
「概要」毎月8日間浅草木馬亭で、座長大上こうじを中心に毎月違った内容の爆笑喜劇とコント・漫談・歌・舞踊等の演芸バラエティーショーの二本立てをお送りします。お子様からご年配の方迄、ご家族そろって楽しめる一時です。皆様のご来場、心よりお待ち致しております。
「公式ウェブサイト」https://www.asakusa21.com
「マップ」
「イベント」00001c00000000000002000000541078

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「概要」毎月8日間浅草木馬亭で、座長大上こうじを中心に毎月違った内容の爆笑喜劇とコント・漫談・歌・舞踊等の演芸バラエティーショーの二本立てをお送りします。お子様からご年配の方迄、ご家族そろって楽しめる一時です。皆様のご来場、心よりお待ち致しております。
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「概要」人気の「ローラーコースター」を始め様々なアトラクションと昔懐かしい縁日が楽しめる「マルハナ縁日」、飲食店舗が所狭しと立ち並び、4歳以下のお子様とご来園の大人の方にはお得な情報も!隣接する多目的ホール「浅草花劇場」ではコンサート、格闘技など様々な公演を行っています。詳しくはHPをご覧ください。
「営業時間」10時00分~18時00分(季節、天候により異なります。)
メンテナンス休園あり
※公式サイトをご確認ください。
「入場・入園料」【入園料】
大人(中学生以上~64歳) 1,600円
小人(5歳~小学生)・65歳以上の方 800円
※幼児(0~4歳)は入園無料
※障がい者手帳をお持ちの方は入園無料(入園時ご提示ください)
※15名様以上のグループには団体割引あり(要予約)。
【のりもの券(入園料別途)】
・フリーパス
大人(中学生以上~64歳) 3,000円
小人(5歳~小学生) 2,600円
シニア(65歳以上) 2,600円
※4歳以下のお子様は乗り物無料(一部を除く)
・のりもの券(1枚) 100円
・のりもの券(11枚綴り) 1,000円
「公式ウェブサイト」https://www.hanayashiki.net
「交通アクセス」つくばエクスプレス「浅草駅」から徒歩3分
東京メトロ銀座線・都営浅草線・東武スカイツリーライン「浅草駅」から徒歩5分
「マップ」
「イベント」00001c000000000000020000005410a6

「概要」上野広小路交差点角に建つ演芸場。毎月前半15日間は落語芸術協会の定席。その他円楽一門、立川流等流派を超えた競演「しのばず寄席」も見どころです。講談、浪曲、義太夫、様々なジャンルの伝統芸能を楽しめるお江戸上野広小路亭へ是非足をお運び下さい。
「営業時間」10時00分~20時00分
「公式ウェブサイト」http://ntgp.co.jp/engei/
「交通アクセス」東京メトロ銀座線「上野広小路駅」A4出口より徒歩1分
都営大江戸線「上野御徒町駅」 A4出口より徒歩1分
JR「御徒町駅」 徒歩3分
「備考」駐車場はございませんので、近隣の駐車場をご利用ください。
「マップ」
「イベント」00001c00000000000002000000541068

「概要」木馬館は昆虫を展示する昆虫館として明治40年に現在の地に建てられました。大正時代に回転木馬が設置され木馬館となり、江戸川乱歩の短編小説「木馬は廻る」の舞台になっています。
昭和45年から1階を木馬亭として浪曲定席の営業を始めました。
「営業時間」公演により異なります。
「入場・入園料」・浪曲
定席 2,500円(25歳以下は半額)
1月のみ 3,000円(25歳以下は半額)
・爆笑喜劇お笑い浅草21世紀
当日 3,000円
前売 2,500円
「公式ウェブサイト」http://mokubatei.art.coocan.jp/index.html
「交通アクセス」東京メトロ銀座線「浅草駅」から徒歩7分
つくばエクスプレス「浅草駅」から徒歩3分
東武スカイツリーライン「浅草駅」から徒歩7分
「マップ」

「概要」漫才・漫談・コント・マジック・紙切り・曲芸・ものまね・歌謡・腹話術など、落語以外の演目を中心とした寄席を毎日開催!!様々な演芸を楽しみたい!という方にオススメです。テレビなどでお馴染みの豪華出演者も続々登場!!
「営業時間」昼席:12時30分~17時00分
「入場・入園料」昼席
大人 3,000円(3,500円)
学生(中学~大学生) 2,500円(3,000円)
小人(4才~小学生) 1,500円(2,000円)
※( )内は特別興行料金。
「公式ウェブサイト」https://www.asakusatoyokan.com
「交通アクセス」つくばエクスプレス「浅草駅」から徒歩すぐ
東京メトロ銀座線「田原町駅」から徒歩6分
「マップ」
「イベント」00001c00000000000002000000541062



「概要」当寄席は、都内に4軒しかない「落語定席」の1つで、落語を始め漫才・漫談・マジック・曲芸・紙切り・音曲などバラエティに富んだプログラムで、お客様にお楽しみいただいております。
「営業時間」昼の部 11時40分~16時30分
夜の部 16時40分~20時45分
※正月、お盆及び特別興行の場合は時間が変わります。
※定休日なし。
「入場・入園料」大人 3,500円(4,000円)
学生(中学~大学生) 2,500円(3,500円)
小人(4才~小学生) 1,500円(2,500円)
※( )内は正月、真打披露、お盆及び特別興行の場合の料金。
「公式ウェブサイト」https://www.asakusaengei.com
「交通アクセス」つくばエクスプレス「浅草駅」から徒歩すぐ
東京メトロ銀座線「田原町駅」から徒歩6分
「備考」駐車場はございませんので、近隣の駐車場をご利用ください。
「マップ」
「イベント」00001c00000000000002000000541076

東京・上野にある東京国立博物館(東博)が今年で創立150周年を迎えたのを記念して、2022年10月18日~12月11日、同館が所蔵する国宝89件をすべて公開する東京国立博物館開館150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」が開催されます。
5月20日に報道発表会が行われ、東京国立博物館 列品管理課登録室長の佐藤寛介さんが特別展の見どころを解説してくれましたので、詳しくご紹介します!
◆特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」の見どころ
1.史上初!所蔵する国宝89件をすべて公開!
2.国宝刀剣19件が集結!「国宝刀剣の間」出現!
3.明治から令和まで、東博150年の歩みを追体験!

明治5年(1872年)の発足以来、日本で一番長い歴史をもつ博物館として、日本の文化を未来や世界へ伝えていく役割を果たしてきた東京国立博物館。特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」は、そんな東博の全貌を紹介するべく、約12万件という膨大な所蔵品の中から国宝89件すべてを含む名品と、明治から令和にいたる150年の歩みを物語る関連資料を展示するものです。
「第1部 東京国立博物館の国宝」、「第2部 東京国立博物館の150年の歩み」の2部構成となっている本展。
「第1部 東京国立博物館の国宝」はその名前のとおり、日本最大の国宝コレクションを誇っている東博が史上初、89件の国宝を一つの展覧会で一挙公開(※)するというもの。メモリアルイヤーにふさわしい気合の入りぶりです!
(※)会期中、一部作品は展示替えが行われます。1度訪れるだけでは全件を鑑賞できないのでご注意ください。



国宝一覧は公式サイトでも確認できます⇒https://tohaku150th.jp/
ちなみに、89件は現在国宝に指定されている美術工芸品902件のうちの約1割に当たる数。本展に足を運ぶだけで国宝の10分の1と出会えてしまうなんてすごすぎます……!
佐藤さんたち東博の研究員の方々も、国宝89件すべてを勢ぞろいさせた光景は今まで見たことがないそう。その理由について次のように話します。
「私たちは通常、文化財の保存と公開の両立を図るために展示期間を制限して、1年~数年間のサイクルで、分野ごとに数点ずつ計画的に公開しています。一度にまとめて公開するためには、数年前から数年後までを見越して展示計画を調整する必要がありました。これが一番大変なことでしたが、各分野の研究員の理解と協力を得まして実現できることになりました。
本当に奇跡的な、創立150年だからできたこと。もしかしたら次は創立200年、50年後になるかもしれません」
ふむふむ……。つまり本展は東博の歴史を動かす一大イベントというわけですね。佐藤さんの言うとおり、一生に一度のチャンスとなるかもしれません。今から期待が高まります!

国宝89件の内訳は、絵画21件、書跡14件、東洋絵画4件、東洋書跡10件、法隆寺献納宝物11件、考古6件、漆工4件、刀剣19件。
佐藤さんは「それぞれの作品に最適な展示デザインや照明を追求し、理想的な展示空間と最高の環境体験を提供したいと考えています」と開催への意気込みを語りました。




各分野の国宝の紹介の中で、特に目を引いたのは21件と一番数の多い絵画の分野です。

《孔雀明王像》のような平安仏画から、雪舟等楊《秋冬山水図》のような室町水墨画もあれば、狩野永徳《檜図屛風》のような桃山絵画、渡辺崋山《鷹見泉石像》のような江戸肖像画まで……。誰しも見覚えがあるだろう、まさに日本美術の教科書のような豪華なラインナップになっています。
その中でも佐藤さんが注目してほしいというのが《平治物語絵巻 六波羅行幸巻》。

「鎌倉時代に描かれた現存する最古の合戦絵巻で、武士たちが身につけた甲冑や刀剣のリアルな描写が見どころです。本展では展示期間が2週間と限られていますが、そのぶん全長9m50cmにおよぶすべての場面を広げてご覧いただくようにします」とのこと。
普段の展示ではスペースの都合で一部しか見られない作品も、メモリアルイヤーだからこその大サービスで展示してくれるようですね。


東博所蔵の国宝の刀剣は19件と絵画に次いで数が多く、一つの博物館の所蔵数としては日本最多とのこと。今回はその19件を「国宝刀剣の間」と名付けた展示室に集め、全期間(うれしい!)を通じて展示するそうです。
「ちなみに、国宝刀剣19件のうち、刀剣をテーマにした某ゲームで男性キャラクターになっています6振の国宝刀剣も勢ぞろいして、ファンの皆様をお待ちしています」と佐藤さん。
某ゲームとはもちろん人気ゲーム『刀剣乱舞』のことですね。三日月宗近、大包平、厚藤四郎、亀甲貞宗、大般若長光、小龍景光……ファンの方々垂涎の空間になりそうです。

佐藤さんは刀剣や甲冑を中心とする武器・武具を専門に研究されているということで、刀剣については特に熱を込めて魅力を語ってくれました。
「《太刀 銘 三条(名物 三日月宗近)》と《太刀 銘 安綱(名物 童子切安綱)》、この2つは日本刀成立初期の名刀として有名なのですが、実は刀身の刃の部分の寸法がまったく同じなんです」

「刃の長さが80cm、反りが2.7cmあります。しかしながら刀身のシルエットはずいぶん違うことにお気づきになられたでしょうか。
三日月宗近は刀身が細身で手元の部分が強く沿って先が細くなっています。全体的に優美な印象を与えるわけですね。一方で童子切安綱は刀身が全体的にカーブを描いていて、がっしりとした力強さがある。これは京の都を拠点とした宗近に対し、伯耆の国(現在の鳥取県)を拠点とした安綱という作者の居住地の地域文化が刀の姿に反映されているのではないかと思います」
なかなか写真や言葉では伝えきれない違いも、「国宝刀剣の間」で実物を見比べることで感覚的に理解できるといいます。
「この19件の展示にあたり、刀剣の見どころである刃紋や地金をより美しくご覧いただくためにケースの形状や照明にもこだわっています。時代や地域のによる違いを見比べたり、一振りずつじっくり鑑賞したり、それぞれの刀剣がもつ物語に思いを馳せたり。この国宝刀剣の間で日本刀の魅力にどっぷり没入していただければ」
「第2部 東京国立博物館の150年」では、日本の博物館の歴史ともいえる東博の150年を、三つの時代に分けて各時代の収蔵品や関連資料を紹介。明治〜令和までの歩みを「追体験」できるような展示構成になる予定とのこと。

東博は明治5年(1872年)に旧湯島聖堂大成殿で開催された博覧会をきっかけに誕生した「文部省博物館」をルーツとし、10年後の明治15年(1882年)に上野に拠点を移して活動を本格化させたという歴史があります。
「第1章 博物館の誕生」では、初期の東博のコレクションとともに、東博の始まりである湯島聖堂博覧会で展示された実際の作品の一部を紹介。博覧会で最も人気を集めた名古屋城の金のシャチホコの実物大のレプリカも展示して、当時の雰囲気を再現するそうです。

明治19年(1886年)に博物館は旧宮内省の所管になり、3年後に「帝国博物館」、さらに11年後に「東京帝室博物館」と名前を変えます。
もともと博物館に植物園、動物園、図書館などの機能を備えた総合博物館を目指していた同館ですが、次第に国家の文化的象徴、皇室の美の伝統と位置付けられ、歴史・美術の博物館としての性格を強めていったそうです。
「第2章 皇室と博物館」では、皇室とのゆかりを物語る作品や、「帝国博物館」「帝室博物館」時代の東博コレクションを紹介します。特にユニークなのが、「帝室博物館」時代に天産(自然史)資料として展示されていたキリンの剥製標本。

このキリンは、明治40年(1907年)に日本に生きたままやって来た初めてのキリンで、上野動物園の人気者だったとか。大正12年(1923年)の関東大震災のあとお隣にある国立科学博物館の所蔵品になりました。本展で約100年ぶりに同館に里帰りする形です。

約100年前の展示ケースなども活用し、当時のレトロな展示空間を再現するということで、作品以外にも注目すべき点がたくさんありそうですね。
「第3章 新たな博物館へ」では、終戦後、国民のための開かれた博物館として新たな一歩を踏み出た東博が、時代の変化や社会の要請に応じて取り組んできたさまざまな博物館活動を代表的な戦後のコレクションとともに紹介。


展示の最後には「令和の東博コレクション」として、昨年あらたに東博の所蔵品となった《金剛力士立像》が初公開されます。数少ない平安時代末期、12世紀の金剛力士立像で、かつて滋賀県の寺院に安置されていたもの。2体とも高さは2m80cm近くあり、東博の所蔵する仏像の中では最大のものだとか。たくましい肉体と怒りの表情が見どころです。
最後に、佐藤さんは次のようにメッセージを寄せました。
「このように本展は、89件の国宝と150年の歴史を通して東博のすべてを紹介する、創立150周年だからこそ実現したメモリアルイヤーにふさわしい展覧会です。東博の国宝と歴史をまとめて見ることができるので、東博が初めての方にはデビューするのにもってこいですし、これまで何度もお越しいただいているリピーター方にとっても新発見や再発見がきっとあると思います。
展覧会の具体的な準備はこれからが本番。より充実した内容になるよう、そして展覧会ポスターのように祝祭間の溢れた展覧会になるよう努めてまいります。どうぞご期待ください!」

国宝89件だけでなく、重要文化財24件を含む計150件と、150周年にちなんだ盛りだくさんの内容で来場者を迎える特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」は2022年10月18日から開幕予定。楽しみに待ちましょう!
| 会期 | 2022年10月18日(火)~12月11日(日) |
| 会場 | 東京国立博物館 平成館2階 特別展示室 |
| 主催 | 東京国立博物館、毎日新聞社、NHK、NHKプロモーション、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁 |
| お問い合わせ | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
| 公式サイト | https://tohaku150th.jp/ |
| 注意事項 | ※会期中、一部作品の展示替えが行われます。 ※開館時間、休館日、入館方法、観覧料金、その他最新情報は公式サイトでご確認ください。 ※展示作品、会期、展示期間等については今後の諸事情により変更となる場合があります。 |
※記事の内容は取材日(2022/5/20)時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
記事提供:ココシル上野

東京藝術大学 上野キャンパスにあるギャラリーショップ「藝大アートプラザ」では、50名を超える藝大関連アーティストによる企画展「Art Jungle〜藝大動物園〜」が開催されています。入場無料、会期は2022年4月23日(土)~6月26日(日)まで。
愛らしかったりちょっと不気味だったりと、さまざまな魅力をもった生き物たちに出会える本展。実際に鑑賞してきましたので、出展作品の一部をご紹介しますね。




JR上野駅から徒歩10分ほどの場所にある藝大アートプラザ。ここでは、東京藝術大学の学生、卒業生、教員など、藝大に関わるアーティストたちによるさまざまなジャンルの作品を展示・販売しています。

家に飾りやすいサイズ感の絵画や立体作品が多く、価格帯は数万~数十万が中心ですが、なかには日常使いできる数千円のアクセサリーやうつわなども。誰でも気軽に「アートを買う」という体験ができるスポットです。

4月23日から始まった企画展「Art Jungle〜藝大動物園〜」は、「藝大アートプラザをアートのジャングルに!」を合言葉に、57名のアーティストが日本画、油画、彫刻、工芸などで思い思いに創造した動植物を展示。上野動物園のすぐそばで、「アートでできたもうひとつの動物園=藝大動物園」を出現させています。
本展ではたくさんのかわいい生き物たちと出会えます。

あらあらあら……! と愛らしさに思わずにっこりしてしまった東條 明子さんの《春を待つ》という作品。筆者のイチオシです。
遠目には布か粘土かと予想していましたが木彫りで驚きました。毛並みのふわふわ感が彫り跡で見事に表現されていますね。木彫りならではの温もりを感じます。下腹部のたゆんとしたフォルムからちょこっとのぞく爪先がたまりません。

360度どの角度から見てもかわいいのですが、実は左手に毛布と人形(?)を持っているのに気づいて最高にハッピーな気分に。あまりにキュートすぎる……。
そっと吹く春の風のように身体を包み込んでいる。孤独はいつもそこにあるもの。待ち続ける子供は凛として愛おしい。(東條 明子)
本展の作品には上記のようなアーティストコメントがついているものが多く、制作意図や作品に込めた想いを知ることができます。このペンギンちゃんは親を待っているのでしょうか? 意図したものなのか、会場でこの子がわりとポツンとしたところに展示されていたこともあり、思わずギュッと抱きしめてあげたくなりました。

小林 佐和子さんの《はねうさぎ》のように、架空の生き物も多く登場しています。キリッと上を向いた眉毛、ツンとした口元が小生意気な感じでこちらも本当にかわいい。足元にいくにつれてほっそりしていく体型バランスが、胸毛のモフモフ感を強調していていいですね。
「はねうさぎ」と「はねひつじ」は一緒に暮らしたいと思う架空動物です。哺乳類ですが羽毛を纏い、飛べませんが跳躍します。胸に赤いハートの羽毛を蓄え、人に懐き甘い匂いがします。体温は人より高く寒い日に重宝します。冬は羽毛を広げて温まるので丸く、夏はスリムになります(小林佐和子)
アーティストの愛がたっぷり感じられるコメントを読むと、途端にリアリティーが増して思わずだっこしてみたくなりました。この子が実在したら家族に迎える人が大勢いそう。


内田 亘さんの《眠る鳥》と《食うぞ》はゆるっとしたフォルムと脱力した表情が魅力的。眺めているこちらもホッと肩の力が抜けていく、ぜひ枕元に飾りたい動物たちです。筆者は特に《眠る鳥》の形の“サツマイモ感”が気に入りました。

杉山 佳さんはツキノワグマやフクロウの特徴をクレヨンで大胆に抜き出して、シンプルにデフォルメしています。塗り部分には岩絵具が使われているそう。かなり厚塗りしているのか、ふっくらと存在感のあるザラザラマットな質感がシンプルなデザインに個性をつけています。洋室にも和室にもマッチしそうなすてきな作風でした。

森 聖華さんの《ダラダラ自然釉フグ貯金箱》はこの見た目で貯金箱という意外性がグッド。ぷっくりつやつやしたお腹に癒されます。自然釉ならではの不規則な模様が味わい深く、ふとした瞬間に手に取って眺めたくなる風情がありました。

松田 剣さんの《シリグロカエル》は手のひらサイズの作品で、だ円形の平べったい体からちんまりと伸びる足と、獲物を観察しているのかただほんやりしているだけなのか、なんともいえない瞳がかわいいです。よく見ると背中の模様が細かい! 光沢を感じるグレーの色使いが両生類っぽさを演出していますね。ぬるりぬるりと移動しそう。

本展でひときわ異彩を放っていたのは、ねがみ くみこさんの作品。特に《スーパーカー》はインパクトがすごかったです。動物園のかわいい動物たちにキャッキャしていたところに突然変質者が現れました。「ど、どういうこと!?」と困惑しながらアーティストコメントを読むと、
おまるごと移動ができたら無敵なのではというコンセプトの元に制作をしました。 一生のうちでトイレで過ごす時間は3年という話もあります。人生の大問題がこれで解決。おまるの定番はアヒルさんですが、ちょっとだらしのない顔をしたバクのおまるに私は乗りたい。(ねがみ くみこ)
とのことでした。なるほど……(なるほど?)
おまるでスッキリしている人間の上半身も脱がせていることで、より一層の開放感を感じさせてくれます。
おまるのバクはだらしないというかキマッてる感じですね。人間のほうも形こそ微笑んでいるようですが、ちょっと喜怒哀楽、どの感情なのかわからない謎めいた表情を浮かべていて……。ねがみさんのその他の作品と合わせて鑑賞すると、見る人によっていかようにも受け取れる、絶妙な表情づくりが上手な方なのだなとわかりました。


《革張り風ワンコ》は今にもしゃべりだしそうなくらい生き生きとしています。間抜けな表情にも見えますが、油断するとパクリといかれそうな信用ならなさも感じました。
壁に展示してあった《クーズーぶらん》と《シカぶらん》は、お金持ちの家にありがち(?)なシカの頭部の剥製を、前足を出す形にアレンジして作ったのかしらと想像していました。しかし、アーティストコメントを読むと、どうやら元から2本足の動物のよう。知ると途端に未知との遭遇感、不気味さを笑顔のなかに見出してしまいます。センスの塊だ……。すっかりねがみさんのファンになってしまいました。

パステル調の淡い色で描かれた須澤 芽生さんの《Brilliance》と《Glimmer》は本展でひときわ美麗で華やか。
江戸時代の絵師・円山応挙の孔雀図の制作技法を研究したきたという須澤 芽生さん。自然界の装飾美を極めたような孔雀の美しさを、日本画の伝統的な素材を使用してなんとか表現しようとした応挙の姿勢を追体験しながら、自由に孔雀や鳥の優美な姿を表現したそう。非現実的な色彩が孔雀のもつ幻想性をさらに高めています。

一般的な日本画は格調高いというか、親しみづらさを感じることが多いのですが、こちらはふんわりと見る者を慰めるような温もりがあり、日本画のイメージを覆された作品。自分の羽毛にくちばしを埋める姿が愛らしく、インコへの愛情に満ちた眼差しを感じます。

岩崎 広大さんの、昆虫の身体に昆虫のいた土地の風景写真をプリントするという斬新でおしゃれな作品も目を引きます。昆虫標本にもプリントできるという事実にまず驚き!
個体はインドネシアで採られたものだとか。風景がうっすらとぼやけているのが、この蝶が見ている風景を羽根ごしに見ているような感覚になる効果を生んでいます。旅先でこんなにすてきな作品を見かけたら反射的に買ってしまいそう。時間を忘れて見入りました。
ご紹介したのはほんの一部。会場では、他にも魅力的な生き物たちがまだまだたくさんいます! 撮影可能、入場無料ですので、上野動物園を訪れた際は、ぜひ藝大アートプラザのもう一つの動物園にも足を運んでみてはいかがでしょうか。
| 会期 | 2022年4月23日(土)~ 2022年6月26日(日) |
| 会場 | 藝大アートプラザ 東京都台東区上野公園12ー8 東京藝術大学美術学部構内 |
| 開館時間 | 11:00-18:00 |
| 休館日 | 月曜日(祝日は営業、翌火曜休業) |
| 観覧料 | 無料 |
| URL | 公式Webサイト:https://artplaza.geidai.ac.jp 公式Twitter:https://twitter.com/artplaza_geidai |
| お問い合わせ | https://form.id.shogakukan.co.jp/forms/artplaza-geidai |
| 注意事項 | ※新型コロナウイルスの状況により、営業日時が変更になる場合がございます。最新情報は公式Webサイト・SNSをご確認ください。 |
※記事の内容は2022/5/15時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
記事提供:ココシル上野

令和4年(2022)、沖縄県は復帰50年を迎える。
かつて沖縄が琉球王国であったころ、アジアの海を舞台に諸国との貿易や外交を繰り広げ、世界の架け橋となることを目指していた。
有名な「万国津梁」という言葉にはそうした琉球の崇高な理想が込められている。
琉球王国がその後歩んだ道のりは平坦なものではなかったが、その土壌で育まれた独自の文化の煌めきは、今なお私たちの心を捉えて離さない。
琉球文化の形成や継承の意義、その美意識に着目する特別展「琉球」が東京国立博物館で幕を開けた。
※(2022/5/19)作品の展示期間について画像下部に追記。

会場構成は「万国津梁(ばんこくしんりょう) アジアの架け橋」「王権の誇り 外交と文化」「琉球列島の先史文化」「しまの人びとと祈り」「未来へ」の全5章。会場は第一会場・第二会場に分かれており、それぞれでひとつの展覧会を構成できるほどのボリュームだ。
本展では王国時代の歴史資料・工芸作品、国王尚家に伝わる宝物に加え、考古遺物や民族作品などさまざまな文化財が一堂に会する。また、展覧会の終盤では平成27年より取り組まれてきた琉球王国文化遺産集積・再興事業を紹介し、事業によって復元された文化財を展示する。
過去から未来へと、貴重な琉球文化を次の世代へと手渡していきたいという主催者側の思いが感じられる。




第一会場に鎮座する《銅鐘 旧首里城正殿鐘》(万国津梁の鐘)は琉球王国が世界の架け橋ならんとした気概を示した「万国津梁」の言葉が刻まれた梵鐘だ。
15~16世紀、琉球王国は自らアジアの海に雄飛し、各地を結ぶ中継貿易の拠点となって大いに繁栄した。その存在は16世紀にアジアに進出したヨーロッパの国々にも重視され、「琉球」の名は世界に知られるようになる。
現代のグローバリゼーションにも通じる思想だが、人間そのもののスケール、野心の大きさは現代の日本人とは隔絶しているといってもいいだろう。
第一会場ではこうした琉球王国の歩みを辿る貴重な歴史資料の数々が展示されている。



会場には名匠・名工の手がけた琉球漆芸、茶器、絵画といった琉球文化の至宝が集う。国宝60件、重要文化財17件、県市指定重要文化財24件と約3分の1が指定文化財であり、琉球・沖縄をテーマにした展覧会では質・量ともに最大規模といえるだろう。
中でも《青貝螺鈿鞘腰刀拵》を含む尚家に伝わる三宝刀の公開は注目を集めている。刀身や装飾の美しさはもちろんだが、大ヒットオンラインゲーム『刀剣乱舞』において三宝刀が取り上げられたこともあり、特に若い世代への訴求力が高まっている。展覧会グッズコーナーでは『刀剣乱舞-ONLINE-』とのコラボ商品も販売されているので、興味のある方はぜひ立ち寄ってみてほしい。



会場を見回すと、琉球国王の正装をはじめ、中国産の更紗地を用いた衣装や琉球で織られた浮織物など、素材や技法も多種多様な琉球染織が目を引く。ここまで琉球染織が幅広く展示された展覧会は筆者の記憶する限りはなく、非常に貴重な機会だといえるだろう。
《緋色地波濤桜樹文様紅型木綿衣裳》は背中全体に大きく波濤が上がる風景画のようなデザインが特徴的。日本の遠山桜文様と中国の波濤山水文を合わせた意匠の妙は、国際色豊かな琉球文化の特徴を色濃く映し出している。


沖縄と聞いて多くの人が連想するのが「ノロ」に代表されるような祭祀のイメージではないだろうか。女性が祭祀を司るという特徴は姉妹が兄弟を霊的に守護するという「おなり神信仰」に通じるもので、琉球ではこうした美意識と宗教観を豊かな自然の中で育んできた。
展覧会終盤ではこうした琉球文化の「信仰」という側面に焦点を当て、私たちの胸中に沖縄の人々の祈りの姿を喚起する。そう、今も昔も沖縄は祈りの島なのだ。

朱漆塗が鮮やかな模造復元《朱漆巴紋沈金御供飯》は琉球の王家・王族家の祭祀道具として王府内で使用されていたものを復元した作品。木工、沈金などの漆工技術が結集された琉球漆工史上でも重要な祭器で、琉球王国文化を考えるうえでも貴重な作品とされている。

| 会期 | 2022年5月3日(火・祝)~6月26日(日) |
| 会場 | 東京国立博物館 平成館(上野公園) |
| 開館時間 | 9時30分~17時00分(入館は閉館の30分前まで) |
| 休館日 | 月曜日 |
| 観覧料 | 一般 2,100円 大学生 1,300円 高校生 900円 (注)本展は事前予約不要です。オンラインもしくはご来館時に東京国立博物館正門チケット売り場でチケットをご購入ください。 (注)混雑時は入場をお待ちいただく可能性があります。 (注)中学生以下、障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に学生証、障がい者手帳等をご提示ください。 (注)本展観覧券で、ご観覧当日に限り総合文化展もご覧いただけます。ただし、総合文化展の混雑状況によっては、入場をお待ちいただく場合があります。 (注)会期中、一部作品の展示替えを行います。 (注)詳細は、展覧会公式サイトチケット情報のページでご確認ください |
| 展覧会公式サイト | https://tsumugu.yomiuri.co.jp/ryukyu2022/ |

ルネサンス期から19世紀後半にかけての西洋絵画史を彩る巨匠たちの作品を紹介する「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」が、東京都美術館で4月22日(金)から開催されています。会期は7月3日(日)まで。
開幕に先立って行われた報道内覧会に参加しましたので、会場の様子や展示作品についてレポートします。




スコットランドのエディンバラで1859年に開館したスコットランド国立美術館。ラファエロ、エル・グレコ、ルーベンス、ベラスケス、レンブラント、ブーシェ、コロー、ルノワールなど、西洋絵画史において重要な画家の作品を多くコレクションにもつ、世界屈指の美術館として知られています。
「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」では、そんな巨匠たち(THE GREATS)の作品を時代順に紹介。
さらに、同館のコレクションを特徴づけている、ゲインズバラ、レノルズ、ミレイといったイングランド出身の画家や、日本ではなかなか見ることのできないレイバーン、ラムジー、グラント、ウィルキーなどスコットランド出身の卓越した画家たちの魅力あふれる名品も多数出品しています。
約90点の油彩画・水彩画・素描を通じて、ルネサンス期から19世紀後半にかけての西洋絵画の流れのなかで、英国絵画の流行や変遷の歴史も知ることができる展覧会です。

本展は、「ルネサンス」「バロック」「グランド・ツアーの時代」「19世紀の開拓者たち」と時代ごとに分けられた4章と、プロローグ+エピローグという展示構成になっています。
まずプロローグでは、スコットランド国立美術館について紹介。

作品を貸し出している美術館を写真やムービーで紹介する展覧会は数多いですが、本展のプロローグでは、同館のコレクションが現在も展示されている館内の様子や、その新古典主義様式の素晴らしい建築、美術館を取り巻くエディンバラの印象的な街並みを絵画で見ていけるのが面白いです。

「神殿かな?」と思ったらこれが美術館とは……。奥に見えるエディンバラ城とあわせてまるでファンタジーの世界のような非日常感に満ちた、精緻でロマンティックな水彩画。普段は「ふーん」で流してしまう美術館情報がばっちり記憶に焼き付きました。
次に「チャプター1. ルネサンス」の展示エリアへ。フィレンツェ、ヴェネツィア、ローマを中心に花開いたルネサンス時代の、創造性に富んだ絵画や素描を展示しています。

レオナルド・ダ・ヴィンチの師であるヴェロッキオは《幼児キリストを礼拝する聖母(「ラスキンの聖母」)》で廃墟の神殿を描いていますが、それはこの時代の聖母子像の背景としては異例のこと。「古代世界の再発見と分析」というルネサンスの特徴を宗教画のなかで示した重要な作例といえるそう。

一方で、肌を見せる高級娼婦という官能的な主題を神話的、寓意的な暗喩によって上質なものにしたボルドーネの《化粧をするヴェネツィア女性たち》のように、それまでなかった世俗的な作品も描かれるようになったことを取り上げて、この時代の芸術家の活動機会の広がりや、依頼主の興味や嗜好の多様性を紹介しています。


ラファエロやティツィアーノの美しい素描や、コレッジョによるとされる、ある意味で完成品より貴重な(?)見事に中心部だけ抜けた未完成作品《美徳の寓意(未完)》の展示も。画面右側にいる女性のCGのような立体感を見るにつけ、「ここで止めるなんてなんともったいない……」と惜しく思うと同時に、完成した「もしも」を想像させてくれる魅力的な作品です。12点と作品数は少ないながらも見ごたえがありました。
「チャプター2. バロック」では、ベラスケスやレンブラントといった、従来の世界観を覆そうとした17世紀ヨーロッパの革新的な画家たちの作品が並びます。

日常のささやかな題材を偉大な芸術の域にまで高め、かつてないリアリズム絵画を制作したスペインの画家・ベラスケスの初期の傑作《卵を料理する老婆》は本展で初来日。
少年と老婆の肌や衣服はもちろん、前景の食器や食材の質感が巧みに描き分けられ、ドラマティックな明暗描写によって庶民の平凡なモチーフが厳かな雰囲気をまとっています。これが18歳か19歳のときに描いた作品というから驚くばかり……。

聖書や神話の登場人物に深い人間性を与えて見る者の共感を誘った、17世紀オランダの最も偉大な芸術家・レンブラントの《ベッドの中の女性》という謎めいた作品も注目です。
主題を特定する要素は避けられていますが、旧約聖書に登場する、結婚初夜に新郎を7度悪魔に殺されたサラが新たな夫トビアと悪魔の戦いを見守る場面を描いたのではないかといわれているそう。顔に影を落として浮かべる、期待と不安、なにより切実さが伝わる複雑な表情に感情表現が巧みなレンブラントらしさを感じます。

肖像画の分野で後の英国美術に大きな影響を与えたヴァン・ダイクの《アンブロージョ・スピノーラ侯爵(1569-1630)の肖像》なども印象的でしたが、この「バロック」エリアで特に興味深かったのはイタリアの画家・レーニの《モーセとファラオの冠》でした。

優美な人体、明快な輪郭、均衡ある構図が持ち味でアカデミズムでは「ラファエロに次ぐ画家」、ゲーテからは「神のごとき天才」とも評されたレーニの作品。妙な仕上がりというか、「いくらなんでも女性の肌が緑色すぎるのでは? 男性と比べて女性は全体的にぼやけているし……」と違和感が。きっと何か意図があるはずだと公式図録を開いてみました。
すると「晩年のレーニは、大ざっぱで一見未完成に見える技法で作品を制作していたが、本作は本当に未完成の可能性がある」といった内容のことが書いてあり、少しずっこけました。紛らわしさが研究家泣かせですね。レーニの伝記を書いた人物は「慌てて描いたようなぞんざいなテクニック」と辛らつに評していたそうで……。晩節を汚したタイプだったとは知りませんでした。ですが、これはこれで神秘的な雰囲気があってすてきです。
18世紀はパリやロンドン、ヴェネツィアなどの都市で、芸術的才能が爆発的に開花した時代。そして、英国のコレクターたちが美術品の購入や文化的教養を深める目的で、「グランド・ツアー」と呼ばれる大規模なヨーロッパ旅行をした時代でもありました。「チャプター3. グランド・ツアーの時代」では、この二つの視点から作品を紹介しています。


展示エリアに入ってすぐ、「雅宴画」というジャンルを確立し、幻想的な理想郷を想像した革新者・ヴァトーの魅力がつまった《ツバメの巣泥棒》や、彼の流れを受け継いだブーシェによる牧歌的でロマンティックな三つの大作などを展示。18世紀パリを象徴する華やかなロココの世界に引き込まれます。
一方、この頃の英国では肖像画の表現が発展していったため、本展でも英国の三大肖像画家と称されるラムジー、レノルズ、ゲインズバラが紹介されています。


特に注目してほしいのは、ロイヤル・アカデミーの初代会長をつとめたイングランド出身のレノルズ。
代表作《ウォルドグレイヴ家の貴婦人たち》は、通常の肖像画のように正面を向いていないため、一見肖像画とわかりづらい作品です。三人の女性が手仕事をしていますが、まるでサロンのように優雅。三人の女性が並ぶ構図は古典美術の「三美神」という伝統的な主題になぞらえているもので、そのおかげか時代を超越した美しさがあります。これは、「グランド・マナー(歴史画の様式)」を取り入れて肖像画の地位を高めようとしたレノルズを象徴する作品なのだとか。

また、レノルズのライバルで、互いに尊敬しあう関係だったゲインズバラの《ノーマン・コートのセリーナ・シスルスウェイトの肖像》は、スカートのあたりの非常に大胆で素早い筆致をぜひ間近で鑑賞してください。少し雑な仕上がりにすら思えるのに、離れて見るとつややかな素材感が見事に表現されていて、まるで魔法のように感じられるはず。
ゲインズバラは肖像画で成功しましたが、実は風景画家になりたかったそう。風景に対する高い関心が画面に独特の空気感を生まれさせるのでしょうか。人物と風景を融合させる彼の作品はどこか叙情的です。


イタリアは「グランド・ツアー」で英国のコレクターたちが熱心に訪れた場所であり、18世紀ヴェネツィアで最も有名な画家の一人だったグアルディによる、都市の景観を精密に描いた「景観図(ヴェドゥータ)」も大変人気だったとか。
現代のように楽しい旅の思い出を写真に残せないですから、みんなお土産で買っていったのだろうと思うと親近感がわきますね。それまでの正確に輪郭をとった地誌的な景観画と一線を画し、印象派を思わせる素早い筆致や、光と空気感を意識的に取り込んだ作風が魅力です。

イングランド出身の画家・カズンズがイタリア旅行のスケッチから制作した《カマルドリへの道》も、目立たないですが美しい作品でした。ナポリのポッツオーリ湾を描いた水彩画で、スケッチと完成品では景色が変わっているそう。
柔らかな緑と青みがかった灰色の抑制された色調によって哀愁漂う雰囲気を醸し出していますが、遠い海と空はうっすらバラ色の光が降り注いでいて幻想的です。この風景は単なる記録ではなく、画家のなかで詩的に再構築されたものなのでしょう。芸術家たちにとっても、この時代のイタリアという土地がどれほど特別なものだったのかが伝わってくるようでした。
19世紀の英国やフランスは肖像画や風景画などが引き続き好まれた一方で、世紀半ばに活躍したバルビゾン派や、その後の印象派、ポスト印象派など、革命的な画家たちが大きな変革をもたらした時代だったことを紹介する「チャプター4. 19世紀の開拓者たち」。

華麗で伝統的な「グランド・マナー」の肖像画の例として、日本で見る機会の少ないスコットランド出身の画家、レイバーンとグラントの大作をハイライト的に展示しています。

先ほど紹介したレノルズやゲインズバラの影響を受けた、イングランド出身の画家・ミレイの《「古来比類なき甘美な瞳」》は、物憂げながらこれから訪れる厳しい現実をしっかり見据えるような澄んだ瞳が印象的。バッチリおめかしした人物画が多い中で、服装も髪型も飾り気がなく素朴で逆に新鮮に映りました。
鋭い観察力に基づきつつ、とても感傷的な雰囲気の作品で、タイトルは女性詩人エリザベス・バレット・ブラウニングの詩から引用したもの。摘み取られたスミレの花とともに、成長していく少女の純真さと儚さの輝きを表現しているといいます。このように、この時代の主要な画家には、文学や物語のテーマを個人的に解釈する傾向があったのだとか。

19世紀英国の風景画の巨匠・コンスタブルの《デダムの谷》も見逃せません。彼が愛した生まれ故郷の田園風景を描いた作品で、雲が落とす影や、触れたときの感触や冷たさが伝わってきそうな植物が、いかに細心の注意を払って描かれているか。彼ならではの見事な自然主義を感じる、自身が「おそらく私の最高傑作」と評したといわれる名画です。

フランスでは、対象を直接写生し、色や光を賛美する画家たちが登場しました。物議をかもしながらも時代をつくり、広く愛好されていった革命的な画家たちの表現の変遷を、本展ではコロー、シスレー、ルノワール、マネ、ゴーガンなどの巨匠たちを中心とした作品で追っていけます。


エピローグには1作だけ、アメリカの画家チャーチの大作《アメリカ側から見たナイアガラの滝》がドンっと置かれています。

よく見ないと気づかないですが、画面左の崖に展望台があり、そこには滝をのぞき込む小さな人影が。この人影と対比して、ナイアガラの滝の驚異、崇高で劇的なスケールが見事に表現されている本展で一番大きな作品です。(257.5×227.3cm)
ラストを飾るにふさわしい圧巻の迫力ですが、ここまでイングランドやスコットランドの画家を意識的に取り上げてきたにもかかわらず、なぜ急にアメリカの自然を描いたアメリカの画家の作品が登場するのかと疑問も。その理由を、東京都美術館の髙城靖之学芸員は次のように解説してくれました。
「スコットランドの貧しい家庭に生まれ、アメリカに渡って成功し、財を成した実業家が、故郷のためにスコットランド国立美術館へ寄贈した作品です。スコットランド国立美術館は開館当初、絵画購入の予算を与えられませんでした。では、なぜ現在、これだけの質の高いすばらしいコレクションを形成できたのかというと、地元の名士たちや市民から寄贈を受け、また寄付金などで作品を購入してきた歴史があります。本作は、そういったスコットランド国立美術館のコレクション形成の歴史を象徴するような作品であり、記念碑的な作品として本展の最後を飾っています」
ルネサンス期から19世紀後半までの西洋絵画の巨匠たちの作品を紹介しつつ、スコットランドやイングランド出身画家たちの名画にスポットを当てた「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」。開催は2022年7月3日(日)までとなっています。
| 会期 | 2022年4月22日(金)~7月3日(日) |
| 会場 | 東京都美術館 企画展示室 |
| 開館時間 | 9:30~17:30、金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで) ※夜間開室については展覧会公式サイトでご確認ください。 |
| 休館日 | 月曜日(ただし5月2日は開室) |
| 観覧料 | 一般 1900円 / 大学生・専門学校生 1300円 / 65歳以上 1400円 ※日時指定予約制です。その他、詳細は展覧会公式サイトをご確認ください。 |
| 主催 | 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、毎日新聞社、NHK、NHKプロモーション |
| お問い合わせ | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
| 展覧会公式サイト | https://greats2022.jp |
記事提供:ココシル上野