【国立科学博物館】「絵本でめぐる生命の旅」報道内覧会レポート

国立科学博物館

2019年12月17日(火)~2020年3月1日(日)まで、東京上野の国立科学博物館で「絵本でめぐる生命の旅」が開催されています。
先日、プレス向け報道内覧会がありましたので、その様子をレポート致します。
展覧会の見どころ、注目の展示物などを紹介しますので、ご覧ください!


企画展「絵本でめぐる生命の旅」とは?

 

約38億年前に地球上に出現したとされる、最初の生きものから現代まで続く、進化の過程。
その進化が途切れずに続いたことで、人やさまざまな生き物は存在し続けているといっても過言ではありません。
絵本には、そのような生き物の進化の過程に着目した、科学や自然を題材にした作品がたくさんあります。
「科学や自然を題材にした絵本と博物館の展示を組み合わせることで、自然科学への興味をもつきっかけや、いつもと異なる国立科学博物館の楽しみ方を提供したい」。そうして考えられたのが、この企画展。
紙芝居形式で、生命の起源をわかりやすく展示します。

企画展は、46億年前~36億年前の生命を知る旅から始まります。

みどころ

企画展のみどころを紹介します。

①国立科学博物館で新しい絵本の体験ができる!?

企画展では、7つの絵本から選んだ場面を、化石やはく製などの標本とともに展示した構成になっています。
絵本の世界に楽しく触れながら、標本とともに生命進化の歴史をたどることができます。

②魚からヒトへと続く進化を実感できる!

企画展では、魚類から私たちヒトへと続く約5億年間の生命進化の主な出来事を、特にわかりやすく解説しています。
私たちの遠い祖先から現在まで続く生命のつながり、私たちの体の中に残る進化を感じ取って下さい。

③もっと知りたい人は・・

この企画展をご覧になって、もっとくわしく、もっと広く知りたくなった方は、常設展へ足をのばしてみて下さい。
国立科学博物館で行っている調査・研究や、関連する常設展示を紹介するコーナーがありますよ。

④新しい絵本と出会えるかも!

企画展の入り口付近には、自然科学や生命の進化に関連する絵本を100冊以上集めた読書コーナーを設けています。
懐かしい絵本との再会、お気に入りの新しい絵本と出会えるかもしれません。
日本語以外の言語の絵本も用意されています。

企画展で使われている主な絵本

 

企画展では、下記の7つの作品が使われています。

①『せいめいのれきし』 バージニア・リー・バートン 文・絵、岩波書店
② 『ながいながい骨の旅』 松田素子 文、川上和生 絵、講談社
③ 『わたしはみんなのおばあちゃん はじめての進化のはなし』 ジョナサン・トゥイート 文、カレン・ルイス  絵、岩波書店
④ 『とりになった きょうりゅうのはなし 改訂版』 大島英太郎 作、福音館書店
⑤ 『ダーウィンの「種の起原」 はじめての進化論』 サビーナ・ラデヴァ 作・絵、岩波書店
⑥ 『いのちのひろがり』 中村桂子 文、松岡達英 絵、福音館書店
⑦ 『13800000000ねんきみのたび』 坂井治 作・絵、光文社

主な展示物を紹介

 

約5億800万年前(カンブリア紀中期)に生息した捕食性動物アノマロカリス。
奇妙なエビとの意味で学名を与えられたといいます。

アノマロカリス・カナデンシス 所蔵:国立科学博物館

 

約3億6000万年前に生息した、古代魚ユーステノプテロン類と推測される頭部化石。モロッコでお土産物にするために、ツルツルに磨かれているところを発見したジャイカ職員の方が、国立科学博物館に寄贈してくれたもの。
実際に、触れることができますよ。

ユーステノプテロン類? 所蔵:国立科学博物館

 

こちらが、ユーステノプテロンの全身です。

ユーステノプテロン 所蔵:国立科学博物館

 

約1億1500万~1億1800万年前に生息した、デイノニクス。
映画やアニメに度々登場しています。

デイノニクス 所蔵:国立科学博物館

 

約3000万年前に生息した、肉食哺乳類ヒエノドンの化石。
恐竜までの哺乳類は、お腹のところに肋骨があり、子供を抱きしめたいと思っても抱きしめてあげられませんでした。
その後、横隔膜ができて、呼吸の仕方が変わったことで、哺乳類は、我が子を抱きしめて、母乳を与えたりすることができるようになりました。

ヒエノドン 所蔵:国立科学博物館

 

700万年前~20万年前の生命は、手足の指が長くなり、他の生き物と異なる動きをするものが出てきます。
手足で枝を掴んで、樹上生活をしたり、鳴き声でお互いにコミュニケーションを取ることもできるようになります。
それが、現在のわたしたち、人間の祖先です。

 

ダーウィンのビーグル号をイメージしたという絵本コーナー。
企画展を見終わった後には、この読書コーナーで、自然科学や生命の進化に関連する、お気に入りの絵本を探してみましょう。
企画展で取り上げた7冊の絵本もご覧になれます。

 

まとめ

国立科学博物館にて現在開催されている、企画展「絵本でめぐる生命の旅」の報道内覧会についてお伝えしてきました。
約38億年前から現代まで続く、生き物の歴史。
私たち人間は、当たり前のように生きているように思えますが、実は、この何十億年と続く歴史の過程があってこその生命だと、改めて気づかされます。
国立科学博物館へ、ご家族やご友人と絵本でめぐる生命の旅に出かけてみませんか?

今回の企画展の監修を務めた、国立科学博物館標本資料センターコレクションディレクターの真鍋真さん。生命の歴史について、楽しく解説していただきました。

 

開催概要

企画展「絵本でめぐる生命の旅」
開催期間:2019年12月17日(火)~2020年3月1日(日)
開催場所:日本館1階 企画展示室、中央ホール
開館時間:午前9時~午後5時
*金曜・土曜日は午後8時まで。
*入館は各閉館時刻の30分前まで
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)および12月28日(土)~1月1日(水・祝)、ただし2月17日(月)は開館
入館料:一般・大学生:630円(団体510円)
高校生以下・65歳以上:無料
*常設展示入館料のみでご覧いただけます。
主催:国立科学博物館
公式HP: https://www.kahaku.go.jp/

 

 

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