東京国立博物館「博物館でお花見を」 2020年3月10日(火)~4月5日(日)開催!

東京国立博物館

東京国立博物館は、春の恒例企画「博物館でお花見を」を今年も開催します。
本館の各展示室では、桜をモチーフにしたさまざまな日本美術の名品が咲き誇ります。
また、本館北側にある庭園では約10種類の桜をお楽しみいただけます。
さらに、ギャラリートークやクイズラリーなど関連イベントも行います。
トーハクならではの、特別なお花見をどうぞご堪能ください。

■本館桜めぐり

本館では、「観桜図屏風」など桜を描いた絵画や、桜をモチーフにした工芸品、陶磁器など、桜に関連したさまざまな作品を展示します。
該当作品のキャプションには桜マークを付けていますので、展示室にてお気に入りの桜を見つけてください。

◆主な展示作品 ※作品はすべて東京国立博物館蔵

本館7室

観桜図屏風(かんおうずびょうぶ)

住吉具慶筆 江戸時代・17世紀

西脇健治氏寄贈

展示期間:3月24日(火)~4月19日(日)

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『伊勢物語』より、桜を讃え歌を詠む惟喬(これたか)親王と在原業平(ありわらのなりひら)らを描きます。

本館8室

瓢形酒入(ひさごがたさけいれ)

船田一琴作 江戸時代・天保14年(1843)

展示期間:1月28日(火)~4月19日(日)

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銀、銅、銀と銅の合金など多彩な金属でつくった酒入。
桜の花は、銅を立体的に彫り、鍍金(ときん)したものを象嵌しています。

本館8室

色絵桜樹図透鉢(いろえおうじゅずすかしばち)

仁阿弥道八作 江戸時代・19世紀

展示期間:1月28日(火)~4月19日(日)

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少し斜め上から鉢の内外を同時に眺めると、より満開の桜を感じられます。

本館8室

色絵桜樹図皿(いろえおうじゅずさら)

鍋島 江戸時代・18世紀

展示期間:1月28日(火)~4月19日(日)

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円形に沿って枝が巡る構図で、桜が器面いっぱいに爛漫と咲いています。

本館10室

隅田川の花見船図(すみだがわのはなみぶねず)

歌川国政筆 江戸時代・19世紀

展示期間:3月17日(火)~4月12日(日)

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舟を浮かべて遊ぶ女性たちと吉原へ向かう遊客。
遠くには桜の名所の三囲神社も描かれます。

本館10室

小袖 白綸子地若松桜幕模様

(こそで しろりんずじわかまつさくらまくもよう)

江戸時代・18世紀

展示期間:2月26日(水)~4月19日(日)

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満開の桜に幔幕(まんまく)がかかる模様は、『源氏物語』「花宴(はなのえん)」巻を想起させます。

本館13室

桜花鳳凰図鐔(おうかほうおうずつば)

塚田秀鏡作 明治3年(1870)

展示期間:3月10日(火)~6月14日(日)

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鐔の中で咲き誇る桜と舞い飛ぶ鳳凰が、華やいだ春を感じさせます。

■春の庭園開放

本館北側の庭園を、桜の時期にあわせて開放します(茶室内には入れません)。

また、期間中には臨時でカフェも出店します。
展示室で桜の作品を見たあとは、庭園でゆったりとお花見をお楽しみください。

3月10日(火)~4月19日(日) 10:00~16:00

https://www.atpress.ne.jp/releases/205579/img_205579_8.jpg

※悪天候により中止する場合があります。

※庭園の一部工事を行うため、立入りエリアに制限が生じる場合がございます。

◆桜ライトアップ

春の庭園開放期間中の金曜・土曜日は、19:30まで庭園のライトアップを行います。

■桜イベント

※事前申込制の記載がないものは事前申込み不要、参加無料です。(ただし、当日の入館料が必要となります)

◆桜ギャラリートーク

器に咲く桜

陶磁器に表された桜について解説します。

日時:3月17日(火) 14:00~14:30

講師:今井敦(博物館情報課長)

場所:本館地下 みどりのライオン(教育普及スペース)

仏教絵画に描かれた桜

風景描写を伴う仏教絵画には桜も描かれます。

蓮華だけではない、仏教絵画の中の花についてお話しします。

日時:3月24日(火) 14:00~14:30

講師:沖松健次郎(絵画・彫刻室長)

場所:本館地下 みどりのライオン(教育普及スペース)

◆桜鑑賞ガイド

桜作品の見どころをダイジェストでご紹介します。

日時:3月31日(火) 14:00~14:30

講師:阿部楓子(教育講座室アソシエイトフェロー)

場所:本館地下 みどりのライオン(教育普及スペース)

◆桜セミナー

金銀螺鈿の花づくし

漆と金が生み出す季節の楽しみ方をご紹介します。

日時:4月4日(土) 13:30~15:00(13:00開場予定)

講師:福島修(工芸室研究員)

会場:平成館大講堂 定員380名(先着順)

◆ボランティアによるガイドツアー

桜にちなんだ作品や構内の桜など、さまざまなテーマで「トーハクの桜」をご案内します。

※日時とテーマは、当館ウェブサイトなどでご確認ください。

◆東博句会「花見で一句」

桜咲く庭園や桜をモチーフにした作品をテーマに俳句を募集します。

ご応募は当館敷地内4か所に設置されたポストに投函してご応募ください。

入選作品は、東京国立博物館ニュース9-11月号と当館ウェブサイトで発表し記念品を贈呈します。

※「博物館でお花見を」期間中毎日受付。

◆桜ワークショップ 春らんまん 桜ぬりえ

桜をモチーフにした作品のぬりえに、思い思いに色をつけ、自分だけの春らしい作品をつくるワークショップです。

日時:3月27日(金)~3月31日(火)

各日11:00~16:00 ※ぬりえシートがなくなり次第終了

会場:本館2階ラウンジ

◆桜クイズラリー

展示室をめぐって、5つのクイズを解いてください。
全て正解した方にオリジナルバッジをプレゼントします。

「博物館でお花見を」期間中、毎日開催。
バッジは全部で2種類ご用意しています。

※台紙の配布・バッジの引換え場所:本館エントランス

(バッジの引換えは10:00~閉館まで)

オリジナル缶バッジ(2020年限定デザイン)

https://www.atpress.ne.jp/releases/205579/img_205579_9.jpg

◆アートスタジオ 事前申込制

桜の根付作り

本館10室と高円宮コレクション室の根付を見学したあと、粘土を加工して桜をテーマにオリジナルの根付を制作します。
完成作品はお持ち帰りいただけます。

日時  :3月28日(土)13:30~15:30

会場  :本館地下 みどりのライオン(教育普及スペース)

対象  :高校生以上

定員  :20名程度(応募者多数の場合は抽選)

参加費 :無料(ただし、高校生を除く18歳以上70歳未満の方は当日の入館料が必要)

申込締切:2月25日(火)必着

◆庭園茶室ツアー 事前申込制

草庵(そうあん)茶室に入ってみよう!

庭園内にある茶室の見どころについて解説します。
通常のガイドツアーでは入らない「六窓庵(ろくそうあん)」「転合庵(てんごうあん)」の内部までご案内します。

*悪天候の場合は中止することがあります

日時  :3月19日(木) 11:00~12:00

定員  :16名(応募者多数の場合は抽選)

参加費 :無料(ただし、高校生を除く18歳以上70歳未満の方は当日の入館料が必要)

申込締切:2月17日(月)必着(申込みは締め切りました)

◆応挙館での茶会 事前申込制

応挙館(おうきょかん)桜茶会

庭園の応挙館でのお茶会です。
桜と円山応挙の障壁画(複製画)をご覧いただきながら、季節のお菓子とともにお茶をお楽しみいただきます。

*悪天候の場合は中止することがあります

日時  :3月29日(日) (1)11:00~12:00 (2)13:00~14:00(各回とも同じ内容)

定員  :各回15名(応募者多数の場合は抽選)

参加費 :500円(ただし、高校生を除く18歳以上70歳未満の方は、別途当日の入館料が必要)

申込締切:2月19日(水)必着(申込みは締め切りました)

※事前申込制のイベントについて、申込方法は当館ウェブサイトでご確認ください。

◆コンサート

桜の街の音楽会

「東京・春・音楽祭」参加アーティストによる無料のミニコンサートを開催します。

(ただし当日の入館料が必要です)

▼4月2日(木)

10:30~10:50 正門前

Vive! サクソフォーン・クヮルテット(サックス四重奏)

13:00~13:20 法隆寺宝物館エントランスホール

石井希衣(フルート)&岡本和也(ギター)

▼4月7日(火)

13:00~13:20 本館エントランス

大江馨(ヴァイオリン)

主催・お問合せ: 東京・春・音楽祭実行委員会(TEL:03-5205-6497)

ウェブサイト : http://www.tokyo-harusai.com/

【来館案内】

開館時間:9時30分~17時(金曜、土曜日は21時まで開館。入館は閉館の30分前まで)

休館日 :3月16日(月)、3月23日(月)

観覧料 :2020年4月1日(水)より観覧料を改定します

●2020年3月31日(火)まで

<一般>

620円(520円)

<大学生>

410円(310円)

●2020年4月1日(水)より

<一般>

1,000円

<大学生>

500円

※( )内は20名以上の団体料金。4月1日(水)より廃止

※高校生以下および18歳未満、満70歳以上の方は無料(入館の際に年齢がわかるものをご提示ください)

※障がい者とその介護者1名は無料(入館の際に障がい者手帳等をご提示ください)

※子ども(高校生以下および満18歳未満)と一緒に来館した方(子ども1名につき同伴者2名まで)は団体料金で観覧できます。4月1日(水)より廃止

※特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」(3月13日(金)~5月10日(日))は別料金

交通    : JR上野駅公園口、鶯谷駅南口から徒歩10分

東京メトロ上野駅・根津駅、京成電鉄京成上野駅から徒歩15分

お問合せ  : 03-5777-8600(ハローダイヤル)

ウェブサイト: https://www.tnm.jp/

 

 

記事提供:ココシル上野


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2020年5月 ついに、東京凱旋!!木梨憲武展 ~ロンドンを皮切りに日本国内20会場を回る全国美術館ツアー~

上野の森美術館

2018年7月の大阪会場を皮切りに、自身2度目の全国美術館ツアーを開催中の「木梨憲武展」がついに2020年、15か所目の会場として東京(上野の森美術館)に帰ってきます。

2015年のニューヨーク個展を契機に制作を始めた「OUCHIシリーズ」や2018年のロンドン個展で初披露した「REACH OUTシリーズ」の最新作を中心に、
2014年6月、上野の森美術館でわずか20日間で約10万人を動員した「木梨憲武展×20years」の大人気作まで、絵画だけではなく、ドローイング、映像、オブジェなど自由な発想による作品150点以上を展示。
「木梨憲武」らしい、明るく自由な発想と表現方法で観る人を幸せにする展覧会です。

 

みどころ

 

●木梨さん自らが全作品を展示!会場ごとに雰囲気の違う美術展!

 

すべての会場で展示方法を決めるのが木梨憲武流。
すでに観た人も、初めて観る人も楽しめる、ライブのような美術展です。
ちいさなお子様から大人の皆様まで、老若男女問わずに笑顔でお楽しみいただけます。

 

●新作を含む、150点以上の展示

 

多忙のなか、時間を見つけては今も作品制作を続ける木梨さん。
巡回展中にも新作を追加したり、既存の作品を手直ししたりと展覧会のブラッシュアップに余念がありません。
東京会場の開催に合わせて、新作の発表も決定しています。

感謝 2013年  (c)NORITAKE KINASHI (size 225cm×135cm)

 

REACH OUT Tree
2018年 
(c)NORITAKE KINASHI
(size 117.3cm×91cm)

 

 

REACH OUT
2018年 
(c)NORITAKE KINASHI
(size 直径160cm)

 

ROSE
2019年 
(c)NORITAKE KINASHI
(size 150cm×115cm)

 

●豊富なグッズや音声ガイドも

音声ガイドはタレントで映画評論家のLiLiCoさんと、まるでラジオのような軽妙な掛け合いとトークで木梨ワールドへご案内します。
また、豊富な展覧会限定グッズも用意。
展覧会の楽しい雰囲気を、ぜひご自宅でもお楽しみください。
■音声ガイド 所要時間:約40分/貸出価格:600円(税込)

 

木梨憲武さんからのメッセージ:

 

撮影:杉田裕一
(c)NORITAKE KINASHI

 

ついに帰ってきました東京・上野の森美術館!

2014年から約6年ぶりの東京個展を開催します!

この間に描き上げた作品を持ってまたお邪魔します!
2014年の「木梨憲武展×20years」に来てくれた人も、そうじゃない人も、オリンピック前、ぜひ遊びに来てください。
みんなに楽しんでもらえる展覧会に仕上げてお待ちしてま~す!!

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プロフィール:木梨憲武(きなし・のりたけ)

1962年東京生まれ。
とんねるずとして活躍する一方、アトリエを持ち画家としても活動している。
1994年に「木梨憲太郎」名義で愛知県名古屋市で開催した初個展『太陽ニコニカ展』から日本国内では今回で9度の個展を開催。
開催会場はのべ30会場。

アメリカ・ニューヨーク(2015年)およびイギリス・ロンドン(2018年)での2度の海外個展でも成功を収める。

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【開催概要】

□タイトル 木梨憲武展 Timing ー瞬間の光りー

□会  期 2020年5月29日(金)~6月21日(日)※会期中無休

□会  場 上野の森美術館

(所在地:〒110-0007 東京都台東区上野公園1-2)

□開館時間 10時~17時(入場は閉館の30分前まで)

□入 場 料  一般 1,600円(1,400円)

大学・専門学校・高校生 1,400円(1,200円)

小学・中学生 800円(600円)

※小学生未満無料

※( )内の料金は前売および20名以上の団体料金

※障がい者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料(要証明)

※チケット詳細は公式HPで順次公開

□主  催 産経新聞社、imuraart gallery、上野の森美術館

□特別協力 コッカ

□協  賛 ソニー・ミュージックエンタテインメント、野崎印刷紙業

□公式 HP  http://www.kinashiten.com/

□公式SNS Instagram, Twitter , Facebook : @kinashiten

 

 

●スペシャル前売チケット発売決定!/発売日:2020年2月14日(金)AM10時~

 

(1)平日限定ペア券 2,500円(税込)【数量限定販売】

平日のみ来館できる限定ペア券。
当日券よりなんと700円もお得!

【販売プレイガイド】スマチケ、e+、ぴあ、ローチケ、CNプレイガイド、セブンチケット、楽天チケット、Yahoo!チケット

 

(2)オリジナルマッキー付券 1,600円(税込)【2月14日から3月13日までの期間限定販売】

作品制作にも使用する油性マーカー「マッキー」の展覧会オリジナルデザインが登場!

※オリジナルマッキーは会期中に会場内ショップにてお引換えください。
東京会場以外での引換えはできません。

※東京会場以降、会場内ショップでオリジナルマッキーを350円(税別)で発売予定です。

【販売プレイガイド】e+、ぴあ、ローチケ

 

REACH OUT
2018年 
(c)NORITAKE KINASHI
(size 直径160cm)

 

(3)《感謝》の特製キャンバスアート付券 6,000円(税込)【数量限定販売】

e+(イープラス)限定!

大人気作品《感謝》がキャンバスアート(非売品)に。
数量限定のスペシャル企画!

※キャンバスアートは会期中に会場内ショップにてお引換えください。
東京会場以外での引換えはできません。

 

感謝
2013年 
(c)NORITAKE KINASHI
(size 225cm×135cm)

 

(4)公式作品集付券 3,300円(税込)【数量限定販売】

ローソンチケット限定!

本展公式作品集2,200円(税込)がついて300円お得なセット

※公式作品集は会期中に会場内ショップにてお引換えください。東京会場以外での引換えはできません。

 

<販売プレイガイド>

●公式オンラインチケット「スマチケ」

https://eplus.jp/kinashitentokyo-official/

●e+(イープラス)

https://eplus.jp/kinashitentokyo/

【店頭販売】ファミリーマート店内Famiポート

 

●チケットぴあ

https://w.pia.jp/t/kinashitentokyo/

0570-02-9999(Pコード:685-109)

【店頭販売】セブン-イレブン、チケットぴあ店舗

●ローソンチケット

https://l-tike.com/kinashitentokyo/

Lコード:32004

0570-000-777(オペレーター対応)

【店頭販売】ローソン・ミニストップ店内Loppi

●CNプレイガイド

http://www.cnplayguide.com/kinashitentokyo/

0570-08-9999(オペレーター対応)

【店頭販売】ファミリーマート店内Famiポート

 

●セブンチケット

【店頭販売】全国のセブン-イレブン店頭

(店内マルチコピー機 セブンチケットボタン)

※セブンチケット取り扱いは、セブン-イレブン店頭のみ

 

●楽天チケット http://r-t.jp/kinashitentokyo

 

●Yahoo!チケット http://r.y-tickets.jp/kinashitentokyo

 

●JTBレジャーチケット

【店頭販売】セブン-イレブン/ローソン/ミニストップ/ファミリーマート

 

●LINEチケット https://ticket.line.me/sp/kinashitentokyo/

 

●前売券 2020年3月14日(土)AM10時~販売開始!

<料金表>

料金(税込)
一般
大学・専門学校・高校生
小学・中学生
当日
1,600円
1,400円
800円
前売/団体
1,400円
1,200円
600円

東京展後、新たに5会場の巡回が決定!

 

・2020年10月~11月  富山県

・2021年2月16日(火)~3月27日(土) 京都文化博物館

・2021年4月2日(金)~5月9日(日)   山形県

・2021年6月ごろ   鳥取県

・2021年7月ごろ   宮崎県

※詳細は、順次公式ホームページにてお知らせいたします。

 

記事提供:ココシル上野


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「文化の杜の音めぐり2020」開催決定!上野公園の美術館・博物館・ホール、6館が連携する2日間のクラシック音楽スペシャルコンサート

上野恩賜公園その他エリア

上野文化の杜新構想実行委員会と公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京は、2020年2月12日(水)・13日(木)に、2日間のスペシャルコンサート「文化の杜の音めぐり2020」を開催します。

「文化の杜の音めぐり2020」は、上野公園内にある文化施設6館(上野の森美術館、東京国立博物館、旧東京音楽学校奏楽堂、東京文化会館、国立科学博物館、東京都美術館)を会場として、東京音楽コンクール入賞者を中心とした特別編成でそれぞれ異なるプログラムをご用意しています。

当イベントは、“音めぐり”の名の通りコンサートホールから博物館へ、博物館から美術館へと来場者に回遊していただき、演奏を聴きながら様々な文化に触れていただくスペシャルコンサートです。会場となる6館を各日3ヶ所ずつ回り、上野公園の各館を素敵な演奏で彩ります。
出演者は、フルート三重奏や弦楽四重奏、木管四重奏、ソプラノ&バス&ギター、ピアノ・ソロ等、多様な編成で構成。上野公園を訪れる皆さまに非日常で特別な体験を提供いたします。

 


◆開催概要

 

■名称:「文化の杜の音めぐり2020」 (ぶんかのもりのおとめぐり2020)
■URL:https://uenoyes.ueno-bunka.jp/2019/
■日時:2020年2月12日(水)・13日(木)/各日11:00~・13:00~・15:00~
■会場:上野の森美術館、東京国立博物館、旧東京音楽学校奏楽堂、東京文化会館、国立科学博物館、東京都美術館
※会場の都合により、来場者多数の場合には入場を制限させていただく場合がございます。
※荒天の場合、開催内容の変更・中止となる場合があります。また、都合によりプログラム・出演者等は変更となる場合があります。
■料金:無料 ※但し、東京国立博物館、旧東京音楽学校奏楽堂、国立科学博物館は入館料が必要です。
<入館料>東京国立博物館/一般620円、大学生410円、旧東京音楽学校奏楽堂/一般300円、小・中・高生100円、国立科学博物館/一般・大学生630円
★東京国立博物館、国立科学博物館は、特別展観覧券でも入館できます。当日に限り再入館が可能です。
(東京国立博物館は2月12日のみ正門プラザで、国立科学博物館は2月13日のみ総合案内で、当日の半券の提示にて再入場可能)
■主催:上野文化の杜新構想実行委員会、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
※本事業は令和元年度 文化庁国際文化芸術発信拠点形成事業です。

 

 

◆ 「文化の杜の音めぐり2020」プログラム

 

■2月12日(水)
●11:00~11:20/フルート三重奏
場 所:上野の森美術館 エントランスロビー
曲 目:クーラウ「フルート三重奏曲 ホ短調 Op. 86 No. 1 」 他
出演者:伊藤優里、畠山奏子、細川愛梨(フルート)
●13:00~13:20/弦楽四重奏
場 所:東京国立博物館 本館大階段
曲 目:モーツァルト「弦楽四重奏曲第14番 K.387 「春」より 第1楽章」 他
出演者:関朋岳(ヴァイオリン)、山口絢(ヴァイオリン)、中村詩子(ヴィオラ) 、藤森洸一(チェロ)
●15:00~15:30/ピアノ・ソロ
場 所:旧東京音楽学校奏楽堂 2階音楽ホール
曲 目:バッハ=ヘス 「主よ、人の望みの喜びよ 」 他
出演者:深貝理紗子(ピアノソロ)■2月13日(木)
●11:00~11:30/弦楽四重奏
場 所:東京文化会館 大ホールホワイエ
曲 目:ブリテン 「弦楽四重奏曲 第2番 op.36」
出演者:岸本萌乃加(ヴァイオリン)、林周雅(ヴァイオリン) 、長田健志(ヴィオラ) 、蟹江慶行(チェロ)
●13:00~13:20/木管四重奏
場 所:国立科学博物館 日本館2階講堂
曲 目:武満徹 「波の盆より 」 他
出演者:篠原拓也 (オーボエ) 、下払桐子 (フルート)、杉山伸 (クラリネット)、大森啓史 (ホルン)
●15:00~15:20/ソプラノ&バス&ギター
場 所:東京都美術館 佐藤慶太郎記念 アートラウンジ
曲 目:武満徹 「小さな空」 他
出演者:中江早希 (ソプラノ)、氷見健一郎(バス) 、五十嵐紅(ギター)

 

 

◆ 「文化の杜の音めぐり2020」無料託児サービス
■日 時 :2020年2月12日(水) ・13日(木)10:30~16:00
■場 所 :東京国立博物館正門プラザ内託児室(東京都台東区上野公園 13-9)
■対 象 :3ヶ月以上~未就学児
※「文化の杜の音めぐり2020」来場者、及び上野公園内の各文化施設ご利用の方のみ。
■申込み :事前予約制、利用料無料。※必ずお電話にてお申し込みください。
■ご予約 :株式会社明日香 ご予約専用ダイヤル/0120-165-115(土日祝日除く 9:00~18:00)◆ 「UENO WELCOME PASSPORT」を使ってお得に音めぐり
UENO WELCOME PASSPORT(主催:上野文化の杜新構想実行委員会)は、2020年3月31日までの期間中、上野エリアの美術館・博物館の常設展や、恩賜上野動物園などに1回ずつ入場できるパスポート型共通入場券です。この1冊で「文化の杜の音めぐり2020」と上野エリアの文化施設をとことんお楽しみいただけます。■常設展等のみ2,000円(税込)■特別展チケット1回券+常設展等3,000円(税込)
※販売場所等詳しくは、https://ueno-bunka.jp/をご覧ください。

◆ 上野文化の杜とは
上野の文化施設が連携し、文化資源の宝庫である上野の潜在能力を発展させるための新しい構想です。文化庁が提唱し、東京都、台東区等と連携して事業を推進しています。

上野文化の杜新構想実行委員会[略称:上野文化の杜]
東京国立博物館/国立科学博物館/国立西洋美術館/東京都美術館/東京文化会館/恩賜上野動物園/上野の森美術館/東京藝術大学/台東区/上野観光連盟/東日本旅客鉄道株式会社/京成電鉄株式会社/東京地下鉄株式会社/学校法人上野学園

記事提供:ココシル上野


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【東京都美術館】『ハマスホイとデンマーク絵画』報道内覧会レポート

東京都美術館


(2020年3月26日(木)まで)上野の東京都美術館にて、『ハマスホイとデンマーク絵画』を開催しています。
開催に先立ち、先日報道内覧会がありましたので、その様子をレポート致します。


幸福の国/デンマーク

 
デンマークは、北ヨーロッパにある人口約581万人の立憲君主国です。
国名は、古ノルド語(=デーン人の土地)を意味するダンメルクから由来し、再生可能エネルギー先進国、高福祉国家としてもよく知られています。
国連の「世界幸福度ランキング」で何度も1位に輝くなど、近年、そのライフスタイルにも非常に注目が集まっています。
日本との関係では、2017年に外交関係樹立150周年を迎えました。
展覧会は、デンマーク出身のヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916年)の作品の一部とその周辺の北欧芸術作品を紹介するものです。

「北欧のフェルメール」ハマスホイ

 

19世紀末のデンマーク絵画を代表する画家の1人、ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916年)。
ハマスホイは、8歳の時に素描(そびょう)のレッスンを始めます。
そして、15歳でデンマークの首都・コペンハーゲンの王立美術アカデミーにて絵画を学んだあと、21歳の時に『妹アナの肖像画』(1885年)でデビューしました。
作風としては、初期の頃は風景画や肖像画を好んで描いていましたが、1890年代以降には室内画を多く描くようになっていきます。
1898年34歳の時に移り住んだ、コペンハーゲン旧市街のストランゲーゼ30番地。
そのアパートを描いた静かで穏やかな一連の作品が、デンマークの国内外で高い評価を得ます。
その作品は、バレエ・リュスのディアギレフやドイツの詩人リルケを魅了し、
「北欧のフェルメール」と呼ばれて注目されました。

ヴィルヘルム・ハマスホイ

みどころ

 

ハマスホイとデンマーク絵画展のみどころは4つです。

①ハマスホイ作品 約40点が集結します

日本初公開作品を含め、約40点のハマスホイ作品が東京都美術館に集結。
2008年の展覧会から10年余りの時を経て、「北欧のフェルメール」とも呼ばれるハマスホイ作品が再び来日します。
その特異な才能の一面をご堪能下さい。

②日本初の本格的デンマーク絵画展

北欧美術の中心地、コペンハーゲンで、19世紀前半に華開いたデンマーク絵画の「黄金期」。
その時代の純粋で素朴な作品から、印象派風の光の描写を取り入れたスケーイン派の美しい作品、特徴的な室内画を描く世紀末の首都で活躍した画家たちの作品まで、デンマーク絵画を本格的に紹介します。

③デンマーク文化「ヒュゲ」に触れる

ヒュゲ(=hygge)とは、「くつろいだ」「心地よい雰囲気」という意味を持つ、デンマーク人が非常に大切にしている価値観。
そのデンマーク人の価値観に触れることができるのも、今展覧会のみどころ。
19世紀末のデンマークの画家たちが描き出す作品には、北欧の美しい自然やそこで暮らす人々、落ち着いた空間でプライベートを過ごす家族など、ヒュゲが息づいています。
作中のヒュゲに触れることによって、「私たちが人生で本当に大切にしたいこと」に改めて気付かされるでしょう。

注目作品を紹介!

 

各章ごとの注目作品を紹介します。

 

第1章 日常礼賛―デンマーク絵画の黄金期 注目作品

 

『果物籠を持つ少女』

肖像画家であったハンス・ハンソンの息子コンスタンティーン・ハンスンの作品。
この作品は、後にハマスホイが所有することになったことでも有名で、晩年を過ごしたストランゲーゼ25番に飾られていたそうです。
作品全体が、抑えられた色調ながらも、強烈な光を放つのは、真っ直ぐとこちらを見つめる少女のまなざしの強さによるものでしょうか?

コンスタンティーン・ハンスン『果物籠を持つ少女』1827年頃 油彩/カンヴァス デンマーク国立美術館

 

『フレゼレゲ・ラフェンベア(旧姓ヘーイロプ)の肖像』

コペンハーゲンに生まれ、王立美術アカデミーで学んだヴィルヘルム・マーストランが、デンマークの著名な税官吏であったミケール・ラフェンベアの妻を描いた作品。
背筋を伸ばし、真っ直ぐこちらを見つめるラフェンベアの妻。
その上品な姿には、強さと優しさが入り混じっています。
窓の外に見えるサン・ピエトロ大聖堂も、この作品を格調高いものにしています。

ヴィルヘルム・マーストラン『フレゼレゲ・ラフェンベア(旧姓ヘーイロプ)の肖像』 1846年 油彩/カンヴァス デンマーク国立美術館

 

 

第2章 スケーイン派と北欧の光 注目作品

 

『ボートを漕ぎ出す漁師たち』

スケーイン派を代表する画家として有名なミケール・アンガの作品。
険しい表情でボートを押して、海に出ようとする救命胴衣姿の漁師たち。
何が起こっているのでしょう?
漁師たちとともに、それを見つめる人々の目線の先にある緊迫した状況。
波の激しさもどんどん増しています。
見ているこちらまでハラハラ・ドキドキする、緊張感のある作品です。

ミケール・アンガ『ボートを漕ぎ出す漁師たち』1881年 油彩/カンヴァス スケーイン美術館

 

『スケーインの北の野原で花を摘む少女と子供たち』

こちらも、ミケール・アンガの作品です。
漁師たちの緊迫した状況を描いた作品と打って変わって、
草原には、いつまでものんびりと続く緩やかな時間が流れています。
どこまでも続く大きな青い空の下で、花を摘む少女たちとそれを見守る母親。
衣服の青、ピンク、黄色、草花の緑を、大きな空が包み込んでいます。

ミケール・アンガ『スケーインの北の野原で花を摘む少女と子供たち』1887年 油彩/カンヴァス
スケーイン美術館

 

第3章 19世紀末のデンマーク絵画―国際化と室内画の隆盛 注目作品

 

『居間に射す陽光、画家の妻と子』

アンデルセン童話の挿絵画家であった、父のヴィルヘルム・ピーダスンを父に持つ、ヴィゴ・ピーダスンの作品。
自宅の居間で幼い娘をあやす、ヴィゴの妻イリサベトを描いた作品です。
娘をあやす妻の和やかな顔、ママ大好きの幼い娘の顔が、とても愛おしいです。
その様子を微笑みながら描くヴィゴの表情までもが、こちらに伝わってくるようです。

ヴィゴ・ピーダスン『居間に射す陽光、画家の妻と子』1888年 油彩/カンヴァス デンマーク国立美術館

 

『花咲く桃の木、アルル』

フランス、オランダ、ベルギーに滞在し、アルルでファン・ゴッホと親交を結んだことでも有名なクレスチャン・モアイェ=ピーダスンの作品。
ファン・ゴッホの『マウフェの思い出に』と非常に似た構図で描かれており、親交のあったゴッホの描いた位置から数メートル離れた場所で描かれたと考えられています。
桃の花の華やかな色彩に、引き込まれてしまいました。
少し近寄ると、桃の花の優しい香りが、ほのかに伝わってくるようです。

クレスチャン・モアイェ=ピーダスン『花咲く桃の木、アルル』1888年 油彩/カンヴァス ヒアシュプロング・コレクション

 

第4章 ヴィルヘルム・ハマスホイ―首都の静寂の中で 注目作品

 

『室内-陽光習作、ストランゲーゼ30番地』

ヴィルヘルム・ハマスホイがストランゲーゼ30番地の中庭に面した部屋を描いた作品です。
細長い格子窓から差し込む室内の光は、ゆらゆらと漂っているように見えます。
窓を開け放つと、まぶしいほどの外の世界が待っているのでは、と想像してしまいます。
この明るい外の世界と閉じられた暗い扉の対比も絶妙です。
どちらが現実でどちらが非現実なのでしょう。

ヴィルヘルム・ハマスホイ『室内-陽光習作、ストランゲーゼ30番地』1906年 油彩/カンヴァス  デーヴィズ・コレクション


『寝室』

ラーベクス・アリのヴィルヘルム・ハマスホイの寝室を描いた作品。
部屋に掛かる二つのカーテン。
ここから差し込む光は、とても柔らかです。
その光のせいで、窓の外を見つめる女性の横顔もどこか微笑んでいるように見えます。何を見つめているのでしょうか?
窓の中央に置かれた紫の壺が、この室内画を引き締まったものにしています。

ヴィルヘルム・ハマスホイ『寝室』1896年 油彩/カンヴァス ユーテボリ美術館

まとめ

 
『ハマスホイとデンマーク絵画』の報道内覧会についてレポートしてきました。
10年余りの時を経て再び日本に集まった、ハマスホイ作品とその他デンマーク絵画の数々、デンマークの価値観「ヒュゲ」。
展覧会で、これらデンマークの作品や文化に触れることによって、新たな視点や価値観を発見することになるでしょう。
今回の展覧会は、日本で初めてのデンマーク絵画が一斉に紹介される貴重な機会です。
ぜひとも、東京都美術館の「ハマスホイとデンマーク絵画」に足を運んでみてはいかがでしょうか?

会場では、たくさんの方が熱心に作品を鑑賞していました

開催概要

 

■会期: 2020年1月21日(火)~3月26日(木)
■会場: 東京都美術館企画展示室
■開室時間: 9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
■夜間開室: 金曜日、2月19日(水)、3月18日(水)は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
■休室日: 月曜日、2月25日(火)
※ただし、2月24日(月・休)、3月23日(月)は開室
■観覧料:
(当日券) 一般 1,600円/大学生・専門学校生 1,300円/高校生 800円/65歳以上 1,000円
(団体券) 一般 1,400円/大学生・専門学校生 1,100円/高校生 600円/65歳以上 800円

※団体割引の対象は20名以上
※中学生以下は無料
※3月20日(金・祝)~26日(木)は18歳以下(2001年4月2日以降生まれ)無料
※2月19日(水)、3月18日(水)はシルバーデーのため65歳以上は無料。
そのため混雑が予想されます。
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
※いずれも証明できるものをご持参ください
■特設WEBサイト: https://artexhibition.jp/denmark2020/
問い合わせ先: TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)

 

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【東京国立博物館】日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和 報道内覧会レポート

東京国立博物館

オリンピックイヤーの今年・令和2年(2020)は、日本書紀が編纂されてから1300年の記念すべき年でもあります。
それを記念して、上野の東京国立博物館 平成館では、1月15日(水)~日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」を開催しています。
(※前期展示 1月15日(水)~2月9日(日)  後期展示 2月11日(火・祝)~3月8(日) )
展覧会開催に先立ち、先日、報道内覧会がありましたので、その様子をレポートいたします。


特別展「出雲と大和」とは?

 

神代(かみよ)から持統天皇11年(697)までを記した日本最古の正史・日本書紀は、
舎人親王(とねりしんのう、676~735)が中心となり編纂し、
養老4年(720)に元正天皇(げんしょうてんのう)に奏上された全30巻からなる歴史書です。
日本書紀の冒頭にある国譲り神話では、出雲大社に鎮座するオオクニヌシは、
人間の能力を超えた世界「霊」の存在、大和の地においての天皇は、目に見える現実世界「顕」の存在です。
古代における「幽」と「顕」を象徴する島根県と奈良県、そして、東京国立博物館の3者共同で行われるのが、この特別展「出雲と大和」。
特別展では、出雲と大和の名品が一堂に集まり、古代日本の成立やその特質に迫ります。
※鎮座(=神霊が一定の場所に鎮まること)

みどころ

 

特別展「出雲と大和」のみどころは4つです。

① 出雲大社のご神宝が東京でご覧いただけます

古くから、出雲大社に伝わる手箱や甲冑などのご神宝をはじめとして、境内から出土した巨大柱、社殿を飾っていた絵画など、出雲大社の歴史を物語る作品をご覧いただけます。
特に、48メートルもする出雲大社本殿を支えたとされる「心御柱」(しんのみはしら)と「宇豆柱」(うづばしら)の2本の柱は、史上初公開!
出雲大社本殿の存在を裏付ける貴重な資料となります。

② 大量の出土青銅器 東京では、およそ20年ぶりの出品

国宝・荒神谷(こうじんだに)遺跡出土の青銅器(銅剣・銅鐸・銅矛)からの展示189点、国宝・加茂井岩倉遺跡出土銅矛から、30個を展示します。
これだけ大量の出土青銅器が東京に集まるのは、およそ20年ぶりです。

③ 出土数最多の三角緑神獣鏡の出品

黒塚(くろづか)古墳の被葬者を護り、鎮めた33面の三角緑神獣鏡。
1つの古墳から出土した数としては、全国で最多の三角緑神獣鏡の全点が出品されます。

④ 初公開!門外不出の仏像

1300年もの間、大和の地でひっそりと守り伝えられてきた最古級の石仏が寺の外で初公開されます。
僅かに残る彩色や鋭い掘り口など、細部に注目してください。

注目の展示物を紹介!

 

注目の展示物を章ごとに紹介します。

第1章 巨大本殿 出雲大社 注目展示

「心御柱」と「宇豆柱」

平成12年(2000年)に出雲大社境内の地下1・3メートルから出土した柱材です。
よく見ると、柱には抉れた(えぐれた)様な跡があります。
これは、伐採して現地から展示室に運ぶ際にできた縄かけの跡や表面を調整した手斧の跡です。
地元でも、なかなか並べて展示されることがないとのことなので、
貴重な機会ですよ。
両方の柱をあらゆる角度から眺めてみました。
実際に手に触れることはできませんが、ざらざらしていたり、つるつると艶があったりと、触る場所によって感覚が異なるのではないか、と感じました。

「心御柱」 島根県出雲市 出雲大社境内遺跡 鎌倉時代 宝治二年(一二四八) 島根・出雲大社
「宇豆柱」 島根県出雲市 出雲大社境内遺跡 鎌倉時代 宝治二年(一二四八)
島根・出雲大社(島根県立古代出雲歴史博物館保管)

 

実際の出雲大社境内の様子を再現するため、2本の柱が設置されています。
柱の間に立ち、手を大きく広げたり、見上げたりして、実際の感覚を確かめてみましょう。

 

第2章 出雲 古代祭祀の源流 注目展示

国宝 「銅剣」 島根県出雲市 荒神谷遺跡

昭和59年(1984年)に発掘調査で出土した銅剣です。
展示されている全ての銅剣は、同じような大きさで規格化されているように見えますが、よくみると茎(なかご)部に✖の刻印が打ち込まれています。
これは、制作から埋納までを一括して行った形跡と考えられ、山陰を中心に分布する他の銅剣にはみられない特徴です。
日本人の繊細なモノづくりの技術は、古代からあるのだと感じさせます。

国宝 「銅剣」 島根県出雲市 荒神谷遺跡 弥生時代 前二~前一世紀 文化庁(島根県立古代出雲歴史博物館保管)

 

国宝 「銅矛」 島根県出雲市 荒神谷遺跡

一括出土された本数として全国最多を誇る、荒神谷遺跡の16本の銅矛です。
1本1本を見比べて見ると、発見があります。
ガタガタした刃先や、比較的綺麗な形をした刃先、
錆びて色褪せたもの、黒褐色でつやつやとしたもの、
と個性的な銅矛が並びます。

国宝「銅矛」 島根県出雲市 荒神谷遺跡 弥生時代 前二~前一世紀 文化庁(島根県立古代出雲歴史博物館保管)


国宝 「銅鐸」 島根県出雲市 荒神谷遺跡

荒神谷遺跡から出土した銅鐸です。
多様な型のものが揃っているのですが、ほぼ同じサイズなのが特徴的です。
銅鐸には、末端に傷がついているところが多く、かなり使い込まれた形跡が残っています。
当時の人は、どのような思いで、この銅鐸を見つめていたのだろうか?と想像力を掻き立てられます。

国宝「銅矛」 島根県出雲市 荒神谷遺跡 弥生時代 前二~前一世紀 文化庁(島根県立古代出雲歴史博物館保管)

 

第3章 大和 王権誕生の地 注目展示

国宝 「七支刀」

石上神宮に伝わる宝剣であり、御神体(ごしんたい)に準ずる神宝です。
かつては、本殿内に奉安されていました。
横に枝が生えているような非常に珍しい型が特徴的で、
中央61文字の銘文が刻まれています。
表面には、この刀を持っていると百変を退けるとの記述、
裏面には、朝鮮半島百済の王室から倭王に献上されたという記述があります。
7つ鞘(さや)の太刀として、日本書紀にも記されているこの七支刀が展示されるのは、滅多にない貴重な機会です!

国宝 「七支刀」 古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮蔵

 

・重要文化財 「画文帯神獣鏡」(がもんたいしんじゅうきょう)

中央に展示されている「画文帯神獣鏡」は、奈良県ホケノ山古墳から出土した銅鏡です。
外側には、日輪を従えた車、その車を曳く獣、騎仙(きせん)などを浮き彫り表現しています。
小さいながらも非常に存在感があります。

・重要文化財 「三角縁神獣鏡」(さんかくぶちしんじゅうきょう)

左右に展示されている「三角縁神獣鏡」は、島根県雲南市加茂町にあった神原神社古墳から出土した銅鏡です。
外側には、神仙や霊獣の模様が刻まれています。
33面がずらりと並ぶ様子は、壮観です。

(写真中央)重要文化財 「画文帯神獣鏡」(がもんたいしんじゅうきょう)
(写真右・左)重要文化財 「三角縁神獣鏡」(さんかくぶちしんじゅうきょう) ともに奈良県天理市 黒塚古墳 古墳時代三世紀 文化庁(奈良県立橿原考古学研究所保管

 

第4章 仏と政(まつりごと) 注目展示


・十一面観音菩薩立像(じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう) 2体

写真中央に位置する、2体の十一面観音菩薩立像。
当時は、力の絶大な観音様を祈ることによって、国の繁栄や人々の安全な生活を願いました。
観音菩薩立像の前に立つと、なにか見えない力で守られているような気持ちになるから不思議です。

・(四天王像のうち) 国宝「広目天立像」(こうもくてんりゅうぞう)※左
・(四天王像のうち) 「多聞天立像」(たもんてんりゅうぞう)※右

四天王は、国の政(まつりごと)の象徴。
2体の仏像ともに、太い眉と大きな目鼻立ちが印象的です。
はじめ、仏像の威圧感に圧倒されてしまいましたが、しばらく見つめていると、いつまでもその場を離れたくない自分がいることに気づきました。

(写真左から) 四天王像のうち・国宝「広目天立像」(こうもくてんりゅうぞう) 奈良時代  八世紀 奈良・唐招提寺/重要文化財 「十一面観音菩薩立像」(じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう) 奈良時代 八世紀 奈良・世尊寺/ 「十一面観音菩薩立像」(じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう) 奈良時代 八世紀 奈良・金剛山寺(矢田寺)/ 【四天王像のうち】多聞天立像(たもんてんりゅうぞう) 奈良時代  八世紀 奈良・唐招提寺

まとめ

「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」の報道内覧会についてレポートしてきました。
出雲大社の歴史を物語る作品群、20年ぶりに出品される大量の出土青銅器、
33面の三角緑神獣鏡、仏像の数々。。
これらの展示物全てが刺激にあふれ、1度だけでは物足りず、何度も何度も見たくなる充実の内容でした。
内覧会は本当にたくさんの方々で溢れ返り、展示物を見るのに待たなければならないほど、熱を帯びていました。

東京国立博物館 平成館にて現在開催中の「日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和」。古代日本の成立の過程を体感し、日本書紀成立1300年の年を祝いに来てはいかがでしょうか?

 

開催概要

 

展覧会名 日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」
会期 2020年1月15日(水)~3月8日(日)
前期展示 1月15日(水)~2月9日(日)
後期展示 2月11日(火・祝)~3月8(日)
会場 東京国立博物館 平成館(上野公園)
開館時間 9:30~17:00
(入館は閉館の30分前まで、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館)
休館日 月曜日、2月25日(火)
(ただし2月24日(月・休)は開館)
観覧料 一般1,600円(1,400円/1,300円)
大学生1,200円(1,000円/900円)
高校生900円(700円/600円)
中学生以下無料
*( )内は前売り/20名以上の団体料金
*障がい者とその介護者一名は無料です。
入館の際に障がい者手帳などをご提示ください
東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を1,000円(200円割引)でお求めいただけます。正門チケット売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示下さい。
「東京・ミュージアムぐるっとパス」で、当日券一般1,600円を1,500円(100円割引)でお求めいただけます。正門チケット売場(窓口)にてお申し出ください。
*本展観覧券で、会期中観覧日当日1回に限り、総合文化展(平常展)もご覧になれます。
お問合せ ハローダイヤル 03-5777-8600

受付時間:全日午前8時~午後10時
日本語、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語

公式HP https://izumo-yamato2020.jp/

 

 

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【国立科学博物館】「絵本でめぐる生命の旅」報道内覧会レポート

国立科学博物館

2019年12月17日(火)~2020年3月1日(日)まで、東京上野の国立科学博物館で「絵本でめぐる生命の旅」が開催されています。
先日、プレス向け報道内覧会がありましたので、その様子をレポート致します。
展覧会の見どころ、注目の展示物などを紹介しますので、ご覧ください!


企画展「絵本でめぐる生命の旅」とは?

 

約38億年前に地球上に出現したとされる、最初の生きものから現代まで続く、進化の過程。
その進化が途切れずに続いたことで、人やさまざまな生き物は存在し続けているといっても過言ではありません。
絵本には、そのような生き物の進化の過程に着目した、科学や自然を題材にした作品がたくさんあります。
「科学や自然を題材にした絵本と博物館の展示を組み合わせることで、自然科学への興味をもつきっかけや、いつもと異なる国立科学博物館の楽しみ方を提供したい」。そうして考えられたのが、この企画展。
紙芝居形式で、生命の起源をわかりやすく展示します。

企画展は、46億年前~36億年前の生命を知る旅から始まります。

みどころ

企画展のみどころを紹介します。

①国立科学博物館で新しい絵本の体験ができる!?

企画展では、7つの絵本から選んだ場面を、化石やはく製などの標本とともに展示した構成になっています。
絵本の世界に楽しく触れながら、標本とともに生命進化の歴史をたどることができます。

②魚からヒトへと続く進化を実感できる!

企画展では、魚類から私たちヒトへと続く約5億年間の生命進化の主な出来事を、特にわかりやすく解説しています。
私たちの遠い祖先から現在まで続く生命のつながり、私たちの体の中に残る進化を感じ取って下さい。

③もっと知りたい人は・・

この企画展をご覧になって、もっとくわしく、もっと広く知りたくなった方は、常設展へ足をのばしてみて下さい。
国立科学博物館で行っている調査・研究や、関連する常設展示を紹介するコーナーがありますよ。

④新しい絵本と出会えるかも!

企画展の入り口付近には、自然科学や生命の進化に関連する絵本を100冊以上集めた読書コーナーを設けています。
懐かしい絵本との再会、お気に入りの新しい絵本と出会えるかもしれません。
日本語以外の言語の絵本も用意されています。

企画展で使われている主な絵本

 

企画展では、下記の7つの作品が使われています。

①『せいめいのれきし』 バージニア・リー・バートン 文・絵、岩波書店
② 『ながいながい骨の旅』 松田素子 文、川上和生 絵、講談社
③ 『わたしはみんなのおばあちゃん はじめての進化のはなし』 ジョナサン・トゥイート 文、カレン・ルイス  絵、岩波書店
④ 『とりになった きょうりゅうのはなし 改訂版』 大島英太郎 作、福音館書店
⑤ 『ダーウィンの「種の起原」 はじめての進化論』 サビーナ・ラデヴァ 作・絵、岩波書店
⑥ 『いのちのひろがり』 中村桂子 文、松岡達英 絵、福音館書店
⑦ 『13800000000ねんきみのたび』 坂井治 作・絵、光文社

主な展示物を紹介

 

約5億800万年前(カンブリア紀中期)に生息した捕食性動物アノマロカリス。
奇妙なエビとの意味で学名を与えられたといいます。

アノマロカリス・カナデンシス 所蔵:国立科学博物館

 

約3億6000万年前に生息した、古代魚ユーステノプテロン類と推測される頭部化石。モロッコでお土産物にするために、ツルツルに磨かれているところを発見したジャイカ職員の方が、国立科学博物館に寄贈してくれたもの。
実際に、触れることができますよ。

ユーステノプテロン類? 所蔵:国立科学博物館

 

こちらが、ユーステノプテロンの全身です。

ユーステノプテロン 所蔵:国立科学博物館

 

約1億1500万~1億1800万年前に生息した、デイノニクス。
映画やアニメに度々登場しています。

デイノニクス 所蔵:国立科学博物館

 

約3000万年前に生息した、肉食哺乳類ヒエノドンの化石。
恐竜までの哺乳類は、お腹のところに肋骨があり、子供を抱きしめたいと思っても抱きしめてあげられませんでした。
その後、横隔膜ができて、呼吸の仕方が変わったことで、哺乳類は、我が子を抱きしめて、母乳を与えたりすることができるようになりました。

ヒエノドン 所蔵:国立科学博物館

 

700万年前~20万年前の生命は、手足の指が長くなり、他の生き物と異なる動きをするものが出てきます。
手足で枝を掴んで、樹上生活をしたり、鳴き声でお互いにコミュニケーションを取ることもできるようになります。
それが、現在のわたしたち、人間の祖先です。

 

ダーウィンのビーグル号をイメージしたという絵本コーナー。
企画展を見終わった後には、この読書コーナーで、自然科学や生命の進化に関連する、お気に入りの絵本を探してみましょう。
企画展で取り上げた7冊の絵本もご覧になれます。

 

まとめ

国立科学博物館にて現在開催されている、企画展「絵本でめぐる生命の旅」の報道内覧会についてお伝えしてきました。
約38億年前から現代まで続く、生き物の歴史。
私たち人間は、当たり前のように生きているように思えますが、実は、この何十億年と続く歴史の過程があってこその生命だと、改めて気づかされます。
国立科学博物館へ、ご家族やご友人と絵本でめぐる生命の旅に出かけてみませんか?

今回の企画展の監修を務めた、国立科学博物館標本資料センターコレクションディレクターの真鍋真さん。生命の歴史について、楽しく解説していただきました。

 

開催概要

企画展「絵本でめぐる生命の旅」
開催期間:2019年12月17日(火)~2020年3月1日(日)
開催場所:日本館1階 企画展示室、中央ホール
開館時間:午前9時~午後5時
*金曜・土曜日は午後8時まで。
*入館は各閉館時刻の30分前まで
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)および12月28日(土)~1月1日(水・祝)、ただし2月17日(月)は開館
入館料:一般・大学生:630円(団体510円)
高校生以下・65歳以上:無料
*常設展示入館料のみでご覧いただけます。
主催:国立科学博物館
公式HP: https://www.kahaku.go.jp/

 

 

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東京国立博物館、恒例の正月企画「博物館に初もうで」を2020年1月2日(木)~26日(日)に開催!

東京国立博物館

東京国立博物館は、2020年も1月2日より開館し、恒例の正月企画である「博物館に初もうで」を開催します。

今年の干支は「子(ねずみ)」。十二支最初の干支です。
毎年恒例となっている干支をテーマにした作品の特集や当館所蔵の国宝「松林図屏風」(長谷川等伯筆)をはじめとする名品の数々をご覧いただけます。
また、新春を華やかに彩るいけばなや、和太鼓、獅子舞など伝統芸能のイベントも行い、日本のお正月を一挙にお楽しみいただけます。
日本の伝統文化に触れる機会として、また、ご家族やカップルでのお出かけとしても楽しめます。

 

<特集「博物館に初もうで 子・鼠・ねずみ」>

1月2日(木)~26日(日) 本館特別1室・特別2室

干支のはじまりは古代中国。
もともとは暦や方角をさす概念で、現在も私たちの生活に寄り添っています。
さて、子年にあたる2020年は、トーハクが所蔵する鼠にちなんだ作品を選りすぐって展示します。
十二支の子、大黒天の使いとしての鼠、子孫繁栄の象徴である鼠など、鼠のさまざまな顔をご紹介します。
江戸時代に流行した粋な鼠色の着物や、永遠のライバルである猫との共演もお楽しみください。

 

・ギャラリートーク「大黒天と鼠」

1月21日(火) 14:00-14:30 本館特別1室

講師:河野 正訓(考古室研究員)

子宝、繁栄、幸福の象徴として人々に愛されてきた鼠について、神々と関連付けて解説します。

・主な展示作品 ※いずれも東京国立博物館蔵

 

袱紗 紺繻子地鼠大根米俵模様/江戸時代・18~19世紀/アンリー夫人寄贈

https://www.atpress.ne.jp/releases/199959/img_199959_3.jpg

 

鼠蒔絵印籠 紐通し朱漆銘「塩見政誠」/明治時代・19世紀/クインシー・A.ショー氏寄贈

https://www.atpress.ne.jp/releases/199959/img_199959_4.jpg

 

染付大根鼠図大皿 伊万里/江戸時代・19世紀/平野耕輔氏寄贈

https://www.atpress.ne.jp/releases/199959/img_199959_5.jpg

 

<新春名品紹介 今年も国宝「松林図屏風」や、年のはじめを寿ぐ様々な名品を展示します。>

 

国宝「松林図屏風」長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀

https://www.atpress.ne.jp/releases/199959/img_199959_6.jpg

1月2日(木)~1月13日(月・祝) 本館2室(国宝室)

日本の水墨画がたどり着いたひとつの到達点です。

国宝「古今和歌集(元永本)下帖」平安時代・12世紀/三井高大氏寄贈

https://www.atpress.ne.jp/releases/199959/img_199959_7.jpg

 

1月2日(木)~1月19日(日) 本館3室

日本の書ならではの連綿と余白の美にご注目ください。

 

重要文化財「御所車蒔絵硯箱」江戸時代・17世紀

https://www.atpress.ne.jp/releases/199959/img_199959_8.jpg

 

1月2日(木)~3月22日(日) 本館12室

州浜を望む流水に岸辺で菊が咲き乱れ、技巧を凝らした画面です。

<イベント 正月2日、3日は、和太鼓や獅子舞など日本の伝統芸能も開催します。>

1月2日(木) 11:00/13:15 和太鼓 湯島天神白梅太鼓 東洋館前

11:45/14:00 獅子舞 葛西囃子中村社中 東洋館前

1月3日(金) 11:00/13:15 和太鼓 湯島天神白梅太鼓 東洋館前

11:45/14:00 獅子舞 葛西囃子中村社中 東洋館前

12:30/14:45 クラリネット・コンサート(ジュリアンズ) 平成館ラウンジ

※雨天時は場所を変更、または中止になることがあります。

 

■いけばな 1月2日(木)~1月13日(月・祝)

正門、本館玄関、本館大階段 真生流 山根 由美氏

 

■正月限定!カレンダー付きワークシートを配布します

新年1月2日・3日の2日間、ご来館の先着3,000名様(各日)にワークシートをお配りします。特集「博物館に初もうで 子・鼠・ねずみ」を楽しむためのワークシートの裏面は、2020年カレンダーです。ワークシートの配布は11時から16時まで本館2階便殿前で行います。

※時間内でもなくなり次第終了となります。

 

■TNM&TOPPANミュージアムシアターよりプレゼント 2020年1月2日(木)・3日(金)

VR作品を鑑賞された方にシアター無料券とオリジナルグッズをプレゼントします。

※鑑賞には別途料金および当日の予約が必要です。

※コンテンツ等の詳細はウェブサイト( http://www.toppan-vr.jp/mt/ )をご覧ください。

 

■ホテルオークラレストラン ゆりの木からプレゼント 2020年1月2日(木)・3日(金)

ゆりの木ご利用のお客様先着200名様に、伊予の水引の箸置きをプレゼントします。

 

■ミュージアムショップからお年玉 2020年1月2日(木)・3日(金)

東京国立博物館の全ミュージアムショップで3,000円以上お買い上げのお客様、両日とも先着300名様にミュージアムグッズをプレゼント(全ミュージアムショップの会計額が対象、引き渡しは本館ミュージアムショップでのみ対応)

美術図書バーゲンセール(本館ミュージアムショップのみ対象)

 

■寛永寺根本中堂特別参拝 2020年1月2日(木)・3日(金) 10:00~15:00

根本中堂、徳川歴代将軍の肖像画、四天王像などを公開します。当館観覧券の半券(当日分)をご提示ください。散華をお配りします。

 

【来館案内】

 

■開館時間:9時30分~17時

※金曜、土曜は21時まで開館
※入館は閉館の30分前まで

■休館日:月曜日、12月26日(木)~2020年1月1日(水・祝)
※1月13日(月・祝)は開館、14日(火)は休館

■観覧料:一般 620円(520円)、大学生 410円(310円)
※( )内は20名以上の団体料金
※特別展は別料金。
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。
※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳等をご提示ください。
※子ども(高校生以下および満18歳未満)と一緒に来館した方(子ども1名につき同伴者2名まで)は団体料金で観覧できます。

■交通:JR上野駅公園口、鶯谷駅南口から徒歩10分 東京メトロ上野駅・根津駅、京成電鉄京成上野駅から徒歩15分

記事提供:ココシル上野


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【国立科学博物館】企画展 電子楽器100年展〜わくわくする未来が聞こえてくる〜

国立科学博物館


ロシアのレフ・テルミン博士により、1920年に発明された「テルミン」。
世界初の電子楽器として登場したテルミンが誕生して、来年2020年で100年を迎えます。
これに先立ち、12/3(火)より、国立科学博物館にて、企画展「電子楽器100年展」が開催されています。
先日、この展示会の報道内覧会がありましたので、お伝えします。
電子楽器100年展の編集部注目の企画を写真と共に紹介しますので、是非、ご覧ください。


電子楽器100年展とは?

先述しましたが、電子楽器100年展は、来年、世界初の電子楽器テルミンの発明から100年になるのを記念して行われる企画展です。
電子楽器の発展の歴史を、貴重な展示品、コンサート、最新サウンド、映像、トークショーなどを通じて体験することで、電子音楽を、科学的、芸術的な視点で多角的に味わうことができるものです。

電子楽器100年展 注目の企画

電子楽器100年展の注目の企画を紹介します。

 

①電子楽器テーマ展示 “セネステシア” (国立科学博物館 日本館1階 中央ホール)
※12月3日(火)~12月8日(日)

テーマ展示となる中央ホール。
大理石に囲まれた、吹き抜けの空間で、音と映像、光による電子楽器の創造性を体感(=セネステシア)することができます。
冨田勲の数々のシンセサイザーの名作を音と映像で、立体的に体感。
さらには、ボーカロイドや最新のユニークな電子楽器を特別なデモ空間で楽しめます。


 

大理石に囲まれた吹き抜けの空間で、冨田勲さんのシンセサイザーの名作を楽しめます。
音楽と共に、映像や蛍光パネルも変化。中央に立つと、四方からの音の迫力を、より体感することができます。

 

音声合成の技術を活かした電子楽器、ボーカロイド。
鍵盤を弾くと、歌声が出てくる仕組みとなっています。
音声合成で作った音を、人間が歌っているように変換。
この技術で、クリンプトン・フューチャー・メディア社の初音ミクが、大ヒットして話題となりました。

 

会場では、実際にボーカロイドの演奏が行われました。
弾く場所を少し間違えるだけで、音痴な歌になってしまうんだとか。
お子様も演奏できますので、電子楽器のライブ感覚を楽しんで下さい。

 

中央ホールでは、その他、最新のユニ―クな電子楽器の数々をお楽しみいただけます。

電子パーカッション aFrame(エレクトロ・オーガニック・パーカッション)
梯郁太郎(かけはしいくたろう)さんが、生前、最後に力を注がれた電子楽器です。
叩いたり、ひっかいたり。
デジタルながら、アナログ感覚で叩くことができます。
叩く場所によって音が変わるため、音の変化を楽しんで下さい。

 

ボイス・トランスフォーマーVT-4
声に様々な変化を加える、音の加工装置。
つまみを回すと、女性の声が男性の野太い声に変わったりと、違うキャラクターの声を楽しめます。

 

MIDI オルゴール(プリモトーンクリスタルモデル)
電子楽器MIDIのデータを動作に変換した技術を使い、櫛歯を弾いて生の演奏をする電子制御オルゴールです。
最大1000曲の音楽を掛けることが可能です。

 

②企画展示”電子楽器の偉人たち”(国立科学博物館 日本館地下1階 多目的室)
※12月3日(火)~12月15日(日)

世界初の電子楽器を発明したと言われるレフ・テルミン博士。
積極的に電子楽器を作品に取り入れて、音楽に新境地を切り開いていった冨田勲。
海外で”INNOVATOR”と称され、電子楽器の開発に生涯を捧げた、梯郁太郎。
その3人の電子楽器の偉人たちの歴史と功績を数々の展示品で確かめることができます。

梯郁太郎さんの展示品

Canary Model S-3 (エース電子工業)1962年
5オクターブ+1オクターブの6オクターブの音域を持つ電子キーボード。
国内に先立ち海外に紹介した製品です。

 

(写真手前)チューナー TUNING GUN  エース電子工業  1960年代中期
チューナー型のピストル音叉。
(写真奥)DATARAME38 梯郁太郎私製 1974年付近
梯が、海外出張で北欧に行った際、S-100バスのコンピューターシステムのパーツを買い漁り、日本のオフィスコンピューターの中古ジャンク部品を組み合わせて、手作りで完成させたものです。

 

MC-8 (ローランド) 1977年
5,400音と、当時としては、大記憶容量、8系統のCV/GATE出力、独立した最大8パートの演奏、データレコーダーによるバックアップ可能、と画期的なスペックの製品。国内では、冨田勲やYMO(Yellow Magic Orchestra)の準メンバ―松武秀樹などのアーティストにより使用されました。

 

TR-808 (ローランド)1980年
32種類のリズム作成と編集が可能。
作成されたパターンを自由に組み合わせ、1曲分のリズムパターンを作り出せる画期的なリズムマシンです。
2019年9月に、未来技術遺産として登録されました。

 

冨田勲さんの展示品

冨田勲さんが受賞されたトロフィーの数々が展示されています。

NARM全米レコード販売者協会のアルバムに2年連続で最優秀クラシカル・レコードに選出されたトロフィー。
(写真左)1974年のアルバム「Snowflakes Are Dancing(日本語タイトル:月の光)」
(写真右)1975年のアルバム「展覧会の絵」で受賞したもの。

 

冨田勲さんの自筆の楽譜も展示されています。

 

レフ・テルミンの展示品

レフテルミンの写真の前に置かれているのは、1920年に発明されたテルミンボックス。
テルミンの最初のモデルです。
テルミンボックスは、ロシア語で「テルミンの声」という意味。

 

後に、改良されモデルが、箱型のテルミンボックスとなりました。
箱の内部は、真空管となっています。

 

現代のテルミンです。
(写真左)マトリョミン
マトリョーシカの中にテルミンが入っている型です。
(写真中央)
Etherwave(Moog Music) Theremin Standard
(写真左)学研『大人の科学』17号 ふろく「テルミンmini」

 

③電子楽器プレシャス・コンサート(東京藝術大学 上野キャンパス 第6ホール)
※12月6日(金) 開場17:45 開演18:30~20:30

東京藝術大学の演奏者による電子音楽と世界初と言われるテルミン奏者たちのアンサンブル。
シンセサイザーの元祖と言われる貴重な楽器である『オンド・マルトノ』。
東京藝術大学内の木質の特別な音響空間で、貴重な電子楽器コンサートを聞くことができます。
藝大秘蔵で、世界的にも珍しいモジュラー・シンセサイザーの数々の展示も行います。
電子楽器ファンには、嬉しい企画です。

出演:

【1部】東京藝術大学 後藤 英(音楽環境創造科准教授)、満 潔 (音楽音響創造博士課程)、顧 昊倫(音楽音響創造修士課程)、鈴木俊哉(リコーダー)
【2部】竹内正実(テルミン)、Mable and Da(マトリョミン・アンサンブル)、大矢素子(オンド・マルトノ)、安田結衣子(ピアノ)

 

④「オサムとムサシ」上映会(国立科学博物館 日本館2階 講堂)
※12月14日(土)

第1回目10:00開場 10:30上映
第2回目12:00開場12:30上映
第3回目14:00開場14:30上映
第4回目16:00開場16:30上映

手塚プロダクションと音楽家 冨田勲のコラボによる名作アニメ「オサムとムサシ」の1日限りの上映会を行います。
宝塚市の手塚治虫記念館でしか観られない映像を国立科学博物館でお楽しみください。

 

⑤「オサムとムサシ」スペシャル・トークセッション(国立科学博物館 日本館2階 講堂)
※12月14日(土)

開場17:30 開演18:00(アニメ上映を含む約90分間)

 

手塚プロダクションと音楽家 冨田勲コラボによる「オサムとムサシ」3人のスペシャリストが作品について語る特別プログラムです。
出演者:千住明(音楽家)、手塚眞(ビジュアリスト)、福岡伸一(生物学者)

その他のイベントも盛りだくさんですので、公式HPにてご確認ください。

施設概要

 

■開催場所:  国立科学博物館(東京・上野公園)他
■開催期間:  2019年12月3日(火)~2019年12月15日(日)
■開館時間:
午前9時~午後5時(金・土曜は午後8時まで)
※入場は各閉館時刻の30分前まで
■休館日: 12月9日(月)
※開館時間や休館日等は変更になる場合があります。
公式サイト等(https://www.kahaku.go.jp/)でご確認ください
■料金:
博物館の常設展示入館料のみでご覧いただけます。
一般・大学生:630円(団体:510円) 高校生以下および65歳以上: 無料

 

記事提供:ココシル上野


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企画展「下町の火事と防災 江戸から学ぶ火の用心」

本企画展は令和元年9月8日をもって終了しました。


「火事と喧嘩は江戸の華」は、江戸という町の特色を表す言葉といわれていますが、江戸の町には火事が非常に多く、特に江戸時代末期の下町地域では、江戸の人口の半分が生活していた木造の長屋が密集していたため、火事は深刻な脅威でした。ひとたび火災が発生すると、火は広範囲に延焼し、江戸の町全体を脅かしました。明治以降にも下町地域は、大正12(1923)年の関東大震災による火災、昭和20(1945)年の東京大空襲と、二度も大規模な火災による甚大な被害を受けたという歴史があります。

下町の暮らしにとって火事は忘れてはならない恐ろしい脅威であると同時に、火事によって発展した下町ならではの防災の特色も少なくありません。火災の延焼を防ぐための火除地や広小路の設置、火事を起こさないための様々な防災の備え、金銭や物をため込まない生活様式など、日ごろ忘れがちなものにも、実は防災の知恵が込められているのです。

本展では鳶口や水鉄砲、火消し半纏など、下町での防災に関する資料の展示を通して、火災の脅威と日々の防災の大切さを紹介いたします。


会場
台東区立下町風俗資料館 2階展示室

開催期間
令和元年7月2日(火)~ 9月8日(日)

開館時間
午前9時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで)
「うえの夏まつり」期間中である7月13日(土)~8月12日(月)は、午後7時まで開館時間を延長します(入館は午後6時30分まで)

休館日
毎週月曜日(祝休日の場合は翌平日)

入館料
一般300円(200円)
小・中・高校生100円(50円)
※( )内は20名以上の団体料金
※障害者手帳、特定疾患医療受給者証を提示の方と、その介助者は無料
※毎週土曜日は台東区内在住・在学の小・中学生と、その引率者は無料

▼会場の様子

 

 

【東京都美術館】『子どもへのまなざし』+松本力『記しを憶う』報道内覧会レポート

東京都美術館


母と子の物語 A Mother and Child’s Story 2013

 

2019年11月16日(土)~2020年1月5日(日)まで、上野の東京都美術館にて、上野アーティストプロジェクト2019「子どもへのまなざし」と松本力「記しを憶う」が同時開催されています。
先日、これらの展覧会の合同報道内覧会がありましたので、その様子をレポート致します。
それぞれの展覧会のみどころ、構成、注目作品を取り上げていますので、ご覧頂ければ幸いです。

 


「子どもへのまなざし」とは?

 

東京都美術館は、数多くの公募団体の作品発表の場として親しまれ、「公募展のふるさと」と呼ばれています。
2017年からは、毎年テーマを決めて公募団体で活躍する現代作家を紹介する「上野アーティストプロジェクト」シリーズを展開。
第3弾となる今年は、「子どもへのまなざし」をテーマに開催します。
現在、美術公募団体に所属する若手からベテランまでの6名の作家の作品を通じ、描かれた子どもに仮託される多層的なイメージを紹介。

 

構成と注目作品

 

「子どもへのまなざし」は、大きく分けて3章から構成されています。

 

第1章 愛される存在

第1章では、愛される存在をテーマに、新生加奈(日本美術院)と大久保綾子(一陽会)の作品を紹介します。

 

・新生加奈 SHINJO Kana

女性をモチーフに、温かな色彩を用い、やわらかなタッチの繊細な人物像を描き出す新生加奈。
今回展示される作品は、世の中の汚れを知らない純真な少女像、心の奥底の大事な部分に触れるような温かな母子像です。
子どもたちや母子の存在を通じて、命の尊さ、美しさ、愛おしさを描きたいと語る新生は、作品を描くことにより、自分自身が子どもの頃に周りから受けた優しさを再認識するといいます。

 

(新生さんコメント)

宇宙のように広がる少女の内面を表現したいと思い、作品を描いています」。

 

母と子の物語 A Mother and Child’s Story 2013

 

 

・大久保綾子 OKUBO Ayako

一貫して母子像を描き続ける作家、大久保綾子。
今回展示される作品は、動き回る子供の躍動感、母子の一体感を感じさせる母子像です。
大らかでどっしりとした母親は、守るべき存在である赤ん坊やエネルギー溢れる子供たちを大地のようにやさしく包み込みます。

 

(大久保さんコメント)

「いのちを紡ぐ」というテーマで、ここ10年くらいは作品を作っています。
周りを飛び回る子供たちを通して、生命のエネルギーのようなものを表現できたらと思います」。

 

生命(いのち)-海の音 Life₋Sound of the Sea 2002

 

 

 

第2章 成長と葛藤

第2章では、成長と葛藤をテーマに、志田翼(独立美術協会)と豊澤めぐみ(新制作協会)の作品を紹介します。

 

・志田翼 SHIDA Tsubasa

高校で教鞭をとりながら、現代の中学生や高校生をモチーフに描き続ける志田翼。
今回展示される作品は、大人が創り出す社会に葛藤を抱きながら攻撃的な内面をのぞかせる純粋な子どもたちや社会に反発する自身の内面を描いた自画像です。
現代の青年期を迎える子どもたちが直面するリアルな状況をあぶり出します。

 

(志田さんコメント)

「子どもの様々な心理を自分なりに絵画で表現し、いろいろな人たちと繋がりたいと思っています」。

 

まと Target  2012

 

・豊澤めぐみ TOYOSAWA Megumi

作品の中に自分を投影した女子高生を描き続ける、豊澤めぐみ。
豊澤が描くのは、自身が思春期の頃に抱えていた、自分を否定したい気持ち、周囲からの影響で揺れ続ける感情です。
若者の心のとげとげしい痛みを表現し、見ている者に若い頃感じたであろう、過去の様々な感情を呼び起こします。

 

(豊澤さんコメント)

「自分の作品を型にはめてマンネリ化していた時期があったんですが、そのマンネリを打破するために一回リセットして、新たな気持ちで作品を描きました。様々な素材を用いたり、工夫をして作品を作っていますので、そちらもお楽しみください」。

 

 

君が嫌い I Hate You  2017

 

 

第3章 生命のつながり

第3章では、生命のつながりをテーマに、山本靖久(主体美術協会)と木原正徳(二紀会)の作品を紹介します。

 

・山本靖久 YAMAMOTO Yasuhisa

物質と情報にまみれ、自然を破壊しようとする現代の私たちですが、自然との共生なくして人間は生きられません。
そんな現代へのアンチテーゼとして作品を描き続ける、山本靖久。
今回展示される作品は、豊かな自然の中で穏やかな時を過ごす子どもたちや家族を中心とした人間の交響です。
作品に触れることで、人間が持つ生命の根源的な記憶に共感するはずです。

 

(山本さんコメント)

「私は、豊かさをテーマに一貫して作品を描いています。今回、子どもへのまなざしというテーマを頂きまして、そのテーマに沿った新作も作りましたので、ご覧ください」。

 

木精-菩提樹の木の下で Spirit of the Tree-Under the Linden Tree  2019

 

・木原正徳 KIHARA Masanori

移り変わる自然と、豊かな量感を持つ人間本来の性質が絡み合う世界を描き続ける木原正徳。
今回展示される作品は、自然と人間が境界を隔てることなく共存し、生命が循環する世界。
独特な色彩感覚とリズム感を用いて、艶やかで透明感のある画面を生み出し、見ている者に本当の豊かさを問いかけます。

 

(木原さんコメント)

「私は、子供を直接的に描いているわけではありませんが、色彩の豊かさを通して、命を託したいと思い作品を制作しています。『人のかたち野のかたち―地に還る』という作品は、2年前に亡くなった父の弔いの作品です。
父が亡くなり、息子夫婦に子どもが宿っていたのですが、作品を通して、生命が大地に還り、新たな生命が生まれるということを、象徴的にかなり意識して描いた作品となっています」。

 

人のかたち野のかたち―地に還る-  Form of the Human,Form of the Field-Return to the Earth- 2017

 

 

同時開催 松本力『記しを憶う』-東京都写真美術館コレクションを中心に

 

「子どもへのまなざし」との連動企画として、松本力 『記しを憶う』(しるしをおもう)も同時開催しています。

 

・松本力(まつもとちから)

 

松本力(1967~)は、絵かき・アニメーション作家として、国内外で活躍している作家です。
トレースしないで、1コマずつドローイングを描き、透過光を加えてビデオ撮影した映像作品を制作。
映像のインスタレーションとして、立体作品、音声によるライブパフォーマンス、手製の映像装置を用いた独自のワークショップを学校や美術館、滞在する各地域で開催しています。

今回の展示は、東京都写真美術館で所蔵する作品を新たなインスタレーションと共にご覧いただけるものです。

 

構成と展示作品

 

展示の構成と展示作品を紹介します。

 

■6面インスタレーションアニメーション作品

 

会場には、6面のインスタレーションアニメがスクリーンに映し出されます。
1つ1つ、独立した作品で6作品が上映。

6作品は、以下のタイトルです。

①オワリ山の一日

②エレクトリック・スノー

③フォローミ―/美と出会う/まなざし

④カームウォーム

⑤山をわたる歌声

⑥山へ

 

(作品について)

オワリ山の一日から山への物語を、繋がりを持ちながら展開しています。
会場の真ん中には、ピラミッド型の見晴らし台が。
この見晴らし台に登り、山越しにオワリ山の一日の映像を見て、視点が変わる、視界が変わるということを意識してもらうように作られています。

 

 

 

会場に設けられた見晴らし台

 

 

6面のインスタレーション作品の原画やトーテムポール型の複数の映像も流されています。

 

 

 

映像作品 SA YONA RAも上映されています。
この作品は、松本さんの亡くなられたお父様が、1ページだけ書き残したままの未完の絵本の続きを描いたものが元となった映像。
作品の中に描かれているキャラクターは、オバケとも何ともわからない得体のしれない存在がモチーフになっています。

 

 

 

SAYONARAの楽曲のヴァージョン違いの映像をヘッドホンで鑑賞できるように映画館型の装置も設置されています。
ご自由にご鑑賞ください。

 

 

 

まとめ

 

『子どもへのまなざし』+松本力『記しを憶う』報道内覧会レポートをお伝えしてきました。

『子どもへのまなざし』では、自分にも当てはまる子ども時代の記憶、思春期の辛くとも輝いていた日々、生命の根源的な問いかけ、などに触れることができました。
松本力『記しを憶う』では、子ども時代の懐かしい日々に、少し寂しいような、切ないような気持ちになる自分を確認できました。
この2つの展示会を通して、自分の過去の記憶と未来への希望を探しに来てみませんか?

東京都美術館でお待ちしております。

 

開催概要

 

上野アーティストプロジェクト2019『子どもへのまなざし』

■会期:2019年11月16日(土)~2020年1月5日(日)
■会場:東京都美術館 ギャラリーA・C
■開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
■夜間開室:
金曜日、11月30日(土)、
12月7日(土)は9:30~20:00
(入室は閉室の30分前まで)
■休室日:11月18日(月)、12月2日(月)、
16日(月)、26日(木)~2020年1月3日(金)
■観覧料:当日券:一般 500円 / 65歳以上 300円 団体券:一般 400円
※団体割引の対象は20名以上
※学生以下は無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
※いずれも証明できるものをご持参ください
※同時期開催の「コートールド美術館展 魅惑の印象派」
のチケット(半券可)提示にて入場無料
■主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館
■問い合わせ先:東京都美術館 交流係
TEL:03-3823-6921(代表)
■イベント情報: 東京都美術館HP『子どもへのまなざし』のページにてご確認ください。
https://www.tobikan.jp/exhibition/2019_uenoartistproject.html

 

松本力『記しを憶う』-東京都写真美術館コレクションを中心に

■会期:2019年11月16日(土)~2020年1月5日(日)
■会場:東京都美術館 ギャラリーB
■開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
■夜間開室:金曜日、11月30日(土)、
12月7日(土)は9:30~20:00
(入室は閉室の30分前まで)
■休室日:11月18日(月)、12月2日(月)、
16日(月)、26日(木)~2020年1月3日(金)
■観覧料: 無料
■主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団、東京都美術館
■問い合わせ先: 東京都美術館 交流係 TEL:03-3823-6921(代表)
■イベント情報: 東京都美術館HP 松本力『記しを憶う』
のページにてご確認ください。
https://www.tobikan.jp/exhibition/2019_collection.html

 

 
記事提供:ココシル上野


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