【東京都美術館】「ゴッホ展——響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」会場レポート 信念のゴッホコレクター、珠玉のコレクションを辿る

東京都美術館
フィンセント・ファン・ゴッホ《夜のプロヴァンスの田舎道》1890年5月12-15日頃 クレラー=ミュラー美術館蔵

2021年9月18日(土)、東京・上野の東京都美術館で『ゴッホ展——響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』が開幕しました。会期は12月12日(日)まで。

ファン・ゴッホ作品最大の個人収集家であるヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869〜1939)のコレクションにスポットを当てた展覧会。《夜のプロヴァンスの田舎道》や《黄色い家(通り)》などの人気作が顔をそろえる会場の様子をレポートします。

展示風景
展示風景

ファン・ゴッホ人気の立役者 ヘレーネ・クレラー=ミュラー

世界中にファンをもち、ここ日本においても最も愛されている画家の一人であるフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)。

27歳で画家を志し、37歳で生涯を終えるまでの10年間でおよそ2,000点もの作品を残したとされていますが、「生涯で数枚しか作品が売れなかった」という通説で知られるように生前は名声を得ることが叶いませんでした。

しかし、今や彼は近代美術の巨匠として位置づけられ、作品には数億、数十億の値がつけられるように。その背景には彼の作品の価値を認め、作品を保存し、後世に残そうと尽力した人々の情熱がありました。

フローリス・フェルステル《ヘレーネ・クレラー=ミュラーの肖像》1910年 クレラー=ミュラー美術館蔵

なかでも重要な役割を果たした立役者の一人が、この度の『ゴッホ展——響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』でスポットを当てたヘレーネ・クレラー=ミュラーです。

夫アントンとともに、19~20世紀にかけてのフランスやオランダの芸術家の作品を中心に、11,000点を超える膨大なコレクションを築いたオランダ有数の資産家・ヘレーネ。彼女はファン・ゴッホの作品に深い人間性や精神性を感じ取り、ファン・ゴッホがまだ広く評価されていない20世紀初頭から90点を超える油彩画と約180点の素描・版画を収集しました。

本展は、ヘレーネが初代館長を務めたオランダのクレラー=ミュラー美術館(1938年開館)の貴重な美術コレクションから、ファン・ゴッホの初期から晩年までの画業をたどる選りすぐりの作品48点を紹介するものです。

フィンセント・ファン・ゴッホ《レモンの籠と瓶》1888年5月 クレラー=ミュラー美術館蔵
一部作品には、作品とヘレーネの関連エピソードが紹介されています。
フィンセント・ファン・ゴッホ《森のはずれ》1883年8-9月 クレラー=ミュラー美術館蔵
ヘレーネが初めて購入した記念すべきファン・ゴッホ作品。
フィンセント・ファン・ゴッホ《悲しむ老人(「永遠の門にて」)》1890年5月 クレラー=ミュラー美術館蔵
過去に制作した自作版画を元に描いた作品。ヘレーネはこの絵を、人間の苦しみを慰めの域にまで昇華した作品だと高く評価しました。

へレーネはファン・ゴッホを心の拠りどころにしていましたが、なぜそこまで惹かれたのか、ヘレーネ自身は明確な言葉を残していないとのこと。本展の担当学芸員である大橋さんは、「断言はできないが、ゴッホの芸術に非常に高い精神性を感じていたこと。また、牧師の息子として生まれたゴッホが聖職者への道を挫折してしまったことと、ヘレーネもキリスト教の文化になじめず苦しみを感じていたこと。そういった共通した背景が大きな理由ではないか」と話します。

さらに、本展にはファン・ゴッホ作品以外にも、ヘレーネが特に熱心に収集したミレー、ルノワール、スーラ、モンドリアンなど、19世紀半ばから1920年代にかけての近代西洋絵画20点があわせて出展されています。

ピエール=オーギュスト・ルノワール《カフェにて》1877年頃 クレラー=ミュラー美術館蔵
ジョルジュ・スーラ《ポール=アン=ベッサンの日曜日》1888年 クレラー=ミュラー美術館蔵
オディロン・ルドン《キュクロプス》1914年頃 クレラー=ミュラー美術館蔵

写実主義から印象派、新印象派、象徴主義、そして抽象主義まで。目で見たありのままを描くレアリズムから人間の精神・感情に焦点を当てる方向へ、180度流行が変化した近代絵画の流れをたどるだけでなく、ファン・ゴッホ作品がまさにその転換の橋渡し的立ち位置にあることがわかる展示になっています。

これらヘレーネのコレクションからは、自らが得た感動を人々と分かち合うため、収集活動の早い段階から美術館の設立を生涯の使命にした彼女が、西洋美術の概略を見渡せるよう体系的にコレクションを築いたことが理解できるでしょう。

16年ぶりの来日!糸杉シリーズの傑作《夜のプロヴァンスの田舎道》

フィンセント・ファン・ゴッホ《夜のプロヴァンスの田舎道》1890年5月12-15日頃  クレラー=ミュラー美術館蔵

本展の見どころの一つは、実に16年ぶりの来日となる《夜のプロヴァンスの田舎道》。

ファン・ゴッホの代表作に連作〈ヒマワリ〉がありますが、南仏プロヴァンス地方の太陽が燦々と降り注ぐ風景のなかに立つ、糸杉の暗い緑の色調と美しさに魅了されたファン・ゴッホにとって、糸杉は「〈ヒマワリ〉のような作品にしたい」と熱中させるほど重要なモチーフでした。

緑の深い色調の表現に苦心しながら何十枚と描いた糸杉のなかでも、おそらく南仏滞在の最後に制作されたという《夜のプロヴァンスの田舎道》は傑作との呼び声が高いもの。

波紋のように大胆にうねる星月夜をバックに佇む糸杉は、まるで燃え上がる黒い炎のよう。ゴッホ自身は書簡で糸杉の形の美しさをエジプトのオベリスクのようだと例えていますが、自然への畏敬の念がにじみでるような、まさにオベリスクさながらの荘厳な存在感に圧倒されます。

劇的に変化する画風。私たちの知る「ファン・ゴッホ」に至るまで。

フィンセント・ファン・ゴッホ《白い帽子を被った女の顔》1884年11月-85年5月 クレラー=ミュラー美術館蔵

ファン・ゴッホ作品の特徴として「鮮やかな色彩」「うねり」「極端な厚塗り」などを挙げる人は多いと思いますが、これらの特徴はいずれも母国オランダからフランスに拠点を移して以降、画業の後期に生まれたもの。本展では、画風の変化の著しいファン・ゴッホの画業を時代順に沿って紹介しています。

ファン・ゴッホは1880年に画家として歩み始めてから5年間をオランダで過ごしました。初期は、灰色や茶色などのくすんだ色彩を用いて農民や漁民の生活や田舎の風景などを好んで描いた「ハーグ派」と呼ばれる画家たちや、農民画家として知られるジャン=フランソワ・ミレーの影響を受けながら素描の習熟を急ぎ、やがて油絵を制作します。

画業を通じて自然、なかでも無限や永遠の象徴であると考えた種まきから収穫の循環や、四季の移ろいに強い関心をもち続けました。展示からは、自然やその自然と密接に関わりながら農村で働く労働者の姿、彼らの貧しさのにじむ表情、悲しみや嘆きといった主題を細やかに拾い上げていたことがわかります。

フィンセント・ファン・ゴッホ《防水帽を被った漁師の顔》1883年1-2月 クレラー=ミュラー美術館蔵
モデル自身の苦難に満ちた生き様を反映したような顔を特に好んだとか。
フィンセント・ファン・ゴッホ《刈る人》1885年7-8月 クレラー=ミュラー美術館蔵
働く農民のなかでも、麦の収穫をする姿を繰り返し習作で扱っています。
フィンセント・ファン・ゴッホ《織機と織工》1884年6-7月 クレラー=ミュラー美術館蔵
農民だけでなく織工にも強い関心をもっていたそう。いわく「夢見るような、物思いに沈んだ感じの」織工の雰囲気が見事に表現されています。

1886年、フランスのパリに向かったファン・ゴッホは、そこで出会った印象派や新印象派、日本の浮世絵版画に衝撃を受け、画風が大きく変化しました。

これ以降の作品は色彩が豊かで、画面も明るくなっていきます。絵の具を混ぜずに小さなタッチを並べることで色の濁りを防ぐ筆触分割による点描技法も取り入れ始めた点にぜひ注目してください。

フィンセント・ファン・ゴッホ《青い花瓶の花》1887年6月頃 クレラー=ミュラー美術館蔵
オランダ時代には考えられない鮮やかな色彩。花瓶と花は印象派風、背景は新印象派の点描技法の影響が見られます。
フィンセント・ファン・ゴッホ《レストランの内部》1887年夏 クレラー=ミュラー美術館蔵
厳密ではないものの、こちらもスーラを彷彿とさせる新印象派の点描技法が試みられている作品。

1888年から移り住んだ南仏のアルルでは、明るい空の青と、燃えるように鮮やかな太陽の色としての黄色に魅せられ、青と黄色の補色の組み合わせで色彩効果の実験を熱心に繰り返しました。この辺りから、絵筆のタッチで対象の形を模倣するような彫刻的で肉厚の筆触により、多くの人が知る「ファン・ゴッホらしい」表現主義的な画風が出来上がっていく過程が見て取れます。

フィンセント・ファン・ゴッホ《夕暮れの刈り込まれた柳》1888年3月 クレラー=ミュラー美術館蔵
柳の青がアルルの太陽の光を際立させています。
フィンセント・ファン・ゴッホ《種まく人》1888年6月17-28日頃 クレラー=ミュラー美術館蔵
敬慕していたミレーの《種まく人》のオマージュ作品。強烈な補色の対比に挑戦しています。これでもかと厚く筆触が重ねられ、凹凸がより作品に迫力を出しています。
フィンセント・ファン・ゴッホ《サン=レミの療養院の庭》1889年 クレラー=ミュラー美術館蔵

1889年には病のためサン=レミの療養院へ入院しながらも、療養院の庭や周辺の田園風景、また糸杉やオリーブ畑などの典型的なプロヴァンスのモチーフに取り組み、「うねり」の表現を編み出し、《夜のプロヴァンスの田舎道》や有名な《星月夜》といった傑作を制作。そして1890年に終焉の地、北仏のオーヴェール=シュル=オワーズへ移り住んだ後も、村や周辺の美しい景色にインスピレーションを刺激されながら1日1点という驚異的なスピードで制作を続け、筆遣いについても新たな様式の可能性を模索していたようです。

新しい場所、新しい出会いから常に学びを繰り返し、誰に作品が理解されずとも人生をかけて筆を握り続けたファン・ゴッホ。ヘレーネのコレクションからは「私は絵の中で、音楽のように何か心慰めるものを表現したい」という彼の信念、その情熱をつぶさに目の当たりにすることができました。

フィンセント・ファン・ゴッホ《黄色い家(通り)》1888年9月 ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵
《夜のプロヴァンスの田舎道》と同じく16年ぶりの来日。

なお、本展にはクレラー=ミュラー美術館所蔵の作品以外に、オランダにあるもう一つの偉大な美術館を紹介するものとして、ファン・ゴッホ美術館のコレクションから《黄色い家(通り)》など4点のファン・ゴッホ作品が出展されています。

これらの作品はファン・ゴッホを経済的にも精神的にも支えた弟テオの死後、その妻ヨーが、作品の散逸を防ぐために設立したフィンセント・ファン・ゴッホ財団が永久貸与しているもの。彼女もまた、ファン・ゴッホの芸術を世に広めるべく人生を捧げた一人でした。


展覧会『ゴッホ展——響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』の開催は2021年12月12日(日)まで。

本展でぜひ、今日の我々が過去の芸術作品をさまざまに評価し、意見を交わし合えるのは、多くの人々が保存や継承に尽力したからこそだという事実に思いを寄せながら、ヘレーネの類まれなコレクションの魅力に浸ってみてください。

『ゴッホ展——響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』開催概要

会期 2021年9月18日(土)~12月12日(日)
会場 東京都美術館 企画展示室
開室時間 9:30~17:30 (入室は閉室の30分前まで)
休室日 月曜日
※ただし11月8日(月)、11月22日(月)、11月29日(月)は開室
入場料 一般 2,000円、大学生・専門学校生 1,300円、65歳以上 1,200円
日時指定予約制です。
※高校生以下無料。(日時指定予約が必要)
その他、詳細はこちら⇒https://gogh-2021.jp/ticket.html
主催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、東京新聞、TBS
お問い合わせ 050-5541-8600 (ハローダイヤル)
展覧会公式サイト https://gogh-2021.jp

 


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乃木坂の少女たちが、日本美術と共鳴する。【東京国立博物館 表慶館】「春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46」(~11/28)内覧会レポート

東京国立博物館


今秋、東京国立博物館で実験的な展覧会が開催される。
「フォーシーズンズ」と題されたその展覧会では、四季折々の花々に託された日本人の伝統的な感性と、乃木坂46という現代のポップアイコンが融合を果たす。この刺激的なテーマに挑む7名の映像作家は乃木坂46を通じ、いかにして日本美術の本質を浮かび上がらせたのか。先行して開催された内覧会の様子をレポートし、その取り組みを紹介する。

乃木坂46が挑む「古典×現代」

展覧会入口。歴史ある表慶館の壁面に美麗な映像が投影されている
インスタレーションとともに伝統的な屏風絵や絵画が展示され、「古典×現代」という本展のテーマを表現する
尾形光琳らによる屏風絵など、日本絵画の精髄ともいえる名作が並ぶ。なお、本展覧会では複製を展示(東京国立博物館蔵)。

2021年9月4日(土)~2021年11月28日(日)まで、東京国立博物館 表慶館にて「春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46」が開催中だ。

本展のテーマの中核をなすのは日本美術の「古典×現代」である。

「日本美術」というと、特に若い人などはどこか縁遠く感じてしまう人は多いのではないだろうか。しかし、そこに描かれた自然や季節、四季折々の花々は今も変わらずに存在しているもの。自然を愛し、自分にとって身近な方法で描写しようとするのは昔も今も変わらない。

国立博物館は、幅広い世代から絶大な支持を集める乃木坂46がそうした日本古来の美意識と若い人たちをつなぐ架け橋になるのではないかと考えた。なぜなら、乃木坂46こそ穏やかな日常や身のまわりの自然を「歌」を起点にしてビジュアルとして世に広げ、そこに希望を託す存在だからだ。

それぞれの作品にはモチーフとなる作品がある。こちらは『見返り美人図』を題材にしたインスタレーション
酒井抱一『夏秋草図屏風』の右隻と左隻に対応し、左右でパフォーマンスを行う山下美月と久保史緒里
スリットカーテン越しに投影される映像。ここで表現されているのは日本絵画の遠近表現である

本展では、季節の花が描かれた7点の日本美術(複製)を展示。その日本美術の「本質」ともいえる作品を7人の映像作家が独自に解釈し、大型インスタレーションとして展開している。

例えば齋藤飛鳥がパフォーマーを務める冒頭の『日本絵画の遠近表現』は狩野長信の『花下遊楽図屏風』をモチーフにした作品だが、ここで取り上げられ、再解釈されているのは同絵画に見られる遠近法である。

野外で行われる春の宴を幕越しに眺めているような体験を生じさせる『花下遊楽図屏風』の仕掛けを、スリットカーテン越しにレイヤー状に映像を投影するという手法で再現。映像作家の大久保拓朗氏による「古典の再解釈」といった位置づけの作品となっている。このように、展示作品において示されているのは日本美術を読み解くために必要なちょっとしたルール・コードなのである。

乃木坂46が表現する、「日常」という名の花

齋藤飛鳥による舞踏のパフォーマンス。溌溂としたムーブメントが作品の枠を超えた力を生み出す
怪異のような美しさを放つ乃木坂メンバーの遠藤さくら。作家とパフォーマーの相性によって無限の可能性が示される
『秘められた風景』の賀喜遥香。作家の意図を超えた感情の真実性を感じさせる
『時間のジオラマ化』という作品では秋元康氏の詞の世界も堪能できる

しかし、乃木坂の少女たちはこうした作り手側の意図を反映させるための存在にとどまらない。実際に作品を鑑賞してみると、彼女たちの存在は作家たちの思惑を超えた真実性を宿していると思える瞬間もある。それはまさに、インスタレーションという形式だからこそ実感できることなのかもしれない。

個人的に印象深かったのは『妖しい美』(池田一真作)における遠藤さくらである。私は乃木坂46に詳しいわけではないので、こんな妖艶な雰囲気を醸し出せるアイドルがいたのかと正直驚かされた。これは上村松園が六条御息所の生霊を描いた『焔』をモチーフにした作品だが、彼女の舞踏によって刻々と生じる衣装や髪の毛の動きは、まさに妖異そのものだ。

他にも、『秘められた風景』において賀喜遥香の醸し出す抒情性も素晴らしく、乃木坂メンバーひとりひとりの普段とは違った魅力を存分に楽しめるのも本展の魅力のひとつだろう。

 

本展の会期は2021年11月28日(日)まで。
乃木坂46というフィルターを通じて、伝統的な日本美術が今を生きる私たちとつながる瞬間。それはとても刺激的だ。
ぜひ、実際に会場で体験されることをおすすめしたい。

開催概要

会期 2021年9月4日(土)~2021年11月28日(日)
会場 東京国立博物館 表慶館
開館時間 9:30~17:00
金・土曜日は、9:30~20:00
(入館は閉館の60分前まで)
休館日 月曜日(ただし9月20日(月・祝)は開館)、9月21日(火)
観覧料 一般・大学生 1,800円
高校生 1,000円
中学生以下、障がい者とその介護者1名は無料。
※混雑緩和のため、本展は事前予約制(日時指定券)です。入場にあたって、すべてのお客様は日時指定券の予約が必要です。詳細は展覧会公式サイトでご確認ください。
主催 東京国立博物館、文化財活用センター、ソニー・ミュージックエンタテインメント、文化庁、日本芸術文化振興会
展覧会公式サイト https://nogizaka-fourseasons.jp

 

記事提供:ココシル上野


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【東京都美術館】コロナ禍だからこそ観てほしい展覧会、オンライン・ギャラリートーク公開

東京都美術館

コロナ禍だからこそ観ていただきたい企画展「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」(会期:2021年10月9日(土)まで)のオンライン・ギャラリートークを公開しました。

東京都美術館で開催中の企画展「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」(10月9日(土)まで)は、表現への飽くなき情熱によって、自らを取巻く「障壁」を、展望を可能にする「橋」へと変え得た5人のつくり手たち ― 東勝吉(絵画)、増山たづ子(写真)、シルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田(彫刻/絵画)、ズビニェク・セカル(彫刻/絵画)、ジョナス・メカス(写真/映像)ー をご紹介する展覧会です。

観覧された方からは「パワーを感じた」「目が釘づけ」「幸せになれた」「勇気をもらった」「癒された」「深く胸を打たれた」「心が浄化された」「こんなに豊かな時間を持てたことに心より感謝したい」など、数多くの感想をいただいています。

本展は、コロナ禍だからこそ、是非ご覧いただきたいのですが、県境をまたぐ移動の自粛が呼びかけられている現在、東京まで行きたくても行けない、という声も数多く頂戴しています。そこで、担当学芸員によるオンラインによるギャラリートークを公開しましたので、ぜひご覧ください。

 

Walls & Bridges展 ギャラリートーク(約15分)

 

 

◆図録のご紹介(通信販売あり)◆

出品作家の東勝吉、増山たづ子、シルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田、ズビニェク・セカル、ジョナス・メカスの5人は、いずれもまとまった作品集の入手が困難なつくり手たちです。デザイナーの松本孝一さんの自信作でもあるこの図録は、つくり手ごとに紙を変えたこだわりとチャーミングな佇まいが人気です。小さな本につまった作品の魅力をご堪能ください。
(B5変型、ハードカバー、全271頁)[販売価格 2,000円(税込)]

*通信販売も承ります(別途着払い送料がかかります)。
ご希望の方は、現金書留にて図録代金(1冊2,000円)を送付先のご住所、お名前を添えて下記までご送付ください。(図録お申込み宛先:〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36 東京都美術館 Walls & Bridges展 図録担当 03―3823-6921)

 

◆開催概要◆ ※事前予約不要ですが、混雑時に入場制限を行う場合がございます。

展覧会名:Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる
会期:2021年7月22日(木・祝)~10月9日(土)
開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
休室日:月曜日(9月20日(月・祝)は開室)、9月21日(火)
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C
観覧料:一般 800円 / 65歳以上 500円
・学生以下は無料
・83歳から絵筆を握った東勝吉にちなみ、80歳以上の方は無料
・外国籍の方は無料
・身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
※いずれも証明できるものをご持参ください
・10月1日(金)は「都民の日」につき、どなたでも無料
・特別展「イサム・ノグチ 発見の道」「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」のチケット(半券可)提示にて、一般料金より300円引き
・その他各種割引あり
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館
お問い合わせ:東京都美術館 03-3823-6921
特設ウェブサイト:https://www.tobikan.jp/wallsbridges

 

 

記事提供:ココシル上野


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【東京都美術館】〈上野〉の記録と記憶をたどる展覧会(観覧無料)

東京都美術館

「東京都コレクションでたどる〈上野〉の記録と記憶」
Tokyo Metropolitan Collection Exhibition-Records and Memories of Ueno
会期:2021年11月17日(水)~2022年1月6日(木)

上野恩賜公園内やその周辺に美術館・博物館・動物園が集まる文化的な地域として親しまれる一方、小売店や飲食店が密集するアメ横もその代名詞的存在である〈上野〉という土地。さまざまな歴史の舞台ともなったこの地には、過去から現在まで多種多様な人々が行き交い、ここを題材とする数多くの作品や記録が生み出されてきました。
本展では、東京都が所蔵する美術コレクションの中から、〈上野〉に関連する約60点の作品・資料を展示します。表現者たちをひきつけた〈上野〉の魅力を再発見いただき、かつてここであった出来事、そしてここに存在した人々のことを思うひとときをお過ごしください。美術館を後にするとき、それまでとは違う風景が、あなたの目の前に広がるかもしれません。

展覧会のみどころ
1 版画に記録され伝えられた近代の〈上野〉
戊辰戦争や明治期の内国勧業博覧会といった歴史的事件をとらえた浮世絵、織田一磨の石版画、恩地孝四郎、平塚運一、藤森静雄らによる創作版画など、版画というメディアを通して記録され伝えられた近代の〈上野〉の姿をたどっていただきます。

永島春暁 《上野公園風船之図》 1890年 東京都江戸東京博物館蔵
織田一磨 《東京風景 十四 上野広小路》 1916年 東京都江戸東京博物館蔵

2 さまざまな表現者によって記録され、描かれた戦前・戦後の〈上野〉
桑原甲子雄、濱谷浩、木村伊兵衛、林忠彦らが写した戦前・戦後の〈上野〉。終戦後、画家・佐藤照雄が描いた上野駅の地下道に眠る人々の姿。そのほか、戦前~戦時下の諜報活動を題材とする米田知子の写真作品等を通じ、消えつつある「戦争と〈上野〉」の記憶を見つめなおします。

桑原甲子雄 《下谷区上野駅(台東区)》 1936年 東京都写真美術館蔵
林忠彦 《引き揚げ(上野駅)》 1946年 東京都写真美術館蔵
米田知子 《東京都美術館(ゾルゲ/宮城)―『パラレル・ライフ:ゾルゲを中心とする国際諜報団密会場所』より》 2008年 東京都写真美術館蔵 Courtesy of ShugoArts

展覧会基本情報
展覧会名:東京都コレクションでたどる〈上野〉の記録と記憶
Tokyo Metropolitan Collection Exhibition-Records and Memories of Ueno
会期:2021年11月17日(水)~2022年1月6日(木)
会場:東京都美術館 ギャラリーB
休室日:2021年12月6日(月)、12月20日(月)~2022年1月3日(月)
開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
観覧料:無料
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館
連携:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、東京都写真美術館、東京都現代美術館
展覧会ウェブサイト:https://www.tobikan.jp/exhibition/2021_collection.html
問い合わせ先:東京都美術館 03-3823-6921

同時開催:上野アーティストプロジェクト2021「Everyday Life : わたしは生まれなおしている」
https://www.tobikan.jp/exhibition/2021_uenoartistproject.html

 

記事提供:ココシル上野


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