【台東区立書道博物館企画展】漢字かんじのなりたちー古代文字こだいもじ世界せかい取材しゅざいレポート

台東区立書道博物館

現在、東京台東区の書道博物館しょどうはくぶつかんにて、漢字かんじのなりたちー古代文字こだいもじ世界展せかいてんが開かれています。(~9月23日〔月・祝]まで)
今回、書道博物館しょどうはくぶつかんにお邪魔じゃまして、お話をうかがってきましたので、展示会てんじかいの様子と共にお送りします。

漢字かんじなりてんとは?

令和元年の今年は、現存げんぞんする最古さいこ漢字かんじといわれる、「甲骨文字」こうこつもじが発見されてから、120年目に当たる年です。
本展覧会は、その最古の漢字「甲骨文字」こうこつもじや、書家しょかであり、洋画家ようがかである中村不折なかむらふせつのコレクションの中から、しん始皇帝しこうていにより定められた文字、青銅器せいどうきに記された文字、「三国志」さんごくし登場とうじょうする人物の書などを、お子様向けに分かりやすく解説かいせつしたものです。

展示てんじ内容ないよう

書道博物館の1Fの第一展示フロアには、大きく2つのコーナーがあります。
1つ目は、「漢字のご先祖ごせんぞさま」というコーナー。
このコーナーでは、中国の殷時代いんじだいの漢字のご先祖様がいろいろな動物で形作った漢字のはじまりとなったものから、わかりやすく漢字の歴史を学ぶことができます。
もう1つは、古代中国こだいちゅうごく世界せかいというコーナーがあります。

(左)ひつじ (甲骨文字第一期こうこつもじだいいっき/亀腹甲)きふくこう (右)とら (甲骨文字第一期こうこつもじだいいっき/ 牛肩甲骨)ぎゅうけんこうこつ
とり(甲骨文字第一期こうこつもじだいいっき)/亀腹甲)きふくこう
武氏祠石闕画像銘ぶししせっけつがぞうめい

2Fの展示てんじフロアには、漢字が発明はつめいされた伝説やでんせついろいろな占いうらな青銅器せいどうき春秋戦国時代しゅんじゅうせんごくじだいしんの時代に書かれた文字のコーナーがあります。

蒼頡書そうけつしょ 蒼頡そうけつ(古代) (~むかしばなし漢字はつめい伝説より~) 
タタリはないでしょうか?殷時代いんじだい・前13世紀 (~いろいろな占いコーナーより)

また、2Fには、中国しんの時代の文字を展示した特別展示室とくべつてんじしつ中村不折記念室なかむらふせつきねんしつも併設しています。中村不折記念室なかむらふせつきねんしつには、中国かんの時代の文字やリトル三国志さんごくしコーナーとして、現存する中で一番古い「三国志」さんごくし写本しゃほん三国時代さんごくじだいの文字が展示てんじされています。
(※写本しゃほんとは、手書きで書き写した文書のことです。)

この記念室には、もう1つ、中村不折なかむらふせつ親交しんこうのあった俳人はいじん正岡子規まさおかしきにまつわる展示もあります。

あの諸葛 亮 孔明しょかつりょうこうめい唯一ゆいいつの書といわれている 玄莫帖げんばくじょう 諸葛亮 しょかつりょう(181~234)筆/三国時代さんごくじだい(しょく)・3世紀
重要文化財じゅうようぶんかざい三国志さんごくし呉志ごし第二十残巻だいにじゅうざんかん 8/4までしか見られない貴重なきちょう展示品てんじひんです。
正岡子規像まさおかきしぞう中村不折なかむらふせつ筆/明治~昭和時代・20世紀

それぞれのコーナーで漢字かんじ歴史れきしたのしくまなぶことができます。

■見どころについてお聞きしました。

展示会の見どころについて、書道博物館主任研究員しょどうはくぶつかんしゅにんけんきゅういん中村信宏なかむらのぶひろさんにお話をうかがいました。

お子さんにどういうところを楽しんでもらいたいですか?

漢字の成り立ちを示すなま資料しりょうを見ていただきたいですね。
3500年もいきながらえた生命力せいめいりょくのありそうな資料しりょうの中の漢字の線を、写真なんかじゃなく、実際じっさいに目でみることに大きな価値かちがあると思います。

その中でも一番に見ていただきたいのは、動物の文字です。
かたどったのは、「その姿なのか?」、「顔なのか?」「どうやって、かたどったのか?」それだけで文字のとらえ方が全然違ってきます!

また、こんな小さな小さな博物館はくぶつかんで、漢字の成り立ちの歴史れきし一望いちぼうできるというのは、非常ひじょうに強みですね。
お子さんを連れて来られるご両親りょうしんも楽しめる展示となっていますので、夏休みに親子でいらしてください。

中村さんが一番お気に入りの展示物はなんですか?

史頌?ししょうきですね。こんなにきれいな状態で、文字が見られる青銅器せいどうきは珍しいです。
この青銅器せいどうきは今回のみの展示なので、貴重きちょう機会きかいです。

■さいごに

「小学生の方の目線で展示物を紹介したので、展示物の説明にそうルビをる作業は、大変でした。」と楽しそうに話す、書道博物館主任研究員しょどうはくぶつかんしゅにんけんきゅういんの中村さん。
その面白おもしろくて、ためになる説明は、漢字をもっとみじかに、楽しくお子さんに伝えたいというおもいであふれていました。
そのような中村さんのお話を聞きに、ご家族かぞくで書道博物館に来てみませんか?

展示物に書かれている、こんな楽しい文章も魅力みりょくです。 ~むかしばなし漢字かんじはつめい伝説のコーナーより~

 

会期 開催中(~9月23日(月曜日・祝日)まで)
開館時間 午前9時30分~午後4時30分(入館は閉館の30分前まで)
休館日 月曜日(月曜が祝日・休日の場合は翌平日)
ただし、8月12日(月・祝休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館。
8月13日(火)、9月17日(火)は休館。
入館料

一般・大学生:500円(300円)、高・中・小学生:250円(150円)※( )内は20名以上の団体料金。

※毎週土曜日は台東区在住・在学の小、中学生とその引率者の観覧料が無料です。
※障害者手帳または特定疾患医療受給者証をお持ちの方、及びその介護者は無料です。

公式HP http://www.taitocity.net/zaidan/shodou/

 

※8月4日(日)には、キッズセミナー「かんじのひみつ」というガイドツアーとワークショップも予定しています。

■キッズセミナー「かんじのひみつ」
お子さまのためのガイドツアーとワークショップ

(事前申込制)

日時 2019年8月4日(日)
11:00~
定員 会場が手狭なため、事前申込制で各回20名程度となります。
応募人数により、開始時間を調整させて頂く場合があります。ご了承下さい。
申込方法 往復はがきの「往信用裏面」に、郵便番号・住所・氏名(ふりがな)・電話番号・年齢・希望日時を、「返信用表面」に郵便番号・住所・氏名を明記して下記までお申込下さい。1通のはがきで1名・1回の申込となります。聴講無料。ただし当日の観覧料が必要です。
申込先 〒110-0003 台東区根岸2-10-4
台東区立書道博物館 キッズセミナー係
締切 2019年7月26日(金)必着

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