第2回江戸まち たいとう芸楽祭~夏の陣~
オープニングイベント 取材レポート

上野恩賜公園竹の台広場(噴水広場)

昨年、好評を博した「江戸まち たいとう芸楽祭」が満を持して今年も開催。
粋・豊かな人情・進取の気性といった先人たちが守り、育み、現代へ継承されてきた多彩な芸能・芸術文化を老若男女だれもが肌で感じることができる情趣あふれる文化イベントです。

名誉顧問は前回に引き続きビートたけしさん。

8月18日のオープニングイベントを皮切りに、夏の陣が2019年8月18日~10月26日、冬の陣が2020年1月~2月15日にかけて開催の2部構成です。
そこで今回はオープニングイベントを取材しましたので、その模様をご覧ください。

マッハスピード豪速球&モンローズ

イベントの先陣を切ったのは、2019年1月に開催された「ビートたけし杯 漫才日本一」で、見事に優勝をさらったマッハスピード豪速球。10秒、30秒、1分のショートコントを披露しました。持ち味の毒舌と、要所要所に自らの知名度に関する自虐を交えたテンポの良いボケとツッコミ、そしてトークが会場から心地よい笑いを誘います。

マッハスピード豪速球

そんな彼らと、ビートたけし杯で競り合った準優勝のモンローズも次いで登場。現代的な脱力感あるボケと熱量全開のツッコミを持ち合わせた対照的な二人は、鉄板ネタ『弱小野球部の監督』を披露し、独自の笑いを魅せつけます。

モンローズ

こうして今年波に乗る若手芸人二組が会場を盛り上げ、「江戸まちたいとう芸楽祭~夏の陣~」の口火がきられました。

尺八演奏(き乃はち さん)

江戸時代から続く「琴古流」という尺八の流派を継承するき乃はちさんは、台東区根岸出身。4歳にして尺八をおもちゃ代わりに吹き始め、後に三橋貴風に師事。
2003年のソロデビュー後、舞台・歌舞伎・映画などの作曲活動にもその才能を発揮され、さらには全国の寺社仏閣において、奉納演奏を実施することをライフワークにもされているようです。
国外に目を向ければ、これまでロンドン、モスクワ、ウクライナ、カザフスタン、クリミア、ニュージーランド、北京、上海をはじめとした海外公演にも精力的で、まさに日本文化の発信者のお一人です。
今回は故郷台東区でその音色を響かせます。

き乃はち さん(左) 竹内純さん(右)

竹内純さんのヴァイオリン演奏もあって、一層会場は敬虔で神秘的なムードに包まれていきます。大人ばかりではなく、その音色は、物心ついたばかりの小さな子供たちの足をも止めさせる力を持っていました。伝統や格式を重んじる一方で、現代的な遊び心も忘れないそんな魅力ある演奏でした。

ニューヨーク発ダンスパフォーマンス(国際芸術文化交流 舞)

「国際芸術文化交流 舞」は、アメリカ・ブロードウェイでも活躍されている舞台女優・井本美穂さんを中心に、ダンスというエンターテイメントを通じて、地域に密着した体験型ワークショップや、国際文化交流にも力を発揮されているパフォーマンス集団です。

国際芸術文化交流 舞

特にシアターダンスを得意とし、今回は手話をダンスに取り入れることにも挑戦しました。そして、なんといっても今回のダンスの目玉は、この後上映される映画 『ボヘミアン・ラプソディ』にちなんだロックバンド QUEENの曲にのせたダンスパフォーマンス。躍動感あふれる力強いダンスに皆さん夢中です。曲調に併せて手拍子も沸き起こり、会場は盛り上がりをみせます。

手話を取り入れたダンスパフォーマンス

ROLLY & 村治 佳織(トークショー)

こよなくQUEENを敬愛するミュージシャンのROLLYさんと、たいとう観光大使としても活躍しているクラシックギタリストの村治 佳織さんが映画『ボヘミアン・ラプソディ』、そしてQUEENについて熱く語ってくれました。

村治佳織さん(左)・ROLLYさん(右)

特に印象的だったのはブライアン・メイがギターを演奏するときに、ピックではなくコインを使ってギターを弾いていたというエピソード。
日本でいう1円玉にあたるイギリスのシックスペンスコインと彼のピッキングセンスが相まって数々の曲が生まれたとか。
お二人のQUEEN愛トークは尽きません。
そして、今回はなんとお二人セレクトのQUEENメドレーのセッションも披露してくれました。

『ボヘミアン・ラプソディ』映画上映

昨年、日本だけでなく世界で一大ムーブメントを巻き起こし、第91回アカデミー賞最多4部門を受賞した映画『ボヘミアン・ラプソディ』。
本作が、これ以上ない最高級のサウンド設備で、上野恩賜公園に設営された野外大スクリーンで上映されました。
上映に併せて、会場に集まった多くの観覧者の視線が、上映機材を積んだトラックから投影される光の先に注がれました。

日も沈み、暑さはコンクリートの地面がため込んだ熱を残すのみだったはずが、応援上映もOKとなった会場では場面が進むにつれて、QUEENファンによる熱い声援と歌声によって再び熱気がたちこもりました。
その様子は映画館というよりもライブ会場さながら。
この日の上野はいつも以上に熱くなりました。


こうして始まった「第2回 江戸まち たいとう芸楽祭」では、今後続々と映画・芸能・演劇といった多種多様な文化イベントが開催されます。
ぜひ周囲の皆様をお誘いの上、地域に根付き育まれてきた大衆芸能と、年月をかけ洗練された格式や伝統を観て、聴いて、笑いに、会場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
詳しくは、下記公式ホームページをご覧ください。

江戸まち たいとう芸楽祭概要

会期 2019年8月18日(日)~2020年2月15日(土)
会場 ○上野地区 上野恩賜公園噴水前広場・御徒町南口駅前広場ほか
○谷中地区 防災広場初音の森
○北部地区 山谷堀広場ほか
○南部地区 蔵前小学校
○浅草地区 東本願寺・浅草公会堂ほか
公式HP http://www.taitogeirakusai.com/

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