3会場で開催、過去最大の展開面積!巨匠作品から現代アートまで約1,000点が大集結 FINE ART COLLECTION2023

7月12日(水)~17日(月・祝) 10時~18時30分 ※最終日は17時閉場 
松坂屋上野店 6階催事場・7階アートゾーン・1階北口イベントスペース

7/12(水)~17(月・祝)、アートの提案を強化している松坂屋上野店では、近・現代の巨匠から新進気鋭の作家まで、絵画・工芸の多彩な作品を一堂に集めた「FINE ART COLLECTION」を開催いたします。6階催事場では、エコール・ド・パリとヨーロッパ近代巨匠や現代アート、作家特集など、幅広いジャンルのアート作品を展示販売。7階アートゾーンでは、各スペースにて絵画や工芸の趣向を凝らした作品が集まります。さらに、今年は1階の北口イベントスペースまで展開を拡大し、東京藝術大学若手作家特集を実施。3会場で開催、過去最大規模の「FINE ART COLLECTION」となります。

 

◆主な出品予定作品/6階 催事場​

・エコール・ド・パリとヨーロッパ近代巨匠
エコール・ド・パリとは20世紀前半のパリに集った芸術家たちのこと。その個性豊かで自由な表現はその後の芸術家たちに大きな影響を与えた。

アンリ・マティス「足を組むダンサー」
リトグラフ 46×28cm 2,640,000円(税込)

 

・現代アート
ストリートアートを中心とした現代アートたちの作家たちを展覧。幅広い表現で現代を描き出す作家たちの作品が集結します。

Nick Walker「Rainbow Daze」
シルクスクリーン 72.1×60.3cm 605,000円(税込)

 

NOT BANKSY「IDENTITY CRISIS CHIMPS IS NOT A BANKSY BUNNY NOR A BOUNCY BANKSY “original”」
multi-colour screen printpainting on plywood 80×60.5cm 880,000円(税込)

 

・作家特集

霜鳥忍「朗羅」20号 1,540,000円(税込)

霜鳥 忍特集

 

水島篤「共鳴‐ティラノサウルス‐」6号 198,000円(税込)

恐竜画と動物画特集

 

泉東臣「蒼刻」20号 M 1,100,000円(税込)

泉 東臣特集

 

伊熊義和「至福の時間」20号 770,000円(税込)

伊熊 義和&写実作家特集

 

 島津豪亮「郊外の白い建物」10号 660,000円(税込)

島津 豪亮特集

 

西嶋豊彦「Electric flower 蓮」
金属(ステンレス)パネル オリジナル手漉き半導体和紙 岩絵具着彩 5号 440,000円(税込)

西嶋 豊彦特集

 

梅田綾香「波濤を穿つ」30号 S 704,000円(税込)

梅田 綾香特集

 

・近現代日本画・洋画

田渕俊夫「月明かり」6号 6,600,000円(税込)

 

中川一政「薔薇」12号 9,240,000円(税込)

 

・工芸特集

宮之原謙「彩盛松竹梅文香爐」
共箱 高さ10.8×径13.2cm 2,200,000円(税込)

◆1階 北口イベントスペース
◆7階 アートゾーン
(美術画廊・アートギャラリー・アートスペース)

 

・北口イベントスペース
多彩な才能を輩出する東京藝術大学出身の若手日本画家たちの特集。瑞々しい感性で描かれた作品を1階にて大きく展開します。
1階北口イベントスペース
期間:7月12日(水)~18日(火) 10時~20時

名和智明「牡蠣」10号 660,000円(税込)

藝大若手作家特集

 

石原孟「犀山水」10号 440,000円(税込)

藝大若手作家特集

 

・美術画廊
漆黒の夜空に浮かぶ月と稲妻、太古から続く大自然の摂理を現代的に表現する岩谷晃太の展覧会。

岩谷晃太「月と稲妻」4号 S 385,000円(税込)

岩谷 晃太展

 

・アートスペース
卓越した技術力で漆黒の画面に命を吹き込む銅版画家。ふくろうや猫など、情感豊かに表現している。

生田宏司「凛」
メゾチント 68.0×45.5cm 242,000円(税込)

生田 宏司 銅版画展

 

・アートギャラリー
19世紀末から20世紀初頭にかけアール・ヌーヴォーを代表するガラス芸術家として活躍したガレとドームの展覧会。

ガレ「クレマチス文花器」
高さ37×横24cm 2,200,000円(税込)

ガレ&ドーム  アール・ヌーヴォーガラスの美展

7階アートゾーン 期間:7月12日(水)~18日(火) 10時~18時30分 ※最終日は16時閉場

【特設ページ】https://www.matsuzakaya.co.jp/ueno/topics/000230712_fine_art_collection_2023.html

 

【株式会社大丸松坂屋百貨店】プレスリリースより

記事提供:ココシル上野


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藝大アートプラザ 企画展「What’s ART?『アートって何だろう?』を藝大アートプラザ大賞受賞作家と考える」開催

2023年7月29日(土)- 9月24日(日)上野・藝大アートプラザにて開催(入場無料)

小学館と東京藝術大学の協働事業である、東京藝術大学美術学部構内(台東区・上野)のギャラリー「藝大アートプラザ(https://artplaza.geidai.ac.jp/ )」にて、2023年7月29日(土)より企画展「What’s ART?『アートって何だろう?』を藝大アートプラザ大賞受賞作家と考える」を開催。本展では過去の藝大アートプラザ大賞受賞者による「アートって何だろう?」をテーマにした作品を展示販売します(入場無料)。

 

藝大アートプラザとは

トップアーティストを数多く輩出する、東京藝術大学(以下、藝大)の教職員、学生、卒業生の作品を展示販売するギャラリー「藝大アートプラザ」。藝大上野キャンパス構内において、一般の方々が、年間を通して自由に入場・見学することができる、貴重な場所のひとつです。小学館と藝大の協働事業として、2018年から運営をスタートしました。

現在は、1,2カ月ごとに異なるテーマの展示を開催。企画展には毎回10〜50名のアーティストが参加し、油画、日本画、彫刻、工芸、デザイン等、藝大ならではの多様な技法とアプローチで表現された作品が、一堂に会します。

▼2023年6月開催の企画展 「藝大神話ーGEISHIN」展示風景
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/19362/

企画展「藝大神話ーGEISHIN」展示風景

店舗内には、器やアクセサリーなど生活に寄り添うアートを中心とした常設作品コーナー「LIFE WITH ART」、企画展と連動した書棚も設置。店舗の営業時間中は、屋外のキッチンカー「NoM cafe」のカフェドリンクで、一息つくこともできます。

藝大アートプラザは、入場無料。写真撮影やSNSでのシェアも原則大歓迎です。アートファンのみならず、どなたさまでも、気軽にアートに触れられる場所を目指しています。

 

2023年7月29日(土)開催 企画展「What’s ART?」
7月29日(土)より、企画展「What’s ART?『アートって何だろう?』を藝大アートプラザ大賞受賞作家と考える」を開催いたします。

■ 企画展コンセプト
「美しい身体は死ぬが芸術作品は死なない」(レオナルド・ダ・ヴィンチ)「芸術家が自分の意図を実現するとき作品が完成する」(レンブラント)「感情から始まらなかった芸術作品は芸術ではない」(ポール・セザンヌ)「植物が園芸について話すことができないのと同じように芸術家は自分の芸術について話すことはできない」(ジャン・コクトー)「芸術は現代的になり得ない。芸術とは永遠である」(エゴン・シーレ)

一年に一度藝大アートプラザ大賞受賞作家を招待して開催する企画展、今回のテーマは「アートってなんだろう?」です。レオナルド・ダ・ヴィンチもレンブラントもアートの歴史を彩る巨匠たちが全員違うことを言うようにその答えは作家の数だけ存在します。もしかすると、アートを作る人たちも鑑賞する人たちも永遠にその答えを探しているのかもしれません。ちなみに日比野藝大学長はこんなことを言っています。

「鑑賞する人が、物から発信された情報を受け取って『ああ、なんだかきれいだな』とか『懐かしい気分になるな』など、何らかの感情が湧きあがった時、その物と鑑賞者との関係性を『アート』と呼びます」(高校生新聞オンライン 2020.02.27より)

今回アートプラザがアーティストに尋ねたのは、今この時点で皆さんが考える「アートってなんだろう?」その問いに対する答え=作品です。答えそのものでなくても、皆さんの中にある「ヒント」「アートへの問い」「アートとそうでないものの違い」「アートの可能性」「そもそもアートをつくっていない」。そんなことを藝大アートプラザ受賞作家の方々と考え、さらには作品を観てくださる鑑賞者の方々と一緒に考えたいのです。

▼開催告知ページ
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/19915/

■ 企画展概要
企画展名:「What’s ART?『アートって何だろう?』を藝大アートプラザ大賞受賞作家と考える」
会場:藝大アートプラザ(東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内)
会期:
前期 2023年7月29日(土)- 8月20日(日)
後期 2023年8月26日(土)- 9月24日(日)
入場料:無料
営業時間:10:00-18:00
定休日:月・火曜

※祝日・振替休日の場合は翌営業日が休業、展示入れ替え期間は休業
※営業日時が変更になる場合がございます。最新情報は公式Webサイト・SNSをご確認ください

 

藝大アートプラザ基本情報

■ アクセス
最寄駅:JR上野駅(公園口)、鶯谷駅 下車徒歩約10分
東京メトロ千代田線・根津駅 下車徒歩約10分
東京メトロ日比谷線・上野駅 下車徒歩約15分
京成電鉄 京成上野駅 下車徒歩約15分
都営バス上26系統(亀戸〜上野公園)谷中バス停 下車徒歩約3分
※駐車場はございませんので、お車でのご来場はご遠慮ください

■ 公式SNSアカウント
Instagram:https://www.instagram.com/geidai_art_plaza
Twitter:https://twitter.com/artplaza_geidai
Podcast(Spotify):https://open.spotify.com/show/2FlkumYv9ScWy69UlBtqWy

■ 2023年の展示
2023年1月「藝大の壁 Inside | Outside」
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/18153/

2023年1-3月「第17回 藝大アートプラザ大賞展」
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/18325/

2023年3-5月「GEIDAI ART JUNGLE returns 藝大密林化計画」
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/18759/

2023年6-7月「藝大神話ーGEISHIN」
https://artplaza.geidai.ac.jp/column/19362/

よくあるご質問はこちら
https://artplaza.geidai.ac.jp/qa/

 

【株式会社小学館】プレスリリースより

 

記事提供:ココシル上野


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【会場レポ】マヤの「赤の女王」初来日! 特別展「古代メキシコ」が東京国立博物館で開幕。マヤ、アステカ、テオティワカンの至宝が一堂に

東京国立博物館
「赤の女王」の展示

 

古代メキシコを代表する三つの文明の至宝を一堂に紹介する特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」が2023年6月16日(金)~9月3日(日)の期間、東京国立博物館(東京・上野)で開催中です。

会場入口
会場風景
会場風景、《装飾ドクロ》アステカ文明、1469~1481年、テンプロ・マヨール博物館

本展は、メソアメリカ(16世紀のスペイン侵攻までメキシコ~中米の一部地域に栄えた、文化要素を共有した古代文明圏)を代表する三つの文明「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」に焦点を当てています。

メキシコ国内の主要博物館から厳選した碑文やレリーフといった貴重な出土品や考古遺物、約140件を近年の発掘調査の成果を交えて紹介。多様な自然環境から生み出された独自の世界観や造形美など、古代メキシコ文明の奥深さと魅力に迫ります。

会場展示より。各文明と都市遺跡の位置関係。

展示は「古代メキシコへのいざない」「テオティワカン  神々の都」「マヤ  都市国家の興亡」「アステカ  テノチティトランの大神殿」の4章構成。

第1章「古代メキシコへのいざない」

第1章「古代メキシコへのいざない」は、「トウモロコシ」「天体と暦」「球技」「人身供犠」といった3文明の共通テーマに沿った横断的な作品展示や、各文明の遺跡の映像を通じて、古代メキシコ全体の世界観を伝える導入部です。

特異な宇宙観を構成するメソアメリカにおいて天体と暦は大切な文化要素。本作の両端に表される金星は、惑星のなかで最も重要視されたといいます。/《夜空の石版》アステカ文明、1325~1521年、メキシコ国立人類学博物館
球技は単なる娯楽ではなく、人身供犠を伴う宗教的儀礼、外交使節を迎えての儀式など多くの意味合いがありました。/《球技をする人の土偶》マヤ文明、600~950年、メキシコ国立人類学博物館
写真右/王や権威の象徴、神秘的な力をもつものとしてメソアメリカの諸文明で崇拝されたジャガー。神への生贄として捧げられることも。/《ジャガーの土器》マヤ文明、600~950年、メキシコ国立人類学博物館

ここでは、前1500年頃にメキシコ湾岸地方に興ったメソアメリカのルーツであり、儀礼と結びついた王権や多くの神々の概念など、その後のメソアメリカ諸文明にさまざまな要素が受け継がれたオルメカ文明の存在を示す作品《オルメカ様式の石偶》も展示されています。

オルメカの宗教的概念を表す、人とジャガーの特徴を併せもつ幼児の像。/《オルメカ様式の石偶》オルメカ文明、前1000~前400年、メキシコ国立人類学博物館

第2章「テオティワカン 神々の都」

第2章「テオティワカン 神々の都」では、メキシコ中央高原にある海抜2300メートルほどの盆地の中央で、前100~後550年頃まで栄えたテオティワカン文明を取り上げています。

テオティワカンは当時の人々が信じていた宇宙的世界観にのっとり、「死者の大通り」を中心軸にピラミッドや儀礼場、宮殿タイプの建造物、厳格化された住宅群を組み込んだ、国家により統率された計画都市・大宗教都市でした。近年の研究で、最大10万人ほどが暮らしていたことが明らかになりつつありますが、使われていた言語や文字などは判明しておらず、まだまだ謎の多い文明です。

ここでは、テオティワカンを代表する「太陽のピラミッド」「月のピラミッド」「羽毛の蛇ピラミッド」という三つのピラミッドやその周辺から出土した作品を紹介。

壁面の「太陽のピラミッド」と「月のピラミッド」のグラフィックは、配置を実際のテオティワカンのものと合わせ、「死者の大通り」の雰囲気を伝えています。

展示室中央に露出展示されている《死のディスク石彫》は、1964年の発掘調査で、テオティワカンにあるピラミッドのうち最大の「太陽のピラミッド」正面の広場から出土したもの。
直径1mを越える石彫で、後光のように放射状に広がるモチーフと、頭蓋骨の口から突き出した舌が印象的です。メソアメリカでは日没を死、日の出を再生と捉えていて、本作は地平線に沈んだ(死んだ)夜の太陽を表していると解釈されています。

《死のディスク石彫》テオティワカン文明、300~550年、メキシコ国立人類博物館
「月のピラミッド」の展示。本作は生贄の埋葬墓から出土したもの。目力がすごい……。/《モザイク立像》テオティワカン文明、200~250年、テオティワカン考古学ゾーン

とくに存在感があったのは《羽毛の蛇神石彫》と《シパクトリの頭飾り石彫》の展示。
一辺約400mの大儀式場「城塞」の中心神殿である「羽毛の蛇ピラミッド」の四方の壁面を覆っていた大石彫の一部です。金星と権力の象徴である「羽毛の蛇神」と、時(暦)の始まりを象徴する創造神「シバクトリ」の頭飾りを表すとされています。

会場では、これらの石彫がピラミッドから突き出ている様子がわかるように造作が工夫されていました。

左から《シパクトリの頭飾り石彫》《羽毛の蛇神石彫》テオティワカン文明、200~250年、テオティワカン考古学ゾーン

羽毛の蛇神の波打つ胴体部に、シパクトリの頭飾りを配するモチーフが繰り返し彫られていることから、「羽毛の蛇ピラミッド」全体が聖なる王権や戴冠式を表す、メソアメリカで最初のモニュメントだと考えられているとか。

「羽毛の蛇ピラミッド」の地下にある深さ15m、長さ103mのトンネルの出土品のなかでは、巻貝の先端を切り取って吹き口とした楽器《トランペット》が目を引きました。本作にはテオティワカンではみられない、マヤ系の宗教センターの図像に類似した美術様式と内容の図像が描かれています。

音を出す巻貝といえば、日本では戦の合図に吹く法螺貝がイメージされますが、本作はどんな音が出るのでしょう。/左右とも《トランペット》テオティワカン文明、150~250年、テオティワカン考古学ゾーン
《鳥形土器》テオティワカン文明、250~550年、メキシコ国立人類学博物館

テオティワカン住居跡の埋葬体に副葬されていたのは、発掘者により「奇抜なアヒル」と命名された、貝などの華美な装飾をもつ動物形土器。多くの貝製品とともに発見されたことから、メキシコ湾との交易を担った貝商人にかかわる副葬品ではないかと考えられています。

《トランペット》や《鳥形土器》といった展示物は、テオティワカンが交易や市場の経済活動が盛んな多民族都市だったことを伝えています。

《嵐の神の壁画》テオティワカン文明、350~550年、メキシコ国立人類学博物館

その他、テオティワカンでの暮らしを想像させる壁画や土器も興味深いです。
テオティワカンの主神の一つである嵐の神、もしくは雨の神トラロクを表したとされる《嵐の神の壁画》のような多彩色の壁画は、多くのアパートメント式住居群や儀礼施設に描かれていました。

また、住居跡から多く発掘される香炉は、さまざまな装飾片を目的に応じて組み替えて作っていたとか。展示された《香炉》は矢や盾などのモチーフから、死んだ戦士の鎮魂の儀式用と考えられています。

《香炉》テオティワカン文明、350~550年、メキシコ国立人類学博物館

第3章「マヤ  都市国家の興亡」

第3章「マヤ  都市国家の興亡」では、前1200年頃~後16世紀までユカタン半島を中心に栄えたマヤ文明の文化や王朝について紹介。本展で最も多くの作品で構成されているセクションです。

マヤで明確な文化や統治形態が認識できる王朝が成立したのは後1世紀頃とされています。ただ、政治的に統一されたことはなく、無数の都市間の交易や外交使節の往来などの友好的な交流、時には戦争による覇権争いを通じて大きなネットワーク社会を形成しました。出土品はそうしたマヤ地域での多様な動向を伝えています。

宮殿に訪れた外交使節が貢物を捧げる様子が描かれた、カカオの飲料用に使われたと思しき土器。マヤの権力者にとって、王朝間での訪問と貢物の交換は重要な行事でした。/《円筒型土器》マヤ文明、600~850年、出土地不明、メキシコ国立人類学博物館
マヤ中部地域の大都市・カラクルムの王と、南西の辺境にあるトニナの王が球技をする様子が描かれた本作は、両国の外交関係を象徴するもの。《トニナ石彫171》マヤ文明、727年頃、メキシコ国立人類学博物館
マヤでは多くの敵を殺すことより高位の人間を捕虜に取ることが重視されました。トニナでは捕虜を描いた石彫が多く発見され、好戦的な傾向をうかがわせます。/《トニナ石彫153マヤ文明、708~721年、トニナ遺跡博物館

マヤで林立した都市のひとつに、400~800年頃に西部地域で栄えたパレンケという中規模都市がありますが、第3章ではパレンケの展示に力が入っています。とくに本邦初公開となる「赤の女王(レイナ・ロハ)」の墓の出土品は、王朝美術の傑作と名高い本展の目玉のひとつ。

「赤の女王」の展示

芸術の都パレンケは洗練された建築や彫刻、碑文の多さで知られており、その黄金時代はキニチ・ハナーブ・パカル王の治世(615~683)でした。
パカル王は外交と戦争によりパレンケの影響力を強めるかたわら王宮の拡大に力を注ぎ、マヤ地域でもっとも壮麗な建築物の一つにしたといいます。その遺体はパカル王自ら設計したとされる「碑文の神殿」という霊廟に収められました。

「赤の女王(レイナ・ロハ)」と呼ばれる遺体は、1994年に碑文の神殿の隣にある13号神殿で発見されたもの。その通称は真っ赤な辰砂(水銀朱)に覆われて埋葬されていたことが由来です。調査の結果、この人物はパカル王の妃であるイシュ・ツァクブ・アハウの可能性が高いとみられています。

「赤の女王」の展示。《赤の女王のマスク》マヤ文明、7世紀後半、アルベルト・ルス・ルイリエ パレンケ遺跡博物館

会場では13号神殿の石室をイメージした空間で、「赤の女王」の12件の副葬品をマネキンに装着して埋葬の様子を再現。《赤の女王のマスク》は孔雀石の小片で作られ、瞳には黒曜石、白目には白色のヒスイ輝石岩が使われているそう。

写真には写っていませんが、首飾りや冠といった美しい副葬品にまじって、何の変哲もない小さな《針》がマネキンの横にひっそりと展示されていたのが目に留まりました。奇妙に思えますが、糸紡ぎと織りはどの社会階層の女性も行う活動の一つであり、この針も「赤の女王」が日常的に使い、来世でも必要なものであったと考えられているとか。
身分にふさわしく飾り立てるばかりではなく、「生活に困らないようにしたい」という本人、もしくは周囲の人々の等身大の願いに共感を覚えます。

再現展示の隣では、「赤の女王」の発掘調査の映像資料も流れていました。

《96文字の石版》マヤ文明、783年、アルベルト・ルス・ルイリエ パレンケ遺跡博物館

また、パレンケ遺跡の王宮で見つかった《96文字の石版》の展示では、絵画的で美しい造形のマヤ文字をじっくりと鑑賞できました。

マヤ文字は表語文字と音節文字から構成される謎に満ちた言語ですが、現在700程度の文字と、数万と織りともいわれる多様な組み合わせが解明されつつあるとのこと。人々の行いは、神や先祖の事績を再現するものと考えられていたことから、文字は主に王と国の歴史や宮廷の儀礼を記すために用いられました。
本作でも、パレンケの王たちの即位について正確な日付とともに刻まれています。

《96文字の石版》(部分)マヤ文明、783年、アルベルト・ルス・ルイリエ パレンケ遺跡博物館

日本のように、マヤでも書跡は情報を伝えるためだけのものではなく芸術品として愛好されましたが、本作はその中でも最高峰に位置するものです。

パレンケをはじめとする多くの都市が衰退したあと、900年頃にユカタン半島北部でマヤ地域最大の都市となったチェチェン・イツァの出土品も見ごたえがあります。
なかでも《チャクモール像》は、解説を読んで本展イチの恐ろしさを感じた作品。像の腹の上には皿のようなものがあり、ここに供物や、時には人身供儀の生贄から取り出した心臓が置かれた可能性があるとか……。

《チャクモール像》マヤ文明、900~1100年、ユカタン地方人類学博物館 カントン宮殿

本展では「生贄」とか「人身供犠」とか、おどろおどろしいキーワードが頻出しています。こういった特有の慣習は3,000年以上にわたりメソアメリカで継続されたもので、現代の感覚からするとその残虐さに眉をひそめたくなるかもしれません。

しかし、それは単なる非人道的な儀礼行為ではなく、あらゆる生命体は神々の働きと犠牲により生まれ動いているため、人間も神々を敬い、人間にとって最も大切な生命を捧げて自然のサイクルと再生の原理を保たねばならない、という先住民たちの倫理観によるものでした。そこには、普遍的な神や自然への祈りが込められています。

こちらもチェチェン・イツァの出土品。トルコ石で作られたモザイク模様が美しい鏡の飾りで、戦士が腰の後ろに着けていました。《モザイク円盤》マヤ文明、900~1000年、メキシコ国立人類学博物館
チェチェン・イツァの「金星の基盤」と呼ばれる建物を飾っていた彫刻。584年の金星の周期5回分が、365日の太陽暦の8年にあたることを示していると考えられています。/《金星周期と太陽暦を表わす石彫》マヤ文明、800~1000年、ユカタン地方人類学博物館 カントン宮殿蔵

第4章「アステカ  テノチティトランの大神殿」

第4章「アステカ  テノチティトランの大神殿」は、1325年にメキシコ中央高原のテスココ湖に浮かぶ島に、メシーカ人らナワトル語を母語とする人々が建国したアステカ王国の大都市、テノチティトラン(現在のメキシコシティ)の出土品を扱っています。人口は最盛期で20万を超え、スペイン侵攻によって1521年に陥落するまで繁栄しました。

ちなみに、メキシコ中央高原ではテオティワカン⇒トルテカ⇒アステカという順番で文明が興亡しています。ナワトル語で「神々の都市」を意味する「テオティワカン」という名称は、遺跡を発見したアステカ王国のメシーカ人が名付けたものでした。

軍事力と貢納制を背景に国力を強めたアステカでは、建築と絵画、なかでも彫刻において驚異的な発展がもたらされました。アステカが富を集結させたテノチティトランでは、国内外の作家たちが技巧や嗜好、伝統を分かち合い、歴史的に類をみないほどクリエイティブな環境を形成したといいます。

テノチティトランで生まれた独創的な造形美の一端を伝えるのは、勇ましい《鷲の戦士像》。

今にも飛び立たんとしているかのよう。背面を含めて360度鑑賞できます。/《鷲の戦士像》アステカ文明、1469~1486年、テンプロ・マヨール博物館

テノチティトランの中枢には、太陽と戦争の神・ウィツィロポチトリ、雨と大地の神・トラロクを祀った一対の荘厳なピラミッド型の大神殿、テンプロ・マヨールが建てられていました。本作はその大神殿の北側にある「鷲の家」で発見されたもの。等身大で迫力があります。

戦闘や宗教に重要な役割を担った王直属の「鷲の軍団」の戦士とみなす専門家が多いようですが、戦場で勇ましい死を遂げて姿を変えた戦士の魂であるとか、ウィツィロポチトリの姿を表しているとか、今でもさまざまな説があるようです。

《トラロク神の壺》アステカ文明、1440~1469年、テンプロ・マヨール博物館

展示された彫刻作品の多くには、アステカで信仰された神々が表されていました。

《トラロク神の壺》は、ギョロリとした目の造形と鮮やかなブルーが印象的。
農耕社会であるメソアメリカでは、何世紀にもわたって降雨をコントロールしたいという強迫観念があったといいます。そのため、祈祷、供物、そして子供の生贄がことごとく雨の神であり、植物の萌芽に必要なあらゆるものを提供する「与える者」であるトラロクに捧げられました。

本作は水を貯える壺にトラロク神の装飾があることから、雨や豊穣の願いが込められたものと考えられています。

地下の冥界ミクトランを支配する神ミクトランテクトリを描いた骨壺。生贄の心臓を抜き出す神でありながら、生を与える役割も併せもちます。/《ミクトランテクトリ神の骨壺》アステカ文明、1469~1481年、テンプロ・マヨール博物館
骨壺に描かれた「煙を吐く鏡」を意味する名をもつ創造神テスカトリポカは不可視であり、槍か2本の矢で射抜かれたときにだけその姿を現すというかっこいい性質があります。《テスカトリポカ神の骨壺》アステカ文明、1469~1481年、テンプロ・マヨール博物館

展示の一つにグリーンの蛇紋岩でできた《マスク》があるのですが、第2章のテオティワカンの展示で紹介した《モザイク立像》と雰囲気がそっくり。じつは、まさにテオティワカン遺跡から掘り起こしたマスクをメシーカ人が磨き直し、目や耳飾りなど手を加えたもの、ということでした。

《マスク》テオティワカン文明、200~550年、テンプロ・マヨール博物館

メシーカ人をはじめとする後古典期後期(1250-1521)頃の人々は、過去の文明を掘り起こし、それらを魔術的な力をもつ聖なる物質とみなして自分たちの神殿に奉納していたとか。こういったつながりを感じられるのも本展の面白さです。

展示の最後では、テンプロ・マヨールの最新発掘成果を示すものとして、メソアメリカでは珍しい金で作られたペンダントや耳飾り、笏形飾りが一挙に公開されていました。

金製品の展示
金製品の展示。左から《テスカトリポカ神とウィツィロポチトリ神の笏形飾り》《トラルテクトリ神の笏形飾り》アステカ文明、1486~1502年、テンプロ・マヨール博物館

個性的な展覧会オリジナルグッズも多数展開されています。※商品は数量限定のため、完売となる場合があります。

会場では古代都市遺跡の魅力を伝える映像資料や臨場感あふれる再現展示など、展示空間の演出にこだわっていて、歩いているだけでも古代メキシコの空気を感じられました。展示物間に広く距離がとられていて鑑賞しやすいのもうれしいポイントです。

ちなみに、現在のところ会場内の展示物は個人利用に限りすべて撮影OKとなっています。(今後中止・変更の可能性もありますので、詳しくは館内表示や公式サイトの案内をご覧ください)

いまでもその土地に生きている人々に受け継がれる、古代メキシコの文化伝統の奥深さと魅力に迫る特別展「古代メキシコ」。開催は2023年9月3日(日)まで。

特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」概要

会期 2023年6月16日(金)~9月3日(日)
会場 東京国立博物館 平成館
開館時間 午前9時30分~午後5時

※土曜日は午後7時まで
※6月30日(金)~7月2日(日)、7月7日(金)~9日(日)は午後8時まで
※総合文化展は午後5時閉館
※入館は閉館の30分前まで

休館日 月曜日、7月18日(火)
※ただし、7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館
観覧料(税込) 一般 2200円、大学生 1400円、高校生 1000円、中学生以下は無料

※詳細は公式サイトのチケットページご覧ください。

主催 東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル/午前9時~午後8時、年中無休)
展覧会公式サイト https://mexico2023.exhibit.jp/

※記事の内容は取材日(2023/6/15)時点のものです。最新情報は公式サイト等でご確認ください。

 

記事提供:ココシル上野


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