文化が薫り、活気が踊る。ミュージアムウィークで体験する上野まるごと博覧会が堂々開催!

5月8日(金)~5月24日(日)は、上野エリアのミュージアム&人気スポット&グルメなど!文化・芸術を楽しみながらおトクにまちを巡るスペシャルウィーク!

上野エリアでは、5月18日の “国際博物館の日” にちなみ、上野恩賜公園周辺にある博物館や美術館、動物園など 13 施設と、上野のれん会の加盟店が協力し、「上野ミュージアムウィーク」が開催されます。今年も昨年に続き大好評でしたデジタルスタンプラリーが継続して行われ、まちでも多くの展覧会が開催されるなどより一層魅力的なスペシャルウィークとなります。毎年恒例の “まちのお楽しみ” クーポンと合わせ、上野全体が文化のドキドキワクワクに満ち溢れたテーマパークになる特別な時間、ぜひフルにお楽しみください。

今回も一番の注目は“国際博物館の日” にちなんで行われる “無料観覧” です。今年は5月19日(火)となっておりますのでご注意ください。東京国立博物館(東博コレクション展) 、国立科学博物館、国立西洋美術館、旧東京音楽学校奏楽堂、したまちミュージアムの5館の常設展示が無料観覧できます。

松坂屋上野店の美術画廊では百貨店文化の発展とともに歩んできた歴史ある美術品が並び、上野マルイでは使うことでミュージアムの応援につながるクレジットカードもフィーチャーされます。上野駅の交番跡地をリノベーションし誕生したギャラリー CREATIVE HUB UENO “es”(上野駅)、まちのアーティストがパンダをテーマとした展示を行うPARCO_ya上野など、公園内の文化施設だけでなく、まちの中でもアートを感じられるスポットもラリーポイントとなります。

国際博物館の日とスタンプラリーともにアートのまち上野の風情をぜひお楽しみください。

 

■開催概要■
「国際博物館の日」記念事業2026 上野ミュージアムウィーク
開催期間:2026年5月8日(金)~5月24日(日)
会場(参加施設・団体):東京国立博物館/国立科学博物館/国立西洋美術館/東京藝術大学大学美術館/東京都美術館/東京都恩賜上野動物園/上野の森美術館/台東区立旧東京音楽学校奏楽堂/旧岩崎庭園/国立近現代建築資料館/国立国会図書館国際子ども図書館/東叡山寛永寺/台東区立したまちミュージアム/上野のれん会参加店舗(順不同)
※会期中に休館日あり
主催:上野ミュージアムウィーク実行組織連盟
共同主催:上野のれん会
協賛:(一財)全国科学博物館振興財団
協力:東京都東部公園緑地事務所、台東区、(公財)台東区芸術文化財団
公式サイト:http://www.ueno-mw.com/

 

■【ueno杜まちふらり】上野ミュージアムウィーク2026~国際博物館の日~■
『杜でときめき、まちで満腹。上野よくばり散歩』

5月8日(金)~5月24日(日)の間、デジタルスタンプラリーが開催されます。下記の参加施設内にスタンプポイントが出現します。

【チェックポイント紹介】
1.東京国立博物館
2.国立科学博物館
3.国立西洋美術館
4.国立国会図書館国際子ども図書館
5.東京都美術館
6.上野の森美術館
7.旧東京音楽学校奏楽堂
8.東京藝術大学大学美術館
9.東叡山寛永寺 根本中堂
10.旧岩崎邸庭園
11.したまちミュージアム
12.上野マルイ
13.CREATIVE HUB UENO “es”(JR上野駅)
14.松坂屋上野店
15.PARCO_ya上野

【利用方法】
お手持ちのスマートフォンにでジタルスタンプラリーfurariをダウンロード。スタンプラリー加盟の参加施設の指定の場所に行き、スタンプをゲットする。

スタンプ0個・・・・・上野エリアのグルメ、ショッピングのお店で使える杜まちクーポン
スタンプ3個・・・・・藝を育むまち同好会・上野ミュージアムウィーク2026 スペシャル直筆ドローイング作品
スタンプ7個・・・・・参加各館の賞品
スタンプ15個・・・・・参加各館の賞品(当選確率2倍)

※賞品の発送は、ミュージアムウィーク終了後1から2か月後に当選者に届きます。

★スタンプ0個
上野エリアのグルメ、ショッピングのお店で使える杜まちクーポン
うなぎ、焼肉、洋食、甘味から婦人服、バッグ、スカジャンまで
幅広く使えるスペシャルクーポンをこの機会にぜひご利用ください。
アプリの登録をするだけでご利用いただけます。

デジタルクーポンが使える店舗・施設一覧
https://ueno-morimachi.jp/coupon

★スタンプ3個
上野ミュージアムウィーク2026 スペシャル直筆ドローイング作品 40枚(40組)
上野のアート団体・藝を育むまち同好会のアーティスト4名それぞれが思い思いのドローイングを10枚ずつ描きます。直筆ドローイング作品は抽選でプレゼント。

★スタンプ7個
参加各館の賞品一覧

★スタンプ7個 (&15個)
参加各館の賞品
※ご応募いただいた方の中から抽選でプレゼント
参加各館(11館)より提供の賞品です。

〇東京国立博物館賞
・東博コレクション展招待券+オリジナルチケットフォルダセット 20組40枚
・URL:https://www.tnm.jp/

〇国立科学博物館賞
・共通招待券
2枚組20名様 ※お一人1回、各施設(上野本館・筑波実験植物園・自然教育園)のいずれかの常設展示にご入館できます。
・URL:http://www.kahaku.go.jp

〇国立西洋美術館賞
・企画展「版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト」の無料観覧券20組40枚
・URL:https://www.nmwa.go.jp/

〇東京藝術大学大学美術館賞
・大学美術館オリジナルポストカード 20名様 (20名様)
・URL:https://museum.geidai.ac.jp/

〇東京都美術館賞
・企画展「この場所の風景―上野・大牟田・ブエノスアイレス」の無料観覧券20組40枚
・URL:https://www.tobikan.jp/

〇上野の森美術館賞
・『大ゴッホ展 夜のカフェテラス』招待券(5組10名様)
・URL:http://www.ueno-mori.org/

〇旧東京音楽学校奏楽堂賞
・「招待券2枚+チケットフォルダ」を20組
・URL:https://www.taitogeibun.net/sougakudou/

〇旧岩崎邸庭園賞
・旧岩崎邸庭園オリジナルミニクリアファイル+オリジナルポストカード【20セット】(20名様)
・URL:https://www.tokyo-park.or.jp/park/kyu-iwasaki-tei/

〇国立近現代建築資料館賞
・ポストカード4枚入りを20セット
・URL:https://nama.bunka.go.jp/

〇したまちミュージアム賞
ポストカード3枚入りを20セット
・URL:https://www.taitogeibun.net/shitamachi/

〇東叡山寛永寺賞
・非売品の特製ご朱印帳(お一人様1冊):10名様
・URL:http://kaneiji.jp/

〇ものとアート賞
・アーティストが描いた印刷ではなく手書きのリングノート:10名様
・URL:https://www.mono-to-art.com/

 

 

【チェックポイント紹介】

上野マルイ

上野マルイは、JR上野駅・東京メトロ上野駅から徒歩数分に位置する地域のランドマーク的な商業施設です。地下2階から9階まで、ファッション、雑貨、家電、レストランなど約100のテナントが揃い、買い物から食事まで幅広く楽しめます。各階でイベントやポップアップも頻繁に開催されており、地元の方から観光客まで多くの人が行き交う、上野の街の賑わいを象徴するスポットです。

ミュージアム エポスカードは、いつものお買い物がミュージアムの応援になるクレジットカード。年会費はずっと無料で、お気に入りのミュージアムデザインを選べます。使うたびに利用額の0.1%が対象ミュージアムに届き、文化財や美術品、標本資料を未来へつなぐ活動に役立てられます。カード好きにもアート好きにもうれしい一枚です。

ウェブサイトはこちらから

上野マルイ(東京都台東区上野6丁目15番1号)
営業時間:11:00〜20:00

 

CREATIVE HUB UENO “es”

東京藝大とJR東日本の包括連携協定の第一弾として、上野駅の交番跡地をリノベーションし誕生したギャラリーです。東京藝大の学生・卒業生の若手アーティストの作品を展示し、時代を映し出す芸術作品に触れ合う機会をつくります。また、上野駅全体を美術館に見立て、駅構内に点在するアート作品等をご案内し、多様な文化交流の場を創出していきます。 ギャラリー名の”es”(エス)とは、心理学用語で「無意識の領域」を指し、多様な欲望やエネルギーを内在し、小さくとも無限の表現領域を体現できるスペースを目指して命名しました。

会場:CREATIVE HUB UENO “es”(東京都台東区上野7丁目1番1)
開催期間:2026年4月28日(火) 〜 2026年5月31日(日) 会期日数 / 30日間
休廊日 :5/11 (月) 、5/18 (月) 、5/25 (月)
開廊時間:11:00〜19:00(最終入場18:45)
展示内容:齋藤 愛未個展「小さな乗り物」
Manami Saito solo exhibition “An Exhibition of Small Vehicles”
「小さな乗り物」と題し、今まで描いてきた作品を展⽰します。

『本と汽車』2025年 膠・麻紙・岩絵具

齋藤 愛未(Manami Saito)

齋藤は岩絵具を用いて絵画制作を行います。鉱石を砕いてつくられた粒子状の絵具は、その色合いや質感が独特であり目を惹きます。日常の機微を描き留めていくなかで、改めて「乗り物」とは魅力的な造形であると考え、本展示ではモチーフを乗り物に絞り作品を展示いたします。

経歴
2018年 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業
2020年 大学院美術研究科修士課程絵画専攻日本画研究分野
2023年 大学院美術研究科博士後期課程美術専攻日本画研究領域
現在 日本美術院 院友

主な展示歴
2022年 レスポワール新人選抜展(銀座スルガ台画廊)
2024年 個展「-在りし日の-」(松坂屋上野店・松坂屋名古屋店)

 

松坂屋上野店

松坂屋上野店の美術画廊は、百貨店文化の発展とともに歩んできた歴史ある売場です。戦後より、日本画・洋画・工芸など幅広い分野の展覧会を開催し、著名作家から新進作家まで多くの作品を紹介してきました。文化・芸術の街である上野に位置することから、美術文化の発信と作家の発表の場として、現在も多くの展覧会を開催しています。この機会にぜひご気軽にお越しくださいませ。

展覧会スケジュールは下記の通りでございます。なお、最新情報は随時更新しておりますので、詳細は下記ページをご覧くださいませ。
https://shopblog.dmdepart.jp/ueno/art/

松坂屋上野店は、1768年創業の歴史を誇る上野エリアを代表する老舗百貨店です。東京メトロ銀座線「上野広小路駅」と直結しており、JR御徒町駅からも徒歩2分とアクセス抜群。地下1階から8階まで、食品からファッション、暮らしの品まで幅広く揃い、地元の方々に長く愛され続けている上野のランドマークです。

松坂屋上野店(東京都台東区上野3-29-5)
営業時間:10:00〜20:00(美術画廊は18:30まで)

PARCO_ya上野

「ちょっと上の、おとなの、パルコ。」をコンセプトにした上野フロンティアタワー内の商業施設です。地下1階から6階まで、こだわりのファッションやグルメが揃い、7階以上にはTOHOシネマズ上野も。ショッピングも映画も一度に楽しめる、大人のためのおでかけスポットです。

PANDER WONDER  〜SAYAKA KOBORIのわくわくパンダ美術館〜も同時開催
2Fエスカレーター横で藝育会アーティストのコボリサヤカ氏による個展が行われます。ピンクのうえのパンダなどミュージアムウィークならではのレアパンダが勢揃い。まちの春節イベントで制作されたGOGOパンダペインティングも並びます。

※5月15日(金)〜5月17日(日)の間のみ抽選の即売会が行われます。

上野ミュージアムウィーク特別企画!パルコヤ上野に「スペシャルうえのパンダ」が登場

今回お披露目となるのは、ふんわりとした白とピンクの毛並みが目を惹く「スペシャルうえのパンダ」です。

思わず撫でたくなるような柔らかな質感と、首元に結ばれた上品なリボン。

そして、じっとこちらを見つめるような、透明感のある丸い瞳が魅力です。手仕事ならではの温もりと繊細な表現が詰まった、愛らしさ満点の作品に仕上がっています。

上野のアート散策の思い出や、日常を彩る特別な癒やしとして、あなただけのお気に入りをお迎えしてみませんか? ぜひパルコヤ上野の会場で、その愛らしい姿を直接ご覧ください。

PARCO_ya上野(東京都台東区上野3-24-6)
営業時間:10:00〜20:00(6F レストランフロア「口福回廊」は11:00〜23:00)

 

 

藝を育むまち同好会 上野ミュージアムウィーク・スペシャル直筆ドローイング・アーティスト

コボリサヤカ ドローイング例
飯田めぐみ ドローイング例
柳澤樹 ドローイング例
チカトイズ(CHIKA) ドローイング例

 

コボリサヤカ

ソフト・スカルプチュア・アーティスト。”かわいいは世界を救う”を信念に、抑圧的な社会のなかで生きる人々に癒しと希望を届けることをテーマに活動。ドイツ製のファー生地など上質な素材を用い、型紙の制作から縫製、染色、小物に至るまで一貫してハイエンドなハンドメイドにこだわる。ウチノコシリーズをメインに広告ビジュアルやイベント出店、SNSでの発信を通じ、ぬいぐるみというメディアの可能性を開拓する。上野観光連盟とコラボした「うえのパンダ」はパンダがいなくなった今も上野に訪れる多くのパンダファンの心を癒しています。藝を育むまち同好会 所属。

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上野観光連盟公認ぬいぐるみ「うえのパンダ」こちらから

略歴・展示歴
2020年 上野の未来展(東京・上野マルイ)
初個展「コボリサヤカのぬいぐるみ展」(東京・表参道ヒルズ ギャラリー ROCKET)
2021年 Future Artists Tokyo 2021(東京国際フォーラム・アートフェア東京2021)
個展「コボリサヤカ展」(東京・ラフォーレ原宿)
2022年 ラフォーレ原宿 愛と狂喜のマーケット出展

 

飯田めぐみ

ペインター。 認識出来なくなっていく記憶や出来事について関心を持ち制作している。おぼろげで不確かになっていくものの存在を絵画に記録する事で見えないものの存在を認識しようとしている。2000年生まれ 千葉県出身

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略歴・展示歴
2024年3月 武蔵野美術大学造形学部油絵学科 卒業
2024年4月 武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程 入学
現在 修士課程在学展示
2024年1月 2023年度 武蔵野美術大学卒業·修了制作展/武蔵野美術大学鷹の台キャンパス
2024年11月 Group Exhibition:EPIC PAINTERS Vol:14@THE blank GALLERY,Tokyo

 

柳澤 樹

“質感”をテーマに油絵を描く。蛇の鱗を拡大して画面を構成し、細かい描写や色の層を重ねることで不思議な質感が生まれ、鑑賞者によってそれぞれ想像する対象物の肌触りや温度、質量の認識が異なる。これは鑑賞者を取り巻く環境や知識、経験が各々異なるからである。

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略歴・展示歴
2001年 埼玉県川越市生まれ
2024年 武蔵野美術大学 造形学部 油絵学科 油絵専攻 卒業
2024.2 藝を育むまち同好会「大藝育会展」松坂屋上野店 7階 アートギャラリー
2024.2 八犬堂「ヤングアーティスト公募展“いい芽ふくら芽”in TOKYO2024」松坂屋上野店
2024.9 八犬堂「KANZEN-完全-」伊勢丹新宿店

 

チカトイズ(CHIKA)

彫刻家。フューチャーレトロなデザインの造形を通じ、AIと人間の共存の形を探求する作品を展開している。異形の頭部を持つロボットたちはその無骨で錆びた外観とは異なり可愛らしいユーモアと、時にどこか哀愁を感じさせる。テクノロジーと人間の関係性を問い直し、持続可能な未来を批評的に眼差す。社会と自分自身の在り方を通じ、人間らしさとは何かを観る者に考えさせる独自の世界観を表現する。累計フォロワー10万超えの超人気アーティスト。

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略歴・展示歴
広島県福山市生まれ。
2013年「デザインフェスタ vol.38」初出展、創作活動を本格始動
2014年「ワンダーフェスティバル」初参加、デザインフェスタの双方を中心に活動を展開 2020年 上野の未来展(東京・上野マルイ)
2021年 Future Artists Tokyo 2021(東京国際フォーラム・アートフェア東京2021)
2023年 活動10周年記念展「CHIKA WORLD」(東京・谷中「HOWHOUSE」)

 

■その半券、捨てないで!クーポンサービス■
開催期間中、下記店舗にて各館の半券をご提示いただくと無料サービスが受けられます。サービスの内容などの詳細は、上野ミュージアムウィーク公式サイトをご覧ください。

【参加店舗】 ​
黒船亭(デザートサービス)
伊豆栄(ウーロン茶または緑茶1杯サービス)
あんみつ みはし(白玉2個トッピングサービス)
太昌園(生ビールまたはソフトドリンク1杯サービス)
厳選洋食さくらい(生ビールまたはソフトドリンク1杯サービス)
天寿々(野菜天一品プレゼント)
亀屋 一睡亭(あずき最中アイス1つサービス)
会席中国料理 古月(ソフトドリンクまたはビール1杯サービス)
鉢の木(グラスワイン1杯またはデザート、ランチはコーヒーサービス)
よし寿司(生ビールまたはソフトドリンク1杯サービス)
上野マルイ(ミュージアムオリジナルステッカー1枚プレゼント ※先着200名さま)
デリー 上野店(70周年記念オリジナルステッカープレゼント ※先着200名さま)

【利用方法】
上野公園の文化施設の半券を提示
スマホのQRコード、コンビニやチケット売り場で印刷したものもOK
※お1人様1枚提示
※クーポンサービス併用不可

 

■国際博物館の日とは ■
「国際博物館の日」は1977年に国際博物館会議(ICOM)が設けた、博物館の役割について広く理解を深めるための国際的な日です。多くの方に博物館に親しんでいただくこと、博物館の役割をより広く知っていただくことなどを目的に、5月18日とその前後に世界中の博物館で記念行事が行われます。国際的にも稀なほど、博物館・美術館などの文化施設が多数集まる上野では、毎年「国際博物館の日」の前後を「上野ミュージアムウィーク」として文化施設と上野のれん会が様々な記念イベントを行っています。

 

■上野のれん会■
花の雲、上野は大江戸このかたの盛り場代表。明治このかた芸術文化の発信地。 上野のれん会は、その上野の有名店約100店の連合体です。1959年(昭和34年)の創立以来この地の文化的伝統の再発見をめざして、タウン誌「うえの」を、毎月発行してきました。通巻796号(2026年4月現在)になります。

 

■フライヤー■

◎お問い合わせ
上野ミュージアムウィーク実行委員会事務局
TEL 03-3833-8016 FAX 03-3839-2765(上野のれん会内 平日10:00~17:00)

 

【上野のれん会】プレスリリースより


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2027年4月、待望の開催!「デュフィ展」

東京都美術館

東京都美術館では、2027年4月24日(土)から8月22日(日)まで、「デュフィ展」を開催いたします。

6メートルの大作! パリ万博で制作されたフレスコ画《電気の精》の原画が来日!
ラウル・デュフィ(1877~1953)は、20世紀フランスを代表する、「色と光」の画家です。海、船、音楽、麦畑、田園風景など、穏やかで心地よい題材を、鮮やかな色彩で描いた作品を多数残しています。その創作活動はカンヴァスにとどまらず、テキスタイル、衣装デザイン、陶器、タペストリー、家具にまで及び、多彩なアーティストとしても広く知られています。

本展はデュフィの生誕150年を記念し、その全貌を、パリ市立近代美術館が所蔵する多数の作品を中心に紹介します。中でも、1937年のパリ万国博覧会のために制作された巨大フレスコ画《電気の精》の原画となる、10分の1スケールの貴重な絵画(幅6メートル)は必見です。

2027年の春、華やかで明るい色彩が、東京・上野に広がります。

電気の精
《電気の精》は、1937年パリ万国博覧会の「電気と光のパビリオン」のために制作された、幅60メートルに及ぶ巨大なフレスコ画です。現在はパリ市立近代美術館の専用展示室に設置され、来場者を包み込む壮麗な空間を創り出しています。技術的な見事さとモチーフの豊かさにおいて、デュフィの芸術の集大成であると同時に、装飾芸術の最高峰の一つと言えるでしょう。

 

【開催概要】
展覧会名:デュフィ展
会 期:2027年4月24日(土)~8月22日(日)
会 場:東京都美術館(東京・上野公園)〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
主 催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、パリ市立近代美術館、パリ・ミュゼ、読売新聞社
公式サイト:https://dufy2027.jp

<巡回>
2027年9月11日(土)~12月12日(日)京都市京セラ美術館

 

【デュフィ展 広報事務局】プレスリリースより


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【書道博物館】「中村不折 生誕160年記念特集」レポート。洋画、書、新聞挿絵…多彩な才能を示した創設者の生涯を辿る

台東区立書道博物館
左から中村不折《湖畔》昭和15年(1940年)前期展示、《猗器の誡》昭和16年(1941年)通期展示

東京都台東区・根岸にある台東区立書道博物館は、日本でも珍しい書道に特化した専門博物館。中国および日本の書道史研究上重要な、約1万6000点のコレクションを有しています。「書道」と聞いて多くの方がイメージするだろう紙の墨書にとどまらず、亀の甲羅や骨に刻まれた現存最古の漢字である「甲骨文字」や、儒教経典を石に刻んだ「石経」など、多様な文字資料を通して、漢字の書法や文字の歴史を辿れる点が魅力となっています。

そんな書道博物館では現在、洋画家であり書家でもあった創設者・中村不折ふせつ(1866-1943)の生誕160年を記念し、生涯にわたる作品や資料を紹介する企画展「中村不折 生誕160年記念特集」が開催中です。(会期は令和8年7月12日(日)まで)

通常の館内展示とは趣が異なり、油彩画や水彩画、新聞挿絵などが多く空間を彩っているため、「書は難しそう・取っつきにくい」と感じているアートファンも触れやすい展覧会だといえそうです。

今回は、同館の主任研究員である中村信宏さんに展示を案内していただきました。

※会期中に展示替えがあります。展示一覧はこちらから
前期展示:4月4日(土)~5月24日(日)
後期展示:5月26日(火)~7月12日(日)

※紹介作品はすべて台東区立書道博物館所蔵です。

中村不折《裸婦頭胸像》1903~1905年(明治36~38年)通期展示
不折のチャーミングな自画像。中村不折『不折画集 第一』明治43年(1910年)通期展示

「新宿中村屋」の看板文字を手掛けたことで有名な中村不折(改名前は中村鈼太郎)は、明治・大正・昭和にわたり、洋画界と書道界の両分野において大きな足跡を残した人物です。

慶応2(1866)年に江戸・京橋に生まれ、5歳の時、明治維新の混乱で幕府側の役人であった父が失職。母の縁を頼って長野へ移り、呉服屋の丁稚奉公や菓子職人として働きながら、余暇には漢学や南画、書を学ぶ少年時代を送ります。数学者を志し、19歳で小学校教員として算数や図画を教えるも、より高度な数学を学ぶには語学の習得が不可欠であることを痛感します。聴覚に不自由を抱えていた不折にとって、それは容易な道ではなく、次点の希望であった絵画の世界へと本格的に踏み出すことになりました。

「こうした経験から、もう自分は挫けない、心を折らない、という決意を込めて“不折”を名乗るようになりました」(中村さん)

明治21(1887)年、23歳で上京し、縁者を頼って後の首相である高橋是清の別邸の空き部屋に下宿。洋画家・小山正太郎が主宰する画塾「不同舎」に入門し、以降十数年にわたり絵画の指導を受けます。

中村不折《吉祥寺村農家》明治20年代(1888~1896)前期展示

1階展示室の冒頭で紹介されているのは、西洋画の一点透視図法を用いた風景画の素描や水彩画、現存する最初の油彩画《自画像》など、塾生時代に描かれた作品群です。画塾の教育方針は徹底した素描重視であり、鉛筆画の素描を十分に習得して、ようやく水彩画、続いて油彩画を描くことが許されるというものでした。そのため、不折ら塾生は不同舎のあった千駄木から、吉祥寺などの郊外にも足を延ばし、朝から晩まで風景をスケッチしては講評を受ける生活を送りました。

中村不折《農家内部》明治22年(1889年)前期展示
中村不折《自画像》明治24年(1891年)前期展示

 国粋主義の潮流の中、洋画で生計を立てる難しさに苦心していた不折の人生に大きな転機が訪れたのは、明治27(1894)年、29歳の時でした。俳人でありジャーナリストでもあった正岡子規が編集主任を務める新聞『小日本』の挿絵画家に抜擢されたのです。それが文豪や俳人たちの目にとまり、次第に本や雑誌の挿絵や装幀の依頼が舞い込むようになります。

「当時、子規の所属する日本新聞社は、紙面で政府の外交態度や欧化政策を厳しく批判する記事を書いては、たびたび発行停止処分を受けていました。発行停止中の損失を抑えるために企画されたのが、家庭向けの絵入り新聞『小日本』です。子規が友人の画家・浅井忠に挿絵が得意な画家を探してほしいと頼んだところ、不同舎で付き合いのあった不折を紹介されます。画力の高さはもちろん、版木の彫師が扱いやすい省略と強調が利いた線が描けて、画面の構成力もある。子規は一目で不折の実力を見抜きました。不折は絵も字も得意なうえに締め切りを守るため、非常に信頼されていたようです」(中村さん)

年齢が近いこともあり、無二の友人となった子規と不折は、翌年の明治28(1895)年に日清戦争の従軍記者(絵師)として中国に渡ります。ところが、赴いた先で休戦状態に入ったために仕事がなくなります。不折は子規の誘いに乗る形で、約4か月かけて中国や朝鮮半島をスケッチしながら巡遊しました。

中村不折《財神廟》明治28年(1895年)前期展示
中村不折《遼左画稿乙集》明治28年(1895年)通期展示

初めて大陸の文化に触れた不折は、本格的に書の魅力にのめり込みます。取材のかたわら、拓本(石碑などに刻まれた文字を紙と墨で写し取ったもの。臨書の手本)をはじめとする貴重な考古資料を目にし、帰国後には古書店や骨董屋で私財を投げうって資料を蒐集。今日の書道博物館におけるコレクションを築きます。

2階展示室の前半部では、不折の洋画家としての展開を辿っています。

画家としてさらに飛躍しようとした不折は、1901(明治34)年、36歳でパリに留学。黒田清輝を指導したフランス・アカデミズムの画家ラファエル・コラン、続いて歴史画家ジャン=ポール・ローランスに師事し、約4年にわたり研鑽を積みます。

「当時の留学というと、政府や財閥からの援助か、ジャポニズムが流行していたアメリカで作品を売って資金を作り、そこから本場フランスへ向かうルートが一般的でした。しかし、幼い頃から金銭面で苦しんだ不折は独立独歩、質素倹約の気が強かったため、新聞挿絵などで得た収入を地道に貯蓄し、当時としては非常に珍しく、渡航前に独力で高額な留学資金を工面しています。さらに、留学前年にはアトリエ付きの一軒家を一括購入し、妻子にまとまった生活費も与えてから旅立ちました。並大抵ではない覚悟をみせる不折に対し、伊藤左千夫(歌人・小説家)は深い友情と成功への願いを込め、《君が渡欧を送る短歌十章》を贈っています。その“熱すぎる”メッセージにぜひ注目してみてください」(中村さん)

伊藤左千夫《君が渡欧を送る短歌十章》明治34年(1901年)通期展示/「天職 身におひもちて 益荒夫か 出立つこゝろ 尊くもあるか」など、短歌はいずれも不折に対する最大級の敬愛を感じさせます。

パリ留学中の展示では、4点の裸体習作が目を引きます。

不同舎で写生技術を磨いてきた不折ですが、手やつま先が曖昧に処理されている留学初期の裸体習作からもわかるように、人体描写について十分な訓練を積んだとは言いがたい状況でした。ローランスはこうしたデッサンを見て、全身を描く段階には達していないと判断。手足の部分素描から厳しい指導をはじめ、数か月の間に人体描写の厳密な技法を身に着けさせました。

左から中村不折《裸婦習作》1902年(明治35年)頃、《裸婦習作》1901年(明治34年)いずれも通期展示
左から中村不折《裸婦習作》1903~1904年(明治36~37年)通期展示、《裸婦習作》1902~1903年(明治35~36年)前期展示

「1900年前後には、すでに印象派など新しい潮流も生まれていましたが、アカデミックな美術教育においては、依然として宗教や神話などを扱った伝統的な歴史画がヒエラルキーの頂点にありました。群像による歴史画に挑むには、老若男女の骨格や肌の質感を描き分けなければ、画面の説得力を欠いてしまいます。そのため、基礎として裸体図を徹底的に学ぶ必要があったのです。寝る間も惜しんだ甲斐があり、2年後には画塾の競技会で200人中10位に選ばれるほど実力をつけています」(中村さん)

中村不折《ダンテの地獄巡り》1904年(明治37年)通期展示/指定された歴史画の下絵を短時間で仕上げるエスキース(構図下絵)の競技会で10位を獲得した作品。
『龍門二十品』北魏~唐時代・4~10世紀 通期展示/不折はこうした無骨で力強い楷書を好み、留学の余暇に学びました。周囲から「漢字研究のためにパリに来た」と揶揄されるほど研究熱心だったといいます。

明治38(1905)年に40歳で帰国した後の不折は、太平洋画会会員や帝国美術院会員、文部省美術展覧会の審査員を務めるなど、洋画壇の重鎮として活躍。また、太平洋画会研究所(後の太平洋美術学校)の初代校長として後進の育成にも尽力します。自身の制作においては、ローランスから学んだ歴史画をライフワークとし、書の研究で培った知識を生かして東洋故事を題材とする洋画を多く手掛けました。

その代表作と呼べるのが、晩年に制作された《猗器の誡 きき いましめ》です。画面中央にいるのは孔子であり、中身が空でも満杯でも覆る“猗器”が、水を半分ほど入れると水平になる様子を指差しています。名君たる者は実力以上を求めて慢心せず、中庸を戒めとすることを弟子に説く、中国春秋時代の故事を表した一作です。

中村不折《猗器の誡》昭和16年(1941年)通期展示

2階展示室の後半部では、書や日本画、新聞挿絵、そして文豪との交流に焦点を当てています。

明治41(1908)年、43歳となった不折は、多忙の末に神経衰弱に陥り、医師から一切の仕事を止められます。療養のために滞在した群馬県・磯部温泉で手掛けたのは、北宋の文人である蘇轍の詩二十首を書き連ねた『龍眠帖』でした。療養中の手慰みのように書かれたこの作品が、思いがけない転機となります。本作を目にした俳人・河東碧梧桐が出版を強く勧めたのです。「手を加えれば作品の気が失われてしまう」とのアドバイスを受け、不折は書き損じもそのままにデビュー作として刊行します。結果として、本作は法則にとらわれない大胆で自由な書風によって注目を集め、いわゆる“不折流”として一世を風靡しました。

中村不折『龍眠帖』明治41年(1908年)前期展示

先に紹介した、重厚で力強い『龍門二十品』など、不折が熱心に研究していた南北朝時代の書と比べて、『龍眠帖』の書きぶりは大きく異なります。書に詳しくない方は戸惑うかもしれませんが、その疑問を中村さんは「かたちを重視する日本人らしい感覚だ」と指摘します。

「日本人は、お手本が隣にあると似せようと努力しますよね。大陸だと、基本的にかたちは重視されません。そのお手本がもつ気(オーラ)を吸い込んで吐き出した結果、その人らしい異なる書が生まれます。これは西洋と東洋の芸術の違いでもあり、目に見えるものをリアルに追求していくのが西洋、目に見えないものを表そうとするのが東洋です。そのため、古代中国の政治文化をけん引した文人たちは、心の中から現れる言葉を紡いでかたちにする詩、そしてそれを文字に残す書を何よりも大切にしました」(中村さん)

中村不折《西宮酒造株式会社長 伊藤君紀徳碑稿軸》大正7年(1918年)前期展示

また、ひとつの作品の中で文字のかたちを固定せず、さまざまな字体や字形を織り交ぜることを良しとしている点も特徴です。実際に、700字以上からなる《西宮酒造株式会社長 伊藤君紀徳碑稿軸》という石碑の原稿では、同じ文字が何度も登場しますが、同じかたちはほぼ存在しません。「醸」の字の「八」の部分を「□□」や「△△」に変えた異体字など、その種類の多さから不折の深い造詣がうかがえます。石碑として彫刻されることを前提としているため、にじみやかすれといった表現は抑えられていますが、なお個性が失われない点に不折流の強みがあるといえそうです。

中村不折《鶏頭 子規居士之写生》明治42年(1909年)前期展示/新聞挿絵の先駆者であった不折は、文章がなくとも挿絵単体で意味が通じる「コマ絵」で読者を楽しませました。
中村不折《高砂初旭図軸》明治~昭和時代(20世紀)前期展示/不折にとっての日本画は、生活や研究資料収集の資金集めを目的としたもの。時には数分で仕上げることもあったとか。
中村不折《夏目漱石『吾輩ハ猫デアル』挿絵》明治38年(1905年)通期展示

明治の文豪たちとの交遊関係を示す資料も、非常に興味深いものばかりです。留学から帰国したばかりの不折が、夏目漱石の『吾輩ハ猫デアル』の挿絵を担当した際には、初版本がわずか20日で完売するほど人気を博しました。小説家としてのデビュー作の成功を受け、漱石は丁寧な礼状を送っています。

夏目漱石《漱石居士書翰 下 3通目》明治38年(1905年)前期展示

「漱石の普段の書は、わりとボソボソとした線質なのですが、この礼状は非常に爽快感のある美しい文字で書かれています。よほど完売が嬉しかったのだと思います」(中村さん)

不折の書に深く傾倒していたのは森鷗外です。鷗外は臨終に際し、自らの墓には不折の書で、「森鷗外」や「陸軍軍医」といった肩書ではなく本名の「森林太郎墓」だけを刻むよう遺言を残し、大正11(1922)年に世を去りました。遺言を受けた不折が揮毫した墓碑は、現在も東京都三鷹市の禅林寺で見ることができます。

ところが、鷗外の死後に全集刊行が計画されると、題字をめぐって議論が生じます。晩年の鷗外が「森鷗外」という号を用いることを好まなかった意向を尊重し、『森林太郎全集』とすべきか、それとも知名度を考慮して『鷗外全集』とすべきかで意見が分かれたのです。その決定に大きく影響したのが、後者の派閥に属していた与謝野鉄幹の書簡でした。

「与謝野鉄幹は先んじて、何も事情を知らない不折に『鷗外全集』という題字を依頼したのです。すでに書いてもらった以上、そのまま進めるしかないという状況をつくったわけですね。結果として、不折が揮毫に苦労した点も考慮され、題字の横に『森林太郎著』と添えることで折り合いがつけられました」(中村さん)

賀古鶴所《森鷗外遺言書(複製)》大正11年(1922年)、与謝野鉄幹《中村不折宛書簡軸》大正11年(1922年)など、いずれも前期展示

自認はあくまで洋画家であり、「書は余戯である」とも語っていた不折。だからこそ、形式にとらわれない純粋な表現欲求としての書に取り組むことができ、その伸びやかな書風が気難しい文豪たちをはじめ、多くの人々を惹きつけたのでしょう。

後期展示では、さらに深く正岡子規との交流に焦点を当てた内容に替わる予定です。展示一覧を確認のうえ、ぜひ足を運んでみてください。

■企画展「中村不折 生誕160年記念特集」概要

会期 令和8年4月4日(土) ~ 7月12日(日)

※会期中に展示替えあり
前期展示:4月4日(土)~5月24日(日)
後期展示:5月26日(火)~7月12日(日)

会場 台東区立書道博物館
開館時間 午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日 月曜日(祝休日と重なる場合は翌平日)
入館料 一般 500円 小、中、高校生 250円
※詳細は公式サイトをご確認ください。
公式サイト https://www.taitogeibun.net/shodou/

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【国立西洋美術館】「チュルリョーニス展 内なる星図」レポート。絵画と音楽を融合したリトアニアの国民的芸術家、34年ぶりの大回顧展

国立西洋美術館
《レックス(王)》1909年

リトアニアを代表する芸術家ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(1875–1911)の、日本で34年ぶりとなる大回顧展「チュルリョーニス展 内なる星図」が、国立西洋美術館で開催中です。会期は2026年6月14日(日)まで。

※展示作品はすべてミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス作、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵です。M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.

展示風景
左から《第6ソナタ(星のソナタ):アレグロ》、《第6ソナタ(星のソナタ):アンダンテ》1908年

20世紀初頭、絵画と音楽のふたつの領域で卓越した才能を示し、リトアニア近代文化の礎を築いたチュルリョーニス。35年の短い生涯のうち、約6年間の画業で300点以上の作品を残しています。

その芸術は、ロシア帝国の支配下、民族解放運動のさなかに形成されたものであり、祖国の豊かな自然や歴史、古来より伝わる民話を創作の源泉にするなど、リトアニア固有のアイデンティティに根差しています。同時に、神智学や天文学にも関心を寄せ、人間の精神世界や宇宙の神秘を巡る思索を深めました。象徴主義絵画と抽象絵画を橋渡しするような独自の表現で知られ、とりわけ作曲家ならではの感性で、音楽形式の絵画の構造への転換といった造形的革新性が、今日における評価を確かなものとしています。

リトアニアにおける生誕150周年の祝賀ムードを引き継いで開催される本展は、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)が所蔵する代表的な絵画や版画、素描など約80点を紹介するものです。

 展示は全3章にプロローグ、エピローグを加えた構成になっており、プロローグではチュルリョーニスの画業の出発点を紹介しています。

チュルリョーニスは、1875年にリトアニア南部の慎ましい家庭に生まれ、オルガン奏者の父親のもと、幼少の頃から音楽の才能を発揮しました。1894年、作曲を学ぶために18歳で隣国ポーランドのワルシャワ音楽院に進学。1901年まで同地で研鑽を積み、代表的な交響詩《森の中で》をはじめとする音楽作品を手がけます。その後、ドイツのライプツィヒ王立音楽院での学びを経て、長年の夢だった絵画の道を本格的に志すようになるのは、1902年頃になってからのことでした。

《森の囁き》1904年

初期の絵画作品には象徴主義的な表現が強く表れていたといいますが、残念ながらその大部分は失われています。新設されたワルシャワ美術学校に第1期生として入学した1904年に描かれた《森の囁き》(1904)は、現存する貴重な作例です。

画面では、神秘的な暗い森に立ち並ぶ木立の前に、霧のようにかすんだ手が浮かび上がっています。前年に制作された同一モティーフの絵葉書と見比べると、木立の形態にハープの弦が、森の柔らかな騒めきにハープをつま弾く音色が重ね合わされていることが、より明確に読み取れるでしょう。本作にはすでに、チュルリョーニスの絵画を特徴づける音楽的感性が色濃く反映されています。

第1章「自然のリズム」では、チュルリョーニスの描いた自然の表現を辿っています。

展示風景、右は《山》1906年
《庭(噴水)》1905/06年

ワルシャワに拠点を置きながらも、チュルリョーニスにとって、祖国の豊かな自然は創造の源であり続けました。しかし、その絵画に写実的な風景描写は少なく、主に関心が向けられていたのは、自然の動的な移ろいであったといいます。自然の内部に流れるリズムや生命の循環プロセスそのものを抽象的に、時に擬人的に捉え、そこに抒情性や象徴性を吹き込んでいきました。

左から《閃光Ⅰ[3点の連作より]》《閃光Ⅱ[3点の連作より]》《閃光Ⅲ[3点の連作より]》1906年

そうした関心は、四季の巡りなど自然を主題とする連作のかたちで結実します。3点からなる最初期の連作《閃光》(1906)では、夜が深まる中、灰色の煙から生まれた光の群れが列をなして移動し、やがて風に導かれるように青い門の前へとたどり着く、幻想的なイメージが展開されます。

閃光の正体について、一見ではホタルの発光のような自然現象を連想します。しかし、チュルリョーニスにとって「門」は重要なモティーフであり、現実と幻想、可視と不可視の境界を示す存在、あるいは精神的次元への入口や魂の通過点を象徴するものです。こうした点を踏まえると、精神や魂といった根源的な何かが、門を介して変容を遂げる過程を示唆するものとして解釈することもできるでしょう。

展示風景、右は《冬Ⅰ[8点の連作より]》1907年

また、周辺の画家の多くが、冬の静謐でメランコリックな側面に着目したのに対し、チュルリョーニスは、そこに内在する力をダイナミズムとともに可視化しようと試みました。8点からなる連作《冬》(1907)では、生命の象徴である樹木を一貫した主題に据え、冬の自然の諸相の中でさまざまな姿に変奏しています。

《冬Ⅳ[8点の連作より]》1907年
《冬Ⅷ[8点の連作より]》1907年

雪原に立つ樹木を堅牢な氷塊に閉じ込めながら、あるときは生と死、希望と絶望といった対照的な観念を提示するものとして、またあるときは神の啓示を暗示する燭台のメタファーとして表しています。やがて雪解けが生命の息吹を伝える中、樹木や雪片といったすべてのモティーフを幾何学的な星や矩形の集積に還元することで、冬に内在する強靭なエネルギーそのものを示すようなかたちで連作を締めくくっています。

第2章「交響する絵画」では、いよいよチュルリョーニスが試みた、絵画と音楽の融合というテーマを扱っています。

チュルリョーニスがこのテーマに集中的かつ体系的に取り組んだのは、1907年から1909年にかけてのことです。当時のヨーロッパでは、ボードレール、ワグナー、ニーチェらの思想を背景に、画家たちの間で絵画と音楽の融合を試みる動きが広がりました。しかし、多くの画家が色彩による共感覚的な音楽表現に関心を寄せたのに対し、チュルリョーニスは作曲家ならではの視点から、音楽の構造そのものを絵画に応用したのです。この点にこそ、モダンアートの歴史においてチュルリョーニスが特異な位置を占める理由があるといえるでしょう。

左から《プレリュード[二連画「プレリュード、フーガ」より]》《フーガ[二連画「プレリュード、フーガ」より]》1908年

二連画の《プレリュード、フーガ》(1908)では、ポリフォニー(多声音楽)の一形式であり、主題を複数の声部(パート)が模倣しながら追いかけるフーガへの導入として、プレリュードを置いています。

「プレリュード」では画面中央に浮かぶ黄金の船に目が引かれますが、注目すべきは、画面右下に描かれた首を垂れて座る人間や、上方を指す手、塔を思わせるシルエットが「フーガ」の画面下部へと連続している点です。

続く「フーガ」では、それらのモティーフに加えてモミの木が主題として登場します。穏やかな湖畔の風景かと思いきや、よく観察すると、モミの木の像と水面の反映像が対応していません。ここではフーガの構造にのっとり、各モティーフを形や色彩の微妙な変奏を伴いつつ反復し、大きく、小さく、まばらにすることで音楽性を喚起しています。

本作のように、チュルリョーニスは伝統的な遠近法に基づく再現的空間を放棄し、水平に分節した複数の層によって画面を構成していきました。そして、複数の独立した旋律を調和させながら同時進行させる対位法(フーガなどの作曲技法)さながらに、それぞれの層を共鳴させることで、まさにポリフォニーが織りなす響きの印象を視覚的に表すことに成功したのです。

左から《第3ソナタ(蛇のソナタ):アレグロ》《第3ソナタ(蛇のソナタ):アンダンテ》《第3ソナタ(蛇のソナタ):スケルツォ》《第3ソナタ(蛇のソナタ):フィナーレ》 1908年

また、チュルリョーニスは音楽のソナタ形式を絵画に導入し、より壮大な構成を有する連作を生涯で7点制作しました。本展ではそのうちの3点、《第3ソナタ(蛇のソナタ)》《第5ソナタ(海のソナタ)》《第6ソナタ(星のソナタ)》(いずれも1908)を紹介。連作の各章にはテンポを指示するタイトルが付けられており、《第5ソナタ(海のソナタ)》は「アレグロ」「アンダンテ」「フィナーレ」の3章構成です。

左から《第5ソナタ(海のソナタ):アレグロ》《第5ソナタ(海のソナタ):アンダンテ》《第5ソナタ(海のソナタ):フィナーレ》1908年

規則的な水平層によって構成された「アレグロ」では、海が音符の弾む楽譜のように捉えられており、岸辺に広がる波や泡沫、黄金色に輝く粒が軽快なリズムを生み出しています。続く「アンダンテ」では、波の動きがゆったりとしたものへと変化。静謐な雰囲気の中で、視線はリトアニア神話のイメージが重なる海底の王国へと沈んでいきます。そして「フィナーレ」では、立ち上がる大波の高揚するリズムとともに、泡や帆船といったモティーフが集約され、劇的な終幕を迎えます。

本作は、チュルリョーニスが婚約者のソフィヤと、バルト海に面した保養地でひと夏のバカンスを過ごす間に構想・制作されたもので、その祝祭感は私的な幸福感の発露であるという見方もあります。なお、「フィナーレ」の大波の図像については、葛飾北斎の《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》の影響が指摘されています。(※同作は同時開催されている「北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより」に展示中です)

《ピアノのための交響詩「海」の楽譜草稿》1903年

海は永遠や生命の循環のイメージと結びつくとともに、波の反復が音楽的リズムを体現するため、チュルリョーニスの感性と深く共鳴するモティーフであり、交響詩や散文詩においても主題として扱われました。本章の展示室では、ピアノのための交響詩《海》がBGMとなっているほか、《海》の楽譜草稿も展示されています。チュルリョーニスがどのように自然の気配に対して耳を澄まし、その旋律を作品へ“採譜”したのかを、より多面的に探ることができるでしょう。

第3章「リトアニアに捧げるファンタジー」では、リトアニアの民族性に焦点を当てながら、チュルリョーニスの円熟期の作品を紹介しています。

1904年から1905年の日露戦争でのロシア敗戦とロシア第一革命を受け、リトアニアにおいて民族解放運動が急速に活発化しました。チュルリョーニスもまた、同国の芸術界をけん引する指導者のひとりとして運動に身を投じ、リトアニア文化の精神的マニフェストとしてのエッセイ集や、リトアニア民謡集のための挿絵などを手掛けていきます。その根底には、地方に息づく民話や民謡、工芸といった民族文化の再評価が、失われた国民・国家のアイデンティティの形成や、リトアニア的な芸術様式の構築に不可欠だという思いがありました。

ソフィヤ・キマンタイテ=チュルリョーニエネ著《『リトアニアにて』(1910年出版)のための表紙デザイン》1909年

一方で、民族文化はチュルリョーニス自身の創作においても良い着想源となりました。たとえば、《リトアニアの墓地》(1909)に登場する十字架は、民族の独立への願いが込められた同国を代表するモティーフのひとつです。

《リトアニアの墓地》1909年

本作では、テンペラ画らしい透明感のある青緑を基調とする空に、魂の道標である北斗七星が輝き、地上では十字架のシルエットがリズミカルに配置されています。これらの十字架はリトアニアの自然崇拝や祖霊信仰の伝統と、14世紀に国教として導入されたキリスト教の象徴が融合することで生まれたもので、動植物や天体の装飾的意匠がふんだんに施された独創的なものでした。

次第に十字架そのものが民間信仰化し、死者の弔いのみならず、旅の安全や豊作祈願といった広義の祈りや記念の手段として、墓地や路端、農家の敷地内などあらゆる場所に建てられたといいます。それゆえに、ロシア帝国の同化政策下で弾圧の対象になったのです。

《プレリュード(騎士のプレリュード)》1909年

より高らかに民族復興をうたっているのは《プレリュード(騎士のプレリュード)》(1909)です。めったに特定の景観を表すことのないチュルリョーニスが、リトアニアの首都ヴィリニュスを想起させるエッセンスを散りばめた都市。その上空を勇ましく駆ける透明な騎士(ヴィティス)は、14世紀から18世紀末までリトアニア大公国の国章として親しまれた、国家の独立と栄光の象徴です。

左から《おとぎ話Ⅰ[三連画「おとぎ話」より]》《おとぎ話Ⅱ[三連画「おとぎ話」より]》《おとぎ話Ⅲ[三連画「おとぎ話」より]》1907年

また、チュルリョーニスは1907年以降、民話や神話、普遍的な物語構造を自身のヴィジョンと融合させた原型的イメージを展開する、「おとぎ話」という独自の絵画ジャンルを確立しました。

魔法の世界、王や王女、騎士、旅、道といったモティーフは、このジャンルの典型的な構成要素であり、《おとぎ話(王たちのおとぎ話)》(1909)は王を主題とした作品です。夜闇に包まれた森を舞台に、リトアニアの美しい自然と農村の風景が収められた光り輝くドームを見つめる、ふたりの王。彼らは世界の二元性を体現すると同時に、小さきリトアニアを世界の外から見守る守護者でもあります。

《おとぎ話(王たちのおとぎ話)》1909年

「王」はチュルリョーニスの画業の初期から、一貫して重要な主題のひとつでした。その世界を司る超越的存在としてのイメージは、本展エピローグで登場する大作《レックス(王)》で決定的なものとなります。

一方で、チュルリョーニスは神智学や天文学といった当時の国際的な思想潮流に触れ、人間の精神世界と宇宙の神秘に対する思索を深めていきました。

《祭壇》1909年

日本初公開となる《祭壇》(1909)は、鳥瞰視点の独特な空間表現に、宇宙的なヴィジョンの感覚が満ちたチュルリョーニスの代表作です。階段状の巨大な祭壇の側面に描かれているのは、騎士や天使など、いずれもチュルリョーニスにとって象徴性を備えたモティーフ。それらが複雑に絡み合うことで、下段から上段に向けて壮大な叙事詩の様相を呈しています。同時に、階段というモティーフ自体も、高みへと上昇する人間精神の諸段階を象徴しており、その階数は宇宙と人間の構造を7つの段階に分ける神智学の理論に対応すると考えられています。

《レックス(王)》1909年

エピローグで展覧会を締めくくるのは、チュルリョーニスの思想と造形的探究を最も包括的に示す代表作であり、自身最大の絵画作品でもある《レックス(王)》(1909)です。モノクロームの美しい明暗で彩られた画面に、世界を構成する火・水・大地・大気の四大元素を凝縮。壮大な交響詩を思わせる多元的構造のもと、星や天使、木々といったモティーフが無数に反復されるなか、二重に重なった半透明の王が宇宙を垂直に貫くように地球の上に鎮座しています。

いまだ謎の多い本作において、チュルリョーニスはリトアニア土着の自然崇拝やヒンドゥー教、エジプト神話、神智学、天文学、自然科学など、これまで吸収した多岐にわたる思想をひとつの造形体系として統合し、キリスト教的な神とは異なる新しい物語を創出しました。ふたつの王は、二元論的な原理を示すと同時に、単なる世界の支配者ではなく、自然や宇宙と一体となった汎神論的な存在として描かれているのです。

本作は、画家としてさらなる飛躍を求めたチュルリョーニスが、サンクトペテルブルクへと活動の場を広げた時期に描かれたものであり、その目論見どおりに、ロシア芸術界の重鎮アレクサンドル・ベヌアから高く評価されました。しかし、チュルリョーニスがそれを知ることはなく、過酷な制作活動や精神的緊張により、次第に心身を病んでいきます。そして1911年4月10日、肺炎により35歳の若さでその生涯を閉じました。


音楽と絵画、リトアニア民族のアイデンティティ、そして人間の精神世界や宇宙の神秘を巡る思索を幻想的に描き出した、唯一無二の芸術家チュルリョーニス。2000年以降、ヨーロッパ各地で展覧会が開催されるなど、再評価の機運が高まるその独創的な世界を、ぜひ会場でお楽しみください。

「チュルリョーニス展 内なる星図」概要

会場 国立西洋美術館 企画展示室B2F(東京都台東区上野公園7-7)
会期 2026年3月28日[土]~6月14日[日]
休館日 月曜日、5月7日[木](ただし、5月4日[月・祝]は開館)
開館時間 9:30 ~ 17:30(金・土曜日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
観覧料(税込) 一般2,200円、大学生1,300円、高校生1,000円、中学生以下無料

※観覧当日に限り「北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより」と常設展を共通のチケットでご覧いただけます。

※チケットはイーティックス、もしくは国立西洋美術館券売窓口で購入できます。

主催 国立西洋美術館、読売新聞社、国立M. K. チュルリョーニス美術館
展覧会公式サイト https://2026ciurlionis.nmwa.go.jp/

※記事の内容は取材時点のものです。最新情報は展覧会公式サイト等でご確認ください。


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「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」(国立科学博物館)レポート。圧倒的パワーや猛毒など、危険生物たちの“必殺技”に焦点を当てた知的好奇心をくすぐる展覧会

国立科学博物館
展示風景

動物や恐竜、神話生物などの強さを対戦形式で紹介・考察する、いわゆる「バトル図鑑」が近年高い人気を集めています。「世界最強の動物は?」「アフリカゾウでしょ」「いや、なんだかんだ言ってカバが強い」——そうした議論は、好奇心旺盛な子どもはもちろん、大人も思わず白熱する楽しい話題のひとつです。

強大なパワー、鋭い牙、猛毒、電撃。人間が太刀打ちできない、危険生物たちの驚異的な能力。それは、獲物を狩るため、身を守るために進化の中で身につけてきた“必殺技”とも呼べる能力です。

そんな必殺技に焦点を当て、危険生物の驚くべき生態から身近な生物が秘める危険性までを科学の視点から解き明かす特別展「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」が、東京・上野の国立科学博物館で開催中です。「最強」をめぐる議論にも、新たな視点を与えてくれるかもしれません。(会期は2026年6月14日まで)

会場入り口
展示風景
展示風景

会場のデザインコンセプトは、“危険生物の驚異的な能力を探る禁断の研究所(ラボ)”です。既存の分類群ではなく、必殺技を基準に危険生物を8タイプ(型)で分類。貴重な標本、精巧なCG、学びにつながる模型、迫力満点の資料映像など、多角的な手法を駆使して紹介しています。

■展示構成
エリアA「肉弾攻撃系危険生物」
ラボ1. パワーファイター型
ラボ2. キラーバイト型
ラボ3. 武装型
ラボ4. 大群型

エリアB「特殊攻撃系危険生物」
ラボ5. 猛毒型
ラボ6. 化学攻撃型
ラボ7. 電撃型
ラボ8. 吸血型

KEEP OUTテープが張り巡らされ、アンダーグラウンドな雰囲気が漂う危険生物研究所。

基本的に、生物1種につき必殺技1種を紹介しており、それぞれの技名は各分野の担当学芸員が本展のために名付けたそう。思わず口に出したくなるかっこいい技名から、ダジャレっぽいもの、直球すぎるものまで、担当者の個性が光ります。

オオアリクイの必殺技は「死の抱擁」と非常に詩的。

また、国内外で起こった危険生物による実際の事件を新聞風に取り上げた「アニマル新聞 超危険生物事件簿」の展示や、タイプ別に設定されたカードゲーム風のアイコンなど、子供心をくすぐるディティールの凝り方にも注目です。

アニマル新聞の展示

「パワーファイター型」の展示は、とりわけ迫力満点。アフリカゾウを筆頭に、オオアナコンダやヒクイドリなど、小細工を必要としない圧倒的な体格やパワーが脅威となる生物が登場します。

「パワーファイター型」アフリカゾウの全身骨格標本(多摩動物公園で飼育された「タマオ」のもの)/国立科学博物館蔵

たとえば、アフリカゾウは鼻を一振りするだけのシンプルな必殺技「ノーズ・パワーボム」で大打撃を与えます。その要となる鼻は長さ2m、重量150kgにも達し、骨がなく、すべて筋肉で構成されているのが特徴。ヒトの全身分の数に相当する9万本程度の筋繊維の束が集まり、複雑な伸縮を可能にしています。さらに、内部の体液量を変化させて圧力を調整する、いわば油圧のような仕組みによって硬さや形も自在に変えられるそう。そのため、単純なパワーだけではない、ニワトリの卵をつまめるほどの器用さも持ち合わせています。

3Dホログラムを駆使して、恐るべきパワーを生みだすアフリカゾウの鼻の秘密に迫っています。
「パワーファイター型」ミナミゾウアザラシの剥製/国立科学博物館蔵

続く展示では、アフリカゾウに引けを取らない巨大なミナミゾウアザラシの剥製が登場。アザラシと聞くと、のんびり横たわる丸いフォルムの癒し系動物というイメージをもっている方が多いかもしれませんが、ミナミゾウアザラシのオスは体長5m、体重3tもの威容を誇ります。

サメやシャチに咬まれても、その歯を10cmもの厚い皮下脂肪層で阻み、皮膚を再生して生き延びるケースもあるそうで、生存能力の高さもうかがえます。ここでは、街中に迷い込んだミナミゾウアザラシが、這い滑りながら必殺技「ボディプレス」で車を押し潰そうとする資料映像を上映しており、その脅威の一端が実感できるでしょう。

「パワーファイター型」キリン(首・剥製)の展示。おとなしいイメージのあるキリンも、必殺技「ネッキング」で鞭のように首をしならせて強烈な一撃をお見舞いしあう姿は、まさにパワーファイター。
「パワーファイター型」ヒクイドリの剥製/我孫子市 鳥の博物館蔵。ギネス世界記録で「世界一危険な鳥」とされ、アイスピックのような鋭く長い爪が繰り出す足技「スパイクキック」は、スイカを一撃で粉砕します。
「キラーバイト型」の展示

また、テーマ「シャチVSホホジロザメ 海の最強は誰だ」を筆頭に、会場各所に展開されているコラムで、強さをめぐる議題にさまざまな判断材料を提示してくれるのも本展の魅力です。

たとえば、「かみつき」を得意とする危険生物を集めた「キラーバイト型」の展示では、生体内でもっとも硬い組織であるエナメル質に覆われた歯の構造のほか、かむ力=「咬合力(こうごうりょく)」について解説しています。

体型に左右されない相対的な咬合力を比較するために用いられる「咬合力指数(BFQ)」を食肉類で比べると、ライオン(123)やブチハイエナ(99.6)を、体重100gほどの小型種であるイタチ科のイイズナ(164)が大きく上回るという興味深い結果が示されています。さらに、肉食類でありながら植物食であるジャイアントパンダ(151)も上位に位置しており、小さいから、あるいは草食だからといって侮れないことがわかります。

「キラーバイト型」イイズナ、フクロネコの展示

なお、イタチ科は非常に獰猛なハンターぞろいで、イイズナやクズリなど、自分より大きな獲物を鋭い犬歯で仕留めることで知られています。とりわけ、アフリカ大陸に分布するイタチ科最大級の種・ラーテルは、自分の10倍以上の体重をもつライオンにも臆することなく立ち向かうといい、その強烈な闘争心には目を見張るものがあります。

「キラーバイト型」クズリやラーテルなどイタチ科の展示

そんなラーテルの必殺技(能力)として紹介されているのは、かみつきではなく「鉄壁ボディ&アンチポイズン」。分厚く柔軟な皮膚で、動物のかみつきやヤマアラシの針、蜂の刺し傷などのダメージを受けにくいだけでなく、コブラなどの毒ヘビの一撃にも耐性があるというから驚きです。攻撃力、防御力、生存能力いずれも高い水準のバランス型ファイターといっていいでしょう。

また、「キラーバイト型」の展示では、世界最大級6m超のイリエワニ、通称<ロロン>の実寸大レプリカが日本初公開されています

「キラーバイト型」ロロン(イリエワニ)の実寸大レプリカ/原標本はフィリピン国立自然史博物館蔵

多くの人身事故が報告され、時に「人食いワニ」とも呼ばれるイリエワニ。なかでも<ロロン>は捕獲された個体として全長6.17m、体重1,075kgという驚異的な数値を記録し、「飼育下の世界最大のワニ」としてギネス世界記録に認定されています。その個体データを現地フィリピンでスキャンし、実寸大で忠実に再現したレプリカが会場に登場。100人がかりで海から引き上げられたというエピソードも納得の迫力です。また、獲物に食いつき、自身の巨体を水中で回転させ獲物をねじ切る「デスロール」の映像解説も見どころとなっています。

「武装型」の展示。ウシ科やシカ科のスタイリッシュなツノが並んでいる様子が壮観です。
「武装型」オオノコギリエイの展示。狩りの際に目にもとまらぬ速さで振り回す、異様な「大ノコギリ」はインパクト大。

バッタやピラニアなど、集団で脅威となる「大群型」の展示で見逃せないのはサスライアリのコーナーです。

東南アジアからアフリカにかけて生息し、数千万匹の大群で周囲の獲物を食い尽くしては移動する生態で知られるサスライアリ。小さなトカゲやバッタにとどまらず、子ヤギや、さらには病気で動けない老人が襲われて亡くなった例も報告されているそうで、その圧倒的な捕食力は想像するだけでも背筋が寒くなるほどです。

「大群型」サスライアリの展示

群れの中心にいる女王アリは、これまで国内外の研究者が長年調査を続けても、姿を確認すること自体が極めて難しい幻の存在とされてきました。しかし、本展監修者のひとり・九州大学総合研究博物館准教授の丸山宗利さんと、昆虫探検家・写真家の島田拓さんがケニア共和国で調査を実施。TBSの番組「クレイジージャーニー」の取材中に女王アリと遭遇・撮影に成功したとのこと。会場では、女王アリの貴重な標本の一つを日本初展示しています。

トリッキーな必殺技の多様性にワクワクさせられるのが、後半のエリアB「特殊攻撃系危険生物」です。

スズメバチやコドモオオトカゲ、ヒョウモンダコなど、多様な生物がもつ毒を解析する「猛毒型」の展示から始まり、シマスカンクがお尻から噴射する強烈な臭液や100℃の高温ガス、自爆防衛など奇天烈な必殺技が並ぶ「化学攻撃型」、最大850ボルトもの電圧を発生させるデンキウナギなどの発電メカニズムを探る「電撃型」、チスイコウモリやマダニなど吸血性生物を取り上げ、感染症の危険性にも言及する「吸血型」の展示へと続きます。

「猛毒型」コドモオオトカゲの剥製/国立科学博物館蔵

エリアBは、タランチュラやオオムカデなど生理的な嫌悪感を覚えるビジュアルの生物が多く登場するため、苦手な方は要注意。問題なければ、ぜひその姿の細部まで観察してみてください。

「猛毒型」の代表格であるサソリのコーナーでは、中型でスリムな体にサソリ界でも屈指の強力な神経毒をもつデスストーカー(“死に忍び寄るもの”の意)とともに、いかつい外見に反して毒性は弱く、多くの場合ハチに刺された程度の痛みで済むとされるダイオウサソリが登場します。サソリの毒性に「ハサミが小さい種ほど毒が強く、逆にハサミが大きい種ほど毒は弱い」という傾向があるというのが面白く、「危険性の高さは見かけによらない」という事実を分かりやすく示しています。

「猛毒型」サソリの展示
「猛毒型」ヒヨケムシの展示

見かけ倒しの生物といえば、「初対面の印象だけなら節足動物界屈指の怖さを誇る」と紹介されている「猛毒型」のヒヨケムシが象徴的です。巨大な鋏角は迫力がありますが、それ以上の脅威はありません。人間に向かって突進してくるように見えても、実際には苦手な太陽を避けられる影を求めているだけであり、非常に小心者とのこと。毒も毒針も備えておらず、なぜ本展で取り上げられたのかは不思議ですが、そこはご愛嬌。見た目の“危険生物度”は主役級です。

「猛毒型」カツオノエボシの液浸標本/新江ノ島水族館蔵。日本では春ごろに出現。刺針に触れたわずか数ミリ秒で針が飛び出し、けいれんや鋭い痛みを発生される毒を注入します。
「科学攻撃型」ヒメコンドルの剥製/国立科学博物館蔵。胃から未消化物(いわゆる「ゲロ」)を吐きかけるという嫌すぎる攻撃を仕掛けます。

また、「電撃型」のデンキウナギ、デンキナマズ、シビレエイについては、最新の技術で制作された透明標本が用いられている点も見どころです。

透明標本は、薬剤処理などで生物標本を透明にし、解剖することなく体内の構造を観察する方法です。従来の処理では、筋肉や内臓を強力な薬剤で溶かしていたため、骨以外の構造の観察が困難でした。しかし近年では、強力な薬剤を使わずに標本内の細胞や遺伝子を観察する透明化技術が次々に開発されています。本展でも、そのひとつであるCUBIC法を改良した手法が用いられており、これまで可視化が難しかった発電器官の構造を、立体的に観察できるようになりました。

「電撃型」シビレエイの展示。発電器官が体の前半部左右に葉状の1対で存在しており、電流攻撃でホホジロザメすらも撃退した例があるそう。
「吸血型」ツェツェバエの展示。吸血によって猛烈な痛みを発生させるだけではなく、媒介するアフリカ睡眠病にかかると、発熱、頭痛、精神錯乱を経て昏睡、いずれ死に至るとか……。

さて、本展は生物たちの必殺技に焦点を当て、その驚くべき生態から身近な生物が秘める危険性までを科学の視点から解き明かすことを目的とした展覧会です。しかし、総合監修を務める国立科学博物館 動物研究部の川田伸一郎さんが本展に寄せたコメントを読むと、企画の裏には、科学的理解に基づいて「正しく恐れる」ことの重要性を伝えたいという思いがあるようです。

川田さんは、危険生物の不確かな危険性を煽るマスメディアや、フェイク画像や動画があふれるインターネットに囲まれた現代社会に警鐘を鳴らします。ヒトは自分にない能力を持つ者に対して、恐怖のみならず憧れを感じ、よく知り、模倣し、それを超えたいと考える生物であり、その知識欲は、解剖学から最先端の生化学・遺伝学に至るまで、科学の発展を大きく推し進めてきました。さらに、危険生物の能力は「科学的知識の宝庫」であり、我々の生活に必要な素材や技術へと利用可能なものが多々あると強調します。

本展を巡れば、「正しく恐れる」ための知識こそが、より良い明日へ向けたヒトの生存戦略であると感じられるでしょう。

川島明さん

先立って行われた報道内覧会には、本展アンバサダー・音声ガイドナビゲーターを務める麒麟の川島明さんが登壇しました。

本展を鑑賞した感想として、「世界的にも貴重な資料がたくさんあり、エリア別に研究室のような世界観で展開していくので、アトラクションのようでした。奥に進むにつれて没入感が増していき、自分も研究員の一員になったような気持ちになりました」とコメント。特に注目の危険生物はキリンだと述べ、「草食動物で、目を見る限りおとなしくて可愛らしいと思っていましたが、映像を見るとネッキングという、己の首でヒトを死に至らしめるほどの威力で戦うことができるという。気軽に『麒麟です』なんて言うのが申し訳なくなりました」と笑いを誘いました。

最後に、本展を次のようにPRしました。
「毒が弱いサソリほどハサミが大きいという展示がありました。弱い奴ほど虚勢を張ってケンカを売ってくる、そうした人間に共通する部分が勉強できますし、展示を見終わった後には、自分の武器はなんだろうと見直せます。人を思いやる心だったり、他人を優先する優しさだったり、人間には人間にしかない武器が見つかるかもしれません。そんな素敵な発見ができる展覧会だと思います」

特別展「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」の開催は、2026年6月14日までとなっています。

特別展「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」概要

会場 国立科学博物館
会期 2026年3月14日(土)~6月14日(日)
開館時間 9:00~17:00(入場は16:30まで)
夜間開館 4月25日(土)~5月6日(水・休)は18時まで開館(入場は17時30分まで)
休館日 月曜日、5月7日(木)
※ただし4月27日(月)、5月4日(月・祝)、6月8日(月)は開館
料金(税込) 一般・大学生2,300円 小・中・高校生600円 (当日券)
主催 国立科学博物館、TBS、TBSグロウディア、朝日新聞社
お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)、03-5814-9898(FAX)
展覧会公式サイト https://chokikenseibutsuten.jp/

※会期・開館時間・休館日等は変更になる場合がございます。
※最新の情報と異なる場合がありますので、詳細は展覧会公式サイトでご確認ください。

 

記事提供:ココシル上野


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2026年 秋 開催決定! 国立科学博物館 初、“生きものの性”に迫る特別展 特別展「生きものたちの性」

国立科学博物館

会期:2026年10月31日(土)~2027年2月21日(日)
会場:国立科学博物館(東京・上野公園)

国立科学博物館(東京・上野公園)では、2026年10月31日(土)より、特別展「生きものたちの性」を開催いたします。本展は、国立科学博物館として初めて“性”をテーマに据えた、生きものがもつ多様な性のすがたとその仕組みに迫る特別展です。
世の中には、当たり前のようでいて、実は深く説明できない事柄が数多く存在します。その代表的なテーマが「性」です。
性はヒトに限らず、生物全般に見られるものです。多くの生きものにはオスとメスが存在し、それぞれがつくり出す精子と卵が受精することで子孫を残します。しかし、その「すがた」「仕組み」「行動」は驚くほど多様で、生きものによって大きく異なります。たとえば、成長の途中で性が変わる生きもの、温度などの環境要因によって性が決まる生きものなど、私たちの常識を覆す事例が多数存在します。
本展では、こうした生きものの“性の多様性”を、形態、行動、性決定、子育てなどの切り口で科学的に紐解きます。生きものにとって「性」とは何かーの根源的な問いに迫る、国立科学博物館初の特別展です。

この度、本展の展示内容を表現した、ティザービジュアルが完成しました。

ビジュアルには“性”とは何かを読み解くためのキーワードが散りばめられています。
これらのキーワードが織りなすデザインは、本展で紹介する性の多様性を視覚的に伝えるもので、印象深いビジュアルに仕上がりました。

このティザービジュアルのデザインは、
アートディレクターの大島依提亜(おおしま・いであ)氏が担当しました。

特別展「生きものたちの性」はこの秋、10月31日(土)開幕です。
どうぞご期待ください。

 

【実施概要】
展覧会名:特別展「生きものたちの性」
会期:2026年10月31日(土)~2027年2月21日(日)
会場:国立科学博物館[東京・上野公園]
  (〒110-8718 東京都台東区上野公園7-20)
主催:国立科学博物館、読売新聞社、フジテレビジョン
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)、03-5814-9898(FAX)
公式サイト:https://www.ikimono-sei.jp

 

■ 監修
総合監修
堤 千絵(国立科学博物館 植物研究部 多様性解析・保全グループ研究主幹)
篠田 謙一(国立科学博物館 館長)

監修
西海 功(国立科学博物館 動物研究部 脊椎動物研究グループ研究主幹)
川田 伸一郎(国立科学博物館 動物研究部 脊椎動物研究グループ研究主幹)
田島 木綿子(国立科学博物館 動物研究部 脊椎動物研究グループ研究主幹)
中江 雅典(国立科学博物館 動物研究部 脊椎動物研究グループ研究主幹)
吉川 夏彦(国立科学博物館 動物研究部 脊椎動物研究グループ研究員)
並河 洋(国立科学博物館 動物研究部 海生無脊椎動物研究グループ研究主幹)
神保 宇嗣(国立科学博物館 動物研究部 陸生無脊椎動物研究グループ研究主幹)
田中 実(名古屋大学 理学研究科 生命科学領域)

 

【特別展『生きものたちの性』事務局】プレスリリースより


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