【国立西洋美術館開館60周年記念】松方コレクション展 報道内覧会レポート

国立西洋美術館


2019年6月11日(火)から9月23日(月・祝)まで、東京上野の国立西洋美術館で、
「国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展」
が開催されています。

本展の報道内覧会が開催されましたので、今回は、そのレポートをお届けします。

 

松方コレクションとは?

フランク・ブラングィン <松方幸次郎の肖像> 1916年 国立西洋美術館蔵(松方幸次郎氏御遺族より寄贈)

国立西洋美術館のコレクションの礎(いしずえ)を築いた実業家、松方幸次郎(1866-1950)。
神戸の川崎造船所(現・川崎重工業株式会社)を率いた松方は、第一次世界大戦による船舶需要を背景に事業を拡大しながら、1916-1927年頃のロンドンやパリで大量の美術品を買い求めていました。当時の収集品はモネやゴーガン、ゴッホの絵画、ロダンの彫刻などの近代作品、中世の板絵やタペストリーまで約3000点。

「日本人のために美術館を作りたい」

そんな思いから収集された作品群が、松方コレクションです。

本展覧会は、松方コレクションの形成と散逸、国立西洋美術館が設立されるにいたる過程を、貴重な美術作品約160点や歴史資料でたどります。プロローグ~エピローグまでの全10章からなる道のりは、コレクションの収集に人生を賭けた松方の思いを私たちに伝えてくれることでしょう。

 

松方コレクションの見どころ

今回の展覧会の見どころは、大きく分けて3つあります。

1つ目は、フィンセント・ファン・ゴッホ『アルルの寝室』(1889年)をはじめ、世界各地に散逸した松方旧蔵の名作が集結して展示されていること。

2つ目は、松方がモネのアトリエで直接購入し、長い間行方知らずとなっていた大作、『睡蓮、柳の反映』(1916年)が修復後、初公開されること。

3つ目は、松方コレクションがロダン美術館の旧礼拝堂に保管されていた時代に、フランス人カメラマン、ピエール・シュモフにより撮影された365枚のガラス乾板の内の16点が歴史資料として初公開されることです。

 

展示会場

 

フィンセント・ファン・ゴッホ <<アルルの寝室>> 1889年 油彩、カンヴァス 57.5×74㎝ オルセー美術館、パリ

 

 

ロダン美術館保管時代に松方コレクションを写したガラス乾版(ピエール・シュモフ撮影) フランス文部省・建築文化財メディアテーク

 

 

『睡蓮、柳の反映』作品修復の苦労と今後の展望

クロード・モネ <睡蓮、柳の反映> 1916年 油彩、カンヴァス 199.3×424.4㎝(上部欠失) 国立西洋美術館、東京(松方幸次郎氏御遺族より寄贈)

3つの見どころの中で特に目を惹く作品は、クロード・モネの『睡蓮、柳の反映』
睡蓮の池の水面に柳の木が逆さまに映り込んでいる様子を、日本の屏風絵を連想させる装飾的な手法を使い表現した大変スケールの大きな作品です。修復前の状態が、これほど破損していた作品は珍しいとのこと。

国立西洋美術館研究員の邊牟木尚美氏は、「第二次世界大戦中、ナチスの捜索を逃れて、作品を農家に避難させていた際、上下逆さまに置いて保存していたのが原因では?」と推測されていました。

本作の場合、本来は3年から4年掛けて修復するところ、修復期間が1年と短いため、最低限の復元をするに留めたとのこと。大変大きな作品のため重量があり、作品を裏返すだけでも7人ほどの大人数が必要で一苦労だったそうです。

また、邊牟木氏は結びに「今後は、他のモネの睡蓮シリーズの比較検討をしながら、長期的にモネ作品の修復に努めていきたい」ともおっしゃっていました。

 

展示作品紹介

 

フィンセント・ファン・ゴッホ <ばら>

1889 年 油彩、カンヴァス 33×41.3㎝ 国立西洋美術館、東京

精神を病んだゴッホが、サン=レミ精神療養院で入院中に、近くに咲くばらを描いた作品。生命力ある活き活きとしたばらが、激しい筆使いで描かれています。

ばらの質感だけでなく、香りまでもが感じられるようです。

 

カミーユ・ピサロ <収穫>

1882年 膠テンペラ、カンヴァス 70.3×126㎝ 国立西洋美術館、東京(松方幸次郎氏御遺族より寄贈)

この作品は、膠(にかわ)テンペラという材料に挑戦し、従来の風景画家から人物画家へと移行した、ピサロの節目となった作品。今まで添景としてしか描かれていなかった人間が、前面に描かれるようになります。向こうの家まで見える、広々とした田園風景に心が奪われます。

風によって流れる麦の質感と作業をする人々の息遣いが聞こえてきそうです。

 

エドヴァルド・ムンク <雪の中の労働者たち>

1910年 油彩、カンヴァス 223.5×162㎝ 個人蔵、東京(国立西洋美術館に寄託)

晩年のムンクが描いた人物画です。雪深い過酷な状況で作業している労働者たち。前面には、スコップを肩に担いだり、雪に突き刺したりして、誇り高い表情でこちらを向く3人の男。その後ろには、黙々と作業する人々が生き生きと描かれています。

それぞれの姿に暗さはなく、むしろ、明るさすら感じられます。

 

シャルル=フランソワ・ドービニー <ヴィレールヴィルの海岸、日没>

1870年 油彩、カンヴァス 100×197㎝ 株式会社三井住友銀行、東京

バルビゾン派の風景画家ドービニーの晩年の作品。

大きな海に静かに流れる波の音と夕焼けの空。その風景と浜辺を歩く人々の姿が、印象的です。人々は小さくしか見えませんが、どんな表情をしているんだろう?仕事を終えて明るい顔をしているんだろうか?

想像力を掻き立てられます。


関東大震災や昭和金融恐慌によって散逸し、数奇な運命をたどってきた松方コレクション。
本展の展示作品のキャプションには、その作品がいつ、どこで購入されたのかが綿密に記されており、その流転の歴史を知ることができるように工夫されています。

数十年の歳月を経て結実した、「日本のための美術館を作りたい」という松方幸次郎の夢。
ぜひ会場に足を運んで、その想いの一端に触れてみてはいかがでしょうか?

 

 

開催概要

展覧会名 国立西洋美術館開館60周年記念「松方コレクション展」
会 期 2019年6月11日(火)〜9月23日(月・祝)
9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館)
休館日 毎週月曜日、および7月16日(火)は休館。
※7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館。
会場 国立西洋美術館(上野公園)
観覧料 一般1600円(1400円)、大学生1200円(1000円)、高校生800円(600円)
※中学生以下無料
※( )は、20名以上の団体料金
※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などを要提示。
公式サイト https://artexhibition.jp/matsukata2019/

 

記事提供:ココシル上野


その他のレポートを見る

01. 江戸たいとうの魅力

「江戸たいとうロゴマーク」のデザイン


ロゴマークをクリックしてみよう!

「江戸」の文字を、台東区を代表する江戸文化の意匠と組み合わせて作られています。事業を推進する区の熱い想いを込め、区職員自らがデザインしました。

江・戸を組み合わせたロゴマークで、「江」は不忍池(弁天堂と水面)を、「戸」は月の松(歌川広重作の浮世絵)、右上の松葉模様には隅田川花火大会のイメージを重ねています。

江戸っ子の粋- 月の松 と 不忍池 -
上野の清水観音堂にある「月の松」は円形の枝ぶりを満月に見立て、そこから不忍池の様子を眺め風情を楽しむことが粋とされており、その様子は浮世絵にも描かれました。明治初期の台風の被害を受け月の松は消失してしまいましたが、2012(平成24)年に復元されました。

※一部、該当する史跡名所等を詳しく特集している「台東区文化探訪アーカイブス」へのリンクを設定しています。よろしければご覧ください。

台東区の都市基盤は江戸時代にあり!

現在の台東区を形作る都市基盤の多くは、江戸時代にルーツがあります。

上野の山と寛永寺の創建
1625(寛永2)年、天海僧正は2代将軍秀忠(と後の3代将軍家光)と協力し、京都御所と琵琶湖、鬼門を守る比叡山の位置関係を江戸城と不忍池上野の山に見立て、東の比叡山として東叡山寛永寺を創建します。寛永寺の下には門前町が形成され、隣接する谷中地域にも多くの寺院が建立されました。
天海は見立ての際、建築物や環境整備だけでなく吉野山(奈良)の山桜や琵琶湖の蓮等の植物を取り寄せて植栽まで行いました。結果、気軽に京都・滋賀ゆかりの寺院、名所を回ることができる場所となった上野の山は、多くの参拝客でにぎわうようになります。現在まで続く花見の名所・上野の山は、こうして誕生したのです。

 
名所江戸百景  上野清水堂不忍ノ池

江戸の大火と都市改造
江戸時代は非常に多くの火事が発生しました。特に1657(明暦3)年の明暦の大火では江戸市街の6割が焼失するほどの被害が出ました。
台東区域内でも、火除地として上野や浅草の広小路の整備や隅田川の両国橋架橋など、様々な都市改造が進められました。


名所江戸百景上野広小路

古刹・浅草寺と盛り場の形成
東京最古(628年創建)の寺である金竜山浅草寺は古くから多くの参拝客でにぎわっていました。
江戸時代には幕府の政策により、猿若三座の名で知られる芝居小屋や遊里が日本橋から移転される等、江戸庶民の娯楽を集めた盛り場が形成され、文化の発信地としてさらに発展していきました。


江戸名所百景 猿わか町よるの景

隅田川による水運① 蔵前の米蔵
1620(元和6)年、平川・小石川・旧石神井川を東に直角に曲げて隅田川につなげるため本郷台(神田山)を掘削するという大事業が行われ江戸のまちが整備されます。
隅田川による水運の利便性が向上したことで蔵前の地には江戸幕府によって米蔵(蔵屋敷)が作られました。天領(幕府の直轄地)から送られた米を収納し、幕臣の俸給である禄米の支給を一手に行っていた蔵前周辺は、幕府(江戸)の経済を支える中心地となりました。

隅田川による水運② 職人の集まる場所
江戸の町は江戸城を中心に放射状に、武士・大名の住む「山の手」、町人の住む「下町」とわかれており、台東区域は下町にあたり町人の集まる町でした。浅草周辺は隅田川による水運が発達していたため、工芸品等に使う材料の運搬が容易で職人にとって都合の良い土地だったのです。
芝居小屋や吉原で働く人々や周辺に住む町人からの需要の高さと地理的な要因が結びつき、台東区は日本有数の伝統工芸産業の集積地となっていきました。


名所江戸百景 駒形堂吾嬬橋

台東区に残る江戸の面影を探してみよう!

台東区内に残る江戸時代の面影の一部をご紹介します。
ここで掲載しているもの以外にも江戸時代の面影を残すものや行事はまだまだたくさんあります。台東区を巡って、今も息づく江戸のこころや文化を是非探してみましょう!

その1 上野の建築物編

○  旧寛永寺五重塔(重要文化財)
1631(寛永8)年に東照宮境内の薬師堂の対として建立されました。1639(寛永16)年に花見客の火の不始末によって焼失しますが、同年中に再建されました。

上野東照宮(重要文化財)
1627(寛永4)年に藤堂高虎によって建立された東照社を、1651(慶安4)年に徳川家光が官営の東照宮に造り替えた権現造の建物。数度修理を行っているが、ほぼ当時の姿をとどめており、献備の燈籠の一部は創建当時のものが残っています。

○ 不忍池 弁天堂
滋賀県琵琶湖の竹生島・宝厳寺の弁財天を勧請して、寛永年間に弁天堂を建立しました。島の見立てのため陸続きにはせず、建立当初は船を使用して参詣をしていました。多くは1945(昭和20)年の空襲で焼失してしまいますが、本堂前の水舎(手水鉢)は江戸期の建物で、その天井には江戸後期の絵師・谷文晁による「水墨の竜」が描かれています。

清水観音堂(重要文化財)
京都の清水寺を模して1631(寛永8)年に天海が自費で摺鉢山に創建。1694(元禄7)年に現在の場所へ移築されました。

その2 浅草の行事編

浅草流鏑馬(あさくさやぶさめ) * 隅田公園・4月中旬
江戸時代に三社権現社(浅草神社)の正月行事であった流鏑馬を1983(昭和58)年に観光行事として復活・継承したものです。狩装束を身にまとい馬上から3つの的を矢で射る「流鏑馬」と鹿の形をした的に烏帽子・直垂姿の射手が弓を引く「草鹿(くさじし)」が行われます。

三社祭 * 浅草神社・5月第3金、土、日曜日
3日間にわたり行われる浅草神社の例大祭。江戸風情の残る浅草が1年でもっとも活気づくと言われ、三日間にわたり約180万人の人出を数える日本を代表する祭礼の一つです。1日目は東京都無形民俗文化財指定「神事びんざさら舞」の奉納、2日目は100基近い町内神輿が浅草神社に参集し、最終日は3基の大神輿の「宮出し」「宮入り」が行われます。

隅田川花火大会 * 隅田川・7月最終土曜日
歴史的記録に残る最古の花火大会。1732(享保17)年に起きた大飢饉及び疫病の犠牲者への慰霊と悪病退散のため、翌年に8代将軍吉宗が隅田川で行った水神祭で両国橋周辺の料理屋が公許を受けて花火をあげたことが由来です。もともとは「両国の川開き」と言い1962(昭和37)年以降一度途絶えていましたが、1978(昭和53)年に「隅田川花火大会」と名称を変更して復活しました。

酉の市 * 鷲神社・11月酉の日
鷲(おおとり)神社の例大祭。農民が収穫祭に鶏を奉納したのが始まりと言われ、農具を売る市が立つようになりました。江戸時代から多くの浮世絵や句に祭りの様子が残されています。売られている熊手は「かっこめ」と言われ、福や運を掻き込む縁起物です。出世や商売繁盛を願う人々の人気を呼んだこの市は、現在でも季節の風物詩として当日の午前0時を待って参拝者が押し寄せます。


江戸自慢三十六景 酉の丁銘物くまで

09. 江戸創業事業所顕彰

 

【事業概要】

台東区は、江戸以来の産業や文化が大いに発展し、江戸の技、江戸の粋を有する江戸時代に創業した事業所が数多くあります。
江戸創業事業所顕彰では、江戸時代に創業し、永年に渡って区内産業に貢献のある事業所を顕彰し、世界に誇れる「宝物」として、広く国内外に情報発信していきます。

【顕彰事業所一覧】

【各顕彰事業所の紹介】

令和2年度顕彰事業所(1事業所)

うなぎ 色川(PDF:318KB)

令和元年度(平成31年度)顕彰事業所(5事業所)

浅草花やしき(PDF:404KB)

江戸趣味小玩具 仲見世 助六(PDF:371KB)

小泉桶甚本店(PDF:307KB)

どぜう飯田屋(PDF:299KB)

南部屋五郎右衛門(PDF:338KB)

平成30年度顕彰事業所(41事業所)

浅草めうがや(PDF:370KB)

池田屋神仏具店(PDF:299KB)

石井三太夫表具店(PDF:343KB)

石六(PDF:322KB)

上野池之端 鰻割烹 伊豆榮(PDF:354KB)

上野風月堂(PDF:396KB)

鵜原商店(PDF:251KB)

江戸蕎麦手打處あさだ(PDF:345KB)

大嶋屋恩田(PDF:397KB)

岡田屋布施(PDF:330KB)

雷門三定(PDF:338KB)

甘味処西山(PDF:291KB)

木具定商店(PDF:380KB)

菊寿堂いせ辰(PDF:375KB)

木村家本店(PDF:341KB)

久月(PDF:338KB)

銀花堂(PDF:328KB)

クマイ商店(PDF:337KB)

駒形どぜう(PDF:340KB)

更けい(PDF:373KB)

三佛堂櫻井商店(PDF:325KB)

十三や櫛店(PDF:307KB)

新門(PDF:415KB)

鈴本演芸場(PDF:311KB)

種亀(PDF:289KB)

東京松屋(PDF:295KB)

常盤堂雷おこし本舗(PDF:373KB)

鮒佐(PDF:358KB)

弁天山美家古壽司(PDF:286KB)

ホワイトローズ(PDF:354KB)

増田園総本店(PDF:354KB)

増田屋コーポレーション(PDF:365KB)

町田絲店(PDF:306KB)

松坂屋上野店(PDF:330KB)

美家古鮨本店(PDF:278KB)

宮本卯之助商店(PDF:357KB)

守田治兵衛商店(PDF:620KB)

山崎屋源七提灯店(PDF:381KB)

有職組紐道明(PDF:398KB)

吉徳(PDF:382KB)

龍昇亭西むら(PDF:355KB)

川柳体験ワークショップ

※申込み方法は、ページ下方をご確認ください。

川柳ってなに?川柳をよんだことがない!という
初心者の方向けに、川柳をよむワークショップを開催します。
川柳体験ワークショップは全3回開催、すべて事前申し込み・抽選制です。
講師や会場が異なりますので、下記をご確認のうえお申込みください。

※本イベントは終了しました。ご参加ありがとうございました。


 

開催概要

1.墨田区主催

日  時:令和元年8月11日(日)13:00~15:00
会  場:すみだ北斎美術館 MARUGEN100(講座室)
講  師:五味和之(元すみだ北斎美術館学芸員)・尾藤川柳(十六代川柳)
定  員:40名
申込締切7月22日(月)

2.台東区主催

日  時:令和元年8月17日(土)13:30~15:00
会  場:浅草文化観光センター6F 多目的スペース
講  師:内田博柳(台東川柳人連盟理事長)
定  員:50名
申込締切:8月15日(木)

3.台東区主催

日  時:令和元年9月8日(日)13:30~15:00
会  場:寛永寺清水観音堂
講  師:尾藤川柳(十六代川柳)
定  員:50名
申込締切:9月6日(金)

募集対象:川柳に興味のある方・川柳をよんでみたい方ならどなたでも

参 加 料 :無料

応募方法

1 墨田区主催のワークショップ

メールまたは往復はがきでお申込みください。
※終了しました

2・3 台東区主催のワークショップ

WEBまたは往復はがきでお申込みください。
※終了しました

注意事項(共通)

※往復はがきは消印有効です。
※同一者による複数口のお申込みはご遠慮ください。
※開催日の10日前までに、当落いずれの場合も抽選結果をお知らせします。当選者には参加券をお送りします。
※お申込みの際ご提供いただいた個人情報は、当該の目的にのみ使用させていただきます。

申込・問合わせ先

◆墨田区開催のワークショップについて
〒130-8640 墨田区吾妻橋1-23-20
墨田区文化芸術振興課「北斎と川柳」担当
電話:03-5608-6115

◇台東区開催のワークショップについて
〒110-8615 台東区東上野4-5-6
台東区文化振興課「北斎と川柳」担当
電話:03-5246-1153

第8回『江戸城無血開城の真相と上野の西郷像建立裏話』

江戸城無血開城の背景についての講演です。西郷隆盛と勝海舟の談判、益満休之助(ますみつきゅうのすけ)・山岡鉄舟・高橋泥舟(でいしゅう)の果たした役割、時の将軍慶喜の立場……。さらには、上野の山に西郷像が建ったという不思議について、その裏話をご紹介します。

日時 2019年 6月30日(日)10:30開演 10:00開場
会場 寛永寺輪王殿(台東区上野公園14-5)

講師 浦井 正明 氏(寛永寺長臈)
昭和12年生まれ東京都出身。慶應義塾大学文学部史 学科卒業。東叡山寛永寺山内現龍院住職を経て、現 在は同寺長臈。元台東区教育委員会委員長。台東区 文化財保護審議会委員、台東区文化政策懇談会委員、 上野の山文化ゾーン連絡協議会顧問などを務める。 平成29年10月に台東区文化功労栄誉章を受章。

 

 

 

 

川柳を投稿する

※投稿方法は、ページ下方をご確認ください。

墨田区で生まれた世界的絵師・葛飾北斎は、同時期に台東区で発祥した川柳をよむことにも熱心でした。北斎没後170年の今年、北斎や江戸をテーマにした川柳を募集します。

※令和元年9月25日を以て、募集は終了しました。
 沢山のご投稿、ありがとうございました。
 結果発表は10月末を予定しています。


募集期間

令和元年年7月5日(金)~9月25日(水)15:00まで
※はがきの場合は9月25日(水)必着
※WEBでの応募は9月25日(水)15:00まで

募集テーマ

(1)すみだ北斎部門…北斎やその作品などを題材とした、または、連想させる川柳
(2)江戸たいとう部門…台東区に息づく江戸のこころや文化を題材にした川柳

参考資料)すみだ北斎美術館 ・ 江戸たいとうの魅力

※クリックすると、リンク先に遷移します。

1)すみだ北斎部門
・北斎賞(最優秀賞)1名…江戸切子オールドグラス ペア
・審査員特別賞(優秀賞) 3名…北斎屏風 2種セット
・秀作10名…北斎箸(江戸木箸)2種セット

江戸切子オールドグラス 北斎屏風2種セット 北斎箸(江戸木箸)2種セット

 

2)江戸たいとう部門
・川柳賞(最優秀賞)1名…銅 タンブラー ペア
・審査員特別賞(優秀賞) 3名…桐工芸 米びつ 5kg
・秀作 10名…江戸手描提灯(名入れあり)

銅 タンブラー ペア 桐工芸 米びつ 江戸手描提灯(名入れあり)

※賞画像はイメージです。

審査員

尾藤川柳氏(十六代川柳)
内田博柳氏(台東川柳人連盟理事長)
田中八洲志氏(川柳向島顧問)
橋本光明氏(すみだ北斎美術館館長)
浦井正明氏(東叡山寛永寺長臈)

表彰式

日時 令和元年11月9日(土)14:00~(予定)
会場 すみだ北斎美術館

募集対象

応募資格は問いません。奮ってご応募ください。

応募方法

作品(1部門につき、1人3句まで)を下記提出先に、はがきにて郵送。
または、下記WEB応募フォームより投稿

はがき(1部門につき、1枚必要です)
以下の事項をご記入の上、ご応募ください。
・作品(1人3句まで)
・応募する部門
・郵便番号・住所・氏名(フリガナ)
・年齢・性別
・電話番号
・柳号(ペンネーム)

WEB応募フォーム

【1】すみだ北斎部門

画像をクリックすると東京共同電子申請サービスのページ移動します。ガイドに沿って応募手続きを行ってください。

【2】江戸たいとう部門

画像をクリックすると東京共同電子申請サービスのページ移動します。ガイドに沿って応募手続きを行ってください。

結果発表

入選作については、入賞者本人に通知するとともに、各区公式ホームページ等で発表

注意事項

※応募は一人、各部門3句までです。
※作品は応募者本人が創作した未発表作品に限らせていただきます。
※入選作の発表は「柳号」で行いますが、「柳号」の明記がない方はお名前を発表させていただきます。
※応募作品の著作権(著作権法第27条および第28条に定める権利を含む)、その他の一切の権利を、応募をもって主催者に譲渡すること、ならびに応募作品に関して著作者人格権を一切行使しないことを承諾のうえ、ご応募ください。
※応募作品を、主催者の広報物・ホームページ等で紹介する場合があります。
※ご応募の際ご提供いただいた個人情報は、当該の目的にのみ使用させていただきます。

10. 北斎と川柳(令和元年度終了)

 

 

2019年、墨田区と台東区の文化交流の一環として、川柳家でもある葛飾北斎の没後170周年を契機に、川柳の公募・ワークショップ、北斎と川柳に関する講演会・展示やゆかりの地を巡る史跡巡りなどを開催しました。
※本イベントは全て終了しました。沢山のご参加ありがとうございました。


公募川柳 結果発表

 タイトルをクリックすると詳細を確認できます。

◆川柳を投稿する

画像をクリックすると詳細を確認できます。

◆川柳体験ワークショップ

 

画像をクリックすると詳細を確認できます。

◆講演会

葛飾北斎と川柳に関する講演会を開催します。

こちらをクリックすると詳細を確認できます。

◆史跡めぐり

台東区内にある、葛飾北斎と川柳のゆかりの地を専門家と一緒にめぐります。

こちらをクリックすると詳細を確認できます。

◆展示

浅草文化観光センター7階展示スペースにて、北斎と川柳のパネル展を開催。

こちらをクリックすると詳細を確認できます。

 

お問い合わせ

台東区役所文化振興課「北斎と川柳」担当
TEL.03(5246)1153

 

【東京都美術館】「クリムト展 ウィーンと日本 1900」報道内覧会レポート

東京都美術館

グスタフ・クリムト  《ユディトⅠ》 1901年

 

2019年4月23日(火)から7月10日(水)の期間、『クリムト展 ウィーンと日本 1900』が東京都美術館にて開催されます。開幕に先立ち、4月22日にプレス内覧会がおこなわれましたので、その模様をお伝えいたします。

 

金箔を多用した華やかな装飾性。死とエロス、そして生命の連鎖をも感じさせる世紀末的な官能性。19世紀末ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムト(1862-1918)の手がけた甘美な女性像や風景画は、今なお圧倒的な人気を誇っています。

没後100年を記念して開催される本展では、初期の自然主義的な作品から誰もが知る「黄金時代」の時代の様式、女性画や風景画まで、クリムトの油彩画では日本では過去最多の25点以上の作品が集結。さらに同時代に活躍した画家たちの作品、クリムトが影響を受けた日本の美術品なども合わせて紹介し、クリムトの画業の全貌に迫ります。

 

展示風景

展示の序盤では、劇場装飾に携わった修行時代の作品を紹介

 

初期は正統派の古典絵画を描いていたクリムト。男性像には伝統的な作風が見て取れる

 

多様な表情を研究するために制作された肖像画。好みの女性に似せて描いたとも

 

クリムトを語る上で欠かせないのは日本とのつながり。同時代の静物画にも東洋的異国趣味が表現されている

 

全長34メートルにもおよぶ代表作《ベートーヴェン・フリーズ》の原寸大複製の展示室

 

本展は全八章構成です。

Ⅰ クリムトとその家族
Ⅱ 修行時代と劇場装飾
Ⅲ 私生活
Ⅳ ウィーンと日本 1990
Ⅴ ウィーン分離派
Ⅵ 風景画
Ⅶ 肖像画
Ⅷ 生命の連環

 

クリムトは生前多くを語らず、「私について知りたいならば、私の絵を注意深く観察するべきです」と語っていました。
その言葉を裏付けるように、彼の絵から伝わってくるのはまさに「人生」そのもの。展示構成もクリムトの画業をその始めから辿るように構成されています。

クリムトといえば豪華絢爛な黄金様式ですが、その作風は試行錯誤の末に生まれたもの。クリムトは初期はアトリエ「芸術家カンパニー」の経営を通じて正統的な古典絵画を手がけていましたが、共同経営者だった弟が早世すると1897年に「ウィーン分離派」を設立。クリムトはその初代会長となり、アカデミックで保守的な作風を脱し、独自の世界観を開花させていったのです。

また、本展では移ろうクリムトの画風をつまびらかに紹介しますが、見逃せないのが第4章です。
クリムトは浮世絵や甲冑など、日本の美術品を好んで収集していましたが、《17歳のエミリーリエ・フレーゲ》など、その研究成果が現れた作品を展示。「日本とクリムト」という文脈でその絵画世界を読み解きます。

 

展示作品紹介

グスタフ・クリムト《ユディト Ⅰ》1901年

クリムトの代表作として知られる《ユディト Ⅰ》。

「この作品は、今日クリムトを有名な画家にしている全ての要素を備えている」と語ったのは、展示解説をしてくださったマークス・フェリンガー氏(ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館 学芸長)。

主題は旧約聖書外典の一場面。ユダヤの町ベトゥリアを包囲したホロフェルネスを、若い未亡人ユディトが誘惑し、その首を切り落としています。
様式化された構図、装飾的な文様、裸身を晒す未亡人のエロティシズム。そして何より初めて本物の金箔が使われ、まさに「黄金時代の幕開け」となった象徴的な作品です。

うつろな瞳でこちらを見るユディトの表情には怖気が走りますが、この頃、クリムトは二人の非摘出子ができたことで扶養義務を負うことになり、そうした私生活上の事情が作品に反映されているそうです(!)。

 

グスタフ・クリムト《オイゲニア・プリマフェージの肖像》1913、もしくは14年

クリムトの最も重要な支援者のひとりであり、裕福な銀行家の妻でもある女性の肖像画。
画面には色とりどりの花、そして右上の隅には磁器、もしくは七宝の置物から着想を得たと思われる幸運と長寿を象徴する鳳凰が描かれています。

注目すべきは背景の黄色の鮮やかさ。クリムトは後期の作品のほとんどに補色を取り入れており、本作においても背景の黄色とオイゲニアのドレスの色、そして花の装飾が対比的に表現されています。

 

グスタフ・クリムト《女の三世代》 1905年

第八章では「生命の連環」と題し、生殖から死に至るまでの生命と男女の関係という、クリムトの絵画世界において決定的な影響を及ぼしたテーマについて考察しています。

本作は、まさにそうしたテーマを直接的に扱った作品で、本展において公開されたクリムト作品の中でもひときわ謎めいた存在感を放っています。

 

眠る幼児と、花々に彩られ、生命力あふれる若い女性。その背後にうなだれた姿勢で嘆息する、老いた女性。
まさに「女の三世代」をひとつの画面で描き分けた大作で、一生を通じての各段階の女性の姿が象徴的に描写されています。
彼女たちを彩る三角、円、うずまきなどの装飾性の奇妙さも印象に残ります。

1911年から1913年の間にローマで本作品を見た日本画家・太田喜二郎は、本作には日本画の霞の表現や友禅の模様など、「日本画の趣向」が見られると指摘。クリムトの作品には構図、色の組み合わせ、そして模様に日本の独自性が感じられると語りました。この作品にも、日本画がウィーンに、そしてクリムト絵画に吹き込んだ命は脈々と受け継がれているようです。


グスタフ・クリムト《赤子(ゆりかご)》1905年

「全ての作品が、それが肖像画であれ風景画であれ共通しているのは、グスタフ・クリムトにとって絵画作品は装飾品であった、ということです。彼の風景画にしても、自然をそのまま捉える眼差しで描かれたものではありません。肖像画も同様にデコラティブなモノとして扱われる、これがクリムト絵画の特色のひとつです」

マークス・フェリンガー氏は展示解説の中でクリムト絵画における「装飾性」について強調し、同時に彼が19世紀ウィーン美術界の文脈において、「最も重要な存在」であると語りました。

 

数々の会場を順番に回ることで見えてくる、彼の思考の宇宙。そして生涯。
革新性とエロス、そして「黄金様式」をはじめとする多彩な表現を、ぜひ会場でお楽しみください。

 

開催概要

会期 2019年4月23日(火)〜 7月10日(水)
会場 東京都美術館 企画展示室
開室時間 午前9時30分~午後5時30分
※金曜日は午後8時まで(入室は閉室の30分前まで)
休室日 5月7日(火)、20日(月)、27日(月)、
6月3日(月)、17日(月)、7月1日(月)
問合せ ○公式サイト
https://klimt2019.jp/outline.html
○ハローダイヤル
03-5777-8600
観覧料  一般 1,600円 / 大学生・専門学校生 1,300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1,000

※中学生以下は無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
※いずれも証明できるものをご持参ください

 

記事提供:ココシル上野


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