【朝倉彫塑館】特別展「ワンダフル猫ライフ 朝倉文夫と猫、ときどき犬」取材レポート。猫好きの彫刻家が切り取った愛くるしい日常

台東区立朝倉彫塑館
展示風景、左から朝倉文夫《猫(金メタリコン)》1914年、《原題不明(背伸びする)》1919年頃

日本近代彫刻界をけん引した彫刻家であり、愛猫家としても知られる朝倉文夫。彼の猫をモチーフとした彫刻作品を一堂に集めた、朝倉文夫没後60年特別展「ワンダフル猫ライフ 朝倉文夫と猫、ときどき犬」が台東区立朝倉彫塑館にて開催中です。会期は2024年12月24日(火)まで。

※紹介している作品はすべて朝倉彫塑館所蔵です。

朝倉彫塑館
展示風景、手前は左から朝倉文夫《餌ばむ猫》1942年、《眠り》1946年

彫刻家 朝倉文夫(1883-1964)は、対象のあるがままの姿を写しとる「自然主義的写実」の表現を徹底して探求する姿勢から、《墓守》や《大隈重信像》といった肖像彫刻の傑作を生みだし、1948年には彫刻家として初めて文化勲章を受章。制作のかたわら、首席で卒業した東京美術学校(現東京藝術大学美術学部)で教鞭をとったほか、アトリエ兼住居であった朝倉彫塑館で「朝倉彫塑塾」を主宰するなど、後進の育成も熱心につとめました。

そんな朝倉は、無類の愛猫家としても知られ、一時は19匹もの猫を邸宅で飼っていたといいます。ときに飼い猫たちをモデルにしながら、猫の彫刻もほぼ生涯にわたって制作。1964年には自身の彫刻家人生60年と東京オリンピックの開催を記念し、猫のさまざまな姿を捉えた「猫百態展」を企画します。

しかし、オリンピックを目前にした4月に、病により享年81歳で死去し、「猫百態展」の開催は叶わずじまいに。その夢は関係者たちに引き継がれ、終の住処であった朝倉彫塑館で1994年と2017年に特別展として実現しました。

今回の特別展「ワンダフル猫ライフ 朝倉文夫と猫、ときどき犬」もまた、「猫百態展」と同様に、猫作品に焦点を当てたものですが、過去の展覧会と異なるのはその展示方法です。

「猫の作品をただ並べるだけではなく、ここ(朝倉彫塑館)で朝倉が猫たちとどう過ごしたのか、猫たちの生活はどのようなものだったかを意識しながら展示しました」と話すのは、朝倉彫塑館の主任研究員・戸張泰子さん。

左から朝倉文夫《墓守》1910年、《原題不明(眠る)》制作年不詳/ 大きな窓から陽光が降り注ぐなか座布団で眠る猫を、朝倉に代わって代表作《墓守》が微笑みながら見下ろしている心温まる構図。
朝倉文夫《追羽子》1919年/ はねつきのはねを目で追う猫の前方を確認すると、実際にはねが宙を舞っているなど細かな演出も。

あまり知られていませんが、朝倉は猫だけではなく犬も飼っていました。愛犬をモデルにした作品は確認できませんが、少数ながら犬の作品も制作しており、それらも加えてより賑やかに、かつての暮らしをイメージしやすい展示を心がけたとのこと。

朝倉文夫《スター》1920年

出展作品は、猫のブロンズ像を中心に、猫のスケッチや猫に関する直筆の俳句などを加えた53点。朝倉にとって重要な制作の手段であった写真もあわせて紹介されています。

メインの展示空間であるアトリエに入ってまず来場者を出迎えるのは、出品記録に残るものとしては最も初期の猫作品、《吊された猫》(1909)です。

朝倉文夫《吊された猫》1909年

第3回文展に出品された、当時としては斬新な構図の作品で、猫の首をつまみ上げる力の入った腕と、猫のぶらりと弛緩した体の対比が見どころです。もの言いたげな猫の表情には思わず笑みが浮かびました。よく見れば猫の後足がわずかに緊張している様子で、東京美術学校を卒業して間もない若き朝倉がすでに持ち得た、対象を捉える鋭い観察眼、そして卓越した表現力を感じることができます。

戸張さんによれば、本作のような他愛のない日常を写しとった小品を文展に出品したという事実を、朝倉と親交のあった彫刻家であり、忌憚のない美術評論家でもあった高村光太郎が評価したエピソードがあるそう。

「それまでの文展というと、人体の美を追求したものや、抽象的なテーマを表現した具象人体などが、もっと等身の大きな作品として多く出品されていました。そのような状況にあって、猫をただの猫として扱ったことを高村は評価しました。朝倉はこうした日常の場面を切り取った小品でも作品として成立するのだと、高村の言葉から自信を得たように思います。だからこそ朝倉は、猫の作品を生涯作り続けたのかもしれません」(戸張さん)

左から高村光太郎《手》1918年、朝倉文夫《腕》1909年頃

一方で高村は、本作における腕の表現の硬さを指摘したといいます。同年制作されたと思しき《腕》(1909年頃)は、いずれの展覧会にも出品の記録が残っていない点からも、朝倉が高村の批評を真摯に受け止め、練習として制作したものと考えられているとか。

会場では《腕》のほか、その10年後に高村光太郎によって制作された《手》(1918)も併置。留学資金を集める高村に対して朝倉が「手一本でも足一本でも」とかつての批評にも通じる言葉で、素性を明かさずに自由な制作を依頼したものです。それだけでも高村にはピンとくるものがあったのか、結局は朝倉からの依頼だとバレたそう。二人の彫刻家としての交流の様子がうかがえる展示となっています。

朝倉文夫《よく獲たり》1946年

《吊された猫》から約40年後に制作された後期の作品《よく獲たり》(1946)に視線を移すと、その技巧の洗練ぶりに驚きます。ネズミをくわえた一瞬の、首周りの筋肉のこわばり、どう猛な顔つき、抵抗するネズミの動きに備えている前足のバランス感。この後に飛び降りる様子まで容易に想像できるリアルさは、まるで実際にその瞬間の猫を型で取ったかのようです。

猫の気まぐれな動きや気質、そのすべてを好んでいたという朝倉は、猫独特のしなやかな動きを生み出す骨格にも強い関心を払っていたそう。骨格標本で勉強していたのはもちろん、「(朝倉の)お嬢さんがおっしゃるには、朝倉はいつも猫を膝の上にのせて撫でていましたが、それはかわいがるためだけではなく骨格や筋肉の付き方を探り、確かめるためだったのではないかということです」と戸張さん。厳格な写実主義を追求した朝倉らしさがあふれるエピソードです。

《骨格標本(猫)》/朝倉が参考にしていたさまざまな骨格標本も展示。あまりに猫に詳しいので「猫博士」と呼ばれたことも。

同じ眠る姿でも、前足に頭をうずめているか否か、耳やしっぽの形が異なる様子なども忠実に表現。そのほか、伸びをしたり、子猫に乳を与えたり、子猫どうしで寄り添ったりと、猫たちのポーズのバリエーションはじつに豊かです。

朝倉文夫《親子猫》1936年

一見、ただ座っているだけに見える《産後の猫》(1911)は、南洋での視察を終えて家に帰った朝倉を、二日前に子供を生んだばかりの飼い猫が出迎えたときの様子を作品にしたもの。くたびれたようなうつむき加減です。

朝倉文夫《産後の猫》1911年

朝倉は、出産の疲労を訴えるとともに、仔猫の生まれた悦びを報告するように膝に甘えてくる愛猫の姿に、制作意欲をかき立てられたそう。他の猫作品と比べて細部の表現のデフォルメが多い理由について、戸張さんは「猫の姿というより、猫の感情、疲れや悦びそのものを捉えようとしていたのかも」との見解を示しました。

朝倉文夫《愛猫病めり》1958年

一方で、痩せて皮膚がたるみ、毛艶もなくなった愛猫がお尻を上げて痛みに耐えている姿を捉えた晩年の《愛猫病めり》(1958)は、他の作品に見られるある種のやわらかさがそぎ落とされ、目をそらしたくなるような病や死にも正面から向き合う芸術家としての覚悟と悲哀を感じさせるものでした。

朝倉にとって猫作品は、依頼を受けて制約の中でつくる肖像彫刻などとは異なり、肩の力を抜いて自由に、自身の創作意欲にまかせてつくるものであったようです。題材として扱いやすいとはいいがたい姿をあえて造形化しているのも、愛おしい記憶ごと写真や日記のように残したいという、愛猫家としての率直な想いによるものなのでしょうか。そうした姿勢は、朝倉の猫作品がもつ魅力の源にもなっています。

朝倉文夫《たま(好日)》1930年/ 朝倉になった気分で猫作品に触ることができる展示も。
朝倉文夫《たま(好日)》1930年/《たま(好日)》に関しては石膏原型との比較も楽しめます。

そのほか会場では、朝倉のブロンズ作品にまつわる、ガス型鋳造と呼ばれる制作工程を紹介した17分ほどの動画も上映中。まず粘土で作品をつくり、石膏で型取りして原型をつくり、さらにそれを元にブロンズに……と一言で表すのは簡単ですが、実際の作業はまさに職人技。気が遠くなるほど細かなプロセスを経て展示作品が出来上がっていることがわかるため、鋳造の工程をイメージしにくい方は必見です。

本展開催のきっかけについて、戸張さんは「だんだん朝倉のことを知らない人も増えてきたことから、朝倉と朝倉の作品に親しみをもってもらおうと企画しました」と話します。

朝倉の優れた造形力や観察眼、そして猫に対する深い愛情をたっぷりと感じられる本展は、まさに朝倉の魅力を知る入門編にぴったり。猫好きにはたまらない、生き生きと微笑ましいポーズをとる猫たちの姿をぜひ一度、鑑賞してみてはいかがでしょうか。


なお、会場である朝倉彫塑館も非常に魅力的な建物ですので、いくつか見どころをご紹介します。

朝倉は東京美術学校を卒業した1907年、24歳のときに谷中に自らが設計したアトリエと住居を構えます。一流の職人たちの手を借りながら、敷地の拡張や増改築を繰り返し、現在の朝倉彫塑館の建物が完成したのは1935年のこと。2001年に建物が国の有形文化財に登録され、2008年には敷地全体が「旧朝倉文夫氏庭園」として国の名勝に指定されました。アトリエ棟は鉄筋コンクリート造、住居棟は木造の数寄屋造という個性的な構成ですが、朝倉の優れた美的感覚で異なる素材を違和感なく調和させています。

アトリエ

普段から作品を展示しているアトリエは天井高が8.5mもあり、足を踏み入れるとまずその開放感に驚くはず。フロアの西側には3.78mにも及ぶ《小村寿太郎像》(1938)が置かれているのですが、まったく圧迫感がありません。

芸術家のアトリエというと窓は北側がセオリーですが、朝倉彫塑館のアトリエは北・東・南の三方に窓があり、非常に明るいのが特徴です。あらゆる角度から自然光を当てて、屋外に置かれることの多い彫刻の見え方を研究するのが目的で、制作時にはカーテンで光量を調節していたとのこと。また、北側上部の大きな窓に緩やかなアール(曲線)がついているのは、影を強くせず、全体に光を行きわたらせるため。壁の素材には温かみのある真綿が使用されているなど、彫刻家としてのこだわりが随所に溢れています。

書斎

アトリエに隣接する書斎もまた吹き抜けになっており、まるで映画のセットのようです。天井にまで届く、三面にわたるガラス扉の本棚に収められた書籍のうち、洋書の多くは美術評論家であり、東京美術学校時代の朝倉の恩師でもあった岩村透の蔵書でした。岩村の没後、古書店などに散逸しつつあった貴重なこれらの資料を、朝倉が自宅を抵当に入れて資金を調達し、買い戻したものだといいます。

半円型の出窓とソファが独特の雰囲気を醸し出す応接。
朝陽の間

客人をもてなしていた3階の大広間「朝陽の間」は、その名のとおり東側に備えられた窓から朝日が差し込む、朝倉彫塑館の中で最も格式の高い一室です。贅沢な和の設えで、上品に輝く赤みを帯びた壁は、高価な赤瑪瑙(めのう)を人力で砕いて塗りこめた瑪瑙壁。わずかに混じる黒曜石が無二の色合いを生み出しています。

天井板は、伊豆天城の地中より掘り出したという神代杉に杉皮の裏張りを施したもの。床の間には松の一枚板、欄間には桐の一枚板と、当時でも貴重だった素材が使用されています。あえて統一感をもたせないところに遊び心もあり、朝倉の美学が感じられる空間です。

五典の池

中庭「五典の池」は水と巨石、樹木で構成されています。四方を建物で囲んだ回廊式であり、どの部屋からでも美しい風景が楽しめる、彫刻家の視点が生かされた造りです。朝倉はここを自己反省の場とし、生き方に迷いが生じたとき、ものの本質を見極めにくくなったときに、清らかな水を眺めて心身を浄化し、さらなる制作にまい進していたそう。

屋上庭園

アトリエ棟の屋上には、オリーブの木がある庭園が広がっています(※天候により閉鎖)。屋上緑化の早い例であるとのこと。

ここではかつて、朝倉彫塑塾の必須科目として園芸実習が行われていました。園芸も塑造も土で命を育む作業であることから、園芸を通じて塾生たちを土に親しませ、対象を見る目を養わせる目的があったそう。現在は一部に菜園が再現され、四季折々の花が楽しめる憩いの場となっています。

庭園の西側に置かれた男性像《砲丸》(1924)は、広い空の下で谷中の街を眺めています。建物に入る前の門から見上げると作品の正面が確認できますので、訪れた際はぜひ屋上を見上げてみてください。

朝倉文夫没後60年特別展「ワンダフル猫ライフ 朝倉文夫と猫、ときどき犬」概要

会期 2024年9月14日(土)~12月24日(火)
会場 朝倉彫塑館(台東区谷中7-18-10)
開館時間 9:30~16:30(入館は 16:00まで)
休館日 月曜日・木曜日(祝休日は開館)
入館料 一般 500円/小・中・高校生 250円
主催 公益財団法人 台東区芸術文化財団、台東区立朝倉彫塑館
TEL 03-3821-4549
朝倉彫塑館HP https://www.taitogeibun.net/asakura/

※記事の内容は取材時のものです。最新の情報と異なる場合がありますので、詳細は公式HPでご確認ください。


その他のレポートを見る

奄美の光に呼応する、画家の内なる魂。【東京都美術館】「田中一村展 奄美の光 魂の絵画ーTanaka Isson: Light and Soulー」(~12/1)内覧会レポート

東京都美術館
報道内覧会に登壇した俳優・小泉孝太郎さん

「神童」と称された幼少期を経て、晩年は奄美の自然を主題とした絵画に没頭した田中一村。

「田中一村展  奄美の光 魂の絵画」では、全身全霊をかけて「描くこと」に取り組んだ一村の生涯をその作品をともに回顧する。

本記事では開催前日に行われた報道内覧会の様子をレポートする。

田中一村、不屈の情熱の軌跡

展覧会場入口

明治41年(1908)に栃木町(現・栃木市)で生まれた田中一村は、幼年期から卓越した画才を示し、神童と称されました。
彫刻師の父から米邨(べいそん)の画号を与えられ、東京美術学校(現・東京藝術大学)日本画科に入学するも、2ヶ月で退学。
昭和22年(1947)に柳一村と画号を改め、《白い花》が青龍展に入選するも、その後はわずかな支援者を頼る制作が続きました。晩年は単身奄美大島へ移住し、奄美の自然を主題とした絵に専念する日々を送りましたが、69才で亡くなります。

没後の昭和54年(1979)、有志により奄美で遺作展が開催され、異例となる3千人もの動員を記録。メディアがその模様を紹介したことにより、熱狂とともにその生涯や作品が全国に知られることとなりました。

「田中一村展 奄美の光 魂の絵画ーTanaka Isson: Light and Soulー」では奄美で描いた代表作《不喰芋(くわずいも)と蘇鐵》《アダンの海辺》はじめ、未完の大作も展示。絵画作品を中心に、スケッチ・工芸品・資料を含めた250件を超える作品で、一村の画業の全貌に迫ります。

最大規模の大回顧展

展示会場風景
絵画作品を中心に、一村の画業の軌跡を辿る
もともとは新進の南画家として活躍していた一村。一村は昭和10年代から戦後に至るまで、山水画の古典を学び続けた
千葉寺に移住した一村が描いた《千葉寺の秋》(昭和23年(1948)頃 田中一村記念美術館蔵)。一村は身近な千葉の田園風景を愛し、色紙絵を描き続けた
世田谷のK氏宅の仏間を飾っていた《草花図天井画》(昭和25年(1950)頃 田中一村記念美術館蔵)
《奄美の海に蘇鐵とアダン》(昭和36年(1961)1月 田中一村記念美術館蔵)

本展は第1章「若き南画家「田中米邨」 東京時代」、第2章「千葉時代「一村」誕生」、第3章「己の道 奄美へ」の全3章構成。田中一村の作品群を時系列に展示することで、ほぼ切れ目なく変遷してゆく画業を、つぶさに辿ることができるようになっています。

6,7歳という少年時代から多くの作品を描いた一村の作品は、各地に相当数が残されており、本展覧会で展示される作品の多くも近年新出したもので、初公開の作品も少なくありません。出品点数は250点以上。まさに最大規模の回顧展といえるでしょう。

一村が手がけた障壁画や木彫りなど、幅広いジャンルの作品を展示。こちらは一村が絵付けした描絵帯と日傘
一村の集大成ともいえる奄美移住後の作品群を展示した第3章

田中一村の画業は、決して平坦なものではありませんでした。幼少期から「神童」と称えられ、新進の南画家として活躍しつつも、生涯に一度も個展を開くこともなく、無名のまま一人奄美の地で生涯を終えました。
第3章では、そんな一村が不退転の決意で奄美の地にわたり、生活費を工面しながら全身全霊を賭けて描いた作品の数々が展示されており、一村が「終焉の地」でたどり着いた画業の境地を、作品とともに体感することができます。

展示作品紹介

こちらでは、展示作品の一部をピックアップしてご紹介します。

《椿図屏風》昭和6年(1931)絹本金地着色  2曲一双  千葉市美術館蔵

「空白期」の一村のイメージを一変させた大作

一村は「23歳の頃、自分が本道と信じた新画風が支援者の賛同を得られず義絶した」と後年手紙に綴っており、従来この時期は寡作で「空白の時期」であるとみられていました。しかし近年、この時期に描いた力作が発見され、その見方は変わりつつあります。
本作品は、そんな一村昭和初期の活動のイメージを一変させた豪華な金屏風。
当時一村は24歳。新たな境地を求めて模索する情熱とエネルギーが感じられるようです。

《白い花》昭和22年(1947)9月 紙本金砂子着色  2曲1隻  田中一村記念美術館蔵

田中一村、唯一の入選作。

昭和22年(1947)、川端竜龍子主宰の第19回青龍展に初入選した出品作で、結果的に公募展に入選した唯一の作となったものです。
出品目録に「白い花 柳一村」とあり、画号を「米邨」から改め、「柳一村」として臨んだことがわかる、心機一転の戦後の意欲作。
どこか抜け感のある洗練された画風が印象的です。

《秋晴》昭和23年(1948)9月 紙本金地着色 2曲1隻 田中一村記念美術館蔵

栄華に背を向けても、貫いた信念。

初入選を果たした翌年の昭和23年(1948)、第20回青龍展に2つの作品を出品した一村。一村はこの《秋晴》を自信作と認めていましたが、参考出品の《波》だけが入選を果たすという結果に落胆し、入選を辞退してしまいます。

金屏風に黒いシルエットで樹々が大胆に表現された本作。逆光のような効果で聳える樹木、細部に至るまで表現された枝や樹皮の質感は、まさに入魂の出来栄えです。
栄華に背を向けてまで一村が守りたいものは何だったのか。ぜひ、本作に直接向き合って、それを感じてみてください。

《アダンの海辺》昭和44年(1969) 個人蔵

奄美の光が一村にもたらしたもの

昭和49年(1974)1月(66 歳)の書簡に、「閻魔大王えの土産品」だと記した一村入魂の作品が《アダンの海辺》《不喰芋と蘇鐵》。まさに本展の白眉といえる作品です。

もう何の悔いもない制作を成し得たという自負の表れである本作は、来島当初から構想を重ねてきたアダンという植物を題材にしています。緑から青まで多種の顔料を用いて描き分けられたアダンの濃彩。中景には繊細な線でさざ波が描かれ、雲の彼方の金色の輝きは画面全体に崇高さを与えています。
展示会場には、一村が描いた観音や羅漢の絵画の数々も展示されていますが、本作にはそんな彼が人生の最後にたどりついた宗教的な感情が表現されている、といっても過言ではないでしょう。

一村畢生の大作、ぜひ会場でご覧ください。

展覧会アンバサダー・小泉孝太郎さんも登壇!

報道内覧会と開会式では、本展のアンバサダーと音声ガイドナビゲーターを務める俳優の小泉孝太郎さんが、《不喰芋と蘇鐵》をモチーフにした世界に一着しかない大島紬の着物を着用して登場しました。

「とても不思議な田中一村さんとのご縁とかめぐり合わせを感じながら、気持ちを込めて音声ガイドを務めました」と述べる小泉孝太郎さんは、逓信大臣などを歴任した曾祖父の小泉又次郎氏(孝太郎の父・小泉純一郎元総理の祖父)が、田中一村の後援会長を務めていたという縁もあり、幼い頃から田中一村という画家のことを聞いていたそうです。

そこから約一世紀近い時を経て、小泉家に生まれた自分が田中一村展に関わることについて、「本当に驚きましたし、光栄なお仕事をいただいたと思って、気持ちを込めて声を吹き込みました」と、本展を通じて生まれた不思議な邂逅について思いをはせていました。

「子どもの頃から田中一村さんの晩年の絵は目にしていましたが、この展覧会では初期の頃の作品から見させていただきました。個人的には自分の実家にソテツの木が植えられていたので、奄美の大自然の海やパパイヤ、ソテツが描かれている絵に見入ってしまいました」

と本展を鑑賞した感想を振り返り、最後に

「絵画だけではなく、田中一村さんが残された貴重な写真や直筆のお葉書、珍しい領収書なども残っているので、田中一村さんがどういう活躍をされ、どういう人だったのかが思う存分感じられる素敵な絵画展だと思います。初期の頃は千葉県でこういうふうに暮らしていたんだなとか、ものすごく苦しい努力をされた方なんだなとか・・・多くの方に田中一村さんの魅力を感じていただきたいです」

と、笑顔で聴衆に呼びかけていました。

「最後は東京で個展を開いて、絵の決着をつけたい」と語っていた田中一村。本展「田中一村展 奄美の光 魂の絵画ーTanaka Isson: Light and Soulー」は、まさに期せずして叶った一村最後の願いといえるのかもしれません。

開催期間は2024年12月1日(日)まで。
世間の栄達から身を置き、全身全霊をかけて「描くこと」に取り組んだ一村の作品の数々をぜひ会場でご覧ください。

開催概要

会期 2024年9月19日(木)~12月1日(日)
会場 東京都美術館 企画展示室
開館時間 9:30~17:30、金曜日は9:30~20:00
*入室は閉室の30分前まで
※土日・祝日および11月26日(火)~12月1日(日)のみ日時指定予約制※当日の空があれば入場可。
※11月22日(金)までの平日にご来場の場合は、日時指定予約は不要です。
休館日 月曜日、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
*ただし、9月23日(月・休)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開室
観覧料 一般  2,000円
大学生・専門学校生 1,300円
65歳以上  1,500円※高校生以下無料。
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料。
※身体障害者手帳等のお手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)・高校生以下の方は、日時指定予約は不要です。直接会場入口にお越しください。
※高校生、大学生・専門学校生、65歳以上の方、各種お手帳をお持ちの方は、いずれも証明できるものをご提示ください。
※毎月第3 土曜日・翌日曜日は家族ふれあいの日により、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住、 2名まで)は一般通常料金の半額(住所のわかるものをご提示ください)。日時指定予約不要、販売は東京都美術館チケットカウンターのみ。
※詳細は展覧会公式サイトチケット情報のページでご確認ください
展覧会公式サイト https://isson2024.exhn.jp/

※記事の内容は取材時のものです。最新の情報と異なる場合がありますので、詳細は展覧会公式サイト等でご確認ください。また、本記事で取り上げた作品がすでに展示終了している可能性もあります。


その他のレポートを見る

【国立西洋美術館】冬の美術館を楽しもう!「美術館でクリスマス」開催

国立西洋美術館

国立西洋美術館は、さまざまな企画を通して楽しんでいただける「美術館でクリスマス」を、2024年11月26日(火)から2024年12月25日(水)まで約1カ月にわたり開催いたします。

■開催趣旨
西洋ではクリスマスはイエス・キリストの降誕を祝う日ですが、日本では四季を彩る行事の一つとして多くの人に様々なかたちで親しまれています。その楽しみの一つに、〈美術館で過ごすクリスマス〉を加えてみてはいかがでしょうか。美術館でゆっくり絵を見て過ごしたり、家族や友達とプログラムに参加したり…。「どなたでも気軽に当館にお越しいただきたい」という想いから2007年にスタートした本企画は、キリスト教を題材とする作品群が豊富な当館の冬の風物詩です。
例年、主に12月の週末に実施してきた本企画を今年は約1カ月に期間を広げて開催します。お子様連れや美術館が初めての方から常連の方々まで、それぞれのスタイルで楽しめる企画をご用意いたしますので、ぜひこの機会にお越しください。

*事前申込が必要なプログラムもあります。詳細は当館ウェブサイトをご覧ください。

■概要
①みんなのクリスマス・キャロル・コンサート 【事前申込】
クリスマスにちなんだ歌を集めたアカペラ・コンサートです。客席の照明は明るめのままにし、会場の出入りは自由にします。小さなお子様も、大人の方も、どなたでも安心してご参加いただけます。

昨年度開催の様子

演奏:岡田 愛(ソプラノ)、大澤桃佳(ソプラノ)、田口昌範(テノール)、関口直仁(バリトン)
日時:
2024年12月14日(土)15:00~15:40
2024年12月15日(日)11:00~11:40
定員:各回100名
対象:どなたでも
参加費:無料
会場:講堂(地下2階)
参加方法:要事前申込
※小さなお子様も歓迎します。お子様向けに座布団の貸し出しがあります。
※客席の照明を完全に暗くしません。
※申込者は入退出自由です。
※お席に戻りづらい場合や、一時的に席を移動したい場合などにご利用いただける「フリーエリア」があります。
※車いす席・車いす移乗席があります。
※補助犬同伴で入場できます。
※館内には授乳室・おむつ交換台・ベビーカー・車いすの貸し出しがあります。

 

②ギャラリートーク 【当日受付】
常設展に展示している作品から、キリスト教やクリスマスにちなんだ作品を数点取り上げ、当館ボランティア・スタッフが作品の見どころを解説します。

昨年度開催の様子

日時:
2024年12月14日(土)11:00~11:30 ※手話通訳付き:手話をお使いの方もそうでない方もどなたでもご参加いただけます。
2024年12月14日(土)13:00~13:30
2024年12月15日(日)11:00~11:30
2024年12月15日(日)13:00~13:30
定員:各回15名(先着順)
対象:どなたでも
参加費:無料(但し、常設展観覧券が必要です)
会場:常設展示室
受付場所:19世紀ホール(本館1階)
参加方法:当日受付(事前申込不要)

 

③ボランティアート ※手話通訳付き【当日受付】
当館ボランティア・スタッフが企画・運営する予約不要の立ち寄り制プログラムです。所蔵作品にちなんだ簡単な創作を楽しむなど、子どもから大人まで、気軽にご参加いただける企画を予定しています。テーマや詳細は、後日、当館ホームページに掲載します。
手話通訳者がいますので、手話をお使いの方も安心してご参加いただけます。

昨年度開催の様子

日時:
2024年12月14日(土)10:00~15:00
2024年12月15日(日)10:00~15:00
※各日、材料がなくなり次第、終了します。
参加費: 無料(但し、常設展観覧券が必要です)
対象:どなたでも
会場:ワークショップ室(新館2階 版画・素描室付近)
受付場所:同上
参加方法:当日受付(事前申込不要)

 

④冬季限定!音声ガイド「キュレーターズ・ボイス」

当館研究員による冬季限定の音声作品解説です。常設展で鑑賞いただける作品から、担当した展示や日頃の研究活動をベースに約10作品についてご案内します。研究員ならではの一歩踏み込んだ解説を無料でお楽しみいただけます。
インフォメーションにて2次元バーコードを読み取って音声ガイドのウェブアプリにアクセスいただきます。展示室でご利用の際は、スマートフォンとイヤホンをお持ち下さい。スクリプト付ですので文字情報もご提供しております。

 

⑤Kawasaki Free Sunday クイズラリー
毎月恒例の常設展無料観覧日Kawasaki Free Sundayでは、2024年12月8日(日)限定でクイズラリーを行います。全てのクイズに正解した方には、オリジナルグッズをプレゼントします。
※オリジナルグッズは数に限りがございますので、予めご了承下さい。

 

■クリスマス時期ならではの、常設展ミュージアムショップやレストランにもご注目!

● SHOP
当館オリジナルパッケージの雷おこしは、クリスマス時期にはリボンをかけたものをご用意しております(数量限定)。また、橋本コレクションの指輪を複製しました。指輪に刻まれた言葉は「私の真心は」(フープ外側)「すべてあなたのもの」(フープ内側)とロマンチックです。橋本コレクション「指輪」カタログと一緒にプレゼントにいかがでしょうか。

パウンドショコラ \2,400(税込)
雷おこし \864(税込)
レプリカリング(ポージーリング)9、13、15号  \15,800(税込)
橋本コレクション指輪カタログ \3,200(税込)

●CAFÉ すいれん
ローストビーフコースをはじめ、オリジナルクリスマスケーキもご用意しております。

ローストビーフコース \3,300(税込)

 

■美術館でクリスマス期間中開催の展覧会

・企画展「モネ 睡蓮のとき」
会期:2024年10月5日[土]-2025年2月11日[火・祝] 会場:企画展示室
・小企画展「オーガスタス・ジョンとその時代—松方コレクションから見た近代イギリス美術」
会期:2024年10月5日[土]-2025年2月11日[火・祝] 会場:版画素描展示室(常設展示室内)

 

国立西洋美術館について

館 名|国立西洋美術館
所在地|〒110-0007 東京都台東区上野公園 7-7
開館時間|9:30~17:30(モネ展会期中の金・土曜日は 21:00 まで)※入館は閉館の30分前まで
休 館 日|月曜日(祝休日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始(2024年12月28日~2025年1月1日)※開館時間・休館日の最新情報は国立西洋美術館公式サイトトップページ「お知らせ」をご確認ください。
常設展観覧料(税込)|一般500円、大学生250円 ※障害者手帳をお持ちの方と付き添い1名は無料 ※企画展は別料金
お 問 合 せ| 050-5541-8600(ハローダイヤル)
国立西洋美術館公式サイト| https://www.nmwa.go.jp/

 

【文化庁】プレスリリースより


その他の展覧会情報を見る

台東区パンダ橋利活用実証実験 第5弾『パンダバシピクニック2024 Autumn』

モリとマチとエキがつながるのんびり空間

株式会社JR東日本クロスステーション デベロップメントカンパニーは、JR上野駅入谷改札から上野のまちや上野公園を結ぶ東西自由通路「パンダ橋」において、東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)と台東区が連携して開催する、地域の魅力を発信するイベント「パンダバシピクニック2024 Autumn」に参画します。

今回のテーマは「モリとマチとエキがつながるのんびり空間」。アルコールを含むドリンクやフードの提供、鉄道をテーマにしたワークショップなど大人もお子さまも一緒に楽しめるのんびり過ごせる空間を演出します。

 

パンダバシピクニック2024 Autumn イベント概要

■実施日時:
10月26日(土)・27日(日)
26日(土):12時~19時/27日(日):12時~18時
※雨天時は一部イベントのみ開催
※イベント中止の連絡は関係HPやSNSにて発表

■実施場所: JR上野駅入谷改札外 パンダ橋
■主  催: 東日本旅客鉄道株式会社(東京感動線)
■共  催: 台東区、株式会社JR東日本クロスステーション デベロップメントカンパニー
■協  力:株式会社JR東日本スポーツ(ジェクサー フィットネス&スパ上野)、株式会社ジェイアール東日本都市開発、岩倉高等学校
■出店ショップ(運営:JR東日本クロスステーション デベロップメントカンパニー)

・noie…ナチュラルワイン、カレーパンの販売
・ひぐらし書房…近隣の本屋が集合。古書・本の販売
・CERA STORE…古着、古物、古書の販売
・TONTOKOBOY…クラフトビールの販売等
・VectorBrewing…クラフトビールの販売等
・スナックリンネ…ドリンク・フードの販売、ブローチ作りワークショップ
・グルグルジェラート…ジェラートの販売
・アサクサ車輛製作所…革切符ワークショップ、鉄道グッズ販売

 

のんびり空間を演出するショップが集合

上野恩賜公園と駅をつなぐパンダ橋で「モリとマチとエキがつながるのんびり空間」をテーマにしたショップや体験コーナーを展開します。

【出店ショップ一覧】

【noie】ナチュラルワイン、カレーパンの販売
【ひぐらし書房】近隣の本屋が集合。古書・本の販売
【CERA STORE】古着・古物・古書の販売
【TONTOKOBOY】クラフトビールの販売等
【VectorBrewing】クラフトビールの販売等
【スナックリンネ】ドリンク・フードの販売、ブローチ作りワークショップ
【グルグルジェラート】ジェラートの販売
【アサクサ車輛製作所】革切符ワークショップ、鉄道グッズ販売(10/27のみ)

 

多様なワークショップも開催

「モリとマチとエキがつながるのんびり空間」をテーマに様々なワークショップを開催!アートを楽しむもよし、鉄道の仕事に触れるのもよし、身体を動かすのもよし。それぞれの楽しみ方でのんびり過ごしてみてください。

 

■トレインシミュレータ&車内きっぷ発券体験(10/26のみ)

日時  : 10月26日(土) 12時~16時30分(30分毎に実施)
所要時間: 45分程度
講師  : JR東日本社員
参加人数:各回1名×2コース
参加費 :【通常コース】3,000円(税込)
【グレードアップコース】4,000円(税込)※E217系で使用していた本物のマスコンでの体験となります。
参加方法 : JRE MALLにて事前予約
【予約ページ】
・通常コース
https://event.jreast.co.jp/activity/detail/a002/a002-097
・グレードアップコース(E217系マスコン使用)
https://event.jreast.co.jp/activity/detail/a002/a002-98

 

■オリジナル時計作りアートワークショップ(10/27のみ)

日時   : 10月27日(日) 12時、14時、16時
所要時間 : 1時間15分程度
講師   : NiJi$uKe(土居虹亮)氏
参加人数 : 各回12名
参加費  : 4,500円(税込)
参加方法 : 体験型イベントサイト(aini)にて事前予約
【予約ページ】
https://helloaini.com/travels/49375?prcd=rdX6

 

■JEXER FITNESS CLUBのインストラクターによるフィットネス

日時 :
・ZUMBA
10月26日(土)13時
・LESMILLS BODY ATTACK
10月26日(土)14時30分
・LESMILLS DANCE
10月27日(日)13時
・LESMILLS BODY COMBAT
10月27日(日)14時30分

所要時間 : 各回1時間程度
※LESMILLS DANCEのみ45分程度
講師   : JEXER FITNESS CLUBのインストラクター
参加人数 : 各回100名まで
参加費  : 2,500円(税込)
参加方法 : 体験型イベントサイト(aini)にて事前予約
【予約ページ】
・ZUMBA
https://helloaini.com/travels/49558?prcd=rdX6
・LESMILLS BODY ATTACK
https://helloaini.com/travels/49560?prcd=rdX6
・LESMILLS DANCE
https://helloaini.com/travels/49547?prcd=rdX6
・LESMILLS BODY COMBAT
https://helloaini.com/travels/49545?prcd=rdX6

【参加特典】
①ドリンク1本プレゼント
②「ジェクサー・フィットネス&スパ上野」のスパを当日利用可能
※ジェクサー・フィットネス&スパ上野https://www.jexer.jp/fitness/ueno/

 

■コルク人形とくるくるパンダブローチ

日時   :
10月26日(土) 12時~19時
10月27日(日) 12時~18時
所要時間 : 30分
講師   : 飯嶋千尋さん
参加人数 : 各回6名
参加費  :ワークショップ 1,000円(税込)
1ドリンクセット 1,500円(税込)
参加方法 :
【予約ページ】
https://snakrinne1026-27.peatix.com/
※当日枠は先着順です。

 

■JR上野駅パンダ橋で世界に一つのかわのきっぷ®︎を作ろう(10/27のみ)

日時   : 10月27日(日) 12時、13時、14時、15時、16時
所要時間 : 20分(1枚につき)
講師   : アサクサ車輌製作所
参加人数 : 各回8枚/1日40枚上限 ※1人で3枚まで
参加費  : 1,650円(税込)、柄のきっぷ+330円(税込)
参加方法 : 予約枠(20枚)+当日枠(20枚)
【予約ページ】 https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02x0cahcz2141.html
※当日枠は先着順です。

 

その他のイベントもご紹介!

■岩倉高校ダンス部「Burst」によるダンスパフォーマンス(10/26のみ)

地元の岩倉高校ダンス部「Burst」1・2年生によるダンスパフォーマンスを実施。迫力あるダンスをお楽しみください!
日時   : 10月26日(土) 16時~17時
企画協力 : 岩倉高校
参加費  : 無料

 

JR上野駅 東西連絡通路「パンダ橋」 利活用実証実験

東日本旅客鉄道株式会社及び台東区では、上野地区まちづくりビジョンに基づき、上野の杜とまちの回遊性向上に向けた、みんなが活用したくなる新たな拠点づくりを進めています。パンダ橋では、令和4年12月より、居心地の良い空間活用を目指して、新たな過ごし方や使い方による実証実験を実施しています。安全性や快適性等の検証を重ねながら、” パンダ橋らしさ”を育んでいきます。

令和6年3月実施パンダ橋利活用実証実験第4弾「パンダバシピクニック」の様子

 

「東京感動線/TOKYO MOVING ROUND」について

〇JR東日本はグループ経営ビジョン「変革2027」において、「鉄道を起点としたサービス提供」から「ヒトを起点とした価値・サービスの創造」に転換し、地域の皆さまの「心豊かな生活」の実現を目指しています。

〇移動を含めた日常生活の利便性を高めるサービスに加え、多様なまちや人の個性を引き出し、駅と駅、駅とまち、人とまち、人と人のつながりを創り出すことで、心豊かな都市生活空間を創造していきます。

〇その一環として「東京感動線」はアートの取組みを手掛け、いつもの駅で、気軽にアートを愉しむ機会を提供しています。様々なキュレーターとともに“アートとつながる日常”をテーマに、エキナカ施等の一角にアートを展示し気軽にアートと触れ合える機会を提供するギャラリーを展開しています。

「東京感動線」 公式ウェブサイト・SNSアカウント
公式ウェブサイト https://www.jreast.co.jp/tokyomovinground/
X    https://twitter.com/tokyo_moving_o/
Instagram  https://www.instagram.com/tokyomovinground/
Facebook   https://www.facebook.com/tokyo.moving.round.jp/
ハッシュタグ #東京感動線 #TokyoMovingRound

 

※画像はイメージです。
※状況により内容が変更になる場合があります。
※価格はすべて税込です。

【JR-Cross】プレスリリースより

 

記事提供:ココシル上野


その他の展覧会情報を見る

上野・不忍池 映像アートインスタレーション×ライブ×食『Peace of Light(ピースオブライト)』10/26(土)10/27(日)開催

参加アーティスト:中山晃子(Akiko Nakayama)、澤渡英一(Eiichi Sawado) 他
J-WAVEのイベント「INSPIRE TOKYO」がプロデュースする、フードコートは10/25(金)から開催

一般社団法人上野観光連盟は都会のオアシス上野公園「不忍池」周辺にて、光のアート「Peace of Light(ピースオブライト)」を開催いたします。

不忍池畔のアートインスタレーション(10/26土曜、10/27日曜)と水上音楽堂野外ステージのライブパフォーマンス(10/26土曜)は、画家の中山晃子氏、音楽は澤渡英一氏が担当します。
10/25(金)から先行して開催する飲食エリアは、今回ラジオ局のJ-WAVE(81.3FM)が主催するイベント「INSPIRE TOKYO」がプロデュース。熱々ホットドッグやハンバーガー、ベトナム料理にパレスチナ料理、韓国料理など多国籍なフード、クラフトビール、淹れたてコーヒーにスイーツまで、バラエティ豊かなこだわりの美味しいフード&ドリンクが集います。 この秋は、上野公園不忍池のほとりでアートインスタレーション&音楽と食を是非満喫してください。

【開催日時・場所】
「Peace of Light(ピースオブライト)」

 

・アートインスタレーション 中山晃子と澤渡英一による、新作映像「融解の水景」
開催場所:上野公園不忍池(蓮見デッキ前)
2024年10月26日(土)10月27日(日)12:00~22:00開催(入場無料)

 

・ライブパフォーマンス
中山晃子の色彩と流動の持つエネルギーを用い、絶えず変容していく「Alive Painting」と
澤渡英一が奏でる音楽が融合!

※イメージ                                     

開催場所:上野公園 水上音楽堂野外ステージ
2023年10月26日(土)のみ開催 17:00開場 17:30開演~20:00終演予定
※前売券(500円税込)はローソンチケットで一般発売中 https://l-tike.com/search/?keyword=70391
※当日券(500円税込)
※入場者には、特典としてサイリウムリストバンドを配布(終演後リストバンドを上野商店街の参加店舗で提示するとで10/26(土)限定で特典が受けられます。)
※入場料収益は日本赤十字社を通じてウクライナ人道危機救援金に寄付されます。
出演予定アーティスト:中山晃子、澤渡英一、style-3!(スタイルスリー)、Aoi MichellE(アオイ ミシェル)

 

■中山 晃子(Akiko Nakayama) プロフィール

液体から固体までさまざまな材料を相互に反応させて絵を描く「Alive Painting」というパフォーマンスを行う。
あらゆる現象や現れる色彩を、生物や関係性のメタファーとして作品の中に生き生きと描く。
様々なメディウムや色彩が渾然となり変化していく作品は、即興的な詩のようでもある。
近年では Ars Electronica festival(オーストリア リンツ)、MUTEK モントリオール、Tokyo 2020 オリンピック閉会式、大河ドラマ「光る君へ」オープニング映像等を手がける。
https://www.akikopainting.com

 

・「INSPIRE TOKYO」プロデュース飲食エリア(入場無料) 
 開催場所:上野公園不忍池(蓮見デッキ前)
2024年10月25日(金)10月26日(土)10月27日(日)12:00~21:00開催

※全て雨天決行、荒天中止

その他、10/26(土)水上音楽堂野外ステージ開催のライブパフォーマンスチケットがもらえるデジタルスタンプラリーも同時開催!
詳しくは公式サイトをcheck!

 

■主催:一般社団法人上野観光連盟 後援:台東区、J-WAVE
※詳しくは、Peace of Light 公式WEBサイトをご覧ください。
URL:https://ueno.or.jp/peaceoflight/

 

【株式会社第一通信社】プレスリリースより

記事提供:ココシル上野


その他の展覧会情報を見る

藝大アートプラザ企画展「Beautiful Foolishness~遊びをせんとや生まれけむ」開催! 10月26日(土) より

2024年10月26日(土)- 12月8日(日)上野・藝大アートプラザにて開催(入場無料)

小学館と東京藝術大学の協働事業である、東京藝術大学美術学部構内(台東区・上野)のギャラリー「藝大アートプラザ(https://artplaza.geidai.ac.jp/ )」にて、2024年10月26日(土)より企画展「Beautiful Foolishness~遊びをせんとや生まれけむ」を開催。本展では約10名の藝大関連アーティストによる作品を展示販売します。入場は無料、原則撮影OK。お子様連れも歓迎です。

***********************************
企画展開催告知ページ
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/25475/
***********************************

2024年10月26日(土)開催 企画展「Beautiful Foolishness~遊びをせんとや生まれけむ」

東京藝術大学美術学部の前身である東京美術学校の校長を務めた岡倉天心は著書「The Book of Tea(茶の本)」の第一章をこんな言葉で終えています。

”Let us dream of evanescence, and linger in the beautiful foolishness of things”
(しばしの間はかなさを夢見ようではないか。そして物事の美しい愚かさに身をゆだねようではないか)

”foolishness”という言葉は通常否定的な意味でしか使われません。その言葉を”beautifull”と形容することによって、天心は功利的には役に立たないことやものに、あるいは、社会の文脈や関係性から解き放たれた一見無価値な存在に対して、最大の賛辞を送っているように見えます。

また、日本におけるポップの帝王ともいえる後白河法皇が編んだ「梁塵秘抄」には「遊びをせんとや生まれけむ戯れせんとや生まれけん」というその後の文学作品に大きな影響を与えた一節が収録されています。

今回藝大アートプラザは「美しき愚かさ」「遊びをせんとや生まれけむ」という二つの言葉に注目しました。もしかしてそんな存在のアートがあってもいいのでは?と思うからです。

藝大アーティストが織りなす「美しくて愚かな」そして「遊びをするために生まれた」作品の数々にしばしの間身をゆだねてください。

 

■ 企画展概要
企画展名:企画展「Beautiful Foolishness~遊びをせんとや生まれけむ」
会場:藝大アートプラザ(東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内)
会期:2024年10月26日(土)〜12月8日(日)
入場料:無料
営業時間:10:00-18:00
定休日:月曜
※営業日時が変更になる場合がございます。最新情報は公式Webサイト・SNSをご確認ください

■ 出展予定作家一覧
浅野井春奈 / 今井完眞 / 尾形凌 / 加藤健一 / 倉敷安耶 / 真田 将太朗 / 須田日菜子 / 松尾 ほなみ / 林樹里 / 林 奈緒子

 

藝大アートプラザとは

トップアーティストを数多く輩出する、東京藝術大学(以下、藝大)の教職員、学生、卒業生の作品を展示販売するギャラリー「藝大アートプラザ」。藝大上野キャンパス構内において、一般の方々が、年間を通して自由に入場・見学することができる、貴重な場所のひとつです。小学館と藝大の協働事業として、2018年から運営をスタートしました。

現在は、1,2カ月ごとに異なるテーマの展示を開催。企画展には毎回10〜50名のアーティストが参加し、油画、日本画、彫刻、工芸、デザイン等、藝大ならではの多様な技法とアプローチで表現された作品が、一堂に会します。

2024年8-10月開催の企画展「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者招待展〜藝大の星〜」展示風景
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/25284/

店舗内には、器やアクセサリーなど生活に寄り添うアートを中心とした常設作品コーナー「LIFE WITH ART」、企画展と連動した書棚も設置。店舗の営業時間中は、屋外のキッチンカー「NoM cafe」のカフェドリンクで、一息つくこともできます。

藝大アートプラザは、入場無料。写真撮影やSNSでのシェアも原則大歓迎です。アートファンのみならず、どなたさまでも、気軽にアートに触れられる場所を目指しています。

常設コーナー「LIFE WITH ART」展示風景

 

藝大アートプラザ基本情報

■ アクセス
最寄駅:JR上野駅(公園口)、鶯谷駅 下車徒歩約10分
東京メトロ千代田線・根津駅 下車徒歩約10分
東京メトロ日比谷線・上野駅 下車徒歩約15分
京成電鉄 京成上野駅 下車徒歩約15分
都営バス上26系統(亀戸〜上野公園)谷中バス停 下車徒歩約3分
※駐車場はございませんので、お車でのご来場はご遠慮ください


■ 公式SNSアカウント

Instagram:
https://www.instagram.com/geidai_art_plaza
X:
https://x.com/artplaza_geidai
Podcast(Spotify):
https://open.spotify.com/show/2FlkumYv9ScWy69UlBtqWy
Threads:
https://www.threads.net/@geidai_art_plaza

 

■ 2024年の展示

2024年1-3月
「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者展」
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/22308/

2024年3-5月
「藝大動物園 Welcome to the art zoo!」
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/22560/

2024年6-7月
「The Art of Tea」
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/23855/

2024年8-10月
「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者招待展〜藝大の星〜」
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/25284/

 

■ お問合せ
よくあるご質問はこちら
https://artplaza.geidai.ac.jp/qa/

 

【株式会社小学館】プレスリリースより

記事提供:ココシル上野


その他の展覧会情報を見る

上野駅PLATFORM13にて「上野発の名列車」をアート作品として放映します

○東日本旅客鉄道株式会社は、『Beyond Stations構想』のモデル駅である上野駅において、2024年8月1日に「PLATFORM13」を全体開業しました。

○上野駅は文化創造HUBをコンセプトに掲げ、様々な文化を発信しており、その取り組みの一環として、PLATFORM13にて、鉄道×アートコンテンツ「上野発の名列車」を8月30日から放映します。上野駅の歴史を彩ってきた名列車とデジタルグラフィック・書道アートと掛け合わせ、「鉄道」と「書道」という日本が世界に誇る文化をPLATFORM13のダイナミックな映像空間を通して体感いただけます。

○また鉄道グラフィックをモチーフに、生成AIによる鉄道画像と融合したQRコードを駅ホーム空間にプロジェクター投影する実証実験を、エプソン販売株式会社・株式会社Flybyと共に実施します。

 

1.鉄道×アートコンテンツ「上野駅発の名列車」の放映について
上野駅の長い歴史の中で、時代ごとの鉄道文化や物語を彩ってきた8つの名列車と、デジタルグラフィックという手法、書道という人の感性・リアルな手が生み出すアートを掛け合わせることで、新機軸の鉄道文化発信コンテンツとして展開いたします。
上野駅の歴史をたどるとともに、名列車の活躍した往年の姿を100mの壁面に投影し、現実に列車が進入・進出するかのようなダイナミックな演出と書道家が書き下ろした列車愛称の迫力ある書道アートが掛け合わさることで、懐かしさも感じさせる壮大なアートを体感いただけます。

(1)放映場所:上野駅 13番線 PLATFORM13
(2)放映期間:2024年8月30日(金)~2024年10月14日(月・祝)
(3)放映時間:8:00~21:30※
(4)登場列車:特急とき 特急あさま 寝台特急はくつる 特急ひたち
     寝台特急あけぼの 寝台特急北斗星 寝台特急カシオペア E5系新幹線はやぶさ

(※)・下記時間帯は放映を停止しております。
9月30日以降の月曜日4:00~11:30/木曜日16:00~19:00/土曜日4:00~11:30/日曜日16:00~19:00
・輸送障害時など、都合により13番線ホームへの立ち入りを規制する場合や事前の告知なく放映を停止する場合がございます。

 

〈放映イメージ〉

 

〈書道アートについて〉
スポーツ・音楽・ゲーム・ファッションなど様々なカルチャーシーンとのコラボレーション実績を持ち、ルーブル美術館での書道パフォーマンスや柔道グランドスラム大阪2019の題字揮毫など、国際的に活躍する書道家の真澪(SHIN-REI)氏を起用することで、「文化創造HUB」としての上野駅が世界に向けて文化価値発信を行う映像コンテンツにふさわしい書道アートを制作しました。

真澪氏

 

2.生成AIによる鉄道画像と融合したQRコード投影の実証実験について
鉄道×アートコンテンツ「上野駅の名列車」の放映とあわせて、エプソン販売株式会社・株式会社Flybyの協力のもと、プロジェクターの投影映像を活用した新技術の実証実験をPLATFORM13で行います。
生成AIによる、鉄道グラフィック画像と融合したQRコードが駅ホーム空間にプロジェクター投影されます。スマートフォンのカメラからこのQRコードを読み込むことで、JRE MALLサイトの8つの名列車のグッズ特集ページへとアクセスすることができます。

QRコード(イメージ)

 

【参考】真澪(SHIN-REI)氏
書道家 真澪
7歳から書道を始める。読売書法展や日本書芸院展などで数々の賞を受賞。書道パフォーマンスに関しては、日本のみならず、フランス・ルーヴル美術館での書道パフォーマンスなどヨーロッパ、アメリカ、アジアでのパフォーマンス、ワークショップ、個展等グローバルに活動している。世界初となった、書道家 真澪 × ウォーターライトグラフィティのコラボレーションを実施するなど書の新たな可能性や分野の開拓も積極的に行っている。

【参考】『Beyond Stations構想』が目指す姿
ヒトの生活における「豊かさ」を起点として、リアルの交流拠点である駅の強みを活かしながら駅空間の配置と機能を変革するとともに、JRE POINT生活圏の拡充を通じ、駅を「交通の拠点」から「暮らしのプラットフォーム」へと転換します。
モデル駅の上野駅では、今後もリアルとオンラインの融合サービスを拡大し、私たちだからこそ提供できる「心豊かな生活」を実現してまいります。

【参考】2024年7月29日プレスリリース 上野駅「PLATFORM13」が全体開業します
URL:https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240729_ho03.pdf

 

【東日本旅客鉄道株式会社】プレスリリースより

記事提供:ココシル上野


その他の展覧会情報を見る

企画展「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者招待展〜藝大の星〜」開催

2024年8月17日(土) ~ 10月20日(日) 上野・藝大アートプラザにて開催(入場無料)

小学館と東京藝術大学の協働事業である、東京藝術大学美術学部構内(台東区・上野)のギャラリー「藝大アートプラザ(https://artplaza.geidai.ac.jp/ )」にて、2024年8月17日(土)より企画展「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者招待展〜藝大の星〜」を開催。本展では約30名の藝大関連アーティストによる作品を展示販売します。入場は無料、原則撮影OK。お子様連れも歓迎です。

**********************************
企画展開催告知ページ
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/24936/
**********************************

2024年8月17日(土)開催 企画展「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者招待展」

藝大アートプラザ大賞は約20年続く、藝大の学生を対象とした年に1回のアートコンペです。本年からは藝大アートプラザ・アートアワードと名称を変え、「小学館賞」「JR東日本賞」を新設するとともに、デジタルアート部門を創設するなど新たな展開を迎えました。

これまでの美術部門受賞者の新作が一堂に会する「アートアワード受賞者招待展」を今年も開催いたします。これからの活躍が楽しみな現役の藝大生のものから、アーティストとして注目を浴びる卒業生の作品まで、幅広い年代・ジャンルがそろいます。それぞれのアーティストの「現在(いま)」を感じられる展覧会をぜひお楽しみください。

■ 企画展概要
企画展名:「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者招待展〜藝大の星〜」
会場:藝大アートプラザ(東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内)
会期:2024年8月17日(土)〜10月20日(日)
前期:2024年8月17日(土)〜9月15日(日)
後期:2024年9月21日(土)〜10月20日(日)
※9月16日(月)〜9月20日(金)は展示替えのため休業
入場料:無料
営業時間:10:00-18:00
定休日:月曜

※営業日時が変更になる場合がございます。最新情報は公式Webサイト・SNSをご確認ください

■ 出展予定作家一覧

前期
石田 菜々子/大野 直志/河崎 海斗/小林 真理子/鹿間 麻衣/鈴木 初音/先﨑 了輔/東條 明子/中村 弘峰/前田 恭兵/間瀨 春日/本村 綾

後期
大島 利佳/小倉 慎太郎/加藤 萌/齋藤 愛未/杉本 ひなた/地村 洋平/野村 絵梨/堀口 晴名/水代 達史/満田 晴穂/安河内 裕也/RO KIKO

 


藝大アートプラザとは

トップアーティストを数多く輩出する、東京藝術大学(以下、藝大)の教職員、学生、卒業生の作品を展示販売するギャラリー「藝大アートプラザ」。藝大上野キャンパス構内において、一般の方々が、年間を通して自由に入場・見学することができる、貴重な場所のひとつです。小学館と藝大の協働事業として、2018年から運営をスタートしました。

現在は、1,2カ月ごとに異なるテーマの展示を開催。企画展には毎回10〜50名のアーティストが参加し、油画、日本画、彫刻、工芸、デザイン等、藝大ならではの多様な技法とアプローチで表現された作品が、一堂に会します。

▼2024年6-7月開催の企画展「The Art of Tea」展示風景
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/24666/

店舗内には、器やアクセサリーなど生活に寄り添うアートを中心とした常設作品コーナー「LIFE WITH ART」、企画展と連動した書棚も設置。店舗の営業時間中は、屋外のキッチンカー「NoM cafe」のカフェドリンクで、一息つくこともできます。

藝大アートプラザは、入場無料。写真撮影やSNSでのシェアも原則大歓迎です。アートファンのみならず、どなたさまでも、気軽にアートに触れられる場所を目指しています。

常設コーナー「LIFE WITH ART」展示風景

 

藝大アートプラザ基本情報

■ アクセス
最寄駅:JR上野駅(公園口)、鶯谷駅 下車徒歩約10分
東京メトロ千代田線・根津駅 下車徒歩約10分
東京メトロ日比谷線・上野駅 下車徒歩約15分
京成電鉄 京成上野駅 下車徒歩約15分
都営バス上26系統(亀戸〜上野公園)谷中バス停 下車徒歩約3分
※駐車場はございませんので、お車でのご来場はご遠慮ください

■ 公式SNSアカウント
Instagram:https://www.instagram.com/geidai_art_plaza
X:https://twitter.com/artplaza_geidai
Podcast(Spotify):https://open.spotify.com/show/2FlkumYv9ScWy69UlBtqWy
Threads:https://www.threads.net/@geidai_art_plaza

■ 2024年の展示
2024年1-3月「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者展」
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/22308/
2024年3-5月「藝大動物園 Welcome to the art zoo!」
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/22560/
2024年6-7月「The Art of Tea」
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/23855/

■ お問合せ
 よくあるご質問はこちら
https://artplaza.geidai.ac.jp/qa/

 

【株式会社小学館】プレスリリースより

記事提供:ココシル上野


その他の展覧会情報を見る

東京都美術館「大地に耳をすます 気配と手ざわり」開幕レポート

東京都美術館
東京都美術館「大地に耳をすます 気配と手ざわり」報道内覧会

東京都美術館より、2024年7月20日(土)に開幕した企画展「大地に耳をすます 気配と手ざわり」のレポートが届きましたのでご紹介します。


東京都美術館の企画展、「大地に耳をすます 気配と手ざわり」が7月20日(土)に開幕した。自然と深く関わり、制作をつづける5人の現代作家が、人間中心の生活のなかでは聞こえにくくなっている大地の息づかいを伝えてくれる展覧会だ。7月19日(金)にはプレス内覧会が行われ、報道陣に公開された。本展を担当した大橋菜都子学芸員と参加作家による展示解説をレポートする。

■大地に耳をすます気配と手ざわり
■2024年7月20日(土)~10月9日(水)

「大地に耳をすます 気配と手ざわり」会場
本展を担当した大橋菜都子学芸員

本展を担当した大橋菜都子学芸員は、企画の背景として、「東日本大震災や新型コロナの感染症拡大など、大都市で暮らす便利さとともにその脆弱性を感じることがここ十数年の間に多くあった」という。「都市のもろさを実感したことにくわえ、自然がやや遠く感じ、季節の移ろいだけでなく、自然のあり様や変化を感じ取る力が少しずつ弱まっていっている感覚に気づいたことが大きなきっかけとなり、そのような個人的な思いから、調査を進め」、大都会から離れて自然の中で感覚を研ぎ澄ませ作品を制作している作家らが参加する展覧会となった。

参加作家は、自然と深く関わり制作をづつける川村喜一、ふるさかはるか、ミロコマチコ、倉科光子、榎本裕一の5人。

本展出品作家 川村喜一
展示会場(ギャラリーC)

入り口のエスカレーターを降りてすぐの展示会場(ギャラリーC)に入ると、天井が高く、開放感のある空間に川村喜一の写真作品が並ぶインスタレーションがある。東京で生まれ育った川村(1990年生まれ)は、2017年、北海道知床半島に移住して作家活動を続けている。

「世界自然遺産としても知られる場所。ヒグマやシャチ、ときには鯨もやってくるという、自然が豊かであると同時にとても厳しい環境で生活しています。いわゆるネイチャーフォトというようなかぎかっこのついた『自然』というよりは、そこに生きている生活者として、肌感覚で風土というものを感じながら表現をしていきたいという思いをもって制作しています」と語る。移り住んで、2年目の秋に狩猟の免許をとり、山に入って狩猟も行う。自然のこと、動物のことをより深く知りたいという思いから始めたものの、最初は自分が森に受け入れられていないような感覚があったり、動物に出会うことも難しかったそう。地形やその土地に暮らす生物の生態をわかっていなければ、その場を歩くことも獲物にたどり着くこともできない。

「都会の暮らしでは感じられない、わからないことに問題意識があって知床で暮らしていますけれど、狩猟をとおして生態系を外側からみるというより、その中に入って、いきものの一員として、精神性、行為としてのプロセスと写真の表現を結び付けられたらいいなと思って制作をしています」(川村)

布地に印刷された写真には、家族の一員であるアイヌ犬のウパシとの暮らし、知床の風景など川村の日常がとらえられている。北海道産の木製のフレームに額装されたそれら写真は、アウトドアキャンプ用のロープで吊り下げられ展示空間を構成している。環境に配慮し、美術館の建築に敬意を払い、作品展示のために新たに壁を立てることはしていなかった。作品同士が空間に心地よく配置されている様子は鑑賞者の目にも新鮮だろう。この木製の額縁は折り畳み可能。すべて作家自身が車に詰め込んで会場まで運び、展示されている。展覧会終了後は、また折り畳み、知床まで戻るそうだ。これも生活と制作、展示の連続性を大事にする川村のいう行為としてのプロセスなのだろう。

本展出品作家 ふるさかはるか
展示会場(ギャラリーC)

木版画家のふるさかはるかは、大阪府生まれ。フィンランド、ノルウェーなど北欧での滞在制作を経て、2017年からは青森で自然とともに生きる人々に取材を重ねながら制作している。本展では3つのテーマで作品を展示している。北欧の遊牧民サーミの手仕事にひかれて作られた版画のシリーズ〈トナカイ山のドゥオッジ〉、青森、南津軽の山間地域に取材を重ねて作られた〈ソマの舟〉、〈ことづての声〉だ。

ふるさかは、木版画の木を自身が自然とかかわる手段ととらえている。そう考えるようになったのは、2003年、初めてサーミの村で滞在制作をしたことが大きく影響しているという。それ以降、彼らとメール等でコミュニケーションをとりながら、厳しい自然とともにある暮らしがどういうものかを徐々に知ることになった。

《トナカイの毛皮》は、マイナス40℃にもなる地域で古くからトナカイの毛皮を身にまとうことで生き延びてきたサーミの人たちに想を得て描いたもの。彼らはトナカイを捕えると、毛皮のほか、骨も腱も、そのすべてを自分たちが生きることに使う。ふるさかにとって木版画は、サーミにとってのトナカイのようだ。木版画をつくることで、彼らとトナカイのような生き方をしたいと思うようになり、無垢の木の姿や木目を生かし、拾ってきた土を絵具にして制作するようになった。そこから始まったのが〈トナカイ山のドゥオッジ〉シリーズだ。

《織り》は、森の中の木に縦糸をくくりつけ、張りを調整しながら、自然の中で手仕事をしてしまう身軽さ、またその中にいることの心地よさも感じている人たち。「自然の中でどうふるまうか、彼らの言葉を記録して作品を制作してきました」と話す。

2017年からは日本に目を向け、厳しい冬とともに生きてきた人たちに取材しようと、青森に足を運ぶようになった。本展では、会場の天井高に合わせた大型の木版画を制作した。漆林で版木となる木材の伐採から立ち合い、青森の漆の樹液と自ら育てた藍で刷った新作である。会場には、木版画だけでなくこの版木も展示されており、青森の木立のような展示空間がつくられている。また、絵具としてふるさかが用いる、漆の樹液、藍、土など自然の素材も展示されている。《線を作る器》では、青森のヒバに、青森で採集された泥が薄く入っている。乾くと、少しずつヒビが入ることで線が作られるインスタレーションで、会期が進むにつれ変化する様子も観察できるだろう。

また、ふるさかの自然と呼応しながら制作する様子を記録した映像を上映している。夏の藍の刈り取り、冬の木材の伐採、土の採集、彫りと刷りの場面まで、木版画ができるまでに、ふるさかがいかに自然と関わっているのかということとともに、その素材を育てることから始める制作に途方もない手間と時間がかかっていることを知ることができる。この映像の撮影は、本展の参加作家である川村喜一が行っている。

本展出品作家 ミロコマチコ
展示会場(ギャラリーA)

ひとつ下の階(ギャラリーA)の吹き抜け展示室にはミロコマチコの勢いのある作品世界が広がる。大阪府生まれのミロコマチコは、11年にわたる東京での活動を経て、2019年奄美大島に移住した。展示空間の中央には《島》がつくられ、その周りには奄美大島で制作された作品が多く展示されている。

奄美大島の人たちは自然に合わせて暮らしているため、自然を感じ取る力が強いと話すミロコマチコ。

「自然を感じ取る力が、私には全然ないのだと気づきました。それを身に着けていく上で、とても大切なのではないかと思って、日々、どういった動きがあるのか、変化があるのかをながめているのですけれど、島の自然はとってもざわめきが激しくて。その動きはいきもののようで、それを目に見えないいきものとしてとらえて、制作しています」(ミロコ)。

《島》をかたちづくる壁の内側の絵は、この場で4日間かけて描かれた。外側は2023年に刊行された絵本『みえないりゅう』の原画が取り囲む。

「ぜひ、この『みえないりゅう』の物語を感じてから、中にはいってほしいです。すべてのことは影響しあっていて、風が吹けば波がたって、小さな波が、しぶきとなって打ち寄せるように、そのつながりみたいなものを意識しながら、初めからこうしようというのがあったわけではなく、即興的に制作していきました。わたしが島で見ている世界をここに表現したので、たくさんの自然がざわめいている気配を感じてくれたらうれしいなと思っています」(ミロコ)

《島》の床は泥染めがなされている。奄美大島に移住して約5年、大地のエネルギーをもらえるような島の自然の素材は、ミロコが表現したいことに合うことがわかってきたそうだ。
奄美大島の森で《光のざわめき》を描いたライブペインティングの映像《うみまとう》も会場の一角に設けられた小屋の中で見ることができる。

「屋外で描いていたら、風の動きや光の移り変わり、たくさんのエネルギーなどを受け取って瞬発的に出していきます。そして、それらで形作られていくものがいきもののように、見えてくる。それがいきものとして形作られていくっていうことなんですけれど、周りの環境から受け取るものを自分のからだに刻むように描く、それがわたしにとってだいじなんだなあと感じています」(ミロコ)。

奄美大島の人たちにとって、山や森は神様がいる神聖な場所。むやみに入るのではなく、「入り口におじゃまさせていただきました。森は根っこや石がゴロゴロしていて、身動きが取りづらく、描きたいものが溢れてくるけど、描けない葛藤のような絵が現れたんじゃないかなと。制作時に着ていた服は解体して、カンヴァスにしたり、ほかの作品に使ったりしてつながっています」(ミロコ)

映像の小屋の外側の壁面も奄美に多く自生するヒカゲヘゴという植物の染料が塗られている。

本展出品作家 倉科光子
展示会場 (ギャラリーB)

ギャラリーBで作品を展示している倉科光子は、青森県生まれで現在は東京都在住。2001年から植物画を始めた。

東日本大震災(2011年)の津波により変化があった植物の生育環境を観察し、2013年から定期的に現地に足を運び、植生を水彩画で描き続けている。本展では、被災地に行けなかった時期に描いた関東圏の植物画2点と、岩手県、福島県、宮城県で取材して描いた15点が展示されている。

作品のタイトルとなっている数字は、いずれも描いた植物があった緯度と経度。「その場所が実際にあるということを示唆すると同時に、その時だけ見えた光景を描き出したい」(倉科)という思いによるもので、とても重要なことなのだという。「tsunami plants(ツナミプランツ)」と名付けたそれら植物のひとつひとつを丁寧に観察し詳細に描くことで、「その植物の種子は津波によって運ばれたのか、土の攪拌により芽吹いたのか、あるいは復興工事のなかで重機によって運ばれたのか、その場所に起きたこと、植物がそこに根付いた理由を探る」と倉科。

制作中の作品も展示されている。本展での展示にあたり、倉科が制作に力をいれた白藤だ。一般的に知られている藤は、ツルが上に向かって伸び、藤棚に絡みつき、花は垂れ下がる。ところがこれはツルが地面を這い、葉をつけ白い花を咲かせている。2016年にこの地を這う白藤の写真を見る機会を得た倉科は、どうしてもこれを描きたいと思い、現地を取材し、昨年から描き始めた。地面で白い花を咲かせることはまれだという。咲かせたいというよほどのエネルギーがあるのだろうと倉科。作品の途中経過を見ることができるのも貴重な機会である。

榎本裕一 展示会場 (ギャラリーB)
榎本裕一 展示会場 (ギャラリーB)

榎本裕一(1974年生まれ)は東京で生まれ育ち、2018年から北海道根室、今年から新潟県糸魚川にもアトリエを構え、3拠点で制作を行っている。
本展では根室の風景をモチーフにした油彩とアルミニウムパネルを氷に見立てた新作の《結氷》を展示している。

《沼と木立》は、遠くからみると、白黒の抽象画のようだが、近くで目を凝らしてみると、黒い画面の中に木立が見えてくる。

「誰もいない、誰も来ない深い森の中で突然現れた風景に驚き、喜びと、恐怖も感じたことを覚えています」という榎本の言葉を大橋学芸員が伝え、積もった白い雪––榎本が出会った自然をみずみずしい感性でとらえた作品であると紹介した。白黒にシンプルに削られた作品だからこと、見る人が自分の記憶と結び付け自由に想像を広げる余白をもっている。

一方、アルミニウムパネルに表現している10点の新作、《結氷》には、海からの強い風によって雪が生み出す表情がとらえられている。

「氷の上を歩くような経験は(一般的には)ないにしても、この作品がたくさん並ぶことで、氷に囲まれるような空間になっている」と大橋学芸員。10点が並ぶことで、冬の根室でこうした自然の織りなす美しい造形が無数に生み出されていることを想像させてくれる。ちなみに、最後に展示されている小さな作品には、雪上に動物の足跡が見える。一見すると、静かでモノクロームの世界だが、榎本が根室で感じたいきものの気配や生命の煌めきが表されている。

 

会場の最後には、春を表す作品が展示されている。北海道に分布する多年草で、4月から5月に花をつけるエゾエンゴサクをモチーフにした器型の作品だ。展示の最後にと榎本が制作した新作である。

その隣では榎本が作品制作の資料として撮影した写真のスライドショーが流れ、根室の春から四季の移ろいを見ることができる。榎本が、東京とまったく異なる景色を見せる根室に魅了された瑞々しい感覚を存分に伝えるだけでなく、氷った湖上の風景やエゾエンゴサクの花など、展示されている作品と関連が強い写真も含まれているのも興味深い。

5人の現代作家による写真、木版画、油彩画、水彩画、インスタレーションなど、多様な作品が展示される空間を行ったり来たりしながら、日ごろ忘れがちな本来人間が持っている自然とかかわる感覚を呼び起こすきっかけになるだろう。

なお、本展の図録には奄美大島で染められた泥染めの布がついている。
参加作家のひとり、ミロコマチコが作品制作に使っている泥染めと同じ工房によるものだ。

東京都美術館「大地に耳をすます 気配と手ざわり」報道内覧会

撮影・鈴木渉


展覧会開催概要
●展覧会名 大地に耳をすます 気配と手ざわり
The Whispering Land: Artists in Correspondence with Nature
●会期 2024年7月20日(土)~10月9日(水)
●会場 東京都美術館 ギャラリーA・B・C
●休室日 月曜日、9月17日(火)、9月24日(火)※8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・休)は開室
●開室時間 9:30~17:30、金曜日は9:30~20:00 *入室は閉室の30分前まで
●観覧料 一般 1,100円、大学生・専門学校生 700円、 65歳以上 800円、高校生以下無料
※[サマーナイトミュージアム割引]など割引に関するの詳細は展覧会公式サイトをご覧ください。
●主催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館
●特別協力 株式会社ツガワ
●協力 合同会社 北暦、株式会社ミシマ社、Gallery Camellia、青森公立大学 国際芸術センター青森
●問合せ先 東京都美術館 03-3823-6921
イベントなどの最新情報は展覧会公式サイトをご覧ください
https://www.tobikan.jp/daichinimimi

 

記事提供:ココシル上野


その他の展覧会情報を見る