【国立科学博物館】企画展 電子楽器100年展〜わくわくする未来が聞こえてくる〜

国立科学博物館


ロシアのレフ・テルミン博士により、1920年に発明された「テルミン」。
世界初の電子楽器として登場したテルミンが誕生して、来年2020年で100年を迎えます。
これに先立ち、12/3(火)より、国立科学博物館にて、企画展「電子楽器100年展」が開催されています。
先日、この展示会の報道内覧会がありましたので、お伝えします。
電子楽器100年展の編集部注目の企画を写真と共に紹介しますので、是非、ご覧ください。


電子楽器100年展とは?

先述しましたが、電子楽器100年展は、来年、世界初の電子楽器テルミンの発明から100年になるのを記念して行われる企画展です。
電子楽器の発展の歴史を、貴重な展示品、コンサート、最新サウンド、映像、トークショーなどを通じて体験することで、電子音楽を、科学的、芸術的な視点で多角的に味わうことができるものです。

電子楽器100年展 注目の企画

電子楽器100年展の注目の企画を紹介します。

 

①電子楽器テーマ展示 “セネステシア” (国立科学博物館 日本館1階 中央ホール)
※12月3日(火)~12月8日(日)

テーマ展示となる中央ホール。
大理石に囲まれた、吹き抜けの空間で、音と映像、光による電子楽器の創造性を体感(=セネステシア)することができます。
冨田勲の数々のシンセサイザーの名作を音と映像で、立体的に体感。
さらには、ボーカロイドや最新のユニークな電子楽器を特別なデモ空間で楽しめます。


 

大理石に囲まれた吹き抜けの空間で、冨田勲さんのシンセサイザーの名作を楽しめます。
音楽と共に、映像や蛍光パネルも変化。中央に立つと、四方からの音の迫力を、より体感することができます。

 

音声合成の技術を活かした電子楽器、ボーカロイド。
鍵盤を弾くと、歌声が出てくる仕組みとなっています。
音声合成で作った音を、人間が歌っているように変換。
この技術で、クリンプトン・フューチャー・メディア社の初音ミクが、大ヒットして話題となりました。

 

会場では、実際にボーカロイドの演奏が行われました。
弾く場所を少し間違えるだけで、音痴な歌になってしまうんだとか。
お子様も演奏できますので、電子楽器のライブ感覚を楽しんで下さい。

 

中央ホールでは、その他、最新のユニ―クな電子楽器の数々をお楽しみいただけます。

電子パーカッション aFrame(エレクトロ・オーガニック・パーカッション)
梯郁太郎(かけはしいくたろう)さんが、生前、最後に力を注がれた電子楽器です。
叩いたり、ひっかいたり。
デジタルながら、アナログ感覚で叩くことができます。
叩く場所によって音が変わるため、音の変化を楽しんで下さい。

 

ボイス・トランスフォーマーVT-4
声に様々な変化を加える、音の加工装置。
つまみを回すと、女性の声が男性の野太い声に変わったりと、違うキャラクターの声を楽しめます。

 

MIDI オルゴール(プリモトーンクリスタルモデル)
電子楽器MIDIのデータを動作に変換した技術を使い、櫛歯を弾いて生の演奏をする電子制御オルゴールです。
最大1000曲の音楽を掛けることが可能です。

 

②企画展示”電子楽器の偉人たち”(国立科学博物館 日本館地下1階 多目的室)
※12月3日(火)~12月15日(日)

世界初の電子楽器を発明したと言われるレフ・テルミン博士。
積極的に電子楽器を作品に取り入れて、音楽に新境地を切り開いていった冨田勲。
海外で”INNOVATOR”と称され、電子楽器の開発に生涯を捧げた、梯郁太郎。
その3人の電子楽器の偉人たちの歴史と功績を数々の展示品で確かめることができます。

梯郁太郎さんの展示品

Canary Model S-3 (エース電子工業)1962年
5オクターブ+1オクターブの6オクターブの音域を持つ電子キーボード。
国内に先立ち海外に紹介した製品です。

 

(写真手前)チューナー TUNING GUN  エース電子工業  1960年代中期
チューナー型のピストル音叉。
(写真奥)DATARAME38 梯郁太郎私製 1974年付近
梯が、海外出張で北欧に行った際、S-100バスのコンピューターシステムのパーツを買い漁り、日本のオフィスコンピューターの中古ジャンク部品を組み合わせて、手作りで完成させたものです。

 

MC-8 (ローランド) 1977年
5,400音と、当時としては、大記憶容量、8系統のCV/GATE出力、独立した最大8パートの演奏、データレコーダーによるバックアップ可能、と画期的なスペックの製品。国内では、冨田勲やYMO(Yellow Magic Orchestra)の準メンバ―松武秀樹などのアーティストにより使用されました。

 

TR-808 (ローランド)1980年
32種類のリズム作成と編集が可能。
作成されたパターンを自由に組み合わせ、1曲分のリズムパターンを作り出せる画期的なリズムマシンです。
2019年9月に、未来技術遺産として登録されました。

 

冨田勲さんの展示品

冨田勲さんが受賞されたトロフィーの数々が展示されています。

NARM全米レコード販売者協会のアルバムに2年連続で最優秀クラシカル・レコードに選出されたトロフィー。
(写真左)1974年のアルバム「Snowflakes Are Dancing(日本語タイトル:月の光)」
(写真右)1975年のアルバム「展覧会の絵」で受賞したもの。

 

冨田勲さんの自筆の楽譜も展示されています。

 

レフ・テルミンの展示品

レフテルミンの写真の前に置かれているのは、1920年に発明されたテルミンボックス。
テルミンの最初のモデルです。
テルミンボックスは、ロシア語で「テルミンの声」という意味。

 

後に、改良されモデルが、箱型のテルミンボックスとなりました。
箱の内部は、真空管となっています。

 

現代のテルミンです。
(写真左)マトリョミン
マトリョーシカの中にテルミンが入っている型です。
(写真中央)
Etherwave(Moog Music) Theremin Standard
(写真左)学研『大人の科学』17号 ふろく「テルミンmini」

 

③電子楽器プレシャス・コンサート(東京藝術大学 上野キャンパス 第6ホール)
※12月6日(金) 開場17:45 開演18:30~20:30

東京藝術大学の演奏者による電子音楽と世界初と言われるテルミン奏者たちのアンサンブル。
シンセサイザーの元祖と言われる貴重な楽器である『オンド・マルトノ』。
東京藝術大学内の木質の特別な音響空間で、貴重な電子楽器コンサートを聞くことができます。
藝大秘蔵で、世界的にも珍しいモジュラー・シンセサイザーの数々の展示も行います。
電子楽器ファンには、嬉しい企画です。

出演:

【1部】東京藝術大学 後藤 英(音楽環境創造科准教授)、満 潔 (音楽音響創造博士課程)、顧 昊倫(音楽音響創造修士課程)、鈴木俊哉(リコーダー)
【2部】竹内正実(テルミン)、Mable and Da(マトリョミン・アンサンブル)、大矢素子(オンド・マルトノ)、安田結衣子(ピアノ)

 

④「オサムとムサシ」上映会(国立科学博物館 日本館2階 講堂)
※12月14日(土)

第1回目10:00開場 10:30上映
第2回目12:00開場12:30上映
第3回目14:00開場14:30上映
第4回目16:00開場16:30上映

手塚プロダクションと音楽家 冨田勲のコラボによる名作アニメ「オサムとムサシ」の1日限りの上映会を行います。
宝塚市の手塚治虫記念館でしか観られない映像を国立科学博物館でお楽しみください。

 

⑤「オサムとムサシ」スペシャル・トークセッション(国立科学博物館 日本館2階 講堂)
※12月14日(土)

開場17:30 開演18:00(アニメ上映を含む約90分間)

 

手塚プロダクションと音楽家 冨田勲コラボによる「オサムとムサシ」3人のスペシャリストが作品について語る特別プログラムです。
出演者:千住明(音楽家)、手塚眞(ビジュアリスト)、福岡伸一(生物学者)

その他のイベントも盛りだくさんですので、公式HPにてご確認ください。

施設概要

 

■開催場所:  国立科学博物館(東京・上野公園)他
■開催期間:  2019年12月3日(火)~2019年12月15日(日)
■開館時間:
午前9時~午後5時(金・土曜は午後8時まで)
※入場は各閉館時刻の30分前まで
■休館日: 12月9日(月)
※開館時間や休館日等は変更になる場合があります。
公式サイト等(https://www.kahaku.go.jp/)でご確認ください
■料金:
博物館の常設展示入館料のみでご覧いただけます。
一般・大学生:630円(団体:510円) 高校生以下および65歳以上: 無料

 

記事提供:ココシル上野


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