障害の有無にかかわらず文化・芸術活動を楽しめるように、区内の障害者施設や文化・芸術活動団体と協力して、障害者が参加しやすい文化・芸術イベントの開催や障害への理解を深める活動を行います。
【内覧会レポート】独創的な色彩に魅了される木版画の世界。「没後70年 吉田博展」が東京都美術館で開催中
東京都美術館
2021年1月26日より、東京・上野にある東京都美術館で特別展「没後70年 吉田博展」が開催中です。(会期は3月28日まで)
「絵の鬼」と評されるほどの研鑽を経て会得した高い描写力で、明治から昭和にかけて風景画の第一人者として活躍した画家、吉田博(1876-1950年)。
水彩・油彩画で才能を発揮しながら、画業後期には西洋の写実的画風と日本の伝統的な版画技術を合わせ、全く新しい木版画の世界を開拓。イギリスのダイアナ妃や精神科医フロイトをはじめ、世界の人々から愛されました。
本記事では、吉田博の初期から晩年までの木版画を中心に、約200点の作品を集めた「没後70年 吉田博展」の展示内容や見どころを紹介します。



※会期は前期(1月26日~2月28日)・後期(3月2日~3月28日)に分かれ、一部展示作品の入れ替えがあります。本記事で取り上げるのは前期期間中に鑑賞できる作品です。
※画像に期間表記のない作品は全期間展示です。
世界を魅了した吉田博の木版画

「自然の中に自らを没し、仙骨(=仙人の境地)になりきることで初めて真の自然が描ける」という信念をもっていた吉田博は、徹底的な現場主義で、若き日から自然に飛び込み、風景写生に没頭し厳しく技術を磨いていきました。
1899年、23歳の博は、そのころ多くの日本人画家が留学したフランスではなく、アメリカをチャレンジの場所に選び、自分の絵を持てるだけ持って旅立ちます。日本人らしい抒情的なニュアンスを内包した博の作品は、アメリカの人々の心を魅了。現地で開いた個展で次々に大成功を収めました。
水彩・油彩画の分野で名を馳せた博が、本格的に木版画を手掛けるようになったのは、40代も半ばを過ぎてからのこと。1923年、3度目の渡米において現地の人々が、油彩よりもむしろ、玉石混交の木版画をこぞって求めている姿を目の当たりにしたことがきっかけとされています。
帰国後、博はすぐに木版画の制作を開始。その際、伝統的な浮世絵版画の技術に、西洋の写実描写を融合させることを着想します。色分けや構図も、伝統にとらわれないさまざまな工夫を施しました。
そして、特大版の版画への挑戦や、ときに100回近くにおよんだ摺り重ね、同じ版木を用い色を変えて異なる時間の光や大気の様子を表現する「別摺」など、次々に独創的な木版画の世界を広げ、国内外で称賛されました。


「博が木版画で追究したのは、水彩や油彩の繊細な色彩表現を版画で実現することだったのではないでしょうか」と話してくださったのは、東京都美術館の学芸員である小林さん。
博は、自身も彫りや摺りの技を身につけ徹底的に研究したうえで、専属の彫師や摺師を雇い、作業をすべて監修しました。ときに自ら彫りや摺りを担当することもあったとか。自身を指揮者や建築家に例え、「どこまでやれば完成なのか、本人にしかわからない」といわれるほどの複雑な工程でも、完璧を求め一切の妥協をしなかったそう。

小林さんはこう続けます。「確かな画力をもった洋画家・吉田博だからこそ表現することのできた光や大気の様子、彼ならではの細やかな色相のニュアンスに注目していただければ」

世界各地の風景を描いた木版画が一堂に。「没後70年 吉田博展」の展示構成

本展は、プロローグ~第1章から11章~エピローグまで、おおまかな年代に沿ってテーマごとに吉田博作品を紹介する展示構成となっています。
各章は、アメリカやヨーロッパの風景、富士山や日本の山岳、日本各地の風景、インドと東南アジア、また朝鮮や旧満州の風景など、多様なテーマで構成されています。作品数が多いので、余裕をもった観覧時間を確保しておくといいでしょう。
主な出展作品は木版画ですが、プロローグでは木版画を手掛けるまでの博の歩みを振り返る意味で、代表的な油彩画や水彩画も鑑賞することができます。


資料として写生帖も展示されています。必ずしも写生の構図どおりに木版画が制作されたわけではなかったようですが、博の目と絵心をとらえたものが何だったのか、その一端を垣間見られます。
資料といえば、木版画の版木が出展されていることにも注目。展示されている《冨士拾景 朝日》の主版(輪郭線を表すための版木)と色版を、完成作と見比べてみることで、彫りや摺りの難しさをより率直に理解することができました。


さらに映像展示もあり、一つは木版画の制作工程を紹介する映像、もう一つは博の生涯を簡潔に紹介する映像です。特に後者は講談調のナレーションが入っているので、とてもわかりやすく楽しめました。

注目作品と見どころをピックアップ紹介
吉田博は、日本に生きる洋画家として、世界に対抗しうるオリジナルな「絵」とは何かを模索し続けました。その熟考の末にたどりついた答えこそが木版画だったのです。見どころは数え切れませんが、ここでは筆者が特にすばらしいと感じたポイントをピックアップして紹介します。
見どころ① 登山家ならではの視点で描かれた山岳風景



自然を愛した博は、毎年夏になると山に籠って写生に明け暮れるほど、とりわけ山に強い関心をもっていました。本格的な登山により眺めた風景を多く作品に残していることから、「山の画家」「山岳画家」と呼ばれています。
山の頂きまで登り、天候が千変万化する山岳に対峙しながら、自分が求める一瞬のために納得いくまで何日でも野営していたそう。そうして写しとった雄大な山岳風景は、博の作品の中でも最上の見どころの一つ。
中でも《冨士拾景 御来光》のように、山頂から雲海を見下ろす構図は山岳画家の面目躍如といっていいでしょう。絶妙な切れ間が生まれた流れ雲と、奥から上り始める太陽が完璧なタイミングで写しとられ、その明媚なさまは筆舌に尽くしがたいほど。何者も侵しがたい静寂に包まれた山の姿がそこにあります。
見どころ② 時間の変化を色彩で巧みに表現した「別摺」の作品




博は、同じ版木を使って異なる色の作品をつくる「別摺」の技法を用い、「朝」と「夜」など、時間の経過で移ろいゆく視界の変化を表現しました。
例えば、博の代表作の一つである《瀬戸内海集 帆船》シリーズでは、「別摺」によって「朝」「午前」「午後」「霧」「夕」「夜」と、異なる瞬間の同じ光景が描かれ、光や大気の違いが色彩で表情豊かに描写されています。
「ただ色を変えただけでしょう?」と思うなかれ。「午前」の帆船の帆だけには、遊び心なのかうっすらと模様が加えられています。「夕」の後方に描かれた船のシルエットは「午後」にはなかったもの。「夜」には帆船の中と背景に光が灯され……などなど、比べれば比べるほどディティールに細かな差異が見つかり、飽きることがありません。
ひときわ美しいのは「朝」。朝日が逆光となり、帆船の輪郭が赤く色づき、海原と空との境がグラデーションによって曖昧にされていることで幻想的な雰囲気に。柔らかな印象を受ける太陽の輝きをよく観察すると、同心円状に細かく色が白抜きされているのがわかります。
このように、「別摺」であっても一つひとつ惜しみない手間がかけられている点にも、ぜひ注目してみてください。
見どころ③ さまざまな光の描写


展示作品を鑑賞していると、博が光の描写にも並々ならぬ情熱を注いでいることが伝わってきますが、皓々たる月や提灯の灯りなど、闇の中に優しく落とされる光の情趣はなんとも言い難い魅力があります。
特に存在感を放つのは、沈む寸前の夕日から届くような黄金色の光。
《印度と東南アジア フワテプールシクリ》に見られる、イスラム建築のアラベスクからにじみ出る金の光は、異国の空気を余さず伝えています。
この乱反射を表現するために淡い同系色が何度も摺り重ねられたそうですが、もはやどのように版を重ねたのか見当もつかず、博は魔法が使えたと言われたら信じられそうなほど。輪郭線が抑えられているためか、言葉を失うような美しさと相まって、どこか宙に浮いたような、この世のものではない世界を覗いたような印象を見る者に抱かせます。
見どころ④ 水面の倒影


海をはじめ、川、池、湖、水たまりと、博の木版画にはさまざまな種類の水辺が登場します。それらの水面には風景や建物が映り込み、中には水面に映った景色があってはじめて構図が完成するような作品があるところも見どころです。
筆者が唸ったのは、《山中湖》の見事な逆さ富士や、《東京拾二題 亀井戸》に見られる太鼓橋の実体と池の影とのシンメトリー。
後者は一見すると、満開を迎えた藤の花房に目が行きがちですが、視線を下にずらしてみれば、藤よりもよほどこだわっていたのでは、と感じるほどリアルに描かれた橋の投影に刮目するでしょう。太鼓橋が影と織りなす構図が奇妙なぐらいに美しいこと。真偽はどうあれ「博はこれこそ絵に写しとりたかったのだ」と腑に落ちるようでした。博の美意識の在りようがいかなるものか、想像が膨らむ作品です。
博の木版画の美しさに圧倒された後は、展覧会グッズのチェックも忘れずに。
額絵ポスターやポストカードといった定番アイテムはもちろん、トートバッグ、A5ノートブック、チケットファイル、マスクケース、風呂敷、塗り絵セット、変わり種としてはチョコかりんとうなど、吉田博作品の魅力を生かした本展覧会オリジナルのグッズも用意されていました。
図録とグッズの一部はオンラインショップでも購入可能で、展覧会に足を運べないという方は公式図録(税込2,200円)で博の世界に浸るのもおすすめです。
<オンラインショップ https://www.mainichi.store/categories/3121995>


なお、2月9日からは、本展で展示される吉田博の版画作品と、東京国立博物館所蔵の吉田博の油絵作品《精華》、そして吉田博と同時代の芸術家である黒田清輝の作品を常設展示している黒田記念館の作品について紹介する、無料の音声解説プログラムが配信されるとのこと。スマートフォン、タブレット、PCで聴くことができ、会場でも自宅でも、二人の芸術の足跡をたどる旅が楽しめます。
<詳細はこちら https://www.tobikan.jp/information/20210126_1.html>
東京都美術館「没後70年 吉田博展」の開催は2021年3月28日まで。
年々人気が高まる吉田博の大規模展覧会を、ぜひ見逃さないようにしてください。
「没後70年 吉田博展」
会期 | 2021年1月26日(火)~3月28日(日) ※会期中、一部展示替えがあります。 |
会場 | 東京都美術館 企画展示室 |
開室時間 | 午前9時30分〜午後5時30分(入室は午後5時まで) |
休室日 | 毎週月曜日 |
観覧料 | 一般 1,600円、大学・専門学校生 1,300円、高校生 800円、65歳以上 1,000円 ※中学生以下は無料(証明できるものを持参) ※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料(証明できるものを持参) |
主催 | 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、毎日新聞社、日本経済新聞社 |
共催 | トヨタ自動車、ニューカラー写真印刷 |
公式ページ | https://yoshida-exhn.jp |
【国立科学博物館】企画展「メタセコイア -生きている化石は語る」 開催のお知らせ ≪2021年1月26日㈫~4月4日㈰まで≫
国立科学博物館

独立行政法人 国立科学博物館(館長:林 良博)は、2021年1月26日(火)から2021年 4月4日(日)までの期間、企画展「メタセコイア -生きている化石は語る」を開催いたします。
【詳細URL: https://www.kahaku.go.jp/event/2021/01metasequoia/ 】
- 企画展「メタセコイア -生きている化石は語る」開催概要
「生きている化石」と呼ばれるヒノキ科の針葉樹メタセコイアが三木茂博士(1901 年~1974 年)によって命名されてから 2021 年で80年を迎えます。
本展では、メタセコイアの発見や保護をめぐる研究者たちの努力を紹介するとともに、植物と地球環境の変化の関わりを解説します。また、その保護活動の紹介を通じて、現代の私たち人類が直面する環境問題などの課題にも向き合います。


【会 場】国立科学博物館 日本館1階 企画展示室(東京都台東区上野公園 7-20)
【会 期】2021(令和 3)年1月26日(火)~4月4日(日)
【開館時間】午前9時~午後5時
【休 館 日】毎週月曜日(ただし、3月29日(月)は開館)
※会期等は変更となることがあります。
【観覧料金】常設展示入館料のみでご覧いただけます。
(一般・大学生:税込630円、高校生以下および 65歳以上無料)
【入館方法】新型コロナウイルス感染拡大防止の対策を実施しています。
※入館にあたっては、当館ホームページでの事前予約が必要です。
※入館前に検温、体調等の確認をし、発熱等がある場合は入館をお断りします。
※入館方法の詳細等については、当館ホームページの予約サイトをご覧ください。
https://www.kahaku.go.jp/news/2020/reservation/index.html
【主 催】国立科学博物館
【協 力】アキシマエンシス(昭島市教育福祉総合センター)、一般財団法人日本緑化センター、大阪市立自然史博物館、大阪市立大学理学部附属植物園、神奈川県立生命の星・地球博物館、宮内庁、滋賀県立琵琶湖博物館、筑波大学生命環境系、東京大学大学院理学系研究科附属植物園、福井県立恐竜博物館、福島県立博物館
【詳細URL】https://www.kahaku.go.jp/event/2021/01metasequoia/
- 展示内容
■メタセコイアってどんな植物?
メタセコイアは校庭や並木道など身近なところで見られる落葉樹です。その特徴やなぜ「生きている化石」と呼ばれるのかを紹介します。

■世界が驚いたメタセコイアの発見
三木博士が名付けた化石のメタセコイアと、その後発見された現生種。2つの「発見」にまつわる物語を紹介します。

■メタセコイアが生きた時代とは?-日本の化石産地から-
東京と近畿で発見されたメタセコイアの化石林研究の成果をもとに、数百万年前の環境やそこに暮らした動植物を紹介します。

■メタセコイアはなぜ日本から絶滅した?
北極圏にまで広がっていたメタセコイアがなぜアジアの一部地域だけに残り、日本から姿を消してしまったのか、そのミステリーに迫ります。

■メタセコイアの現在・未来
現生種発見のあと、研究者たちの努力でメタセコイアは再び世界に広がりました。自生地や日本での保全活動を紹介します。

■メタセコイアから何を学ぶ?
絶滅をのがれたメタセコイアは、いま再び環境問題に直面しています。「生きている化石」を通じて、私たちは何を学んだらよいのでしょうか?

- 国立科学博物館
※現在、入館には事前予約が必要です。ご来館前に必ず公式ホームページをご覧ください。
【開館時間】9:00 ~17:00
【休 館 日】毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)
【入 館 料】 一般・大学生 税込630円、高校生(高等専門学校生含む)以下および65歳以上 無料
【所 在 地】〒110-8718 東京都台東区上野公園 7-20
【問い合わせ】050-5541-8600(ハローダイヤル)
【公式ホームページ】https://www.kahaku.go.jp/
記事提供:ココシル上野
4,上野の森美術館,https://www.ueno-mori.org/
台東区内の障害のある方が制作した絵画・書道等の作品を公募、展示する「森の中の展覧会」を開催。また、若手作家を講師に、区内の障害者施設を訪問し、「自己表現」や「オリジナリティ」を主題とした内容の絵画教室を行っています。
3,東京都美術館,https://www.tobikan.jp/
普段は混雑している特別展を、障害のある方が安心して鑑賞できる特別鑑賞会を、年に3~4回開催しています。事前申込制で、アート・コミュニケータ(とびラー)が受付や移動のお手伝いをします。
2,東京文化会館,https://www.t-bunka.jp/
あらゆる人が音楽を楽しめる取組みを行っています。特別支援学校や高齢者・社会福祉施設での音楽ワークショップやコンサート、手話付き音楽ワークショップ、リラックス・パフォーマンスなどを実施しています。
コンビビアル・プロジェクト~あらゆる人に音楽を
東京文化会館 リラックス・パフォーマンス
[アーカイブ/紹介映像]東京文化会館チャンネル
1,東京藝術大学,https://www.geidai.ac.jp/
東京藝術大学演奏藝術センターでは、年間を通して「障がいとアーツ」研究という授業を開講し、またそれをテーマとした舞台・演奏会のプロデュースも行っています。
「よりみち藝大座 ~日本の伝統芸能から考えるダイバーシティ~」を開催
【東京国立博物館】「日本のたてもの展」会場レポート―伝統建築の巨大模型が大集合!(~2021/2/21まで開催)
東京国立博物館
日本の伝統建築の造形的特徴や工匠の技を、模型や図案などの資料を通じて紹介する展覧会「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」が、東京国立博物館、国立科学博物館、国立近現代建築資料館の3館合同で開催中です。
会場ごとに展示テーマと会期が異なる本展。
今回は、東京国立博物館で12月24日にスタートした「古代から近世、日本建築の成り立ち」をテーマとする展示を見てきましたので、会場の様子や展示作品についてレポートします。
*東京国立博物館「古代から近世、日本建築の成り立ち」
会期:2020年12月24日~2021年2月21日
*国立科学博物館「近代の日本、様式と技術の多様化」
会期:2020年12月8日~2021年1月11日
*国立近現代建築資料館「工匠と近代化―大工技術の継承と展開―」
会期:2020年12月10日~2021年2月21日



仏堂、城郭、茶室――バラエティに富んだ古代~近世の伝統建築模型19件を展示。
政治・宗教といった社会的条件の中で、気候や地域に適応し、時代ごとの美的感覚を吹き込みながら、変化と多様化を繰り返してきた日本の伝統建築。
建築模型は、そんな伝統建築に見られる工匠たちの優れた技術や美意識を凝縮して表現したもの。木・土・石……多様な自然素材を生かした造形的特徴、さらには日本建築史そのものを俯瞰するのに便利な存在といえるでしょう。
「古代から近世、日本建築の成り立ち」で展示されているのは、法隆寺五重塔、松本城天守、東福寺三門、如庵など、原建物が国宝・重要文化財である模型がメイン。細部まで精巧に再現した模型19件で、近世までの伝統建築の様式や意匠を鑑賞していきます。
これだけの模型が一堂に会すことは稀ですし、中にはこれまでほとんど披露される機会のなかった建築模型も含まれているなど、貴重な展覧会となっています。
大迫力! 縮尺1/10模型の存在感
本展の会場は、東京国立博物館の中にある表慶館。1~2階の各部屋で、「中世の仏堂」「神社」「民家」といった幅広いカテゴリで作品が分類されていました。
出展されている建築模型の多くは、縮尺サイズが原建物の1/10とかなり大きめ。非常に迫力があり、全体の構造はもちろん装飾品の一つひとつまでじっくりと確認できます。
また、周囲360度どこからでも鑑賞できるように配置されている模型もあれば、東福寺三門や唐招提寺金堂など、内部構造を確認できるように分割製作された模型も複数ありました。
前から後ろから、斜めから下からと、いろいろな角度から作品を鑑賞するのがおすすめです。
というのも、たとえばこちら。唐招提寺金堂の1/10模型(分割)は、実は天井裏に原建物を再現した美しい極彩色の模様が描かれているそう。しかし筆者はうっかり見逃して後悔しているところなので、これから行かれる方は隅々まで鑑賞してみてください。
どの模型も探せば探すほど見どころだらけです。宝探しのような気持ちで楽しめるかもしれません。
模型作品をピックアップ紹介

日本最古の「床の間」をもつとされる大徳寺大仙院の本堂は、禅院方丈建築を代表する建物で国宝にも指定されています。
この1/10模型(分割)でぜひ注目してほしいのは障屏画。狩野元信の代表作の一つ《四季花鳥図》まで細かく再現されているのには目を見張りました。
現在は掛幅に改装されていますが、もともと八面の襖絵だったもの。このように襖絵が入っていた当時の大仙院を鑑賞できるのも、模型ならではの面白さといえるのかもしれません。

松本城は、姫路城とともに五重天守の代表遺構で、現存する五重天守としては日本最古ともいわれています。日本の代表的な城郭建築の例として模型が製作されたそう。
この1/20模型(分割)も見ごたえ十分。外からは内部がどうなっているのかまるで想像がつきませんが、こうして断面から全体の構造を見ると「階段の配置が面白い」「空間自体はかなりシンプルなんだ」などさまざまな気づきもあり、新鮮でワクワクとした気分に。
2019年11月、新天皇即位を受けて、国家や国民のために安寧と五穀豊穣などを祈る宮中祭祀「大嘗祭」が開かれ、一般公開もされました。
そのためだけに建設された祭場「大嘗宮」はすでに解体されていますが、本展では1871年の明治天皇即位の大嘗祭で使われた「明治度大嘗宮」の模型が展示されています。
令和の「大嘗宮」は板葺の屋根でしたが、こちらは伝統的な茅葺屋根の建築群が並んでいました。
宮内庁の式部職が製作したもので、大正時代までは東京国立博物館で展示されていたそうですが、その後は倉庫へしまい込まれた状態だったとか。これほどの大作が長年埋もれていたとはもったいない……!
◆2019年に焼失した首里城正殿の模型も。
18世紀前半頃に建ったとされ、かつては琉球王国の文化や外交の中心地であり、沖縄の歴史を象徴するシンボルとも呼べる首里城。
沖縄戦で戦災に遭い、1992年に主な施設が復元されましたが、2019年10月の大規模火災により正殿を含む6棟が全焼。激しく炎が燃え上がる様子は連日ニュースで取り上げられましたので、記憶に新しいという方も多いのではないでしょうか。
本展にはそんな首里城正殿の1/10模型も出展。戦前の解体修理に参加した知念朝栄という大工が1953年に製作した作品で、沖縄県外の展覧会に出されるのは今回が初めてとなるそう。
日本と中国の建築様式が混じった独特な意匠が見られ、たとえば二層三階建ての建物や正面末広がりの階段などは、琉球独自のものなのだとか。
原建物の特徴的な朱色こそ見られませんが、同フロアに配置された在りし日の正殿の写真と見比べながら、2026年の再建へ思いが募りました。
12月17日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が、日本の宮大工や左官が継承してきた17分野の技術をまとめた「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」のユネスコ無形文化遺産登録を決めたばかり。
今だからこそ、ぜひ「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」展で、あらためて日本人がこれまで培ってきた技術と美意識に触れてみていかがでしょうか。

開催概要
「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」
会場テーマ「古代から近世、日本建築の成り立ち」
会期 | 2020年12月24日(木)~2021年2月21日(日) |
会場 | 東京国立博物館 表慶館 |
開館時間 | 午前9時30分~午後5時 *金曜・土曜日は午後9時まで開館 *1月2日(土)、8日(金)、9日(土)は午後5時に閉館 |
休館日 | 月曜日、2020年12月26日(土)~2021年1月1日(金・祝)、1月12日(火) *ただし、1月11日(月・祝)は開館 |
観覧料 | 一般1,500円、大学生1,000円、高校生600円 *中学生以下および障がい者とその介護者1名は無料。 |
注意事項 | *入館はオンラインによる事前予約(日時指定券)制です。 *定員に達していない場合は当日受付が可能です。 チケットはこちらから↓ https://tsumugu.yomiuri.co.jp/tatemono/ticket.html |
公式ページ | https://tsumugu.yomiuri.co.jp/tatemono/ |
【東京国立博物館】特別展「桃山―天下人の100年」内覧会レポート【10/6~11/29開催】
東京国立博物館
2020年10月6日(火)~11月29日(日)の期間中、東京・上野にある東京国立博物館 平成館にて、特別展「桃山―天下人の100年」が開催されています。
先日、先立って開かれた報道内覧会に参加してきましたので、展示作品や会場の様子をレポートします。
特別展「桃山―天下人の100年」はこんな展覧会
1573年の室町幕府の滅亡から1603年の江戸幕府開府まで、30年にわたり続いた安土桃山時代。日本が戦国武将の台頭する動乱の時代から、江戸幕府による安寧の時代へと移り変わる、目まぐるしい変化の中にあった時代です。
日本美術史上、もっとも豪壮・華麗だとされる「桃山美術」は、その中で花開きました。
特別展「桃山―天下人の100年」は、安土桃山時代を中心とした、室町時代末から江戸時代初期にかけての100年の中で変化していった日本人の美意識を、その時代を代表する約230件の美術作品によって確かめてみよう、という展覧会です。

展覧会のポイント① 国宝・重要文化財が目白押し!
本展では国宝・重要文化財が、前期・後期合わせてなんと100件以上も出展されています。それ一つ一つが展示の目玉となり得る選りすぐりの名品たちが、全国からこの東京国立博物館に集結。
《洛中洛外図屛風(上杉家本)》や《聖フランシスコ・ザビエル像》など、教科書で一度は見たことがあるような有名作品が顔を揃えています。また織田信長や徳川家康ゆかりの品々も並び、戦国ファンなら一度は見ておきたい展示といっていいかもしれません。
展覧会のポイント② 要チェック!前期・後期で展示作品が入れ替わる
本展は会期が前期・後期に分かれていて、かなりの数の作品が入れ替わりますので要注意。
・前期展示は10月6日(火)~11月1日(日)
・後期展示は11月3日(火・祝)~11月29日(日)
全期展示の作品もあれば、前期のみ、後期のみ、一部は特定期間のみのものも存在するので、絶対に見たい作品がある場合は、事前に展示期間をチェックしておくのがおすすめです。展示替えの詳細は公式サイト等でご確認ください。
本記事でご紹介するのは、主に前期で鑑賞できる作品になります。
展示作品紹介

ここからは、前期の展示期間中に鑑賞することができる作品の一部を写真付きで紹介していきます。
■ピックアップ① 障屛画
展示品は絵画、茶道具、着物、刀剣、甲冑、硯箱等の調度品などバラエティに富んでいますが、中でも注目すべきは、やはり障屛画をはじめとした大画面の絵画作品。非常に力を入れている印象で、前期・後期とも、狩野永徳や長谷川等伯、曽我直庵といった、安土桃山時代を代表する画家たちによる不世出の名画が数多く集められています。
天下統一の機運が高まる中、各地の経済活動と文化交流が活発になり、海外との往来によってさらに人々の世界が開かれていった時代。当時の気風を反映したかのように生まれた豪華で壮大な美術たち。障屛画は、そのスケールの大きさを一番率直に感じられるジャンルといってもいいでしょう。



六曲一双のそれぞれ一面に大きく描かれた龍と虎。水墨画を得意とした曽我直庵による《龍虎図屛風》は、前期の展示の中で一・二を争うくらいに迫力のあった屛風絵です。幻想的でありながら威圧的でもあり、安土桃山時代らしい豪壮さに満ちています。

スピード感のある筆致により形取られた、画面を突き破らんばかりに広がる幹と枝は、植物にもかかわらず動的な生命力に満ちており、まるで龍のよう。大画様式を確立した永徳による《檜図屛風》は、荒々しく、見る者に圧倒的な存在感で迫ってきます。
■ピックアップ② 武具甲冑
戦いが続いた安土桃山時代では、合戦に勝ち抜くために武器や防具も大きく発展していきました。たとえば、主に民衆の間で普及していた実用的な刀装「打刀」を、趣向を凝らしながら武将たちも積極的に用いるように。また全身の防具を揃いの仕立てにする「当世具足」が登場したのもこの時期です。
武将たちは自らの装備品に、実用性を重視しながらもさまざまな装飾や工夫を施し、地位や風格を示していきました。展示ではそのような、当時の武将たちの生き様を感じられる作品が鑑賞できます。



源平合戦で特に有名な「一の谷の戦い」の舞台となった、一の谷の断崖を表したとされる頭立と、長さ90cmを越える、天に向かってそびえ立つように挿された大釘形の後立。《白糸威一の谷形兜》は、徳川家康から水戸徳川家に伝えられたとされる変わり兜です。
まるで角のような大釘は、敵を打ち貫くものとして武将たちに好まれたモチーフ。もともとは全体に銀箔が押されていたとされ、この威嚇的な造形とあいまって、身に着ける者の心をいかに奮い立たせたか、想像を掻き立てられます。


こちらの《黒漆打刀》は、徳川家を代々渡り歩いたとされる名刀中の名刀《本庄正宗》を納めるために作られた刀装。展覧会への出展は今回が初となるそう!
「打刀」は安土桃山時代に発展したものですが、この刀装の表現は室町時代から伝統的に作られてきたものということで、革新と伝統の交わりを確認できる、まさに歴史の過渡期を思わせる逸品です。
鞘のひやりとした黒漆と、三所物に飾られた菊や桐などの格調高い金色装飾が気品を感じさせました。
■ピックアップ③ 南蛮美術関係の作品
絵画、武具甲冑といった作品のジャンルではありませんが、南蛮美術の存在も安土桃山時代の美を語る上では不可欠なもの。
フランシスコ・ザビエルによるキリスト教の布教、ポルトガル船やスペイン船の往来によって盛んになった海外との文化・経済交流、そして鎖国体制の開始まで。西洋諸国との関係において、状況が激しく変化していったのがこの時期のことです。もちろん、美術の世界にも多大な影響がありました。
南蛮美術とは、そんな西洋との出会い、西洋への興味や憧れによって成立した美術作品を指します。



一際目を引いたのは《花鳥蒔絵螺鈿聖龕》。聖龕と書いて「せいがん」と読みます。聖龕はキリスト教の聖画を納めるもののことで、こちらは海外に輸出された南蛮美術の一つ。
屋根や枠など、正面から見える範囲にはびっしりと文様装飾が施されていますが、特に観音開きの扉を埋め尽くすように描かれた花鳥文様は、言葉をなくすほどの美しさがあります。中に入れられているテンペラ画と合わせて見どころの尽きない作品です。
ピックアップしたジャンル以外にも、《瓢花入 銘 顔回》や《黒楽茶碗 銘 禿》(いずれも前期展示)といった茶の湯の大成者・千利休ゆかりのやきもの。段や筋を重視するデザインから、徐々に絵画的なデザインへと流行が変化していく過渡期の意匠が見られる衣服《小袖 染分綸子地小手毬松楓模様》(全期展示)などなど。
見どころがありすぎて、瞬く間に時間が過ぎ去ってしまいました。


充実のミュージアムグッズ
帰路につく前に、ぜひミュージアムグッズのコーナーもチェックしてみてください。出展作品をモチーフにしたインテリア雑貨やTシャツ、日用品など幅広いアイテムが揃っていました。




特別展「桃山―天下人の100年」の開催は11月29日(日)まで。
新型コロナウィルス感染対策により、完全な事前予約・時間指定制となっていますのでご注意ください。
全国から名だたる逸品が集まった貴重な展覧会。芸術の秋に、ぜひ足を運んでみてくださいね。
開催概要 ※完全事前予約制・時間指定制
展覧会名 | 特別展「桃山―天下人の100年」 |
会期 | 2020年10月6日(火)~11月29日(日) ◇前期展示:10月6日(火)~11月1日(日) ◇後期展示:11月3日(火・祝)~11月29日(日) |
休館日 | 月曜日 (ただし11月23日[月・祝]は開館)、11月24日(火) |
開館時間 | 午前9時30分~午後6時 ※金曜、土曜日は午後9時まで開館 |
会場 | 東京国立博物館 平成館 |
入場料 | 一般 2,400円 大学生 1,400円 高校生 1,000円 ※すべて税込 |
主催 | 東京国立博物館、読売新聞社、文化庁 |
公式サイト | https://tsumugu.yomiuri.co.jp/momoyama2020/ |
<参考資料> 読売新聞社『特別展「桃山―天下人の100年」図録』
悪の権化、逆転女王・・・王家の「人物」を読み解く展覧会。【上野の森美術館】(~2021/1/11)「KING&QUEEN展」プレス内覧会レポート
上野の森美術館
2020年10月10日(土)~2021年1月11日(月・祝)まで、上野の森美術館で「KING & GUEEN展」が開催されています。公開前日にメディア向けの特別内覧会が開催されましたので、今回はその様子をお伝えいたします。
肖像でたどる、英国王家の物語。






日本と同様、国家として王室を戴き、その歴史を保ち続けている国イギリス。
ハプスブルク、オマノフ、オスマン・トルコ・・・第一次大戦を経て数々の王朝が瓦解する中、イギリス王朝は時代時代で名称や形態を変えながらも、その血脈を五百年以上も受け継いできました。
「KING&QUEEN展」は、今なお世界中から注目を集め続ける英国王室の歴史を肖像画でたどる展覧会。世界屈指の肖像専門美術館であるロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリーのコレクションにより、テューダー朝から現在のウィンザー朝までの貴重な肖像画・写真など約90点を展示します。
本展サポーターのデヴィ夫人も登場!
また、報道内覧会では本展のサポーターに就任したデヴィ夫人が登場。
以前は絵画において「天才」と呼ばれ、一時はその道を志すことも考えたというデヴィ夫人。絵画や王族のファッションへの確かな見識を示しながらも、ダイアナ妃と競馬の祭典で出会ったエピソードなど、まさにデヴィ夫人にしか話せないような「セレブな」話が数多く披露されました。
最後に「展覧会のここを見てほしい、というポイントは?」と問われると、
「英国の歴史、出来事の背景、その人物がどういう運命をたどったのか。日本の方にはほとんど知られていないことかもしれません。しかし、肖像画というのは本当に深い部分まで訴えているもの。ぜひ、キャプションをよく読みながら鑑賞して理解を深めてもらえればと思います」
と、サポーターとして本展の楽しみ方について語ってくださいました。
肖像画とは、物語だ。
英国は偉大なる劇作家シェイクスピアを生んだ国としても有名です。つまり、英国民は生まれながらに人物好き、歴史好き、そして物語好きと言えるかもしれません。
無心に色彩や構図を味わうのも絵画の楽しみ方のひとつですが、時代による画風やファッションセンスの変遷、画面の細部に込められた寓意、そして絵画の背景に込められた「物語」・・・。そうしたものを味わうことによって、より一層目の前の絵画が生き生きと輝きだす瞬間があるのかもしれません。
ここでは、展示された肖像画の中から編集部が三点をピックアップ。その背景に流れる「物語」をちょっとだけご紹介します!
《ヘンリー8世》 作者不詳(ハンス・ホルバイン[子]の原作に基づく) 17世紀か
愛か、信仰か。英国史上もっとも残酷な王。
ハンス・ホルバイン[子]が1536年に描いたものに基づくとされる、ヘンリー8世の肖像画。豪華な衣服や宝飾品で飾り立てられた伝統的な王族の表現により、まさに権勢の頂点にあるヘンリー8世の威厳を示しています。
彼の驚くべきは、生涯6人の妻と結婚し、その妻たちを離婚・追放、挙句の果てには処刑までおこなっているということ。さらには二番目の妻アン・ブーリンと結婚するために、離婚禁止のローマ教会を敵に回し、ついには英国国教会の設立にいたります。まさにこれが発端となり、世には宗教改革の嵐が吹き荒れることに・・・。
まさに、愛に狂い、愛のために歴史を変えた男と言えるかもしれません。
《レディ・ジェーン・グレイ》 作者不詳 1590-1600年頃
断頭台に散った、16歳の儚き人生。
中野京子「怖い絵」で取り上げられ、一躍有名になったポール・ドラローシュの《レディ・
ヘンリー8世の孫娘である彼女の治世はたった9日しか続かず、ローマ・カトリックを信仰するメアリーによって王位を奪われ、わずか16歳の身で断頭台にその若い命を散らすことになりました。
《ジョージ4世》 トーマス・ローレンス 1814年頃
なかなかのイケメン。でもあだ名は「クジラ王子」?
若い頃からハンサムで教養も深く、「イングランドいちのジェントルマン」とも呼ばれていたジョージ4世。精神疾患を患っていたジョージ3世の代理として国を治め、父親の死去によって即位。特に彼は芸術面における優れた支援活動で世に知られています。
「ジェントルマン」の名に恥じぬ容姿端麗な姿。この魅力的な造形はメダル用に作られたものですが、結局メダルは鋳造されることはありませんでした。なぜか。
それは、彼が見る影もなくぶくぶくと太ってしまったからです・・・。浪費や放蕩が絶えず、お世辞にも素行が良いとは言えなかったようで、ついたあだ名は「クジラ王子」。うーん、残念!
開催概要
展覧会名 | ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING&QUEEN展 ―名画で読み解く 英国王室物語― |
会 期 | 2020年10月10日(土)〜2021年1月11日(月・祝) 10:00~17:00 金曜日は10:00~20:00 <1月1日(金祝)は17:00まで> ※最終入館は閉館の30分前まで ※会期中無休 |
入場料 | 平日 一般¥1.800 高・大学生¥1,600 小・中学生¥1,000 土日祝 一般¥2,000 高・大学生¥1,800 小・中学生¥1,200 日時指定制を導入しています。 入場方法・チケット購入などこちらよりご確認ください。 |
会場 | 上野の森美術館 |
公式サイト | https://www.kingandqueen.jp/ |