17:00
(入館は閉館の30分前まで、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館)
休館日 月曜日、2月25日(火)
(ただし2月24日(月・休)は開館)
観覧料 一般1,600円(1,400円/1,300円)
大学生1,200円(1,000円/900円)
高校生900円(700円/600円)
中学生以下無料
*( )内は前売り/20名以上の団体料金
*障がい者とその介護者一名は無料です。
入館の際に障がい者手帳などをご提示ください
東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を1,000円(200円割引)でお求めいただけます。正門チケット売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示下さい。
「東京・ミュージアムぐるっとパス」で、当日券一般1,600円を1,500円(100円割引)でお求めいただけます。正門チケット売場(窓口)にてお申し出ください。
*本展観覧券で、会期中観覧日当日1回に限り、総合文化展(平常展)もご覧になれます。
お問合せ ハローダイヤル 03-5777-8600

受付時間:全日午前8時~午後10時
日本語、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語

公式HP https://izumo-yamato2020.jp/

 

 

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