江戸まち たいとう芸楽祭 クロージングイベント 取材レポート

台東区立浅草公会堂


 
2018年8月に開幕して以来、様々なイベントを通して江戸時代から伝わる伝統芸能をはじめ、多彩な芸能・伝統文化を発信してきた「江戸まち たいとう芸楽祭」。2019年2月16日(土)にクロージングイベントが開催されました。
 
クロージングイベントのテーマは~江戸から東京へ『今に生きる江戸の賑わい』~。第一部・第二部に分けられ、台東区が誇る幅広いジャンルの芸能が一堂に集い披露されました。今回、第一部を取材してきましたのでその様子をお伝えします。
 

浅草六区の賑わい

第一部の開会に先駆けて、エンターテイメントの聖地として知られる「浅草六区」にてクロージングイベント出演者のお披露目がありました。
 
浅草演芸ホールの前に現れたのは、江戸時代に消防団として誕生した「火消し」の伝統を後世に伝えるために結成された、一般社団法人江戸消防記念会の第五区。迫力ある江戸の鳶木遣り纏振りを実演しました。
 

鳶木遣り

 
纏振り

 
次に現れたのは艶やかな花魁です。扮するは大衆演劇俳優の竜小太郎さん。浅草六区通りからクロージングイベント会場・浅草公会堂までの花魁道中は多くの通行人の目を楽しませました。
 

 

 

クロージングイベント第一部

スターの手型顕彰式
大衆芸能のメッカである台東区は、大衆芸能の振興に貢献した芸能人の功績をたたえてその業績を後世に伝えるため、1979年(昭和54年)から手型とサインを浅草公会堂前の「スターの広場」に設置しています。今年、手型が設置される6名の方の顕彰式が行われました。
 

元宝塚男役トップスターで女優の天海祐希さん「私は台東区出身なのですが、子どものころから親しんできたこの地に手型を置いていただけるとは、感慨無量でございます。母も大変喜んでおり、親孝行ができました。台東区に活気がみなぎるよう、ますます頑張っていきたいと思います。」
 

歌手・大月みやこさん「歌手活動をはじめて55年を迎えましたが、今が一番幸せです。今回スターの手型にお選びいただいて、また明日から日本の素敵な歌謡曲を皆様にお届けするにあたってファイトをいただいたように思います。歌を聴いてくださるみなさんのおかげです。ありがとうございました。」
 

歌舞伎俳優・中村勘九郎さん「いままでスターの手型を残されてきた偉大な先輩方の中に入ることができ、とても嬉しく思います。その先輩方のなかには祖父2人、父、叔母も含まれています。この浅草公会堂は若手歌舞伎役者の登竜門と言われる新春浅草歌舞伎が行われています。私も18歳の時から長年に渡りこの場所で出演させていただきました。これからも浅草の人々を愛し、また愛されるようないい役者になりたいと思います。」
 

勘九郎さんの弟・中村七之助さん「私も16歳のときからこの浅草公会堂でお世話になってきました。今日はこんなにたくさんのお客様がいらっしゃいますが、私の最初の公演では5人ほどしかお客様がいらっしゃいませんでした。この地で一からたたき上げられ、このようにスターの手型にお選びいただき、大変うれしく思います。」
 

タレントの東貴博さんも選出されましたが、顕彰会への出席が叶わず、弟でタレントの東朋宏さんが代理で出席されて貴博さんからのコメントを読み上げられました。「私の父、東八郎も今から38年前に手型を残しています。当時中学生だった私にとって尊敬してやまなかった父を、さらに偉大に感じた記憶がございます。父は49歳の時に手型を残しましたが、私も現在49歳。同じ年で手型を残すことができました。これからもこの名誉に恥じぬよう精進してまいります。」
 
 

女優の多岐川裕美さんも残念ながら顕彰式を欠席され、所属されている事務所の常務取締役がコメントを代読されました。「平成最後に手型に選んでいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。芸能生活も46年目に入りましたので、今回お選びいただいたことを励みに新たな気持で精進してまいります。」
 
 
歌舞伎 舞踊『舌出し三番叟』
江戸歌舞伎の祖である中村勘三郎の伝統を継ぐ、中村勘九郎さんが三番叟を、七之助さんが千歳を演じられました。三番叟のコミカルな動きに会場がなごみました。


 
江戸太神楽
太神楽の起源は平安時代で神社に伝わる「散楽」だそう。江戸時代に曲芸として発展し人気を博しました。翁家和助さん、小花さんが傘回し等を披露し、巧みな技に観客は大いに沸き上がります。


 
ひとり語り『十三夜』
薄暗い舞台上に表れたのは朗読家の熊澤南水さん。しっとりと、時には激しく、樋口一葉の『十三夜』を語ります。樋口一葉は台東区竜泉を舞台に名作『たけくらべ』を書くなど、この地にゆかりのある作家です。

 
講談『新門辰五郎』
江戸から明治・大正時代にかけ、庶民の娯楽の代表であった講談。神田紅さんによって、江戸で町火消として活躍した新門辰五郎の生涯が語られました。本作は初演とのこと。その軽妙でありつつ臨場感あふれる語り口に聴衆は魅了され、講談の世界に引き込まれました。

 
フィナーレ 江戸芸かっぽれ
「かっぽれ」とは大阪の住吉神社で五穀豊穣を願って奉納された「住吉踊り」をもととして、その後願人坊主によって全国に広まり、江戸時代にこの名で呼ばれるようになった踊りです。櫻川入舟社中による「かっぽれ」の掛け声に合わせた舞で会場は盛り上がりました。


 


約半年の期間、芸能・伝統文化をもって台東区を盛り上げてきた「江戸まち たいとう芸楽祭」がここに幕を閉じました。クロージングイベントでも、ジャンルに囚われぬ多彩な演目を観客に提供し、誰もが参加できる「肩の力を抜いて楽しめるお祭り」として大成功を収めました。
 


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