北斎没後170年の今年、7月5日~9月25日の約3か月間にわたって、北斎や江戸をテーマにした川柳を募集したところ、全国各地から、1,901句の投稿をいただきました。尾藤川柳氏(十六代川柳)をはじめとする審査員の方々の厳正なる審査の結果、「すみだ北斎部門」・「江戸たいとう部門」それぞれ北斎賞・川柳賞(最優秀賞)各1句、審査員特別賞(優秀賞)各3句、秀作10句を決定しました。
すみだ北斎部門
北斎賞(最優秀賞)
富士越しの龍は世界を駆け巡る 知美
審査員特別賞(優秀賞)
北斎も刺激が欲しい転居癖 青鹿一秋
8Kが描く浮き世の北斎忌 さねかずら
御前へと駆ける鶏足の竜田川 四迷亭
秀作
北斎の生命線も描く絵筆 夏舟
遠眼鏡覗いた先の蛸と海女 芳雄
赤富士は今日も生きろと美しい しらさぎ郷
奔放に生きて北斎美を残す フーマー
北斎の絵から聞こえる江戸の声 湘路
紙屑の中で眠っている小判 雅生
江戸の世でハンドルネーム彩なして 香をり
にんげんを打つ北斎の波飛沫 充衣
一筆で世界へ届く波飛沫 俊宗
百回に七つ足りずに終の宿 村井方遠
江戸たいとう部門
川柳賞(最優秀)
月の松 弁天堂を指呼にして 安田蝸牛
審査員特別賞(優秀賞)
吉宗の祈りを繋ぐ空の華 水曜
江戸さがし まずは上野のお山から 好日郎
川柳横丁柳は太く高くなり 美智子
秀作
浅草で江戸を味わう異邦人 一雄
雷門ことばの渦の車引き ヨシ江
台東区花に親しむ心意気 ゆきだるま
徳川の御代から響く時の鐘 よしはな
天海に吉野桜の礼を言い にごじゅう
子規愛す根岸の里の絹豆富 陽子
寺町の猫も見上げる築地塀 和巳
おとりさま客を熊手でかき集め かすが
北斎と令和が結ぶ江戸の四季 淳一
宵越しの銭は持たねぇキャッシュレス 祥太
賞
すみだ北斎部門
・北斎賞(最優秀賞)1名…江戸切子オールドグラス ペア
・審査員特別賞(優秀賞) 3名…北斎屏風 2種セット
・秀作10名…北斎箸(江戸木箸)2種セット
江戸切子オールドグラス | 北斎屏風2種セット | 北斎箸(江戸木箸)2種セット |
江戸たいとう部門
・川柳賞(最優秀賞)1名…銅 タンブラー ペア
・審査員特別賞(優秀賞) 3名…桐工芸 米びつ 5kg
・秀作 10名…江戸手描提灯(名入れあり)
銅 タンブラー ペア | 桐工芸 米びつ | 江戸手描提灯(名入れあり) |
※賞画像はイメージです。
審査員
すみだ北斎部門
尾藤川柳氏(十六代川柳)
田中八洲志氏(川柳向島顧問)
橋本光明氏(すみだ北斎美術館館長)
江戸たいとう部門
尾藤川柳氏(十六代川柳)
内田博柳氏(台東川柳人連盟理事長)
浦井正明氏(東叡山寛永寺長臈)